蓋を開ける前の鍋から、ココナッツと青唐辛子を混ぜた緑のマサラ、揚げたメティの団子、さまざまな冬野菜の匂いが重なって立ち上がります。
ウンドゥユ(Undhiyu)は、インド西部グジャラートで冬に作られる野菜料理です。 名前の由来になったのは、鍋を逆さにする昔の調理法です。 土の鍋に豆、いも、なす、青い香味野菜を重ねて密閉し、火の上または火の近くでゆっくり火を通すため、鍋の底から具材をかき混ぜる料理とは少し違います。
日本の家庭では、厚手の蓋付き鍋に置き換えます。 大事なのは、野菜を同じ大きさに切ること、崩れやすいムティヤと青バナナを後から入れること、煮ている途中に何度も混ぜないことです。 この三つを守れば、スルティ風の緑の香り、ほくほくした根菜、表面が香ばしく中がほどけるメティのムティヤを一つの鍋にまとめられます。
グジャラート語の料理名は Undhiyu と綴られ、日本語では「ウンドゥユ」「ウンディユ」などの表記があります。 本記事では原語の発音に近い「ウンドゥユ」を主表記にし、検索で見かける Undhiyu とウンディユも併記します。
作り方:硬い野菜を下に、崩れやすい具を後に
切った野菜を一度に鍋へ入れると、いんげんが柔らかくなるころには青バナナやムティヤが崩れます。 火の入りにくい具を下に、形を残したい具を上に置き、最後にムティヤを加える段取りにします。
所要時間15分
平さやいんげん250gは両端と筋を取り、4cm幅に切ります。 ベビーなす160gと小じゃがいも200gは、へたを残して縦に十字の切り込みを入れますが、底まで切り離しません。 さつまいも220gと紫ヤム200gは皮をむいて3cm角、青バナナ200gは皮を厚めにむいて4cm幅に切ります。 紫ヤムの汁で手がかゆくなる場合は手袋を使い、切った具は水に長く浸けず、布巾で水気を押さえます。
冷凍グリーンピース150gは解凍して水気を切ります。 トゥヴァル・リルヴァ(青いキマメ)が手に入る場合は同量で置き換えられますが、豆の皮が硬ければ、湯に通さずにそのまま重ねる家庭向け配合では火が遅れます。 生メティ80gは葉を洗い、茎の太い部分を除いて2〜3mm幅に刻み、布巾で水分を押さえます。 下準備として、この段階では火を使いません。 切った面が乾かず、いんげんの幅と根菜の角がそろっていれば、下処理は完了です。

- ココナッツの緑のマサラを作る
所要時間10分
香菜70g、グリーンガーリックまたはにんにくの芽50g、しょうが15g、にんにく15g、青唐辛子10g、ココナッツファイン80g、無塩ピーナッツ35g、白ごま15g、きび砂糖またはジャガリー18g、レモン汁20ml、コリアンダー・クミンパウダー5g、塩5gをフードプロセッサーに入れます。
最初はパルス運転で刻み、全体が湿った粗いふりかけ状になったら止めます。 水を足して滑らかなペーストにすると、なすの切り込みから流れ出て鍋底にたまりやすくなります。 刃が回らないときだけ水を5mlずつ加え、合計15ml以内に収めてください。 指でつまむとまとまり、粒の大きさが1〜3mmほど残る状態が目安です。 できたマサラの3分の2を詰め物用、3分の1を鍋の層用に分けます。

- メティのムティヤの生地を作る
所要時間10分
ボウルに刻んだメティ80g、ベサン(ひよこ豆粉)60g、全粒粉またはアタ80g、アジョワン1.5g、ターメリック1g、チリパウダー1g、塩3g、ベーキングソーダ1gを入れます。 油15mlとレモン汁10mlを加え、指先で葉に粉をまとわせるように混ぜます。 水を20mlから加え、足りなければ5mlずつ追加して、粉気が消えたところで止めます。
生地を強くこね続ける必要はありません。 手のひらで押すとまとまり、持ち上げたときにひびが大きく開かない柔らかさなら十分です。 12等分して、長さ4cm、直径1.5cmほどの小さな楕円にします。 割れる場合は水を5ml、べたつく場合はベサンを5g足してください。

