マスタードソースで煮たヒルサのショルシェ・イリッシュと白いご飯
🔪下準備35分
🔥調理18分
🍽️分量4
🌍料理バングラデシュ料理・ベンガル料理

ショルシェ・イリッシュの作り方|ヒルサのマスタード煮

16分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

調理工程スライド
STEP 11 / 6

マスタードシードを水で戻す

所要時間25分

手順1: マスタードシードを水で戻す

黒マスタード30gと黄マスタード10gをボウルへ入れ、ぬるま湯80mlを注ぎます。

表面が乾かないようにして25分置き、指で押して簡単につぶれる硬さにします。

短く戻すと辛みが尖り、長く置きすぎて水分を吸い終えるとミルが回りにくくなるため、途中で一度だけ水分を確認します。

STEP 22 / 6

青唐辛子と一緒に細かく潰す

所要時間5分

手順2: 青唐辛子と一緒に細かく潰す

戻した粒に青唐辛子2本、塩ひとつまみ、残りのぬるま湯大さじ2を加えます。

すり鉢かスパイスミルで、粒の形がほぼ消えてざらりとしたペーストになるまで潰します。

完全な液体にせず、スプーンですくうとゆっくり落ちる濃度で止めます。

潰した直後は辛みが強く出るので、魚へ塗る前に5分休ませます。

STEP 33 / 6

魚に下味をつけて休ませる

所要時間10分

手順3: 魚に下味をつけて休ませる

ヒルサの両面へ塩小さじ1/2とターメリック小さじ1/2を薄くまぶし、室温に長く置かず10分休ませます。

表面に水分が出たら、焼く直前にもう一度押さえます。

ここで味を染み込ませようとして長く置くより、表面の水分を減らして鍋で崩れにくくする方が大切です。

STEP 44 / 6

マスタードオイルにニゲラの香りを移す

所要時間2分

手順4: マスタードオイルにニゲラの香りを移す

浅い鍋へマスタードオイル大さじ2を入れ、強めの中火で1分ほど温めます。

油がさらりと動き、鼻へ抜ける香りが立ったら中火に落とし、ニゲラを加えて10秒から15秒だけ弾けさせます。

焦げる前に火を止め、鍋を30秒置いて温度を少し下げます。

熱い油へ水を一気に入れるとはねるため、鍋肌からぬるま湯80mlを少しずつ注ぎます。

STEP 55 / 6

マスタードソースを整えて魚を置く

所要時間4分

手順5: マスタードソースを整えて魚を置く

鍋へマスタードペースト、残りのぬるま湯30ml、残りのターメリック、塩を加えて混ぜます。

中火で2分ほど静かに煮て、ソースが水のように流れず、スプーンの背に薄く残る、とろりとまとまった濃度にします。

スプーンで鍋底に線を引くと1秒ほど跡が残り、表面がなめらかに戻る状態が目安です。

泡が大きく立つ場合は火を弱め、ソースが煮詰まりすぎたら水を大さじ1ずつ足します。

青唐辛子2本とヒルサの切り身を重ならないように置き、鍋を軽く揺すってソースを魚の周囲へ回します。

STEP 66 / 6

蓋をして弱火で煮、仕上げの油を落とす

所要時間7分

手順6: 蓋をして弱火で煮、仕上げの油を落とす

蓋をして弱火に落とし、6分から7分煮ます。

途中で一度だけ蓋を開け、スプーンでソースを魚の上へかけます。

魚を返すと皮と身が割れやすいため、鍋を持って前後に小さく揺すります。

厚い部分の身が透けず、箸で押すとほろりと分かれ、中心温度が63℃に達したら火を止めます。

魚の身が白く不透明になっていても、中心が冷たい場合は蓋を戻して1分ずつ追加します。

火を止めてからマスタードオイル大さじ1を細く回しかけ、蓋をしたまま3分休ませます。

食用魚は中心まで加熱し、食品安全の目安である63℃、または身が透けずフォークで簡単に分かれる状態を確認します。

マスタード、魚にアレルギーがある人には出せません。

マスタードオイルは香料用や外用ではなく、食用として販売されている商品を使います。

熱い油へ水を加える工程では、必ず火を止めて鍋を少し冷まし、水を鍋肌から少量ずつ注いでください。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料スライド
10品目

