黄金色に焼けたロシアのヴァトルーシュカ。丸い発酵生地の中央に白いチーズフィリングが入っている
🔪下準備1時間30分
🔥調理22分
🍽️分量8
🌍料理ロシア料理
東欧・コーカサスレシピ

ヴァトルーシュカの作り方|ロシアのチーズ菓子パン

27分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

調理工程スライド
手順1: 牛乳を温めてイーストをなじませる
STEP 11 / 7

牛乳を温めてイーストをなじませる

所要時間8分

小鍋に牛乳150mlを入れ、弱火で35から38度Cまで温めます。指で触るとぬるい風呂より少し低い程度です。40度Cを大きく超えるとイーストが弱るため、温度計があればここで確認します。火を止め、牛乳をボウルへ移してからインスタントドライイースト5g、グラニュー糖45gのうち小さじ1だけを混ぜ、表面に細かい泡が出るまで5分置きます。

手順2: 生地をこねて一次発酵させる
STEP 22 / 7

生地をこねて一次発酵させる

所要時間60分

火は使いません。大きめのボウルに強力粉260g、薄力粉70g、残りの砂糖、塩5gを混ぜます。温めた牛乳イースト、溶き卵40gを加え、粉気が消えるまで混ぜます。室温に戻した無塩バター35gを加え、台に出して8分こねます。生地は少し手につく程度で、表面が薄く伸び、引っ張るとすぐ切れずに膜ができかける状態が目安です。丸めてボウルに戻し、25から28度Cで45分から55分、1.8倍ほどにふくらむまで発酵させます。

手順3: チーズフィリングを粒感を残して混ぜる
STEP 33 / 7

チーズフィリングを粒感を残して混ぜる

所要時間12分

火は使いません。カッテージチーズ300gはざるにキッチンペーパーを敷いて15分水切りします。ボウルに移し、ギリシャヨーグルト40g、卵黄1個、砂糖45g、薄力粉12g、レモンの皮、バニラ、塩1gを入れます。混ぜ終わりは、すくうとゆっくり落ち、ボウルの底に水がたまらない粘度が目安です。フォークでつぶすように混ぜ、最後に戻して水気を拭いたレーズン35gを加えます。レーズンが全体に均一に散り、白いペーストの中に点々と見える形にします。ゆるければ薄力粉を小さじ1足し、硬ければヨーグルトを小さじ1足します。

手順4: 生地を分割して丸める
STEP 44 / 7

生地を分割して丸める

所要時間15分

火は使いません。一次発酵した生地を台に出し、手のひらで軽く押して大きなガスだけを抜きます。8等分、1個約70gに分け、表面を張らせるように丸めます。オーブンシートを敷いた天板に間隔を空けて並べ、乾いた布をかけて10分休ませます。休ませ終わりは表面がふっくらゆるみ、指で押すと浅い跡がゆっくり戻る状態です。ここまで待つと、次のくぼみ作りで縁が裂けにくくなります。台がべたつく時だけ打ち粉を薄く使います。

手順5: くぼみを深く押して二次発酵させる
STEP 55 / 7

くぼみを深く押して二次発酵させる

所要時間35分

火は使いません。丸めた生地の中央に、底を軽く打ち粉したコップを押し当て、直径5cmほどのくぼみを作ります。縁は高さ1.5cm前後残し、底を薄くしすぎないようにします。布をかけ、25から28度Cで25分ほど二次発酵させます。生地がふっくら戻り、くぼみが浅くなっていたら、焼く直前にもう一度コップ底で軽く押し直します。ここで深さを作ると、フィリングが流れにくくなります。

手順6: フィリングを詰めて縁に卵を塗る
STEP 66 / 7

フィリングを詰めて縁に卵を塗る

所要時間8分

火は使いません。オーブンを190度Cに予熱します。くぼみ1個につきチーズフィリングを大さじ2弱、約45gずつ入れます。詰め終わりは、中央が少し盛り上がり、ふっくらした縁の内側に2mmほど余白が残る形です。生地用に残した溶き卵に牛乳小さじ1を混ぜ、縁だけに薄く塗ります。塗り終わりは縁がつやっと濡れる程度で、卵液がたまるほど厚くしません。フィリングに卵液が流れると表面がまだらに焼けるため、刷毛を立てずに縁をなでるように塗ります。

