白くつやのあるニショルダを青い器に盛り、パティルと緑茶を添えたウズベキスタンの食卓
🔪下準備45分
🔥調理35分
🍽️分量4
🌍料理ウズベキスタン料理

ニショルダの作り方|ウズベキスタンの白い泡菓子

13分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

調理工程スライド
STEP 11 / 5

根を折って煎出する

所要時間25分

手順1: 根を折って煎出する

イェトマクまたは食品用甘草根5gを流水でさっと洗い、乳鉢か包丁の背で5〜10mmほどに折ります。鍋へ水120mlと一緒に入れ、沸騰したら弱火に落として25分煮出してください。液体が薄い琥珀色になり、甘草ならリコリスのような香りが立てば火を止めます。こして15mlを取り分け、粗熱を取ります。

水がほとんど残らないほど煮詰まった場合は、無理に絞らず、湯を少量足して15mlへ戻します。反対に香りが強い煎液を全量入れると卵白の軽さが消えるので、最初は15mlを上限にします。根を折る作業は硬いままでは滑りやすいため、まな板の上で布巾をかぶせて押さえると安全です。

STEP 22 / 5

ゼラチンを戻す

所要時間5分

手順2: ゼラチンを戻す

粉ゼラチン0.5gへ冷水5mlを加え、5分置いてふやかします。根の煎液を使う直前に50〜60℃まで温め、ふやかしたゼラチンを溶かします。沸騰させると固まり方が弱くなるため、粒がなく、さらりとした液体になったら火から外してください。根の泡立ちが十分に強い場合や、ゼラチンを使わない場合は、この工程を省けます。

STEP 33 / 5

砂糖液を112℃まで煮る

所要時間20分

手順3: 砂糖液を112℃まで煮る

小鍋へグラニュー糖360g、水108ml、食用クエン酸0.4gを入れ、中火で砂糖を溶かします。全体が沸いたら、鍋肌についた砂糖を濡らした刷毛で落とし、それ以降は混ぜません。温度計があれば112℃で火を止めます。公式の大量調製では、砂糖1kgに対して水300g、糖液を112℃まで煮る割合が示されています。ここではその比率を家庭量へ縮めています。[ウズベキスタン・ムスリム局の調製法](https://www.muslim.uz/uz/e/post/32281-nisholda?page=2&per-page=1)を参照しました。

温度計がなければ、冷水へ糖液を一滴落としてください。指で触れられる温度まで冷ましてから、柔らかい小さな玉になり、指で押すとつぶれる状態が目安です。水へ散ってしまうなら早く、硬い飴になるなら煮詰めすぎです。112℃を超えて116℃近くまで上がると、泡へ混ぜた後に硬くなりすぎたり、結晶が戻ったりしやすくなります。

STEP 44 / 5

卵白を根の煎液と泡立てる

所要時間15分

手順4: 卵白を根の煎液と泡立てる

水分と油分のない大きめのボウルへ、冷たい殺菌済み卵白120gを入れます。低速で2分ほどほぐしてから高速にし、角が立って先端が少し曲がるまで8〜10分泡立てます。ここで根の煎液15mlと、使う場合はゼラチンを溶かした液を細く加え、さらに5〜7分泡立ててください。泡立て器を持ち上げた時に筋が消えず、ボウルを傾けてもすぐ流れなければ次へ進みます。

根の煎液を一度に注ぐと泡の一部だけが水っぽくなるので、ボウルの側面へ沿わせます。卵白がぬるい、ボウルに洗剤の油膜が残っている、煎液を入れすぎた、というどれかがあると、糖液を入れる前から泡が締まりません。

STEP 55 / 5

糖液を細く流し、冷やす

所要時間35分

手順5: 糖液を細く流し、冷やす

糖液が55〜60℃まで下がったら、泡立て器を中速で回しながら、ボウルの内側へ沿わせて5〜7分かけて流し入れます。熱い糖液を一度に落とすと卵白の一部が固まり、泡が分離します。全量を加えた後は高速で8〜10分、白くつやが出て、すくった跡がゆっくり戻るまで泡立てます。最後にバニラエッセンスまたはアニス粉を少量混ぜます。

浅い器へ移し、表面をならして冷蔵庫で30分冷やします。完成時は冷たいメレンゲより重く、スプーンですくった山が崩れません。ボウルの底に透明な糖液がたまっていなければ、泡と糖液がつながった合図です。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料スライド
11品目

