薄い蜂蜜生地と白いクリームを何層にも重ねたロシアのメドヴィク
🔪下準備1時間20分
🔥調理45分
🍽️分量8
🌍料理ロシア料理
東欧・コーカサスレシピ

メドヴィクの作り方|ロシア蜂蜜ケーキ

26分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

調理工程スライド
手順1: 蜂蜜とバターを湯せんで溶かす
STEP 11 / 8

蜂蜜とバターを湯せんで溶かす

所要時間10分

小鍋に3cmほど湯を沸かし、弱火に落としてふつふつ小さな泡が出る状態にします。耐熱ボウルに蜂蜜70g、砂糖80g、無塩バター55g、塩1gを入れ、湯に直接触れないようにのせます。泡立て器で混ぜ、バターが溶け、砂糖のざらつきが少し残る程度で止めます。温度は60度C前後が目安です。強く沸かすと蜂蜜の香りが飛び、卵を入れた時に固まりやすくなります。

手順2: 卵と重曹を入れて生地をまとめる
STEP 22 / 8

卵と重曹を入れて生地をまとめる

所要時間12分

火を止め、ボウルを湯せんから外します。卵2個を別容器でよく溶き、蜂蜜液へ3回に分けて混ぜます。一度に入れると卵が固まりやすいので、加えるたびに30秒ほど混ぜます。重曹小さじ1を入れると、表面に細かい泡が出て色が少し明るくなります。薄力粉240gを3回に分けて加え、へらで折るように混ぜます。生地は熱いうちは柔らかく、粉の白い筋が消え、へらで持ち上げると太いリボン状に落ちる粘度が目安です。ボウルの底に乾いた粉が残らず、表面がなめらかにつやっとしたら止めます。粉を足しすぎると焼いた層が硬くなるため、残り20gは打ち粉用に取ります。

手順3: 生地を分けて薄く伸ばす
STEP 33 / 8

生地を分けて薄く伸ばす

所要時間25分

火は使いません。生地を打ち粉をした台に出し、8等分します。1個ずつ丸め、オーブンシートの上で直径14cmほど、厚み1mmから2mmに伸ばします。12cmのセルクルや皿を軽く当て、焼いた後に切れる余白を残しておきます。生地がべたつく場合は打ち粉を薄く使いますが、粉を多くまぶすと焼き上がりが白っぽくなります。残りの生地は乾かないようにラップをかけます。

手順4: 180度Cで短く焼いて丸く整える
STEP 44 / 8

180度Cで短く焼いて丸く整える

所要時間24分

オーブンを180度Cに予熱します。伸ばした生地をシートごと天板へ移し、1枚につき5分から6分焼きます。縁がきつね色になり、中央を触ると乾いている状態が目安です。焦げやすいので、3分を過ぎたら窓越しに色を見ます。焼けたら熱いうちに12cmのセルクルや皿を当て、ナイフで丸く切りそろえます。切り落とした端は捨てず、仕上げの crumbs に回します。冷めると割れやすくなるため、切る作業は焼き上がりから1分以内に行います。

手順5: サワークリームを軽く泡立てる
STEP 55 / 8

サワークリームを軽く泡立てる

所要時間10分

火は使いません。冷えた生クリーム200mlをボウルに入れ、六分立てまで泡立てます。別のボウルでサワークリーム300g、粉糖55g、レモン汁小さじ2、バニラ3滴を混ぜます。泡立てた生クリームを2回に分けて加え、へらで底から返すように混ぜます。クリームは角が立つほど硬くせず、すくうとゆっくり落ちる程度にします。硬すぎると層にしみ込まず、柔らかすぎると横へ流れます。

手順6: 薄い層にクリームを塗って重ねる
STEP 66 / 8

薄い層にクリームを塗って重ねる

所要時間18分

火は使いません。皿またはケーキボードに焼いた生地を1枚置き、クリームを大さじ2強、約45g広げます。端まで薄く塗り、2枚目を重ねたら手のひらで軽く押さえます。強く押すとクリームが外へ逃げるので、上から面をそろえるだけで十分です。7枚から8枚を同じように重ね、側面にも薄くクリームを塗ります。途中で生地が割れても、内側に使えば問題ありません。割れた層にはクリームを少し多めに塗り、隙間を埋めます。