- ムティヤを揚げ、中心を柔らかく残す
所要時間10分
小さめの深鍋に揚げ油300mlを入れ、中火で165〜170℃にします。 温度計がなければ、生地の小片を落として3秒ほどかけて浮き、周囲に細かな泡が出る状態を見ます。 すぐ濃く色づくなら火が強すぎます。
ムティヤを一度に詰め込まず、4〜5個ずつ4〜5分揚げます。 表面が薄いきつね色になり、箸で押すと少し戻るところで取り出します。 外側を濃い茶色まで揚げると、後の蒸し煮で中心が戻らず、硬い団子になります。 網に上げて油を切り、使うまで常温で置きます。

- なすとじゃがいもにマサラを詰める
所要時間8分
十字に切ったベビーなすと小じゃがいもの切れ目を指で少し開き、マサラを一個につき小さじ2ほど押し込みます。 なすの切り込みは幅5mm前後、じゃがいもは中心から1cm手前までに留め、皮が輪のようにつながった状態を保ちます。 詰め物は奥へ押し込みますが、皮が裂けるほど詰めません。 残ったマサラは野菜の層に使うので、無理に使い切ろうとしなくて大丈夫です。
なすは火が通ると皮から中身が滑りやすくなるため、切り込みを完全に開くより、具を抱えられる幅に留める方が鍋の中で形を保ちます。 じゃがいもが大きい場合は、十字を深くして中心まで火が届く道を作ります。

- 油を熱して層を重ねる
所要時間10分
厚手の蓋付き鍋に落花生油または米油30mlを入れ、中火にかけます。 マスタードシード3g、クミンシード3g、フェヌグリークシード1gを入れ、ぱちぱちと弾けたらヒング0.5gを加えます。 フェヌグリークは焦げると苦みが強くなるため、香りが出たらすぐ次へ進みます。
鍋底にいんげんとグリーンピースを広げ、残りのマサラの3分の1を散らします。 その上にさつまいも、紫ヤム、詰めたなすとじゃがいもを置き、さらにマサラを散らします。 青バナナとムティヤはまだ入れません。 鍋の縁から水150mlを注ぎ、具の上へ直接かけないようにします。

- 蓋をして弱火で野菜を蒸し煮にする
所要時間25分
蓋をぴったり閉め、弱火に落として20分煮ます。 鍋底から小さく泡が出続ける程度で、蓋の隙間から蒸気が勢いよく出るなら火が強すぎます。 途中で混ぜると、なすと紫ヤムが崩れてマサラが水に溶けます。
20分後に一度だけ蓋を開け、じゃがいもの中心へ竹串を刺します。 まだ硬ければ蓋を戻して5分追加します。 鍋底が乾き、油が焦げる匂いがする場合は、熱湯20〜30mlを縁から加えます。 野菜から水が出ている場合は足しません。 さつまいもと紫ヤムは串が通り、いんげんは指で押すと折れるが繊維が完全には消えていない状態が目安です。

- ムティヤと青バナナを加えて仕上げる
所要時間12分
野菜が9割ほど柔らかくなったら、揚げたムティヤ12個と青バナナを上へ置きます。 マサラが残っていれば、ムティヤの上に薄く塗ります。 再び蓋をして弱火で8〜10分煮ます。
青バナナに串が入り、ムティヤを箸で割ると中心に粉の白さが残っていなければ火を止めます。 最後にレモン汁10mlと刻んだ香菜10gを加え、鍋を揺すって一度だけ全体を動かします。 5分置くと、鍋底のマサラが少し落ち着き、ムティヤの表面にも味が回ります。

