チャドのエシュ。ソルガムとミレットの穀物団子にオクラ・ピーナッツソースを添えた皿
🔪下準備20分
🔥調理45分
🍽️分量4
🌍料理チャド料理
アフリカレシピ

エシュの作り方|チャドの穀物団子とオクラソース

26分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

調理工程スライド
手順1: 粉を水で溶く
STEP 11 / 6

粉を水で溶く

所要時間10分

火は使いません。ボウルにホワイトソルガム粉120g、ミレット粉60g、水250mlを入れ、泡立て器で底から混ぜます。最初は重いですが、2分ほど混ぜると大きな粉の粒が消えます。残りのホワイトソルガム粉120gは、練り込み用として別の器に分けます。スラリーは、泡立て器を持ち上げると太い線で落ち、表面がなめらかで、粉の山が残らない粘度が目安です。

手順2: ソースの土台を炒める
STEP 22 / 6

ソースの土台を炒める

所要時間12分

中火で厚手のフライパンまたは小鍋を温め、米油大さじ2を入れます。牛肉を入れて2分焼き、表面の赤みが消えたら玉ねぎを加えます。火加減は中火のまま、玉ねぎが透明になるまで5分炒め、にんにく、トマト、唐辛子、黒こしょうを加えます。トマトの角が崩れ、鍋底に赤いペーストが薄く残るまでさらに5分炒めます。ここで水分を飛ばすと、後でソースが水っぽくなりません。

手順3: オクラとピーナッツを煮る
STEP 33 / 6

オクラとピーナッツを煮る

所要時間18分

オクラ、煮干し、コンソメキューブ、水250mlを加え、沸いたら弱めの中火にします。鍋のふちがふつふつ動く程度で8分煮ます。別の小さなボウルに無糖ピーナッツバター70gを入れ、熱い煮汁または湯200mlを3回に分けて加え、木べらでなめらかにのばします。のばしたピーナッツを鍋へ戻し、弱火でさらに8分。ソースが木べらから太い線で落ち、オクラの粘りが糸を引きすぎず全体をまとめる状態になったら、塩2gで整えます。

手順4: スラリーを湯へ入れる
STEP 44 / 6

スラリーを湯へ入れる

所要時間8分

厚手鍋に水600mlと塩3gを入れ、強火で沸かします。大きな泡が立ったら中火へ落とし、ステップ1のスラリーを細く注ぎます。注ぐ手はゆっくり、木べらは鍋底をこするように動かします。3分ほどで白い粥状になり、5分ほどで表面の泡が小さくなります。火が強すぎると底だけ固まるので、粥が跳ね始めたらすぐ弱めの中火へ落とします。

手順5: 残り粉を練り込む
STEP 55 / 6

残り粉を練り込む

所要時間12分

火加減を弱火にし、残しておいたホワイトソルガム粉120gを4回に分けて加えます。粉を入れるたびに、木べらで手前から奥へ折り返し、鍋肌に押しつけるように練ります。4分を過ぎると急に重くなり、8分ほどで鍋肌から大きく離れ始めます。焦げの匂いが出る前に火を弱く保ち、木べらを持ち上げた時に生地が一つの重い塊でついてくるまで練ります。表面はなめらかで、鍋底で直径12cmほどの丸いまとまりになり、木べらの跡が3秒残る粘度が目安です。水っぽく流れるなら弱火で2分追加し、ぼそっと割れるなら熱湯大さじ2を加えて1分練り直します。

手順6: 成形してソースを添える
STEP 66 / 6

成形してソースを添える

所要時間5分

ソースは弱火でふつふつ温め直します。エシュは火を止め、内側を水でぬらした小鉢へ押し込みます。1個あたり直径8cmほどの半球を目安にし、表面をぬらした木べらでならします。皿へ返し、オクラ・ピーナッツソースを周囲へかけます。熱いうちは柔らかく、冷めると締まるため、盛ったらすぐ食卓へ出します。手で食べる場合は、少し冷ましてから一口分を取り、親指でくぼみを作ってソースを受けます。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料スライド
材料

