メープルの色をしたフィリングとレーズン、くるみを詰めて焼いたカナダのバタータルト
🔪下準備1時間10分
🔥調理25分
🍽️分量12
🌍料理カナダ料理(オンタリオ)

バタータルトの作り方|カナダの甘いフィリングを焼く

20分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

調理工程スライド
STEP 11 / 6

生地をそぼろ状にして冷やす

所要時間35分

手順1: 生地をそぼろ状にして冷やす

薄力粉190gと塩2gをボウルで混ぜ、冷たい無塩バター125gを加えます。指先でつぶし、バターが米粒から小豆ほどの粒で残る、湿った砂のような状態にします。氷水55mlと酢5mlを加え、粉気が少し残るところで押しまとめます。乾いた粉が多ければ氷水を10mlまで足します。練ってなめらかにせず、平たい円盤にしてラップで包み、冷蔵庫で30分休ませます。

STEP 22 / 6

生地を伸ばして型へ敷く

所要時間35分

手順2: 生地を伸ばして型へ敷く

冷えた生地を12等分し、打ち粉を薄くした台で1個ずつ直径10cm、厚さ約3mmに伸ばします。マフィン型へ入れ、底と側面を指の腹で軽く密着させます。縁を引っ張って薄くすると焼成中に縮むため、余った生地を押し込まず、型の縁で切り取ります。フォークで底に穴を開けるとフィリングが漏れるので刺しません。型ごと冷蔵庫へ戻し、30分冷やします。

STEP 33 / 6

ドライフルーツとフィリングを整える

所要時間25分

手順3: ドライフルーツとフィリングを整える

レーズン60gとカランツ40gに熱湯を注ぎ、20分置いてからざるに上げ、キッチンペーパーで表面の水分を拭きます。くるみ60gは5mm角ほどに刻みます。別のボウルでブラウンシュガー140g、メープルシロップ120g、溶かしバター70g、卵2個、酢10ml、塩2gを、泡が増えないよう静かに混ぜます。砂糖の粒が消えた、さらりとなめらかな液になったら、くるみと果物を加えて止めます。

STEP 44 / 6

フィリングを3分の2から4分の3まで注ぐ

所要時間10分

手順4: フィリングを3分の2から4分の3まで注ぐ

冷やしたシェルへ、先にレーズン、カランツ、くるみを均等に分けます。フィリングを1個あたり40〜45g、型の深さの3分の2から4分の3まで注ぎ、縁から5mmほど空けます。果物が偏ったら箸で動かしますが、泡をつぶそうとして混ぜ続けません。満杯にすると焼いている間に膨らんだ液が縁を越え、生地と型の間で固まります。

STEP 55 / 6

180℃で中心が揺れるまで焼く

所要時間20〜25分

手順5: 180℃で中心が揺れるまで焼く

オーブンを180℃に予熱し、型を下段寄りへ入れます。20分焼いた時点で確認し、生地の縁がきつね色、フィリングの表面に泡が細かく出て深い琥珀色になり、型を軽く揺らすと中心だけがゼリー状に固まりながら揺れる状態なら出します。全体が波打つほど液が動く場合は3分ずつ延長します。縁だけが先に濃くなったらアルミホイルをふわりとかぶせます。カナダの標準的な配合でも180℃で20〜25分が目安ですが、型の深さとオーブンの癖で変わります。

STEP 66 / 6

型の中で冷ましてから外す

所要時間30分

手順6: 型の中で冷ましてから外す

焼き上がった型を網の上に置き、20分そのまま冷まします。熱いうちに持ち上げると、まだ柔らかい中心が生地を押し広げます。薄いナイフを型の縁に沿わせ、タルトを一つずつ外してさらに10分冷まします。中心が触れるとぬるく、表面が流れず、底が持ち上げられる固さになれば完成です。固まりすぎた場合は、食べる前に室温へ15分置くとバターの香りが戻ります。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料スライド
材料

買い出しの前に

バタータルトに使う小麦粉、バター、黒糖、メープルシロップ、卵、ドライフルーツ、くるみ
材料は生地用とフィリング用に分け、ドライフルーツの水分を先に整える

7.5〜8cmのマフィン型12個取りを使います。型の底が浅い場合はフィリングが少し余るため、無理に注ぎ切らず、空いた耐熱容器で焼かないでください。卵を含む液を型の外へこぼすと、生地の底が固まる前に焦げやすくなります。

