モロッコのバブーシュ。スパイスの効いた茶色い煮汁に殻付きのカタツムリを入れ、ミントとレモンを添えた小鉢
🔪下準備25分
🔥調理45分
🍽️分量4
🌍料理モロッコ料理
アフリカレシピ

バブーシュの作り方|モロッコ屋台のスパイス煮

24分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

調理工程スライド
手順1: エスカルゴを洗う
STEP 11 / 8

エスカルゴを洗う

所要時間5分

食品用エスカルゴ300gをざるにあけ、流水で30秒ほど軽く洗います。缶汁の金属っぽい香りが残る場合は、レモン汁小さじ1を入れた水に2分だけ浸し、ざるで水分を落とします。ぬめりが薄くなり、身の表面がつるっと滑らかな手触りになれば十分です。殻を使う場合は、別に熱湯をかけて水分を落としておきます。

手順2: スパイスを粗く砕く
STEP 22 / 8

スパイスを粗く砕く

所要時間5分

クミン、コリアンダー、アニス、キャラウェイを乳鉢に入れ、粒が小さく割れて粗い粉と粒が混ざる状態まで砕きます。完全な粉状にすると煮汁がざらつくため、2〜3割は粒のまま残します。ドライタイム、ラスエルハヌート、黒こしょう、唐辛子を別の小皿にまとめ、ミントは茎と葉に分けます。

手順3: 香味とトマトを炒める
STEP 33 / 8

香味とトマトを炒める

所要時間5分

厚手の鍋にオリーブオイル大さじ2、にんにく、トマトペーストを入れ、弱めの中火で3分炒めます。油の泡が細かくなり、トマトペーストが赤からレンガ色へ変わったら、砕いたスパイスを加えてさらに1分混ぜます。鍋底に茶色い焦げが出そうなら火を弱火に落とし、焦げる前に次の水を注ぎます。

手順4: 香りの煮汁を作る
STEP 44 / 8

香りの煮汁を作る

所要時間10分

水または薄い鶏スープ900mlを少しずつ注ぎ、中火で鍋底をこすりながら沸かします。沸いたら弱火にし、ミントの茎、オレンジの皮、ローリエを入れて8分ふつふつ煮ます。表面に小さな泡が出続け、にんにくの角が取れて香りが丸くなれば十分です。強く沸騰させるとミントの青い苦味が出ます。

手順5: エスカルゴを加える
STEP 55 / 8

エスカルゴを加える

所要時間4分

煮汁を弱めの中火に上げ、洗ったエスカルゴと殻を入れます。冷凍品を使う場合は、完全に解凍して水分を拭いてから入れてください。鍋の温度が下がるので、2〜3分かけて再びふつふつする状態へ戻します。身が崩れないよう、木べらで底から一度だけ返す程度にします。

手順6: 静かに煮含める
STEP 66 / 8

静かに煮含める

所要時間15分

火を弱火に落とし、ふたを少しずらして15分煮ます。目安は、表面に小さな泡が途切れず出る程度で、ぐらぐら踊らせません。煮汁が澄んだ茶色になり、スプーンですくったときに油の粒とスパイスが細かく浮けばよい状態です。加熱済みエスカルゴでも、中心まで熱くなるよう煮汁の温度は80℃以上を保ちます。

手順7: ミントとレモンで整える
STEP 77 / 8

ミントとレモンで整える

所要時間5分

火を止め、5mm幅に刻んだミントの葉、レモン汁小さじ2、塩小さじ1を加えます。全体を一度だけ混ぜ、ふたをして5分休ませます。休ませる間に煮汁が少し落ち着き、香草の青さとアニスの甘さがなじみます。味見して薄ければ塩をひとつまみ、苦ければレモン汁ではなく水大さじ2でのばします。

手順8: 小鉢に注いで楊枝を添える
STEP 88 / 8

小鉢に注いで楊枝を添える

所要時間5分

小鉢にエスカルゴと煮汁を1人分ずつ注ぎます。殻付きなら殻を4〜5個、肉だけなら身を大さじ3ほど入れ、煮汁は器の七分目までにします。楊枝、レモン、パン、ミントティーを添えると、現地の屋台に近い食べ方になります。熱いので、最初は煮汁を少し冷ましてから身を取ります。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料スライド
材料

買い出しの前に

バブーシュの材料。食品用エスカルゴ、殻、ラスエルハヌート、クミン、アニス、キャラウェイ、タイム、ミント、にんにく、レモンを並べる
食品用エスカルゴと香りの材料を先に分けておくと、煮汁を焦がさず作れる
8品目