失敗したときの戻し方
野菜が硬いのに水分だけ多い場合は、具を混ぜずに蓋を少しずらし、弱めの中火で5〜8分水分を飛ばします。 焦げた匂いが出た場合は、上の具だけを別鍋へ移し、焦げた底をこすりません。 熱湯50mlと残ったマサラを別鍋へ加えて再加熱すれば、苦い焦げを全体へ広げずに済みます。
ムティヤが硬いときは揚げすぎか生地の水分不足です。 まだ鍋に入れる前なら、熱いマサラを大さじ2かけて蓋をし、弱火で10分蒸します。 鍋の中で硬くなった場合も、具を崩さないよう端へ寄せ、熱湯大さじ2を加えて5分追加します。 割れてしまったムティヤは失敗ではなく、マサラにとろみと香ばしさを足す具としてそのまま食べられます。
途中で見つける、味の決め手
買い出し:フェヌグリークは種と葉を混同しない

この料理で通販を使う価値があるのは、近所で見つけにくいホールスパイスと、緑のマサラを粗く均一にする道具です。 生メティの葉はムティヤの主役ですが、店頭で鮮度を見て買えるならカードに頼らず、手に入らない日はほうれん草と乾燥メティで作る方が現実的です。
フェヌグリークシードは、メティの葉そのものではありません。 このレシピではテンパリングに1gだけ使い、油の中で弾ける香ばしさと軽い苦みを足します。 購入ページでは、粉ではなくホール状の種子であることと、内容量を確認してください。 すでに家にあるなら買い足し不要です。 余った種は、豆の煮込みで香りを立てるチャナマサラにも回せます。
緑のマサラを大量に作る場合は、小型フードプロセッサーがあると、ココナッツやピーナッツだけが底に残る状態を避けやすくなります。 購入ページでは、刻む刃が付属すること、容器の容量、洗う部品の数を確認してください。 一度だけ作るなら、包丁で細かく刻んですり鉢でつぶしても構いません。買う理由は、ウンドゥユのためだけでなく、アヴィアルやチャトニにも同じ道具を回せるかどうかで決めます。
包丁で香菜とにんにくを細かく刻み、すり鉢でピーナッツをつぶす方法でも作れます。 マサラに粒が残るほど、現地の素朴な食感には近づきます。 フードプロセッサーは、ウンドゥユを毎年作る、チャトニやアヴィアルも作る、刻み作業を手で続けにくい、という条件がそろう人向けです。
グジャラートの冬の食卓と地域差:逆さの鍋