材料

直径24cm前後の浅いフライパンか、底の広い厚手鍋を使います。 切り身を重ねずに置ける広さが必要で、深い鍋よりもソースをすくいやすい形が向いています。

ヒルサの切り身、黒と黄のマスタード、マスタードオイル、青唐辛子、ターメリックを並べた材料
黒と黄のマスタードを分けて用意すると、辛みと香りを調整しやすい
材料 分量 代替・備考
ヒルサの切り身 4切れ、約800g 冷凍品は冷蔵庫で解凍。なければ脂のあるサバかニシン
黒マスタードシード 30g、大さじ3 辛みの主役。黄マスタードだけなら合計40gにする
黄マスタードシード 10g、大さじ1 香りを丸くする。黒マスタードだけより食べやすい
マスタードオイル 45ml、大さじ3 食用表示のあるもの。仕上げにも少量使う
ターメリックパウダー 小さじ1 魚の下味とソースに分ける
小さじ1と1/2 魚に小さじ1/2、ソースに残り
ニゲラ(カロンジ) 小さじ1/2 なければ省略。クミンで置き換えると香りが変わる
青唐辛子 4本 2本はペースト用、2本は煮込み用。辛さは本数で調整
ぬるま湯 220ml マスタードを潰す水と煮汁に使う
白飯 米2合分 ソースを受け止めるため、やわらかすぎない炊き上がりにする

黒マスタードは辛みが強く、黄マスタードは香りに厚みを足します。 両方を水で戻してから潰すと、粉末マスタードだけで作るより粒の香りが残ります。 辛さが苦手でも、黒マスタードを減らして黄マスタードだけにすると料理の方向が変わるため、まずは黒20g、黄20gの配分で試す方が調整しやすいです。

マスタードオイルは、加熱用の食用商品を選びます。 この料理で確認したいのは、食用表示、容量、原産国表示の3点です。 1L瓶は数回作る人には使いやすい一方、一度だけ作る人には多く、米油で煮て仕上げだけ練りからしを少量溶く方が無駄は出ません。

魚、マスタード、油を一度に揃えると香りの強さを逃がしにくい反面、ヒルサの骨とマスタードの辛みに慣れていない人には重く感じることがあります。 初回の食卓に子どもや魚の骨を避けにくい人がいるなら、切り身の一部だけをサバで作るか、後述の骨の扱いを先に確認してください。

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材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

📊 栄養情報(1人分)
118
kcal
8.0g
タンパク質
8.0g
脂質
4.5g
炭水化物
0.5g
食物繊維
195mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。
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材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

雨の川辺から、黄色いソースの皿へ

マスタードオイルを浅い鍋で温めると、鼻へ抜ける辛い香りが先に立つ。 そこへ黒いニゲラの種を落とすと、細かな音が油の上で弾け、青唐辛子の青い匂いが重なる。 最後に置くのは、銀色の皮を持つヒルサの切り身だ。 黄色いソースが身の表面を包み、白いご飯へ流れる頃には、魚料理なのに調味料の存在感が主役になっている。

ショルシェ・イリッシュ(Sorshe Ilish / Shorshe Ilish)は、ヒルサ(Ilish / Hilsa)をマスタードのペーストとマスタードオイルで煮るベンガルの魚料理です。 ヒルサの脂を、黒マスタードの強い辛み、黄マスタードの丸い香り、青唐辛子で受け止めます。 蒸して仕上げるイリッシュ・バパや、葉で包んで蒸すパトゥリと似た材料を使うことがありますが、こちらは浅い鍋に煮汁を張り、魚とソースを同時に食卓へ出す料理です。

ヒルサは小骨が多く、日本の切り身魚の感覚で大きくほぐすと食べにくくなります。 魚を返さず、ソースを上からかけ、身が透けなくなるところで止める。 この三つを守ると、冷凍ヒルサでも料理の輪郭が残ります。