手順7: 190度Cで焼き、少し冷まして食べる
STEP 77 / 7

190度Cで焼き、少し冷まして食べる

所要時間22分

190度Cに予熱したオーブンの中央段で18分焼きます。縁が黄金色になり、チーズの表面が揺れず、中心をそっと押すと柔らかく戻る状態が目安です。焼き色が弱ければ2分追加します。チーズを完全に乾かすまで焼くと割れやすいので、表面が淡い色のうちに止めます。天板から網へ移し、10分冷ましてから食べます。焼きたて直後はフィリングが熱く、味も落ち着いていません。

0 / 0
Ingredients

材料を分けて見る

材料スライド
材料

買い出しの前に

この分量で直径9cm前後のヴァトルーシュカが8個できます。大きく作るより、家庭のオーブンでは8個に分けたほうが中央まで安定して焼けます。レーズンは入れても入れなくても構いませんが、少量あるとチーズの酸味が丸くなります。

9品目

生地

材料 分量 代替・備考
強力粉 260g ふんわりした縁を作る
薄力粉 70g 強力粉だけより口当たりを軽くする
牛乳 150ml 35から38度Cに温める
インスタントドライイースト 5g 予備発酵不要タイプでも温度は見る
グラニュー糖 45g 生地用。上白糖でも可
5g 甘さを締める
1個 50g 生地用。溶いて40gを生地、残りをつや出しに回す
無塩バター 35g 室温に戻す
打ち粉 大さじ1から2 成形時だけ使う
9品目

チーズフィリング

材料 分量 代替・備考
カッテージチーズ 300g 15分水切りする。裏ごしタイプより粒ありがおすすめ
ギリシャヨーグルト 40g トヴォログ風の酸味とまとまりを補う
卵黄 1個分 フィリングを固める
グラニュー糖 45g 甘さは控えめ。好みで55gまで
薄力粉 12g 水分止め。コーンスターチでも可
レモンの皮 1/2個分 黄色い部分だけすりおろす
バニラエッセンス 3滴 入れすぎない
レーズン 35g ぬるま湯で5分戻し、水気を拭く
ひとつまみ 1g 乳の甘さを出す
3品目

仕上げ

材料 分量 役割
溶き卵 生地用の残り約10g 縁のつや出し
牛乳 小さじ1 溶き卵を塗りやすくする
粉糖 小さじ1 好みで食べる直前に薄く
アレルギーと保存

このレシピは小麦、卵、乳を使います。カッテージチーズやヨーグルトは商品により塩分と水分が違うため、フィリングを混ぜた直後に味見し、甘さより水分を優先して調整してください。焼いた後は乳製品入りなので、暑い時期の常温放置は避け、当日中に食べない分は冷蔵します。

0 / 0
材料表の分量8人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

📊 栄養情報(1人分)
36
kcal
1.1g
タンパク質
1.1g
脂質
5.3g
炭水化物
0.3g
食物繊維
31mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。

チーズの白いくぼみが、朝のパンを少し特別にする

焼きたてのパンを割ると、湯気より先に甘い乳の香りが出ます。ふかっとした生地の中央だけが白く、少し粒の残るチーズが落ち着いている。ヴァトルーシュカ(Ватрушка / vatrushka)は、ロシアや東欧で親しまれる、丸い発酵生地にチーズフィリングをのせた菓子パンです。

見た目は小さなチーズタルトのようですが、食べ心地はもっとパン寄りです。外側はブリオッシュほどリッチではなく、内側のフィリングは日本のチーズケーキほど甘くありません。朝食、学校帰りの軽食、濃い紅茶の横に置く甘いパンとして考えると、作り方の勘所が見えてきます。

現地でよく使われるのはトヴォログ(tvorog)と呼ばれるフレッシュチーズです。日本では見つけにくいので、この記事ではカッテージチーズを水切りし、ギリシャヨーグルトを少し混ぜて近づけます。守るのは、発酵生地のやわらかい縁、中央の深いくぼみ、粒感の残る白いフィリング、焼きすぎない乳の香りです。