グジャラート州観光局の案内では、ウンドゥユは土の鍋 matlu に豆、青バナナ、紫ヤム、ムティヤなどを重ね、逆さにして火を入れる料理として紹介されています。 料理名の undhu も「逆さ」を意味し、鍋を上下から包むように火を当てる昔の方法が料理名に残りました。 現代の家庭や販売店では普通のコンロや厚手の鍋を使う作り方も広がっていますが、層を崩さず、弱火で水分を閉じ込める考え方は共通しています。
スルティ風は、南グジャラートのスーラト周辺で知られるタイプです。 緑のマサラ、グリーンガーリック、ココナッツ、季節の豆、揚げたメティのムティヤを組み合わせ、甘みと酸味を尖らせずにまとめます。 日本で材料を替えるときも、緑の香りを残すために、にんにくの芽と香菜を一緒に使うのが効果的です。
一方、カティヤワディ風は、トマトや赤唐辛子を使った赤いグレービーと、強めの辛さを軸にする家庭レシピがあります。 野菜を先に揚げてから合わせる作り方もあり、同じウンドゥユでも、緑の煮込みと赤い濃い煮込みでは食べた印象が変わります。 三つ目の「マトラ」は地域名というより、土鍋を逆さにして作る方法を指す文脈で使われます。 呼び名だけで一つの正解に決めず、どの野菜を使い、どの香りを主役にしているかを見ると違いが分かります。
| 型 | 味と調理の軸 | 日本での判断 |
|---|---|---|
| スルティ風 | 緑のココナッツマサラ、青い香味野菜、揚げたムティヤ | 本記事の配合。野菜の甘みを残すため、辛さを増やしすぎない |
| カティヤワディ風 | 赤唐辛子やトマトの濃いグレービー、強い辛み、揚げ野菜 | 別料理として作る。スルティ風のマサラへトマトを足して済ませない |
| マトラのウンドゥユ | 土鍋を逆さにし、上下から火を当てる | 家庭では厚手の鍋と蓋、弱火、少ない水分で考え方を残す |
ウンドゥユが冬の料理である理由は、材料がそろう季節と食べる場面が重なっているからです。 Surti papdi、青いキマメ、紫ヤム、青バナナ、グリーンガーリックは、冬の市場で料理の組み合わせを作る食材です。 グジャラートの凧揚げ祭り Uttarayan や Makar Sankranti の時期には、プーリーと一緒に大皿へ盛られ、甘いシュリカンドやジャレビを添える食卓も紹介されています。
日本では、揚げたプーリーまで同時に作ると作業が重くなります。 最初は市販のナンや薄いロティを添え、ウンドゥユの野菜とムティヤの食感を見る方が、料理の中心を外しません。 余裕がある日は、前日にマサラとムティヤを準備し、当日は野菜を切って鍋を仕上げると、祭日の昼食のように大きな鍋を囲めます。 同じグジャラートの食卓で、メティの葉を粉に練り込むテープラと並べれば、冬野菜の煮込みと平焼きパンの役割も比べられます。
保存とよくある質問
ウンドゥユは作った当日に食べると、いんげんの歯切れ、根菜のほくほく感、ムティヤの外側の香ばしさがそろいます。 残りは粗熱を取ってから浅い密閉容器へ分け、室温に長く置かず冷蔵します。 USDAは調理済みの残り物を冷蔵で3〜4日以内に使うよう案内していますが、この料理は青バナナとムティヤの食感が落ちやすいため、家庭での味の目安は3日以内です。 冷凍すると安全性とは別に、解凍後のなす、いも、ムティヤが水っぽくなりやすいので、食感を重視するなら冷凍しません。 再加熱は鍋に入れて弱めの中火で中心まで温め、乾いていれば熱湯を大さじ1ずつ加えます。 酸っぱい匂い、ぬめり、容器を開けたときの違和感があれば、味見をせず廃棄してください。
よくある質問
グリーンガーリックがないと、ウンドゥユになりませんか?
なり立ちは変わりますが、にんにくの芽40gとにんにく5gで作れます。 緑の香りが弱い分、香菜を増やすより、青唐辛子を増やしすぎず、レモンを最後に入れて後味を締めてください。
青バナナは黄色いバナナで代用できますか?
黄色く熟したバナナは煮崩れて甘みが前に出るため、向きません。 青バナナがなければ、れんこん150gを4cm幅に切り、最後の8〜10分に加えます。 れんこんは青バナナの味にはなりませんが、他の根菜と違う歯切れを足せます。
ムティヤを揚げずに作れますか?
蒸し器で12〜15分蒸してから鍋へ加える方法もあります。 揚げたものより表面の香ばしさは弱くなりますが、油を減らしたいときの選択肢です。 生地を大きくすると中心が蒸れにくいため、揚げる場合と同じ4cmの楕円にそろえます。
料理が辛くなりすぎました。
砂糖を大量に足すより、別に蒸したじゃがいも100gか、煮たひよこ豆100gを加えて味を分散させます。 水だけを足すとマサラの香りまで薄くなるため、少量ずつ加えて、最後にレモン汁を2〜3mlずつ調整します。
6つの替え方
| 変え方 | 使う材料・工程 | 変わるところ |
|---|---|---|
| 豆を日本寄りにする | いんげんとグリーンピースを使う | 青い豆の香りは軽いが、冬野菜の層は作れる |
| メティを替える | ほうれん草60gと乾燥カスリメティ3g | ムティヤの苦みが穏やかになる |
| 青バナナを替える | れんこん150gを最後に加える | 甘みより歯切れが立つ |
| ムティヤを蒸す | 成形後に蒸してから鍋へ入れる | 表面が柔らかく、油を減らせる |
| カティヤワディ風に寄せる | 別鍋でトマト、赤唐辛子、タマリンドを煮て添える | スルティ風とは別の赤い辛みになる |
| 食卓を軽くする | プーリーをロティに替える | 揚げ物を減らして、野菜の煮込みを主役にできる |