浅い鍋で煮上がったヒルサと、黄色いマスタードソース
マスタードソースが魚の表面を包み、白飯へ向かう仕上がり

ヒルサが特別な魚になった背景

ヒルサは学名を Tenualosa ilisha といい、バングラデシュでは国魚として扱われています。 海で成長し、河口からパドマ川、ジャムナ川、メグナ川、カルナフリ川などへ遡上する魚です。 産卵のために川を上る時期と、海や河口で脂を蓄える時期があるため、魚の話が川の名前、季節、市場の値段、家族の行事へつながります。

バングラデシュ観光局の紹介でも、ヒルサはパドマ川、メグナ川、ジャムナ川のデルタと結び付けられ、なかでもパドマの魚が珍重されると説明されています。 焼く、揚げる、蒸す、燻すなど調理法は一つではありません。 マスタードソースで煮るこの料理も、魚を特別な日に少量ずつ味わう方法の一つとして読むと、強い香りと骨の多さが腑に落ちます。

ベンガルの食卓では、魚と米の組み合わせが料理の中心にあります。 ベンガル新年の食卓でヒルサが選ばれることもあり、バングラデシュとインド・西ベンガルのあいだでは、パドマのヒルサを好むか、ガンジス水系の魚を好むかという地域の記憶も語られてきました。 同じ「ヒルサとマスタード」でも、家庭によって魚を揚げてから煮るか、最初から蒸すか、ソースを濃くするかが変わります。 ショルシェ・イリッシュの由来を一つの店の名物へ固定するより、ベンガルの米食、川魚、マスタードを組み合わせる家庭料理の流れで捉える方が実態に近いです。 地域差は、魚の水系だけでなく、切り身を先に焼くか、マスタードペーストを蒸気で火入れするか、食卓でソースをどれだけ残すかにも表れます。

近年のヒルサは、食文化だけでなく漁業管理の対象でもあります。 WorldFishは、1990年代後半に稚魚の漁獲や生息環境の悪化で資源が落ち込んだ後、禁漁期、保護区、漁民への補償などを組み合わせて回復を図ってきた経緯を報告しています。 買う時は小さすぎる魚を選ばず、原産地や漁獲時期の表示がある商品を確認します。

川の市場、ヒルサ、青唐辛子、マスタードの種、バナナの葉を並べた食卓の風景
ヒルサ料理を川、米、マスタードのつながりから見る
呼び方について

Ilish、Hilsa、Hilsha は同じ魚を指す表記です。 ベンガル語では ইলিশ と書きます。 日本語表記は資料や店によってイリッシュ、イリシ、ヒルサが混ざるため、検索では「Hilsa」「Ilish」「Shorshe Ilish」を併用すると探しやすくなります。

骨の多い魚を、日本の台所で扱う

ヒルサの小骨は、火を強くしても消えません。 煮上がった切り身を箸で大きく崩すのではなく、皿の上で背骨に沿って身を分け、見つけた骨を横へよけながらご飯と合わせます。 骨を探す時間まで料理の一部になる魚なので、急いで食べる昼食より、ソースを少しずつご飯に混ぜる食卓に向いています。

火を通したヒルサの身をほぐし、細かな骨を皿の右側へ分けている様子
身と骨を分けてからご飯へ合わせると、ヒルサを安全に食べやすい

ヒルサが見つからない時の順番は、脂と身の厚さで考えます。

料理との近さ 火入れの調整
冷凍ヒルサ 脂、香り、骨の多さが最も近い 冷蔵解凍して水分を押さえ、レシピどおり
サバ 脂があり、日本で買いやすい マスタードオイルを大さじ2に減らし、弱火の煮込みを5分から6分にする
ニシン 脂と小骨があり、米に合う 身が薄ければ煮込みを5分で確認する
サワラ 骨が少なく食べやすい 脂が軽いため、ソースを大さじ1分だけ長く煮詰める

サバやニシンで作った場合も、料理名をヒルサ料理のままにせず、「サバのショルシェ風」と説明すると味の違いが伝わります。 白身魚へ替えるとマスタードの辛みだけが前に出やすく、脂のある魚を選ぶ方がソースとご飯の関係を保てます。

