カオクルックガピ。カピで炒めたごはんの周りに甘い豚肉、卵、青マンゴー、野菜を別々に盛ったタイ料理
🔪下準備35分
🔥調理30分
🌍料理タイ料理

カオクルックガピの作り方|タイのえびペースト炒めごはん

26分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

調理工程スライド
STEP 11 / 5

甘い豚肉を煮て、最後に照りを出す

所要時間20分

手順1: 甘い豚肉を煮て、最後に照りを出す

豚肉300gを1.5cm幅に切り、鍋へ水120ml、パームシュガー25g、ナンプラー大さじ1、ダークソイソース小さじ1と一緒に入れます。中火で沸かし、泡が大きくなったら弱めの中火へ落として8分煮ます。

赤玉ねぎ6個を加え、豚肉の中心まで火が通るよう、さらに7〜10分煮ます。煮汁が鍋底をゆっくり流れる程度まで減り、豚肉の表面が茶色く光れば止めどきです。豚肉の中心がまだ赤いのに汁だけが減ったら、水を50ml足して加熱を続けます。焦げた甘さにしないため、最後の2分は鍋底を木べらでなぞります。

STEP 22 / 5

カピ、にんにく、干しえびを一体にする

所要時間5分

手順2: カピ、にんにく、干しえびを一体にする

カピ大さじ2、2〜3mm角に粗く刻んだにんにく、干しえび10gを乳鉢へ入れ、粗い粒がほぼ消えるまでつぶします。水大さじ3を少しずつ加え、スプーンで落としたときに途切れず流れるペーストにします。カピの塊が固ければ、水を加える前に5分だけ置くとつぶしやすくなります。

ここでは火を使いません。香りが強いので換気扇を回し、カピが広がった道具は洗剤で早めに洗います。なめらかにしすぎる必要はなく、にんにくの小さな粒が残る程度で十分です。カピの色が濃い場合は、分量を増やさず、炒めたごはんで塩味を確認します。

STEP 33 / 5

卵と具をすべて別々に仕上げる

所要時間15分

手順3: 卵と具をすべて別々に仕上げる

卵2個を溶き、油を薄く引いたフライパンで弱めの中火にします。卵液を薄く流し、表面が乾く直前に返して30秒焼き、細切りにします。黄色が濃くなりすぎる前に取り出すと、ほかの具の酸味を邪魔しません。

干しえび20gは油を使わず中火で1分乾煎りし、香りが立ったら取り出します。青マンゴー、赤玉ねぎ、いんげん、きゅうりはそれぞれ別の皿へ。青マンゴーは、包丁を入れたときに硬く、果汁が甘くないものを選びます。熟したマンゴーしかなければ、グラニースミスを細切りにしてライムを少し多めにします。

STEP 44 / 5

カピを炒めてから、冷たいごはんを強火でほぐす

所要時間7分

手順4: カピを炒めてから、冷たいごはんを強火でほぐす

中華鍋か大きなフライパンを中火で30秒温め、油大さじ2を入れます。カピのペーストと砂糖小さじ1を入れ、1〜2分炒めます。色が少し深くなり、塩気の角ではなく焼けたえびの香りへ変わったら、冷ましたごはん600gを加えます。

火を強め、木べらで押しつぶさず、鍋底から返して3〜4分炒めます。湯気が減り、米粒が一つずつ離れて淡い茶金色になれば完成です。米が固まるときは、広げて30秒待ってから返します。焦げた香りが出たら、焦げた底をこすらず、上のごはんだけ別の器へ移します。

カピの香りが強すぎると感じたら、ここでカピを足してはいけません。ごはんを50〜100g追加し、きゅうりと青マンゴーを多めに盛る方が、味の軸を崩しません。

STEP 55 / 5

中央に盛り、食卓で酸味を足す

所要時間5分

手順5: 中央に盛り、食卓で酸味を足す

皿の中央へカピごはんを丸く盛り、周囲へムーワーン、卵、干しえび、青マンゴー、赤玉ねぎ、いんげん、きゅうり、唐辛子を分けて置きます。ライムは最後まで絞らず、食べる人の手元に残します。

一口目は、ごはんだけで塩味を確認します。次に甘い豚肉を少し、三口目に青マンゴーとライムを加える。全体を最初から混ぜるより、カピの香りが強い場所と、野菜で軽くなる場所が分かります。具が残ったら、最後に混ぜてしまって構いません。皿の上で味を組み立てられることが、この料理の完成形です。

カピごはんは、米粒が離れていること、表面が湿っていないこと、香りが焼けたえびの方向へ変わっていることが目印です。ムーワーンは豚肉の中心まで火が通り、煮汁が表面を薄く覆っていれば止めます。生野菜は水が出る前に盛り付けます。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料スライド
材料