買い出しの前に

ニショルダの材料。卵白、砂糖、根の煎液、食品用甘草根、粉ゼラチンを木の台に並べた様子
根の煎液と糖液が白い泡を支える材料

卵白は加熱しきらない工程があるため、殻付き卵を割って使うより、表示を確認できる殺菌済み卵白を選びます。卵白120gは、大きめの卵4個分がおおよその量です。

材料 分量 用意する時の判断
食用イェトマク(soap root) 5g 5〜10mmに折れる乾燥品。手に入らなければ食品用甘草根5gへ置き換える
水(根の煎液用) 120ml 煎出後に15mlだけ使う。残りは保存せず捨てる
殺菌済み卵白 120g 冷えた状態で使う。殻付き卵を使う場合も殺菌済み表示を優先する
グラニュー糖 360g 糖液の濃度を測る基準。減らすと泡が締まりにくい
水(糖液用) 108ml 砂糖の30%。最初に砂糖を溶かすために使う
食用クエン酸 0.4g 甘さを締める。なければレモン汁小さじ1で代用できるが、液体が増える分だけ泡はゆるくなる
粉ゼラチン 0.5g 家庭版の補助。冷水5mlでふやかして使う。原型の根の煎液だけで作る場合は省ける
冷水(ゼラチン用) 5ml ゼラチンを戻すために使う
バニラエッセンスまたはアニス粉 少量 どちらか一方を好みで。香りを足しすぎない
パティルまたはプレーンなパン 適量 すくって食べるための添え物。なければ薄切りの食パンでもよい
緑茶 適量 甘さを受け止める飲み物
メモ

イェトマクと甘草の違い

イェトマクは、中央アジアでニショルダの泡を支えてきた食用の根です。研究資料では、イェトマク(soap root)をサポニンを含む植物の根として扱い、ニショルダの白く泡立つ状態との関係を示しています。フェルガナ国立大学の研究資料では、Allochrusa gypsophiloides(旧属名を含む表記あり)の根が取り上げられています。

日本で買う時は、商品名だけでなく「食品用」「食用」と明記されているかを確認してください。園芸用の根、用途が分からない薬草、観賞用植物の根を料理へ流用してはいけません。食品用甘草根は探しやすい代替ですが、香りが強く、現地のイェトマクと同じ味にはなりません。根を使わない卵白だけの泡は、ニショルダの家庭版というより甘いメレンゲに近い仕上がりになります。

甘草を代替にするなら、リンク先で「原材料名:甘草」「内容量:200g」「原産国:韓国」を確認します。商品ページが漢方薬や健康食品の用途だけになっている場合は料理に使わず、食品・乾物として表示されたものを選んでください。

ニショルダは卵白を十分に加熱しない菓子です。生食用または殺菌済み表示の卵白を使い、ボウルと泡立て器は洗浄して水分と油分を拭き取ってください。妊娠中の方、乳幼児、高齢者、免疫機能が低下している方は、生または加熱不十分な卵を避ける判断を優先します。粉ゼラチンは製品によって動物由来のため、原材料表示も確認してください。
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材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

📊 栄養情報(1人分)
380
kcal
3.8g
タンパク質
0.0g
脂質
90.5g
炭水化物
63mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。
Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

白い泡をすくう、ニショルダの食卓

鍋で煮詰めた砂糖液を、つやのある卵白の泡へ細く流し入れると、透明な液体が雪のような白さに変わっていきます。ニショルダ(Nisholda、Nishallo)は、卵白と砂糖に、イェトマクと呼ばれる根の煎液を合わせて作るウズベキスタンの伝統菓子です。

現地の紹介では、冷たいニショルダをパティルのようなパンや緑茶と一緒に食べます。市場の大きな容器からすくった泡にスプーンが立つほど、という説明もある菓子です。市販のマシュマロを溶かして再現するものではなく、根に含まれるサポニンの泡立ちを、砂糖液と卵白で支えるところに手作りの要点があります。Central Asia Travelの菓子紹介でも、イェトマクまたは甘草の煎液を使った白い菓子として説明されています。