5品目

生地

材料 分量 代替・備考
薄力粉または中力粉 190g 中力粉なら少し歯ごたえが出る。強力粉だけだと縮みやすい
2g 甘さの輪郭を整える
無塩バター 125g 1cm角に切り、使う直前まで冷やす
氷水 55〜65ml 粉の乾き具合を見て少しずつ加える
りんご酢または白ワインビネガー 小さじ1(5ml) 生地を締めすぎず、なければ氷水を同量増やす
9品目

フィリング

材料 分量 代替・備考
ブラウンシュガーまたはきび砂糖 140g 白砂糖だけでも焼けるが、糖蜜の香りは弱くなる
メープルシロップ 120g ゴールデンシロップまたはコーンシロップなら同量。香りは変わる
無塩バター 70g 溶かして40℃以下まで冷ます
2個(正味約100g) 殻を割って溶き、冷たすぎない状態にする
りんご酢または白ワインビネガー 大さじ2/3(10ml) 甘さを締める。酸味は焼くと強く残らない
2g 有塩バターなら1gに減らす
レーズン 60g 種なし。熱湯で20分戻し、水気を拭く
カランツ 40g レーズン60gで置き換えてもよい
無塩くるみ 60g 5mmほどに刻む。ナッツなしなら省略できる

レーズンとカランツを合計100g入れると、甘い液の中に果実の酸味が散ります。カナダのレシピにはカランツとゴールデンレーズン、くるみを組み合わせる配合があり、Food Day Canadaの家庭レシピではレーズンとくるみまたはピーカンを使っています。入手しやすさを優先して、カランツをレーズンへ替えても料理の名前は変わりません。

メープルシロップは、パンケーキ用の香り付きシロップではなく、原材料欄でメープルシロップが主原料になっているものを使います。香りを残したいときは純粋なメープルシロップ、甘さと粘りを安定させたいときはゴールデンシロップやコーンシロップです。後者へ替えると、カナダの現代的な家庭レシピにも見られる、より穏やかなシロップ味になります。

小麦、乳、卵、くるみを使います。くるみをピーカンや種へ替えても、ナッツアレルギーがある場合は同じ調理器具での混入に注意してください。市販のシロップやドライフルーツも、原材料表示に乳成分や小麦が含まれないか確認します。

材料

くるみを買い足すかどうか

レーズンだけのバタータルトにするなら、くるみは買わなくても成立します。くるみ版を作るときは、無塩で、開封時に古い油のにおいがないことを選ぶ根拠にします。60gだけが必要なら、近所で小袋を買う方が無駄は少なく、ほかの焼き菓子やサラダにも使うなら通販で200g前後を選ぶ意味が出ます。商品ページでは、無塩表記と内容量を確認してください。

商品価格、在庫、画像の表示は販売ページの現在の状態に依存します。くるみを使わないプレーン版を焼く人や、今回の12個だけで買い足しを終えたい人は、カードを開かず手元の材料で作れます。

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材料表の分量12人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

📊 栄養情報(1人分)
283
kcal
3.0g
タンパク質
15.0g
脂質
35.0g
炭水化物
1.0g
食物繊維
204mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。
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材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

オンタリオの家庭菓子は、具の有無まで名前に含む

オーブンから出した直後のバタータルトは、中央だけがまだ静かに揺れています。液体に見えても慌てて焼き足さず、型の中で20分休ませる。卵とバターのフィリングが落ち着くと、縁はほろり、中心はねっとりしたカスタードのような食感になります。

メープル色のフィリングを詰めたバタータルトを皿に並べた食卓
焼きたては中心が揺れ、冷めるとねっとり固まるバタータルト

バタータルト(Butter tart)は、バター、卵、砂糖、シロップを小さなパイ生地に流して焼くカナダの菓子です。レーズンやカランツ、くるみを入れる形がよく知られていますが、果物を入れるか、ナッツを入れるか、どこまで流れる中心を残すかは、家庭と店で変わります。

日本で作るときに迷うのは、メープルシロップを使うかどうかより、フィリングをどこまで焼けばよいかです。焼きすぎると卵の固さが前に出て、早く出すと型から外せません。生地を薄く敷き、具を入れすぎず、中心がゼリーのように揺れるところで止めれば、カナダのレシピにある「custardy」な口当たりへ近づけられます。

