赤いパプリカソースで煮込んだセルビア料理ムチカリツァとパンを並べた食卓
🔪下準備20分
🔥調理45分
🍽️分量4
🌍料理セルビア料理
東欧・コーカサスレシピ

ムチカリツァの作り方|肉とパプリカのセルビア煮込み

25分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

調理工程スライド
手順1: 肉を切って下味をつける
STEP 11 / 6

肉を切って下味をつける

所要時間10分

豚肩ロースは3cm角に切り、厚い脂身があれば5mmほど残して落とします。切り終わりは、ひと口で食べるには少し大きいが、表面積を作れる厚みがある状態が目安です。塩小さじ1、黒こしょう小さじ1/2をまぶし、10分置きます。調理直前に薄力粉大さじ1を薄くまとわせ、余分な粉は落とします。粉が厚いとソースが濁るので、肉の表面がうっすら白くなる程度で止めます。

手順2: 肉を強めに焼く
STEP 22 / 6

肉を強めに焼く

所要時間8分

厚手鍋またはフライパンに油大さじ2を入れ、中強火で1分30秒予熱します。肉を一度に入れすぎず、2回に分けて並べ、片面2分ずつ焼きます。肉の端が濃い茶色になり、鍋底に焦げではなく茶色い旨みが残る状態が目安です。中まで完全に火を通す必要はありません。焼けた肉はいったん皿へ出します。

手順3: 玉ねぎとパプリカで鍋底を拾う
STEP 33 / 6

玉ねぎとパプリカで鍋底を拾う

所要時間10分

火を中火に落とし、同じ鍋に玉ねぎを入れて3分炒めます。鍋底が強く焦げそうなら水大さじ2を加え、木べらで茶色い部分をこそげます。赤パプリカ、ピーマン、にんにく、乾燥唐辛子を加え、さらに7分炒めます。玉ねぎが透き通り、パプリカの端に軽い焼き色がつき、鍋底の茶色が野菜に移れば次へ進みます。

手順4: トマト、アイバル、パプリカで赤い土台を作る
STEP 44 / 6

トマト、アイバル、パプリカで赤い土台を作る

所要時間10分

トマト、アイバル、甘口パプリカ、スモークパプリカ、ローリエを入れ、中火で2分混ぜます。粉っぽさが消えたら水または鶏がらスープ200mlを加え、ふつふつしたら弱めの中火にします。8分ほど煮詰め、木べらで鍋底をなぞると一瞬線が残る濃度にします。ここで水っぽいままだと、肉を戻した後にスープ状になります。

手順5: 肉を戻して弱火で煮る
STEP 55 / 6

肉を戻して弱火で煮る

所要時間15分

焼いた肉と皿に出た肉汁を鍋へ戻し、全体を混ぜます。弱火に落とし、ふたを少しずらして12分から15分煮ます。鍋の縁だけが静かにふつふつし、ソースが肉に絡む状態を保ちます。焦げ付きそうなら水大さじ2を足します。豚肉の中心が75度以上、または断面に赤みがなく透明な肉汁が出るまで加熱します。

手順6: 火を止めて休ませ、酸味で締める
STEP 66 / 6

火を止めて休ませ、酸味で締める

所要時間7分

火を止め、ローリエを取り出して5分休ませます。仕上げにレモン果汁小さじ2を加え、5mm幅に刻んだパセリを散らします。ソースは皿に盛ったときに少し広がるが、底に赤い水分だけがたまらない濃さが目安です。味が重いと感じる場合は塩ではなくレモンを数滴足し、辛味が足りなければ唐辛子を小皿で添えます。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料スライド
18品目

材料

アイバル、パプリカ粉、厚手鍋、豚肩ロース、トマト、赤パプリカ、ピーマンを並べた買い出し準備
通販で見る価値があるのは、アイバル、スモークパプリカ、肉の温度を見られる道具。肉や野菜は近所のスーパーでそろえる

この分量は、パンとサラダを添える夕食なら4人分です。肉を増やすより、玉ねぎとパプリカを十分に入れる方が、ムチカリツァらしい赤い煮込みになります。豚肩ロースは塊がなければ厚切りロースでも作れますが、薄切り肉は煮込みの中で固く縮みやすいので避けます。