買い出しの前に

香りの強い調味料は、材料表の端に置かれがちです。カオクルックガピでは逆で、カピをどう選ぶかがごはんの輪郭を決めます。一方、普通のフライパン、包丁、卵焼き用でない小さなフライパンは手持ちのもので十分です。専用道具を先に増やす必要はありません。

カオクルックガピの材料。冷ましたジャスミンライス、カピ、豚肉、青マンゴー、卵、干しえび、野菜を並べた俯瞰写真
カピは少量でも味の土台になるため、ほかの材料をそろえてから分量を決める
7品目

カピごはん

材料 分量 役割と選び方
炊いて冷ましたジャスミンライス 600g 粒が長く、冷やすと炒めやすい。前日のごはんでもよい
カピ(発酵えびペースト) 大さじ2、約30g 塩味の中心。商品ごとに濃さが違うため増量は後半にする
にんにく 小10片、または大2片 カピの香りを炒めたときに丸くする
干しえび 10g うま味と香ばしさ。細かく刻むか粉末を使う
大さじ3 カピをのばし、米へ均一に絡める
砂糖 小さじ1 カピの塩角を少し丸める
植物油 大さじ2 カピを炒め、米をほぐすために使う
14品目

甘い豚肉と別添えの具

材料 分量 役割と日本での代替
豚肩ロース、または豚バラ薄切り 300g ムーワーンの主役。1.5cm幅に切る
小さな赤玉ねぎ、またはエシャロット 6個 甘い煮汁に香りを足す。薄切り
パームシュガー 25g 黒蜜のような香り。きび砂糖でも作れる
ナンプラー 大さじ1 豚肉の塩味。煮詰めるので追加は最後にする
ダークソイソース 小さじ1 色とわずかな甘い香り。たまりしょうゆ小さじ1/2でもよい
120ml 豚肉を先にやわらかくし、最後に照りへ変える
2個 薄焼きにして細切りにする
干しえび 20g 乾煎りして香ばしくする。カピごはん用と分けて用意
青マンゴー 100〜120g 固く酸っぱいもの。なければグラニースミスを使う
さやいんげん、または長さのあるいんげん 60g 5mm幅に切る。タイの長い豆なら5cmに切る
きゅうり 1/2本 水分と歯ざわり。細切りまたは拍子木切り
赤玉ねぎ 2個 生の辛味。薄切りにして水へさらしすぎない
ライム 1個 食べる直前に絞る。レモンでもよいが香りは変わる
生唐辛子 1〜3本 辛さを食べる人ごとに調整する
カピと豚肉の確認

カピ、干しえび、ナンプラーにはえびなどの魚介が含まれます。卵、大豆を使う調味料も含め、アレルギーがある人は商品ラベルを確認してください。豚肉は生焼けのまま食べず、厚生労働省の案内どおり中心まで十分に加熱します。厚生労働省「お肉はよく焼いて食べよう」

材料

カピを買うとき、500gを持て余さないか

カピは近所のスーパーでは見つけにくく、見つかっても小容量とは限りません。この料理を一度だけ試す人は、タイ食材店で少量パックを探すか、リンク先の500gを使い切れるかを先に考えます。タイ料理を続けて作る人、カピの香りをソムタムや炒め物にも使いたい人なら、冷蔵庫で密閉して少しずつ使う理由があります。

買う判断は「本場だから」ではなく、香りの中心を置き換えたくないかです。魚醤と干しえびを足せば海のうま味は作れますが、発酵えびペースト特有の厚みは同じになりません。見送るなら、カピなしのえび風味炒めごはんとして作る方が、代用品を本物のように扱わずに済みます。

カードを開いたら、まず商品名の「シュリンプペースト(カピ)500g」と原材料表示、保存方法を確認してください。価格や在庫は固定せず、購入画面で確かめます。

材料

すり鉢はカピ以外にも使う予定があるか

にんにく、カピ、干しえびを一体にする工程は、包丁で刻むだけでも進められます。ただ、粒が残ると一部だけ塩辛くなり、米へ絡む前に香りが分離します。ソムタム、ナムプリック、スパイス料理も作る予定があるなら、重い花崗岩の乳鉢セットが役立ちます。今回だけなら、厚手のボウルの底でつぶして見送ってください。

リンク先では、本体とすりこぎがセットか、花崗岩製か、ふたや付属品があるかを確認します。重量や内径は商品ページで確かめ、置き場所と洗いやすさが決め手にならない人は買いません。

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材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

📊 栄養情報(1人分)
143
kcal
6.8g
タンパク質
6.5g
脂質
15.3g
炭水化物
1.0g
食物繊維
413mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。
Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド
シュリンプペースト(カピ)500g
シュリンプペースト(カピ)500g
リサーチ日時:2026-07-23