この配合は、12個取りのマフィン型で焼く家庭版です。歴史的なレシピに見られるラードではなく、手に入りやすいバターだけで生地を作り、フィリングはメープルシロップ、レーズン、カランツ、くるみで組み立てます。香りを優先するならメープル、より素朴で軽い甘さならゴールデンシロップやコーンシロップへ替えられます。

オンタリオの祝祭料理であるトゥルティエールのような食事系パイとは違い、バタータルトはコーヒーや紅茶の横に置く小さな焼き菓子です。焼き菓子の皿を大きくするのではなく、一人分の甘い中心を持ち寄れる大きさにしたところに、家庭のおやつらしさがあります。

バタータルトの起源は一つの発明者へ簡単に戻せません。UBCの『Dictionary of Canadianisms on Historical Principles』は、バリーのRoyal Victoria Hospitalの女性補助団体がまとめた1900年の料理書に、砂糖、バター、卵、カランツを使う「Filling for Tarts」が載っていると紹介しています。同時に、家族の口伝や手書きのカードで伝わったレシピは印刷より古い可能性があるため、カナダでの「起源」ではなく、記録と保存の歴史として扱っています。

Food Day Canadaの料理史紹介にも、1900年のバリーの料理書、1908年の『Vogue Cook Book』、1911年のカナダの農家向け料理書が登場します。1908年の記録は砂糖、バター、卵、カランツ、塩を使い、1911年にはオンタリオ各地から複数の配合が集まりました。バター、卵、砂糖、小麦粉、ペイストリー用のラードという農家の手元にある材料で作れたことが、家庭ごとの差を残した理由の一つです。

呼び名はカナダ全体で通じますが、とくにオンタリオとの結びつきが強く、DCHP-3ではマニトバ、ノバスコシア、ユーコンなどにも用例があると説明されています。フランス系カナダのタルト・オ・シュクル(tarte au sucre)と似た甘いタルトとの関係も指摘されていますが、そちらは卵を使わないことが多く、同じ菓子だと決めつけるほど単純ではありません。

地域差は、地図の境界よりもカウンターの上に表れます。オンタリオの紹介記事には、クラシック、レーズン、ピーカン、メープルウォールナットといった選択肢が並び、カワーサ・ノーサンバーランドでは50を超えるベーカリー、カフェ、レストランを巡るバタータルト・ツアーが案内されています。ツアーは2011年から続き、家庭菓子は町のベーカリーを訪ねる食文化へも広がりました。

だから「レーズン入りが本物」「ナッツ入りは邪道」と切り分けるより、食感で選ぶ方が実用的です。レーズンとカランツは柔らかい甘酸っぱさを散らし、くるみは液体の中心に小さな苦みと歯ごたえを置きます。何も入れなければ卵とシロップの滑らかさが前に出て、ピーカンへ替えれば香ばしさが強くなります。バタータルトは、具の有無まで家庭の記憶になる菓子です。

日本の台所で守るべき軸は、メープルの産地や型の形を完全に写すことではありません。3mmほどの生地を冷たく保ち、シロップの甘さに卵の凝固を重ね、冷める途中の柔らかさを残すことです。カナダ料理をもっと食事として作るなら、同じ東部のフリコのような鶏肉とじゃがいものスープと並べると、甘い小皿が食卓の最後へ置かれる意味も分かりやすくなります。

このレシピの型

歴史上の初期レシピをそのまま再現するのではなく、公式レシピで確認できる「12個、10cmの生地、180℃で20〜25分、冷めてから外す」という流れを家庭用に組み直しています。生地はラードを使わず、フィリングはメープルシロップとレーズン、カランツ、くるみを合わせます。

焼き上がりを外さないための調整と保存

冷めて中心が柔らかく固まったバタータルトの断面
中心は切り分けられるが、口の中でほどける柔らかさにする

フィリングが流れたとき

完全に冷めても中心が皿へ流れるなら、まず冷却不足を疑います。室温で30分待ち、それでも液が戻る場合はタルトを型へ戻し、160℃で5〜8分だけ追加加熱します。表面の色が十分ならホイルをかけます。再加熱しても卵の固まりが弱い場合は、次回から1個の注ぐ量を40gへ下げ、焼成を20分で止めるのではなく中心の動きを確認します。