日本の家庭で作る時に迷いやすいのは、根をどこまで入れるかよりも、糖液の温度と泡の状態です。根の煎液は香りと泡の骨格を作りますが、入れすぎると草の香りが前へ出ます。糖液は112℃まで煮てから55〜60℃へ下げ、泡へ少しずつ重ねます。温度計がなくても判断できる状態を併記しますが、初回は少量の糖液を確認できる道具があると失敗を減らせます。

ウズベキスタンのニショルダを白い器に盛り、パティルと緑茶を添えた食卓
ニショルダは冷たくしてパンと緑茶に添える

ニショルダの味と食感

見るところ 仕上がりの目安
甘さ 卵白の軽さを覆う、はっきりした砂糖の甘さ。酸味を少量入れると輪郭が出る
香り イェトマクは穏やかな草の香り。甘草を使うとリコリスに似た香りが強くなる
食感 冷たいメレンゲより密度があり、スプーンですくった跡がしばらく残る
食べ方 冷やした泡をパンですくい、緑茶を添える。食後の小さな菓子にも向く

今回は4人分の家庭用量に縮め、食用イェトマクがなければ食品用甘草根で置き換えられるようにしました。甘草は香りも泡の出方も同じではないため、材料表に代替の限界も書いています。

泡と糖液を離さないためのコツ

ニショルダの泡と糖液の状態を、泡立て器と温度計の横で確認している様子
温度と泡の筋を同時に見れば、糖液を加えるタイミングを外しにくい

ニショルダは材料を増やすほどよく固まる菓子ではありません。根の煎液、卵白、糖液がそれぞれ別の役割を持っているため、一つずつ状態を確認します。

  • 根の煎液は香りより泡の骨格を優先する。 15mlを入れて泡がゆるむなら、残りを足さずに止めます。イェトマクの産地や乾燥状態で強さが変わるため、同じ5gでも煎液の濃さは一定ではありません。
  • 糖液は温度を下げすぎない。 50℃以下まで冷ますと、ボウルへ入れた時に糖が固まりやすくなります。反対に65℃以上では卵白の一部が熱で締まり、白い粒が混じることがあります。
  • 泡立て器の筋を目印にする。 持ち上げた筋がすぐ消えるなら、糖液を入れる段階ではありません。高速で数分追加し、それでも戻るなら根の煎液が多すぎた可能性があります。
  • 糖液を入れた後は、器の底を見る。 透明な液がたまったら、10分ほど高速で泡立て続けます。分離が止まらない時は完全な泡へ戻りにくいので、冷やしてパンに少量ずつ添える甘いソースとして扱い、作り直し用の材料に混ぜ戻さないでください。

日本で再現する時に残すもの、変えるもの

現地のニショルダに近づけるために残したいのは、根の煎液を使うこと、糖液を煮詰めてから加えること、冷たい状態でパンとお茶に添えることです。食用イェトマクが見つからない時は食品用甘草根へ変えられますが、香りは甘草寄りになります。卵白だけで作るなら、根の香りと泡の支えがなくなるので、ニショルダそのものと同じだとは考えない方が味の違いを受け入れやすくなります。

乾燥根は硬く、5gだけを包丁で折ると手元がぶれます。乳鉢は粉にするためではなく、煎出しやすい大きさへ割るために使います。商品ページで「花崗岩」であることと、すり鉢・すりこぎの両方がセットに含まれることを確認できる場合だけ、根や香辛料を繰り返し扱う人には買う理由があります。一度だけ作る人、すでに粉末の食品用甘草を用意できる人には、まな板と厚手の袋で代用できるため必要ありません。

ラマダンとナウルーズの食卓と市場

ウズベキスタンの市場で、大きな器のニショルダをパンと緑茶のそばに並べた祝祭の風景
白いニショルダは祝祭や断食明けの食卓でパンとともに供される

ニショルダは、料理の最後に少しだけ甘いものを出す菓子というより、人が集まる日に大きく仕込む食べ物として知られています。ウズベキスタンの情報サイトでは、ラマダンの断食明けにパティルとともに出す菓子として紹介され、結婚式、祝祭、イードの食卓にも登場します。Uzbekistan Travelのラマダン紹介は、イフタールでニショルダとパンを分け合う家庭のもてなしに触れています。