手順7: 端生地を砕いて全体にまぶす
STEP 77 / 8

端生地を砕いて全体にまぶす

所要時間12分

火は使いません。切り落とした端生地と、形の悪い1枚をフードプロセッサーで細かく砕きます。袋に入れてめん棒で叩いても構いません。粒は砂のように細かいものと、2mmほどの欠片が少し混ざり、指でつまむとさらっと落ちる乾いたまとまりが目安です。ケーキの上面と側面に crumbs をまぶし、手で軽く押さえます。クリームの表面に薄く張りつき、白い部分が見えなくなったら十分です。側面に厚くつけすぎると口当たりが粉っぽくなるので、表面の白いクリームが隠れる程度にします。

手順8: 冷蔵庫で一晩休ませて切る
STEP 88 / 8

冷蔵庫で一晩休ませて切る

所要時間8時間以上

完成したケーキをふた付き容器または大きなボウルで覆い、冷蔵庫で8時間以上休ませます。火は使いません。休ませ終わりは、層の線が見えているのにナイフが引っかからず、切り口の生地がしっとりしている状態です。食べる15分前に冷蔵庫から出し、直径12cmのケーキを8等分、上辺3cm前後の細いくし形に切ります。1切れは厚みより層の線が見える形にし、ナイフは1回ごとに拭くと断面がつぶれません。温かい場所に長く置くとクリームがゆるむので、切り分けたら残りはすぐ冷蔵します。

0 / 0
Ingredients

材料を分けて見る

材料スライド
材料

買い出しの前に

メドヴィクに使う蜂蜜、卵、粉、バター、サワークリームを並べた材料
材料は生地とクリームに分け、蜂蜜の香りとクリームの酸味を先に決めておく

この分量は直径12cm、高さ7cm前後の小さなメドヴィク1台分です。薄い層を8枚焼き、うち7枚を重ね、余った生地や端を砕いて周囲にまぶします。大きな18cmで作ると家庭用オーブンでは焼きムラが出やすいので、初回は小さめに寄せます。

7品目

蜂蜜生地

材料 分量 代替・備考
薄力粉 260g 打ち粉を含めて別に大さじ2ほど用意
蜂蜜 70g 香りの強いものほど現地菓子らしくなる。黒蜜は別物になる
グラニュー糖 80g 上白糖でも可。少ししっとりする
無塩バター 55g 有塩なら塩を省く
2個 室温に戻す
重曹 小さじ1 ベーキングパウダーだけでは蜂蜜生地の色と香りが出にくい
ひとつまみ 1g 蜂蜜の甘さを締める
5品目

クリーム

材料 分量 代替・備考
サワークリーム 300g スメタナの代わり。水切りヨーグルト150gと混ぜてもよい
生クリーム 200ml 乳脂肪35パーセント前後。泡立てすぎない
粉糖 55g グラニュー糖だとざらつきやすい
レモン汁 小さじ2 酸味が弱いサワークリームの場合に足す
バニラエッセンス 3滴 入れすぎると蜂蜜より前に出る
3品目

仕上げ

材料 分量 役割
焼いた生地の端・余り 全量 フードプロセッサーか袋で細かい crumbs にする
蜂蜜 小さじ1 食べる直前に好みで皿へ少量
紅茶 2杯分 甘さを切る。濃いめが合う
アレルギーと保存

このレシピは小麦、卵、乳を使います。サワークリームと生クリームを重ねるため、焼き菓子のように常温で長く置く料理ではありません。組み立て後は冷蔵庫で休ませ、切り分けた後も冷蔵保存してください。

日本で代替する時に守りたいのは、蜂蜜の香り、薄い層、酸味のあるクリームの三つです。蜂蜜をメープルシロップに替えると香りが柔らかくなり、メドヴィクというより別のレイヤーケーキに近づきます。逆に、スメタナが手に入らなくても、サワークリームと生クリームで酸味と軽さを作れば、食べ心地はかなり寄せられます。