買い出しの前に

エシュに使うソルガム粉、ミレット粉、オクラ、トマト、玉ねぎ、無糖ピーナッツバターを並べた材料写真
ソルガム粉とミレット粉、オクラ、トマト、玉ねぎ、無糖ピーナッツを分けて準備すると作業が安定する
4品目

エシュ本体

材料 分量 代替・備考
ホワイトソルガム粉 240g 主役。たかきび粉でも作れるが香りは少し変わる
ミレット粉 60g 入手困難ならソルガム粉を同量追加
850ml 250mlをスラリー用、600mlを鍋用に分ける
3g 小さじ1/2弱。ソースの塩分が強い日は2g
13品目

オクラ・ピーナッツソース

材料 分量 代替・備考
オクラ 250g 冷凍オクラでも可。刻むほど粘りが出る
トマト 2個、約260g カットトマト缶200gでも可
玉ねぎ 1個、約180g みじん切り
にんにく 2片、約10g みじん切り
牛肉煮込み用 150g 省く場合は煮干しを10g増やす
煮干し 20g 頭と腹わたを取り、粗く割る。干し魚の代用
無糖ピーナッツバター 70g 砂糖入りは使わない
米油 大さじ2、約24g ピーナッツ油があればより近い
水または鶏がらスープ 450ml 250mlを煮込み、200mlをピーナッツをのばす用に分ける
コンソメキューブ 1個、約5g マギー風の塩気を補う。塩分を見て調整
唐辛子 1本 種を抜くと辛さが穏やか
黒こしょう 1g 小さじ1/3ほど
2g 最後に味を見て加える

ピーナッツと魚を使います。アレルギーがある場合はこのレシピをそのまま作らず、ピーナッツは白ごまペースト、煮干しは昆布だしへ変える形で別料理として組み立ててください。エシュ本体は小麦を使いませんが、粉の製造ラインで小麦混入が起きる商品もあるため、グルテンを厳密に避ける場合は表示を確認します。

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材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

📊 栄養情報(1人分)
126
kcal
4.5g
タンパク質
3.8g
脂質
19.5g
炭水化物
2.8g
食物繊維
190mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。

鍋底の粘りでわかる、サヘルの主食

粉を水で溶いた白い液を鍋へ入れると、最初はさらさらしています。ところが数分たつと、木べらの先が急に重くなり、鍋底をこする音が低く変わります。そこからがエシュ作りの面白いところです。弱火で押し返すように練るうちに、粥は一つの塊になり、ソースを受け止めるためのやわらかい団子へ変わります。

エシュ(Esh)は、チャドで食べられるミレットやソルガムの練り主食です。英語圏の資料では、北部のアラブ系住民が食べる「boiled millet flour」として Esh の名が紹介されます。一方、フランス語圏のチャド料理では、同じような穀物団子を boule de mil や boule と呼ぶ説明も多く、家庭では「粉を練った主食をソースで食べる」という形で理解する方が自然です。

厚手鍋でエシュを練り、鍋肌から離れる粘度を確認している導入写真
エシュは粉を練る時の粘度で食べやすさが決まる。木べらの重さと鍋肌の離れ方を見る

日本で作る時の難所は、材料名よりも火加減です。ソルガム粉は小麦粉のように弾力でまとまらず、とうもろこし粉だけの粥より香りが強い。水分が少ないとぼそっと割れ、水分が多いと皿で広がります。この記事では、ソルガム粉を軸に少量のミレット粉を混ぜ、先にスラリーを作ってから鍋で練る方法にします。ソースはチャドの食卓でよく見られるオクラ、トマト、ピーナッツの組み合わせに寄せ、近所で買える材料と通販で見る価値があるものを分けます。