換気扇を回してから始める、中央タイの食卓

夕方、米を炒める前に換気扇を強にします。まだ火はついていないのに、袋から出したカピの香りだけで、台所の空気が少し変わる。塩気の奥に、干したえびのような発酵香が立ちます。

その香りを油でほどき、冷たいごはんを加えると、強さが丸くなっていきます。皿の中央には茶金色のごはん。周囲には、照りのある甘い豚肉、細い卵焼き、酸っぱい青マンゴー、きゅうり、いんげん、赤唐辛子。最初から混ぜないところが、この料理の面白さです。

これはカオクルックガピ(ข้าวคลุกกะปิ、khao kluk kapi)。カオは米、クルックは混ぜる、ガピは発酵えびペーストを指します。ごはん自体はカピで炒めますが、最後の「混ぜる」はフライパンの中ではなく、食べる人の箸の先で起こります。

今回の作り方は4人分です。先に甘い豚肉と具を整え、最後にカピごはんを強めの火で短く炒めます。カピを控えめにして酸味と生野菜を残すと、強い香りが一皿の中心へ収まります。

カオクルックガピを思わせるタイの食卓。中央のカピごはんの周囲に具を別々に並べている
カオクルックガピは具を混ぜ込まず、食べる人が一口ごとに組み合わせる
先に決めておく味の軸
  • カピごはんは塩気とうま味の土台。最初から大さじ2を超えて増やさない。
  • 甘い豚肉、酸っぱい青マンゴー、辛い唐辛子は別々に盛り、一口ごとに加減する。
  • 日本で一度だけ作るなら、専用の鍋ではなく、カピと冷たいごはんを優先する。
  • カピを買うなら、リンク先で内容量と原材料を確認する。500gを使い切れるかも先に考える。

なぜ具を混ぜずに出すのか

カオクルックガピは、ひとつの味に整えた炒めごはんではありません。カピの塩気と発酵したうま味、ムーワーンの甘い照り、青マンゴーの酸味、卵のやわらかさ、野菜の水分を、ひと皿の中へ置いておく料理です。タイのレシピ紹介でも、ごはん、甘い豚肉、青マンゴー、赤玉ねぎ、いんげん、干しえび、卵、ライムを別々に用意し、食べるときに混ぜる構成が繰り返し示されています。SiamKapiの料理解説では、具を一つずつ準備して食卓で合わせることが、この料理の「多いのに重くなりすぎない」仕組みとして説明されています。

中央タイの食文化は、中国など複数の文化の影響を受け、味だけでなく盛り付けにも細やかさがあると、スワンドゥシット大学の資料は紹介しています。青マンゴー、きゅうり、赤玉ねぎのような生の具を添えるのは飾りではありません。甘く濃い豚肉と塩気のあるごはんを、噛むたびにみずみずしく切り替える役割があります。中央タイの食卓に関する同大学資料にも、カピと生野菜を合わせる中央タイの食べ方が記されています。

タイ保健省の病院向け標準レシピにも、カピを油で炒めてごはんを加え、赤玉ねぎ、タイソーセージ、細切り卵などと盛る手順があります。具は家庭や店で変わり、パイナップルを使うレシピもあります。この記事では、甘い豚肉と青マンゴーを軸にしました。青マンゴーの酸味が、カピの香りを日本の食卓で受け止めやすいからです。タイ保健省の標準レシピ

起源を一つの物語に固定するのは避けます。料理紹介サイトには、ラーマ2世期やモン族の料理との関係を紹介する説がありますが、これは紹介記事が示す説であって、唯一の確定起源として扱える資料ではありません。ここでは、中央タイで食べられてきた「カピごはんと甘い豚肉、酸味のある具を一皿に並べる料理」という現在の構成を大切にします。Thai Food Guideの料理紹介にも、その背景と家庭向けの組み立てが整理されています。

カピは産地で色も香りも変わる

同じカピでも、色が淡いものから濃いものまであります。スワンドゥシット大学の資料は、アンダマン海側のカピはプランクトンの影響で色が明るく、タイ湾側のカピは泥色に近い濃さになることがあると説明しています。色の差は、料理の見栄えだけでなく香りや塩味の印象にもつながります。

だから、茶色のごはんにならなかったから失敗、とは限りません。商品ごとに塩味が違うので、最初はカピを分量どおりにし、炒めたごはんを少し味見してから追加します。タイ料理のガパオライスソムタムパッタイのように、調味料の強さを具や酸味で受け止める料理が好きなら、この別盛りの仕組みもつかみやすいはずです。

主な参考リンク

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