エスカルゴと煮汁

材料 分量 代替・備考
食品用エスカルゴ水煮または冷凍 正味300g 加熱済み推奨。殻付きでなくても作れる
空の食用エスカルゴ殻 12〜16個 あれば。なければ省略
水または薄い鶏スープ 900ml 顆粒コンソメ小さじ1/2まで。強くしすぎない
オリーブオイル 大さじ2 サラダ油でも可
にんにく 2片 粗みじん切り。チューブなら小さじ1と1/2
トマトペースト 大さじ1 色と丸み用。入れすぎるとトマトスープになる
レモン汁 小さじ2 仕上げ用。煮込み中に入れすぎない
小さじ1 最後に調整
11品目

香りの材料

材料 分量 代替・備考
ラスエルハヌート 小さじ1 なければクミン小さじ1/2、コリアンダー小さじ1/2
クミンシードまたはパウダー 小さじ1 ホールなら軽くつぶす
コリアンダーシード 小さじ1 パウダーなら小さじ3/4
アニスシード 小さじ1/2 なければフェンネルシード小さじ1/2
キャラウェイシード 小さじ1/2 なければクミンを少し増やす
ドライタイム 小さじ1 生タイムなら2枝
ミント 15g 茎は煮汁、葉は仕上げに分ける
オレンジの皮 5cm角1枚 国産またはよく洗ったもの。レモン皮でも可
ローリエ 1枚 省略可
唐辛子またはチリフレーク 小さじ1/4 辛いものが苦手なら省略
黒こしょう 小さじ1/3 粗びき
安全に作るための注意

庭や公園で採ったカタツムリは使わないでください。寄生虫、農薬、重金属、餌由来のリスクを家庭で安全に取り除くのは現実的ではありません。食品として販売されている加熱済みエスカルゴ、冷凍エスカルゴ、殻付きの食用加工品を使い、表示どおりに加熱します。缶詰でも開封後はすぐに使い、残した場合は清潔な容器で冷蔵してください。


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材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

📊 栄養情報(1人分)
130
kcal
13.5g
タンパク質
6.0g
脂質
9.5g
炭水化物
1.8g
食物繊維
780mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。

屋台の湯気を、日本の鍋で細く再現する

小さな器を受け取ると、まずミントとアニスの甘い香りが立ちます。次に、クミン、キャラウェイ、オレンジの皮、少しだけ唐辛子。木の楊枝で殻の中を探り、熱い煮汁をひと口すする。モロッコのバブーシュ(Babbouche / بَبُّوش)は、フランス料理のエスカルゴとはまったく違う方向を向いた屋台の一杯です。

日本でそのまま作ろうとすると、最初に困るのはカタツムリです。庭や公園のものを使う料理ではありません。この記事では、食品用の加熱済みエスカルゴ缶または冷凍エスカルゴを使い、殻は見つかれば雰囲気づけ、なければ肉だけで作ります。大事なのは殻の有無より、香草とスパイスを煮汁に移し、強く沸かしすぎずに温めることです。

ハリラクスクスより材料の見た目は少し勇気がいりますが、作り方は複雑ではありません。肉を焼く料理ではなく、スパイスの湯気で貝を温める料理として考えると、家庭の鍋でもかなり寄せられます。

バブーシュとは

バブーシュは、モロッコで食べられるカタツムリのスパイス煮です。英語圏では snail soup と説明されることが多く、タイム、アニス、ミント、キャラウェイ、甘草などを含む香りの強い煮汁でゆっくり火を入れます。路上の屋台や市場で小鉢に注がれ、楊枝で身を取りながら煮汁も飲む食べ方が知られています。


日本での買い出しと商品導線

エスカルゴそのものは、輸入食材店、業務用食材店、通販の缶詰や冷凍品で探します。ただし手元に純正の商品カードがないため、本文の説明に留めます。カード化するのは、バブーシュらしい香りを作るスパイスと、ホールスパイスを粗く砕く道具です。にんにく、レモン、ミント、オリーブオイルは近所のスーパーで十分です。

ラスエルハヌートは、モロッコ料理へ何度か進むなら一つ持っておく価値があります。バブーシュでは主役というより、クミンやアニスだけでは出にくい丸い香りを補う役です。

掲載商品は、複数の販売先を定期的に確認し、価格・内容量・レビュー傾向・購入しやすさを比較したうえで選定しています。

クミンは、この煮汁をただのハーブスープにしない軸です。粉で始めてもよいですが、ホールを少しつぶすと湯気に甘い香りが乗ります。

ホールスパイスを全部粉にすると香りが平らになります。粗く割るだけの乳鉢があると、煮汁に香りは出るのにざらつきすぎない状態を作りやすいです。


日本の材料で守るところ、代えるところ

守りたいのは、ミント、アニス、クミン、キャラウェイ、タイムの「甘くて少し薬草っぽい」香りです。ここを削りすぎると、ただの貝のスープになります。逆に、殻付きであること、甘草やアラビアガムまで揃えること、屋台の大鍋のように長時間煮ることは、日本の家庭では優先度を下げて構いません。