0 / 0
材料表の分量8人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

📊 栄養情報(1人分)
54
kcal
0.9g
タンパク質
2.8g
脂質
6.5g
炭水化物
0.1g
食物繊維
26mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。

一晩待つと、蜂蜜の層がほどける

冷蔵庫で休ませているメドヴィク
メドヴィクは焼いた直後ではなく、冷蔵庫で一晩休ませて層をしっとり戻す

冷蔵庫から丸いケーキを出し、ナイフを入れると、最初に分かるのは硬さではなく静けさです。焼いたばかりの蜂蜜生地はぱりっとしていますが、一晩クリームを吸ったメドヴィク(Medovik / Медовик)は、層の間にナイフがすっと入り、切り口に細い線が何本も出ます。派手な果物もチョコレートもないのに、蜂蜜、焦がした砂糖、乳の酸味がゆっくり残るケーキです。

ロシア語の「мёд」は蜂蜜を意味します。メドヴィクは名前の通り蜂蜜を使うケーキですが、日本のハニーケーキのように厚いスポンジを一枚焼く料理ではありません。湯せんで蜂蜜、砂糖、バターを温め、重曹で軽くふくらませた生地を薄く何枚も焼き、スメタナに近い酸味のあるクリームを重ねます。焼く日より、翌日に完成するケーキと考える方がうまくいきます。

日本の台所で難しいのは、蜂蜜生地の厚みとクリームの水分です。生地が厚いと、冷蔵庫で休ませても中心がビスケットのように残ります。クリームがゆるいと、重ねた時に横へ流れ、翌朝には皿の上で崩れます。この記事では、直径12cmの小さめ1台で作り、家庭用オーブンでも層を見やすくします。ヴァトルーシュカが朝の甘いパンなら、メドヴィクは紅茶と一緒に少しずつ切る、待つ楽しみのあるロシア菓子です。

表記と読み方

ロシア語表記は Медовик、英語では Medovik と書かれます。日本語ではメドヴィク、メドヴィック、メドビクなど表記が揺れます。本記事では現地語に近い響きを残しつつ、読みやすい「メドヴィク」を使います。

買い出しで迷うもの

メドヴィク作りに使うめん棒、温度計、フードプロセッサー、丸型を並べた買い出しの道具
通販で見る価値があるのは普通の乳製品ではなく、薄く伸ばす道具と crumbs を整える道具

蜂蜜、卵、バター、サワークリーム、生クリームは近所のスーパーで十分です。商品カードで見る価値があるのは、層の厚みを安定させるめん棒、小さな丸型の目安になるセルクル、端生地を細かい crumbs にする小型フードプロセッサーです。蜂蜜や乳製品で無理に数を増やさず、仕上がりの失敗を減らすものに絞ります。

直径12cmのセルクルは、焼いた後の生地を丸くそろえる目安にも、クリームを重ねる時の仮ガイドにも使えます。なくても皿を当てて切れますが、層のずれが出やすい人はあると楽です。

掲載商品は、複数の販売先を定期的に確認し、価格・内容量・レビュー傾向・購入しやすさを比較したうえで選定しています。

薄い蜂蜜生地は、厚み1mmから2mmまで伸ばします。手で押すだけでは中心が厚くなりやすいので、めん棒があると失敗が減ります。ペリメニクールニクの粉ものにも使い回せます。

端生地を細かい crumbs にすると、メドヴィクの側面がきれいにまとまります。袋で叩いても作れますが、細かさをそろえたい時は小型フードプロセッサーが早いです。

失敗しやすいところ

成功したメドヴィクと乾いた層、ゆるいクリームの失敗例を並べた比較
失敗は層の厚み、焼き色、クリームの水分、休ませ時間に出やすい

メドヴィクは材料が単純なぶん、失敗がはっきり出ます。甘さが強すぎる、層が硬い、クリームが流れる。この三つは別々の問題に見えますが、多くは厚みと水分の管理で直せます。