材料 分量 日本での選び方
豚肩ロース塊 600g 3cm角に切る。脂身が少しある方が乾きにくい
小さじ1 肉の下味用
黒こしょう 小さじ1/2 粗びき
薄力粉 大さじ1 肉の表面に薄くまぶし、ソースを絡める
米油またはひまわり油 大さじ2 焼き付け用
玉ねぎ 2個、約400g 1cm幅の薄切り
赤パプリカ 2個、約300g 1.5cm幅に切る
ピーマン 3個、約120g 1.5cm幅に切る
にんにく 2片、約10g みじん切り
トマト 2個、約300g 1.5cm角。缶ならカットトマト300g
アイバル 大さじ3 なければ焼きパプリカペースト、またはトマトペースト大さじ1とパプリカ粉小さじ1
パプリカパウダー 大さじ1 甘口を基本にする
スモークパプリカ 小さじ1 炭火の香りを補う
乾燥唐辛子 1/2本、約1g 辛味を控えるなら種を外す
水または鶏がらスープ 200ml 濃すぎる顆粒スープは使わない
ローリエ 1枚 あれば
イタリアンパセリ 10g 仕上げに刻む
レモン果汁 小さじ2 最後に重さを切る
アレルギーと肉の火通り

このレシピは豚肉と小麦を使います。小麦を避ける場合は薄力粉を米粉小さじ2に替えます。豚肉は中心まで火を通し、心配な場合は温度計で中心75度以上を確認してください。

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📊 栄養情報(1人分)
130
kcal
8.5g
タンパク質
8.0g
脂質
5.0g
炭水化物
1.3g
食物繊維
245mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。
人数に合わせて材料表を調整する
4人分

材料 4人分

アイバル、パプリカ粉、厚手鍋、豚肩ロース、トマト、赤パプリカ、ピーマンを並べた買い出し準備
通販で見る価値があるのは、アイバル、スモークパプリカ、肉の温度を見られる道具。肉や野菜は近所のスーパーでそろえる

この分量は、パンとサラダを添える夕食なら4人分です。肉を増やすより、玉ねぎとパプリカを十分に入れる方が、ムチカリツァらしい赤い煮込みになります。豚肩ロースは塊がなければ厚切りロースでも作れますが、薄切り肉は煮込みの中で固く縮みやすいので避けます。

材料 分量 日本での選び方
豚肩ロース塊 600 g 3cm角に切る。脂身が少しある方が乾きにくい
小さじ1 肉の下味用
黒こしょう 小さじ1/2 粗びき
薄力粉 大さじ1 肉の表面に薄くまぶし、ソースを絡める
米油またはひまわり油 大さじ2 焼き付け用
玉ねぎ 2 個、約400 g 1cm幅の薄切り
赤パプリカ 2 個、約300 g 1.5cm幅に切る
ピーマン 3 個、約120 g 1.5cm幅に切る
にんにく 2 片、約10 g みじん切り
トマト 2 個、約300 g 1.5cm角。缶ならカットトマト300 g
アイバル 大さじ3 なければ焼きパプリカペースト、またはトマトペースト大さじ1とパプリカ粉小さじ1
パプリカパウダー 大さじ1 甘口を基本にする
スモークパプリカ 小さじ1 炭火の香りを補う
乾燥唐辛子 1/2 本、約1 g 辛味を控えるなら種を外す
水または鶏がらスープ 200 ml 濃すぎる顆粒スープは使わない
ローリエ 1 枚 あれば
イタリアンパセリ 10 g 仕上げに刻む
レモン果汁 小さじ2 最後に重さを切る
アレルギーと肉の火通り

このレシピは豚肉と小麦を使います。小麦を避ける場合は薄力粉を米粉小さじ2に替えます。豚肉は中心まで火を通し、心配な場合は温度計で中心75度以上を確認してください。

焼き肉の香りを鍋に残してから煮る

夕方の台所で豚肉を強めに焼くと、鍋底に茶色い焦げ目が残ります。そこへ玉ねぎとパプリカを入れた瞬間、甘い野菜の水分がじゅっと音を立て、肉の香ばしさを拾っていく。ムチカリツァは、この最初の焼き目を捨てずに、赤いソースへ移す料理です。