ペリメニクールニクが食事の粉ものだとしたら、ヴァトルーシュカは同じロシア料理でも茶の時間へ寄る粉ものです。冷たいオクローシカのような夏の料理と並べると、ロシア料理が重い煮込みだけではないことも分かります。

現地名と表記

ロシア語表記は Ватрушка、複数形は ватрушки です。英語では vatrushka、複数形 vatrushki と書かれることが多く、日本語ではヴァトルーシュカ、ワトルーシュカなど表記が揺れます。本記事では料理名として読みやすい「ヴァトルーシュカ」を使います。

買い出し前に守るところ

ヴァトルーシュカに使う小麦粉、牛乳、卵、バター、水切りチーズ、レモン、レーズンを台所に並べた材料
材料は生地用とチーズフィリング用に分け、牛乳の温度とチーズの水分を先に決めておく

ヴァトルーシュカは材料名だけ見ると、普通の菓子パンです。違いが出るのは、チーズの水分、くぼみの深さ、焼き止めの早さです。中央が浅いと焼いている間にフィリングが流れ、逆に深く押しすぎると底が薄くなって破れます。

守るところ 現地らしさ 日本の台所での落とし方
トヴォログ風の粒感 フレッシュチーズの少しざらっとした舌ざわり カッテージチーズを水切りし、裏ごししすぎない
やわらかい発酵生地 甘いパン生地だが、ケーキほど重くない 牛乳と卵でこね、バターは控えめにする
深いくぼみ 中央に白いフィリングが残る 二次発酵後にコップ底で押し直す
焼き色 縁は黄金色、チーズは淡い色 190度Cで短く焼き、中心の乳を乾かしすぎない
食べ方 紅茶や朝食の甘いパン 焼きたてより少し冷まして香りを落ち着かせる

カッテージチーズは商品によって水分がかなり違います。ざるにキッチンペーパーを敷き、15分水を切ってから使うと、フィリングが流れにくくなります。粒が大きい場合はフォークで軽くつぶします。完全なクリーム状にすると、日本の菓子パンに寄りすぎるので、少し粒を残してください。

買い出し導線 生地温度と成形を安定させる道具

ヴァトルーシュカ作りに使うめん棒、温度計、フードプロセッサー、保存容器を台所に並べた買い出しの目安
通販で見る価値があるのは、普通の乳製品ではなく、温度と成形を安定させる道具

牛乳、卵、バター、カッテージチーズは近所のスーパーで十分です。商品カードで見る価値があるのは、発酵温度を外しにくくする温度計、均一に成形するめん棒、粒の大きいカッテージチーズを短く整える小型フードプロセッサーです。チーズや牛乳で数を増やさず、作業の失敗を減らすものに絞ります。

牛乳を熱くしすぎるとイーストが弱り、ぬるすぎると発酵が遅れます。特に冬の台所では、35から38度Cの差がそのまま発酵時間に出ます。

掲載商品は、複数の販売先を定期的に確認し、価格・内容量・レビュー傾向・購入しやすさを比較したうえで選定しています。

生地を丸く伸ばす作業は手でもできますが、底の厚みがそろわないとフィリングの沈み方が変わります。めん棒はペリメニピエロギにも回せます。

カッテージチーズの粒が大きい時は、フードプロセッサーを1秒ずつ数回だけ回すと扱いやすくなります。なめらかにしすぎるとチーズケーキ寄りになるので、短く止めるのがコツです。

失敗しやすいところ

よく焼けたヴァトルーシュカと、中央が割れて乾いたヴァトルーシュカを並べた比較
失敗は発酵不足、くぼみの浅さ、チーズの水分、焼きすぎに出やすい

ヴァトルーシュカの失敗は、中央のフィリングだけを見ていると戻しにくくなります。実際には、生地の発酵、くぼみの深さ、チーズの水分がつながっています。焼く前の段階で触って直せる部分が多い料理です。