作る前に流れをつかむ

エシュをちぎってオクラ・ピーナッツソースと食べる食卓
エシュは手やスプーンで少しずつ取り、粘りのあるソースを絡めて食べる

エシュの日は、先にソースを作っておくと落ち着きます。穀物団子は練り始めると手が離せません。横でオクラソースを煮ながら粉を練ると、どちらかが焦げます。まずオクラとトマトを煮て、ピーナッツで濃度を作り、弱火で温められる状態にしてから、エシュ本体へ移るのが家庭向きです。

流れ 台所での目安 失敗を防ぐポイント
粉を水で溶く 火を使わず10分 大きなダマをここで消す
ソースを煮る 中火から弱火で30分 オクラは先に刻み、ピーナッツは別にのばす
エシュを練る 弱火で20分 残り粉は一度に入れない
盛る 温かいうちに5分 器を水でぬらして成形する

同じ練り主食でも、タンザニアのウガリはとうもろこし粉の白い弾力が主役で、ブルキナファソのトーはソルガムの香りをオクラソースで受け止めます。エシュはその二つに近いですが、チャドの食卓らしく、穀物団子をソースの器として扱う感覚が強い料理です。

買い出しで見る価値があるもの

エシュ用の粉、無糖ピーナッツ、厚手鍋を並べた買い出し判断の写真
通販で見る価値があるのは、穀物の香りを決めるソルガム粉、甘くないピーナッツ、焦げにくい厚手鍋

近所で買うものは、オクラ、トマト、玉ねぎ、にんにく、肉、煮干しです。ここは普通のスーパーで十分です。通販で見る価値があるのは、ソルガム粉、無糖ピーナッツバター、厚手鍋の三つです。甘いピーナッツクリームを使うとソースが戻せないほど甘くなり、薄い鍋を使うと粉の練りで底だけ固まります。

ソルガム粉は、エシュの穀物感を作る材料です。全量をコーンフラワーにすると、チャドのエシュよりウガリやポレンタに近い方向へ寄ります。

掲載商品は、複数の販売先を定期的に確認し、価格・内容量・レビュー傾向・購入しやすさを比較したうえで選定しています。

ピーナッツは香りと濃度を同時に作ります。パン用の甘いクリームではなく、無糖タイプを選びます。

エシュは練る途中で鍋底へ張りつきやすい料理です。薄い片手鍋より、底が厚く、木べらで力をかけても動きにくい鍋が向きます。

日本の台所で守るところ、置き換えるところ

ゆるすぎるエシュと、半球に保てる正しい硬さのエシュを比べた写真
左のように広がると水分過多、右のように半球で止まるとソースを受け止めやすい

エシュは「粉を練った主食」なので、見た目だけならいろいろな粉で作れてしまいます。しかし、何でも代替するとチャドらしさがぼやけます。守りたいのは、サヘルで多く使われるソルガムやミレットの香り、手でちぎれる硬さ、粘りのあるソースを受ける食べ方です。

要素 現地の考え方 日本での着地点
穀物 ミレットやソルガムを練って主食にする ホワイトソルガム粉を中心に、ミレット粉を少量混ぜる
ソース boule や esh は必ずソースと食べる オクラ、トマト、ピーナッツで粘りとコクを作る
魚の旨み 干し魚や肉の旨みを少量入れる 煮干しを使い、強すぎる場合は半量にする
食べ方 手でちぎってソースをすくう 家庭ではスプーンでもよいが、硬さは手食を基準にする

オクラは冷凍でも使えます。ただし、冷凍オクラは水分が出やすいので、凍ったまま鍋に入れず、ざるに広げて表面の霜を落としてから加えます。刻みが細かいほど粘りは強くなります。さらっとしたソースにしたい日は5mm幅、しっかり絡ませたい日は粗みじんにします。

ミレット粉が見つからない場合は、ホワイトソルガム粉を300gにして作れます。完全に同じ香りではありませんが、エシュとして大きく外れません。逆に小麦粉だけ、片栗粉だけ、米粉だけで作ると、粘り方も香りも別物になります。日本の台所で現実的に守るなら、少なくともソルガム粉だけは残してください。