つまずいた時の戻し方

状態 起きやすい原因 戻し方
マスタードが苦く尖る 粒を戻さず潰した、またはペーストを強火で煮た ぬるま湯大さじ2を足し、弱火で2分。焦げた苦みは戻さず作り直す
ソースが水っぽい 魚を置く前に煮詰めていない 魚を皿へそっと出し、ソースだけを中火で2分から3分煮詰めて戻す
魚が割れる 煮込み中に返した、沸騰が強い 返さず、スプーンで上からソースをかける。次回は火を一段下げる
香りが強すぎる 仕上げ油まで多く入れた ご飯を多めに盛り、次回は仕上げ油を省く。米油で全量を置き換えると別の味になる

マスタードシードを細かく潰す回数が多い人は、小型のスパイスミルを買う意味があります。 確認するのは、乾燥した粒を一度に少量挽けること、容器が洗いやすいこと、黒マスタードの香りが残っても他のスパイスへ移しにくいことです。 一度だけ作る人や、すり鉢を持っている人は、包丁で粒を軽く刻んでからすり鉢へ移せば十分なので、買わずに進められます。

白飯に添えると、ソースの濃さが決まる

ショルシェ・イリッシュは、魚だけを小皿で味わうより、白飯へ黄色いソースを少しずつ移して食べると味の強さが整います。 皿の中央にご飯を盛り、魚を横へ置き、最初にソースを大さじ1だけご飯へかけます。 マスタードの辛みが強ければご飯を足し、脂が重ければ青唐辛子をよける。 調味料を薄めるために水を足すより、米の量で受け止める方が自然です。

バングラデシュの家庭料理らしい流れを作るなら、魚の横に少量のボルタを添えます。 ベグン・ボルタの焼きなすの香り、アーム・エル・アチャールの青マンゴーの酸味は、魚を増やさずに皿の表情を変えます。 同じヒルサでも玉ねぎとトマトを煮詰めるイリッシュ・ブナとはソースの作り方が違うため、食べ比べるとマスタードを主役にする意味が分かります。

マスタードソースのヒルサを白飯に添え、青唐辛子をのせた金属皿
白飯へソースを少しずつ移しながら、魚の脂と辛みを調整する

よくある質問と保存の目安

雨の川辺に近い市場で売られるヒルサと、マスタードの種、白いご飯
ヒルサを探す時に見る魚の形と、料理へつながるマスタード

Q. ヒルサはどこで探せますか?

南アジア食材店や冷凍魚を扱う輸入食材店で、Hilsa、Ilish、Hilsha の表記を探します。 店頭で見つからない時は、脂のあるサバで作り、マスタードオイルと粒を潰す工程を残してください。 魚を買ったら表示どおりに冷凍保存し、使う分だけ冷蔵庫へ移して解凍します。

Q. 粉末マスタードやチューブのからしで代用できますか?

無糖・無塩の乾燥マスタードパウダーなら、黒マスタード20g、黄マスタード20gの代わりに大さじ3から試せます。 ぬるま湯を少しずつ加え、5分休ませてから使います。 和からしのチューブは酢、塩、油などが入っている商品が多く、ソースの塩分と酸味が変わるため、同量置換には向きません。

Q. マスタードオイルを全部米油にできますか?

できますが、マスタードオイルの青く辛い香りは残りません。 初回に家族の反応を見たいなら、加熱用を米油大さじ2、マスタードオイル大さじ1にし、仕上げ油を省く方法が現実的です。 それでも香りが足りなければ、次回にマスタードオイルの割合を増やします。

Q. 作った後はどのくらい保存できますか?

食後は長時間室温に置かず、魚とソースを浅い保存容器へ移して冷蔵します。 骨が多い魚は温め直しで身が崩れやすいため、翌日までを目安に食べ切ると扱いやすいです。 温め直しは小鍋に移して水を大さじ1加え、弱火で中心まで温めます。 再加熱した魚は中心まで74℃を目安にし、冷凍と解凍を繰り返しません。

Q. 子どもや骨が苦手な人にも出せますか?

小骨を完全に取り除く料理ではないため、骨を避けにくい人へヒルサの切り身をそのまま出すのは向きません。 骨取りサバやサワラへ替え、身を崩さず取り分けてから出す方が安全です。 大人が食べる場合も、最初に背骨に沿って身を分け、骨を確認してからご飯へ混ぜます。

主な参考リンク

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