春のナウルーズにも白い泡は顔を出します。中央アジアの菓子紹介では、3月の春祭りに作るスマラクと一緒にニショルダが売られる習慣が述べられています。砂糖と卵白の菓子を、麦芽や小麦を長時間煮るスマラクと同じ日に見ると、季節の変わり目に大鍋を囲む食文化の広がりが分かります。毎日の少量のおやつと、祝祭に人の手を集めて作る料理は、同じ甘さでも役割が違います。

地域差は、呼び名や香りの出し方に表れます。ウズベキスタン国内ではフェルガナ盆地、タシケント、サマルカンド、ブハラなどで作られ、周辺の中央アジアにも卵白、砂糖、根の煎液を組み合わせる菓子があります。アニスやバニラを足すか、根をイェトマクにするか甘草にするか、糖液の酸味をどの程度にするかは家庭や職人で変わります。したがって、家庭で食品用甘草へ替えた時に香りが違っても、失敗とは限りません。ただし、植物の根なら何でも使えるわけではありません。

ニショルダを食べる時は、単独でスプーンから流し込むより、パンのちぎった面で白い泡をすくう方が現地の食卓に近づきます。塩気のあるパンと濃い緑茶が砂糖の甘さを切り、次の一口を重くしません。食事の流れに置くなら、先にウズベキスタンのプロフマンティを並べ、ニショルダは食後の茶の時間へ移すと甘さが生きます。タジキスタンのクルトブのように酸味や塩気のある料理を添える献立でも、味の方向が重なりません。

家庭版で変えられる香り

変え方 仕上がり 向いている人
イェトマクを使う 根の香りが穏やかで、現地の構成に近い 食用の乾燥根を確認できる人
食品用甘草根を使う リコリスに似た甘い香りが立つ 日本で材料を揃えやすくしたい人
アニスを少量加える 茶菓子らしい香りが前に出る 甘草の香りを少し軽く感じたい人
バニラを少量加える 香りが丸くなり、根の個性が弱まる 子ども向けに香りを調整したい人

よくある質問

冷やしたニショルダをスプーンですくい、パティルと緑茶に添えた様子
冷たい泡をパンですくい、緑茶と交互に食べる

イェトマクが手に入りません。甘草もなければ作れますか?

卵白、砂糖、クエン酸だけでも白い泡は作れますが、根の煎液がないためニショルダ特有の香りと泡の支えは出ません。粉ゼラチンを少量使って形を補う方法はありますが、味と食感はメレンゲ寄りになります。用途が分からない薬草を代用するより、食品用甘草根が用意できる時に作る方が安全です。

糖液を入れたら泡がゆるくなりました。

糖液の温度が高い、注ぐ速度が速い、卵白の泡立てが足りない、ボウルに油分が残っている、という原因が考えられます。まず高速で10分ほど泡立て、底に透明な液が残るか確認します。分離が続く場合は完全な泡へ戻らないため、冷蔵して当日中にパンへ少量ずつ添える使い方に切り替え、保存用の菓子として扱わないでください。次回は糖液を55〜60℃、注ぐ時間を5〜7分にそろえます。

手で泡立てても作れますか?

作れますが、卵白と根の煎液を合わせた後、さらに糖液を細く注ぎながら長く泡立てる必要があります。片手でボウルを押さえ、もう一方で泡立てると注ぐ操作が難しくなるため、二人で作るか、電動ハンドミキサーを使う方が温度管理を崩しにくいです。ハンドミキサーを買うこと自体が目的ではなく、泡立ての途中で手を止めないための道具と考えてください。

どのくらい保存できますか?

殺菌済み卵白を使っても、家庭で作るニショルダは冷蔵庫(4℃以下)で保存し、翌日までを目安に食べ切ってください。食感は時間とともに水分が分かれて変わります。常温に置く時間は短くし、食卓へ出したままにしないでください。冷凍すると泡の水分が分離しやすいため、冷凍保存は向きません。卵を使う料理の安全な扱いについては、米国食品医薬品局(FDA)の卵の安全ガイドも確認できます。

甘さを減らせますか?

砂糖を大きく減らすと、糖液が泡の水分を支えられず、冷やした後も山が保てません。最初は360gで作り、甘さを軽くしたい場合は、パンを多めに添える、緑茶を濃くする、1回にすくう量を小さくする方法が現実的です。糖液の比率を変えるより、食べる組み合わせで調整した方が泡の状態を崩しません。


主な参考リンク

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