失敗で一番多いのは、練り始めてから粉を一気に入れることです。粉が表面に浮いてダマになり、内側だけ生っぽく残ります。残り粉は必ず4回に分け、入れるたびに完全に見えなくなるまで練ります。鍋底が焦げた時は、こそげ取って混ぜ込まないでください。焦げの匂いが全体に移ります。上のきれいな部分だけを別鍋へ移し、熱湯大さじ2を加えて弱火で戻す方が食べやすくなります。

食べ方、献立、保存

エシュとオクラソースを別々の保存容器に入れ、温め直し用の水を横に置いた写真
エシュとソースは別々に保存する。温め直す時は水を少量足して弱火で戻す

エシュは皿の中心に置き、ソースを横からかけると食べやすいです。全部を最初から混ぜると、穀物団子の食感が消えます。手で食べる場合は、親指でくぼみを作ってソースをすくいます。日本の食卓ではスプーンで一口大に切り、ソースを絡めるだけでも十分です。

献立にするなら、酸味のあるトマトサラダを横に置くと重くなりすぎません。青菜を足したい日は、ケニアのスクマウィキのような炒め方が合います。練り主食の食べ比べをしたいなら、次にボツワナのボゴベ・ジャ・レロツェガーナのバンクーへ進むと、粉、発酵、ソースの違いが見えます。

保存は、エシュとソースを分けます。エシュは浅い容器に入れて粗熱を取り、表面にラップを密着させて冷蔵2日まで。ソースも冷蔵2日までです。温め直す時は、エシュ1人分に水大さじ2をかけ、電子レンジ600Wで1分30秒温めてから混ぜます。まだ固い場合は30秒ずつ追加します。鍋で戻す場合は弱火にし、熱湯を大さじ1ずつ加えて練り直します。

冷凍はできますが、解凍後に粒感が出やすくなります。冷凍するなら一口大に切り、スープや残ったオクラソースへ落として食べる方が向きます。完成した半球のまま冷凍しても、解凍時に表面が割れやすいです。

よくある質問

エシュとトー、ウガリは同じ料理ですか?

近い料理ですが、同じとは言い切れません。どれも穀物粉を練る主食ですが、ウガリはとうもろこし粉が中心、トーはソルガムやミレットをソースと食べる西アフリカ寄りの主食、エシュはチャドの文脈で語られるミレットやソルガムの練り団子です。日本で作る時は、粉の種類と合わせるソースで違いを出します。

ミレット粉なしで作れますか?

作れます。ホワイトソルガム粉300g、水850mlで進めてください。ミレット粉を抜くと香りは少し単調になりますが、練り方とソースの骨格は保てます。水分は商品差があるので、最後に熱湯大さじ2ずつで調整します。

オクラの粘りが苦手です

オクラを5mm幅の輪切りにし、ふたをせず煮ると粘りが控えめになります。粗みじんにしてふたをすると粘りが強くなります。エシュはソースを受ける料理なので、完全にさらさらにするより、木べらからゆっくり落ちる程度の粘りを残す方が食べやすいです。

ピーナッツバターは甘いものでも使えますか?

使わない方がよいです。砂糖入りのピーナッツクリームを入れると、トマトとオクラのソースが甘くなり、塩や唐辛子では戻しにくくなります。無糖がない場合は、無塩ローストピーナッツ80gをすり鉢かフードプロセッサーで粗くつぶし、熱い煮汁でのばしてください。

肉なしでも作れますか?

作れます。牛肉を抜き、煮干しを30gに増やすと旨みが残ります。魚も避けたい場合は、干ししいたけを8g戻し、戻し汁を水の一部として使います。その場合はチャドの味そのものというより、穀物団子とオクラ・ピーナッツソースの日本向け菜食版として楽しむのが自然です。

参考にした資料

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