赤いパプリカソースで煮込んだムチカリツァをパンとサラダの食卓に出した様子
ムチカリツァは焼き目をつけた肉を、パプリカ、トマト、アイバルの赤いソースで短く煮込む

ムチカリツァ(Mućkalica)は、セルビア南部レスコヴァツ周辺で語られることが多い、肉、玉ねぎ、パプリカ、トマトを合わせた煮込みです。レスコヴァツといえばグリル料理の町として知られ、英語圏の紹介でも、ムチカリツァは焼いた肉を野菜と合わせる一皿として説明されます。

日本の台所で作るなら、現地の炭火焼き肉の残りをそのまま持ってくることはできません。そこでこの記事では、豚肩ロースをフライパンでしっかり焼き、鍋底の香りを玉ねぎとピーマンで回収します。守るべき軸は、肉を先に焼くこと、パプリカの甘さを出すこと、ソースをスープ状にしないことです。

料理名の読み方

セルビア語の Mućkalica は、日本語ではムチカリツァと表記します。語源は「混ぜる」「振る」に近い動詞と説明されることがあり、焼いた肉と野菜を鍋で合わせる料理名として覚えると入りやすいです。

ムチカリツァの背景

豚肩ロース、赤パプリカ、ピーマン、玉ねぎ、トマト、アイバル、パプリカ粉を並べた材料
材料は肉、玉ねぎ、パプリカ、トマトの四本柱。アイバルとスモークパプリカでグリル料理らしい香りを補う

セルビア料理の中でも、レスコヴァツは肉を焼く文化の強い土地として紹介されます。チェヴァピやプレスカヴィツァのようなグリル料理を思い浮かべると、ムチカリツァの位置が見えてきます。単なるトマト煮ではなく、焼いた肉を赤い野菜の鍋へ戻す料理です。

現地紹介では、豚肉やグリルした肉、玉ねぎ、パプリカ、トマト、唐辛子を使う説明が多く見られます。辛味を立てる店もありますが、家庭で作るなら辛さより先に、肉の焼き目とパプリカの甘さを作る方が失敗しにくいです。

同じバルカンの肉料理としては、セルビアのチェヴァピが炭火焼きの香りを主役にします。ムチカリツァはそこから一歩台所寄りで、焼き肉の香ばしさを、玉ねぎと赤いソースで受け止める料理です。パプリカを使う煮込みという意味では、ハンガリーのグヤーシュとも比べられますが、ムチカリツァはもっと肉の焼き目が前に出ます。

買い出しで迷うもの

肉、玉ねぎ、ピーマン、トマトは近所のスーパーでそろえます。通販で見る価値があるのは、アイバル、スモークパプリカ、肉の火通りを見られる温度計です。アイバルはバルカンの赤パプリカペーストで、入れると「トマト煮」から「パプリカの煮込み」へ寄ります。

初回に全部そろえる必要はありません。甘口パプリカは必須、スモークパプリカは炭火香の補助、アイバルは赤い野菜の厚みを出す材料です。優先順位をつけるなら、まずパプリカ粉、次にアイバル、最後にスモークパプリカです。

掲載商品は、複数の販売先を定期的に確認し、価格・内容量・レビュー傾向・購入しやすさを比較したうえで選定しています。

スモークパプリカは、フライパン調理で足りない炭火の香りを補う材料です。入れすぎると燻製の粉っぽさが前に出るので、小さじ1で止めます。

豚肉は見た目だけでは火通りが読みづらいことがあります。塊肉をよく使う家なら、温度計はこの料理以外でも役に立ちます。

日本の台所で本場に寄せる分岐表

迷う点 現地寄せ 日本での現実解 避けたい方向
グリルした豚肉や混合肉を使う 豚肩ロースを強めに焼いてから煮る 薄切り肉を最初から煮る
パプリカ 肉厚の赤パプリカをたっぷり 赤パプリカとピーマンを併用 ピーマンだけで青い味にする
赤い厚み 焼きパプリカやアイバル 市販アイバルを大さじ3 ケチャップで甘くする
煙の香り 炭火の焼き肉 スモークパプリカ小さじ1 燻製味を入れすぎる
食べ方 パン、サラダ、ピクルス バゲット、じゃがいも、白ご飯でも可 ソースを薄めてスープにする