迷う材料 守りたい理由 日本での現実的な代替
カタツムリ 料理名の核。食感と見た目を作る 食品用エスカルゴ缶、冷凍エスカルゴ。野生採取はしない
アニス バブーシュらしい甘い香り フェンネルシード。八角は香りが強いので1かけまで
甘草 現地の煮汁に出る薬草感 なくてよい。甘い香りはアニスとミントで補う
アラビアガム 煮汁に丸みを出す材料として言及される 家庭では省略。トマトペースト少量で丸みを補う
屋台らしい食べ方を作る なくても可。身だけなら小鉢でスープとして食べる

薄いH2になりやすいのは、この代替の判断です。バブーシュは珍しい食材の料理なので、珍しさだけを追うと、読者の台所から遠くなります。日本で作るなら「食品として安全なエスカルゴを使う」「香りの軸は残す」「殻と薬草素材は無理をしない」の三つを決めてから買い出しへ行くと、再現性が上がります。


失敗しやすいところ

失敗 原因 直し方
煮汁が苦い ミントの葉を長く煮た、強く沸かした 葉は最後、茎だけを弱火で煮る。苦い場合は水大さじ2〜3でのばす
生臭い 缶汁を落としていない、解凍水を入れた ざるで洗い、水気を切る。レモン水に2分だけ浸す
粉っぽい スパイスを細かくしすぎた ホールは粗く割るだけ。粉を使う場合は小さじ量を守る
身が硬い 強火で長く煮立てた 弱火のふつふつを保ち、加熱済みなら温める意識にする
ただのトマト味 トマトペーストが多い 大さじ1まで。香りはスパイスとミントで作る

食べ方と献立

バブーシュは、主菜というより「熱い小鉢」です。パンを添えて煮汁を受けると食べやすく、モロッコのザアルークタジンの前に出すと、食卓に屋台っぽい入口ができます。香りが強いので、同じ食卓に重いクリーム料理を置くより、トマト、きゅうり、レモン、オリーブの酸味がある副菜が合います。

辛味は鍋で強くしすぎない方が安全です。唐辛子は小さじ1/4に留め、辛いものが好きな人だけ小皿でチリフレークやハリッサを足します。家族で食べる場合は、最初の一杯を薄めに作り、食卓で塩とレモンを足す形にすると失敗しにくいです。


保存と温め直し

作った当日がいちばん香りが良いです。残す場合は、身と煮汁を一緒に清潔な保存容器へ移し、粗熱を取ってから冷蔵します。

保存方法 目安 温め直し
冷蔵 1日 小鍋で弱火。ふつふつしたら2分で止める
冷凍 非推奨 身が硬くなりやすい
持ち寄り 非推奨 貝類なので長時間の常温放置は避ける

温め直しでは、強火で煮返さないでください。小鍋に移して弱火にかけ、煮汁の縁に小さな泡が出たら2分だけ温めます。ミントとレモンは香りが飛ぶため、温め直したあとに少量足すと食べやすくなります。


FAQ

殻付きでないとバブーシュになりませんか?

殻付きの方が屋台らしい見た目と食べ方になりますが、食品用エスカルゴの身だけでも作れます。大事なのは、香りの煮汁で温め、楊枝やパンと一緒に小鉢で食べる流れです。殻がない場合は、スープとして食べやすいので初回にはむしろ向きます。

エスカルゴ缶の汁は使いますか?

使いません。缶汁は商品によって金属っぽさや塩気が強く、バブーシュのミントとアニスの香りを邪魔することがあります。ざるで軽く洗い、水気を切ってから煮汁に入れてください。

甘草やアラビアガムがなくても作れますか?

作れます。現地の煮汁では甘草やアラビアガムが語られることがありますが、日本の家庭では必須にしない方が再現しやすいです。アニス、ミント、クミン、キャラウェイ、タイムを残せば、香りの方向は十分に近づきます。

子どもや辛いものが苦手な人にも出せますか?

唐辛子を抜けば辛味はかなり抑えられます。ただし、ミント、アニス、キャラウェイの香りは独特です。初めて出すなら小鉢で少量にし、パンとレモンを添えて、香りを調整しながら食べる形が向いています。

野生のカタツムリを下処理して使えますか?

使わないでください。家庭で安全性を保証するのは難しく、寄生虫や餌、薬剤のリスクがあります。必ず食品として販売されているエスカルゴを使います。この一点は代替不可です。


主な参考リンク

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