状態 原因 直し方
層が硬い 生地が厚い、粉を足しすぎた、休ませ不足 1mmから2mmに伸ばし、冷蔵8時間以上休ませる
生地が苦い 焼きすぎ、蜂蜜液を強く沸かした 180度Cで5分から確認。湯せんは弱火にする
クリームが流れる 生クリームの泡立て不足、サワークリームが水っぽい サワークリームの水分を軽く切り、六分立ての生クリームを混ぜる
層にしみ込まない クリームが硬すぎる 生クリームを泡立てすぎない。硬い場合は牛乳小さじ1を足す
断面が斜めになる 重ねるたびに中心がずれた 1枚ごとに手のひらで軽くそろえ、皿を回しながら塗る
甘さが重い クリームに酸味が足りない レモン汁小さじ1を追加し、紅茶やベリーを添える

やりがちな失敗は、焼いた層を「サクサクでおいしい」と判断して、そのまま食べることです。メドヴィクでは、焼きたての層は完成形ではありません。クリームの水分を吸って、フォークで切れる柔らかさになるまで待ちます。作った日に食べるなら、層を少し薄くし、クリームを気持ち多めに塗っても、最低4時間は冷蔵してください。

クリームの酸味も大事です。ロシアや周辺地域ではスメタナに近い乳製品を使うことがありますが、日本のサワークリームは商品によって酸味と水分が違います。味見して平たいと感じたら、砂糖を足すのではなくレモン汁を少し加えます。甘さを増やすと蜂蜜の香りが隠れ、食後に重く感じます。

食べ方、保存、FAQ

メドヴィクの一切れと濃い紅茶
濃い紅茶と合わせると、蜂蜜とクリームの甘さが重くなりすぎない

メドヴィクは冷蔵庫から出してすぐより、15分ほど置いた方が香りが出ます。合わせるなら濃い紅茶、無糖のミルクティー、浅くないコーヒー。甘い飲み物を合わせると、蜂蜜とクリームの余韻が重なりすぎます。

保存は冷蔵で3日が目安です。乾燥を防ぐため、切った面にラップをぴったり当て、全体を容器で覆います。冷凍もできますが、クリームの水分が戻りにくく、層が少しぼそっとします。冷凍する場合は1切れずつラップし、2週間以内に食べます。解凍は冷蔵庫で半日、食べる15分前に出します。

サワークリームなしで作れますか?

できます。水切りヨーグルト200g、生クリーム200ml、クリームチーズ80gを使うと、酸味とコクのバランスが取りやすいです。ただしクリームチーズだけにすると重く、メドヴィクよりチーズケーキ寄りになります。初回はサワークリームを使う方が層へしみ込みやすいです。

蜂蜜はどんな種類が合いますか?

アカシアのような軽い蜂蜜なら上品に、百花蜜やそば蜂蜜に近い濃い香りのものならロシア菓子らしい深さが出ます。クセの強い蜂蜜を使う場合は、クリームにレモン汁を少し増やすと重さが整います。

12cmでは小さすぎませんか?

初回は小さめがおすすめです。薄い層を何枚も焼く練習がしやすく、クリームが流れても被害が小さいからです。18cmで作る場合は材料を1.8倍ほどにし、焼く生地を10枚前後に増やします。焼き時間は同じく1枚5分から6分で確認してください。

当日に食べたい場合はどうしますか?

最低4時間は冷蔵で休ませてください。その場合は生地をさらに薄く伸ばし、クリームをやや多めに塗ります。ただし、本来のしっとりした断面は翌日の方が出ます。来客用なら前日に組み立て、当日は切るだけにするのが一番安定します。

どの料理と合わせるとロシア料理らしくなりますか?

食後の菓子として出すなら、主菜は重い粉ものだけで固めない方が食べやすいです。冷たいオクローシカや酸味のあるボルシチの後に少量切ると、蜂蜜の甘さがきれいに収まります。粉ものを並べるなら、食事にペリメニ、おやつにメドヴィクと分けると、ロシア料理の塩味と甘味の幅が見えます。

主な参考リンク

レシピ一覧に戻る