状態 原因 直し方
中央が流れる フィリングがゆるい、くぼみが浅い チーズを追加で水切りし、薄力粉小さじ1を足す。焼く直前に押し直す
縁が硬い 牛乳が熱すぎて発酵不足、または焼きすぎ 牛乳は35から38度C。190度Cで18分から確認する
底が薄く破れる コップで強く押しすぎた 縁を残し、底は5mm以上残す。押し直しは軽く
チーズが割れる 高温で長く焼いた、水分が少なすぎる 焼き色がついたら止め、フィリングにヨーグルトを少し足す
味がぼんやりする チーズの塩気と酸味が弱い 塩ひとつまみ、レモン皮、ヨーグルトで輪郭を作る
翌日ぱさつく 常温で乾燥した 冷めたら早めに密閉し、食べる前に軽く温める

もっとも避けたいのは、チーズをなめらかにしようとして水分を増やしすぎることです。焼いている間に流れ、パンの底へしみ込みます。日本のカッテージチーズはトヴォログより水っぽいことがあるので、最初は水切りを長めに取り、フィリングは「すくうとゆっくり落ちる」固さを基準にしてください。

食べ方、保存、FAQ

冷ましたヴァトルーシュカをガラス容器に入れ、紅茶と一緒に食卓へ出したところ
乳製品入りなので、冷めたら乾燥を避けて保存し、食べる前に軽く温める

焼きたてをすぐ食べるより、10分から15分冷ました方がチーズの香りが分かります。合わせる飲み物は濃い紅茶、ミルクティー、ブラックコーヒー。朝食にするなら、甘くないスープや果物を少し添えると重くなりません。

当日中に食べる分は、完全に冷ましてから密閉容器へ入れ、涼しい季節なら半日だけ常温に置けます。翌日以降は冷蔵で2日が目安です。食べる時はトースターの低温、または160度Cのオーブンで4分温め、余熱で2分置きます。電子レンジだけだと縁が湿りやすいので、10秒から15秒だけ温めてからトースターで表面を戻すと食べやすくなります。

冷凍する場合は、1個ずつラップで包み、保存袋へ入れて2週間。解凍は冷蔵庫で半日、または室温で30分置き、160度Cのオーブンで6分温めます。フィリングの水分が戻りにくいので、冷凍前から焼きすぎないことが大事です。

トヴォログが手に入りません。クリームチーズで作れますか?

作れますが、かなり違う食べ心地になります。クリームチーズだけにすると濃厚でなめらかになり、ロシアのヴァトルーシュカより日本のチーズパンに近づきます。使うならカッテージチーズ200g、クリームチーズ80g、ヨーグルト20gにすると、粒感とコクのバランスが取りやすいです。

レーズンは必須ですか?

必須ではありません。入れない場合は、レモンの皮を少し増やすとチーズの香りが単調になりにくいです。ドライクランベリーを使うと酸味が出ますが、ロシアの素朴な味からは少し離れます。初回はレーズン入りか、完全に抜くかのどちらかにしてください。

ホームベーカリーで生地を作れますか?

作れます。生地コースを使い、バターまで入れて一次発酵まで任せます。ただし、取り出した後に生地が温かすぎる場合は、台に出して5分置いてから分割してください。温かいまま成形すると、くぼみが戻りやすく、フィリングを入れた後に横へ広がります。

前日に作れますか?

生地を一次発酵後に冷蔵する方法が扱いやすいです。一次発酵した生地を軽く押してガスを抜き、密閉容器に入れて冷蔵庫で一晩置きます。翌日は室温に20分出してから分割し、丸め、くぼみを作ります。フィリングは前日に混ぜると水が出やすいので、チーズの水切りだけ前日に済ませ、混ぜるのは当日がおすすめです。

どの料理と合わせるとロシア料理らしくなりますか?

食事の後の甘いパンとして出すなら、主菜はペリメニクールニクのような粉ものより、酸味のあるオクローシカや軽いサラダの方が重くなりません。週末の昼なら、ヴァトルーシュカだけを紅茶と果物に合わせても十分です。

主な参考リンク

レシピ一覧に戻る