フィリングが硬くなったとき

中心まで動かない状態で焼き上げた場合、冷めると卵の固さが強くなります。食べられない失敗ではありませんが、バタータルトらしいねっとりした余韻からは離れます。次回は焼き色を見て出すのではなく、型を揺らしたときに中央5cmだけが揺れる段階で止めます。

生地が縮む、底が湿るとき

生地を型へ押し込むときに引っ張った、冷却時間を省いた、フィリングの量が多い、戻したドライフルーツの水分を拭かなかった、のどれかが主な原因です。生地が余ったら無理に伸ばさず、側面の厚みへ回します。水分を含んだ果物はフィリングへ入れる前に表面を乾かし、底へ液がたまらないよう具を先に分けてから注ぎます。

シロップと具の替え方

変え方 仕上がり 日本での判断
メープルシロップ 木の香りと軽い苦みが出る 香りを料理の主役にしたいときに選ぶ
ゴールデンシロップまたはコーンシロップ 甘さが丸く、シロップの香りは穏やか メープルを常備しないなら同量で置き換える
レーズンだけ 柔らかい果実感で、くるみの苦みがない ナッツアレルギーや子ども向けの調整に使う
くるみだけ 香ばしさと歯ごたえが前に出る 果物の甘酸っぱさを増やしたくないときに選ぶ
ピーカンへ変更 香りが強く、焼き菓子らしい油分が増える くるみと同量。別のナッツとして楽しむ
具を入れない 卵とバターの滑らかさが中心になる まずフィリングの固まり方を確認したいときに向く

メープルシロップを蜂蜜へ替えると、甘さの量だけでなく香りの方向が変わります。日本の蜂蜜は花の香りが強いことがあるため、カナダのバタータルトへ寄せたい場合はゴールデンシロップの方が味の軸を保ちやすいです。チョコレートやココナッツを足す現代的なアレンジもできますが、最初の一台では砂糖、卵、シロップの固まり方を優先します。

保存と食べるタイミング

カナダのレシピでは、焼いたタルトを密閉容器に一段で並べ、室温で24時間まで保存する案内があります。翌日までに食べ切るなら完全に冷ましてから容器へ入れ、暑い部屋や長時間の持ち運びでは冷蔵へ切り替えます。冷蔵したものは食べる15〜20分前に室温へ出すと、バターの香りと中心の柔らかさが戻ります。

多く焼いて残った場合は、完全に冷まして一個ずつ包み、冷凍庫へ入れます。解凍は冷蔵庫で行ってから室温へ移し、表面を乾かさないよう密閉します。卵と乳を使う菓子なので、におい移りや温度変化が気になる場合は、冷蔵・冷凍とも早めに食べ切ってください。

よくある質問

メープルシロップがないと作れませんか?

ゴールデンシロップやコーンシロップを同量使えます。甘さと粘度は近づきますが、木の香りは弱くなります。砂糖だけへ替えると液の量と濃度が変わり、同じ焼き上がりにならないため、まずはシロップ状の代用品を選びます。

レーズンなしでもバタータルトですか?

レーズンやカランツ、ナッツはよく使われる具ですが、名称の定義に必須とは限りません。DCHP-3の定義も「レーズンやナッツを加えることが多い」としており、具なしの家庭版や、ナッツだけの店もあります。具を省く場合は、液が偏らないので1個あたり40gを基準に注ぎます。

焼きたてをすぐ外してもよいですか?

避けてください。フィリングが固まる前に外すと、薄い生地が裂け、中心が流れます。型の中で20分、網の上でさらに10分を目安にします。冷める時間までが調理工程です。

マフィン型がなく、タルト型しかない場合は?

10cm前後の浅いタルト型を12個使うか、直径20cmの浅い型で一台にします。ただし一台へまとめると中心の厚みが増し、焼き時間と揺れ方が変わります。12個取りの方が、この記事の分量と20〜25分の目安をそのまま使えます。

くるみの代わりに何を使えますか?

ピーカン、アーモンド、かぼちゃの種を同量使えます。ただしナッツと種では香り、油分、アレルゲン表示が変わるため、くるみ版の再現ではありません。ナッツを避ける場合は具を省くか、アレルギー表示を確認した種を使い、器具も洗い直します。

主な参考リンク

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