日本の家庭で一番守りたいのは、肉を焼く順番です。豚肉を煮汁に沈めてから火を通すと、トマト味のポークシチューに寄ります。ムチカリツァらしさは、先に焼いた肉の香りが、玉ねぎとパプリカの甘さに移るところにあります。

もう一つは、アイバルの使い方です。大さじ3入れると香りが立ちますが、入れすぎると市販ペーストの味が料理を支配します。アイバルは主役ではなく、赤パプリカの不足を補う調味料として使うと、日本の材料でも自然にまとまります。

失敗しやすいところと戻し方

水っぽいムチカリツァと、ほどよく煮詰まったムチカリツァを並べた比較
左は煮汁が薄い状態、右はソースが肉とパプリカに絡む状態。水分量で仕上がりが大きく変わる
症状 原因 直し方
水っぽい トマトとスープを煮詰める前に肉を戻した ふたを外し、弱めの中火で5分煮詰める
肉が固い 強火で煮立て続けた、薄切り肉を使った 弱火に落とし、水大さじ3を足して10分休ませるように煮る
焦げ臭い 肉の焼き目を焦がした 焦げた部分はこそげず、別鍋に野菜と肉だけ移す
甘すぎる ケチャップや甘いパプリカペーストを使った レモン果汁小さじ1、黒こしょう少々、塩ひとつまみで締める
青臭い ピーマンだけで作った、炒めが短い 赤パプリカを足し、中火で5分追加して甘さを出す

煮込み料理は「長く煮ればよい」と思いがちですが、ムチカリツァは長時間のシチューではありません。肉を焼いて香りを作り、野菜とソースで包み、短く落ち着かせる料理です。弱火でふつふつ、ソースは厚め。この二つを見ながら進めると、パンでぬぐいたくなる濃さになります。

食べ方、保存、翌日の使い方

保存容器に入れたムチカリツァと、翌日にご飯へ添えたムチカリツァ
保存するときは浅い容器へ移す。翌日はご飯やじゃがいもに添えると赤いソースまで食べやすい

現地の雰囲気に寄せるなら、パン、玉ねぎ、ピクルス、簡単なサラダを添えます。日本の食卓では、バゲット、ゆでじゃがいも、白ご飯でも受け止められます。白ご飯にのせる場合は、最後のレモン果汁を少し増やすと重くなりません。

保存は、粗熱を取ってから浅い容器に移し、冷蔵で2日以内です。豚肉の煮込みなので、室温に長く置かないでください。温め直しは鍋なら弱火で6分、電子レンジなら1人分を600Wで1分30秒温め、一度混ぜてさらに40秒を目安にします。冷えるとソースが締まるので、水大さじ1から2を足すと戻りやすいです。

翌日は、パンにはさんで温かいサンドにしてもよいです。ピザ用チーズをのせると食べやすくなりますが、セルビア料理らしさは少し薄れます。方向を保つなら、刻み玉ねぎ、パセリ、レモンを足して、赤いソースの輪郭を戻す方が合います。

よくある質問

牛肉や鶏肉でも作れますか?

作れます。牛肩ロースなら同じ手順で、煮込み時間を20分ほどに伸ばします。鶏もも肉なら焼き時間を片面2分、煮込みを10分に短くします。ただし、ムチカリツァの現地紹介では豚肉やグリルした肉の文脈が強いので、初回は豚肩ロースが一番作りやすいです。

アイバルがない場合はどうしますか?

トマトペースト大さじ1、甘口パプリカ小さじ1、オリーブ油小さじ1を混ぜて代用します。赤パプリカを直火や魚焼きグリルで焼き、皮をむいて刻むとさらに近づきます。ケチャップは甘さと酢が強く、ムチカリツァの方向から外れやすいので避けます。

辛くしないで作れますか?

作れます。乾燥唐辛子を抜き、黒こしょうだけで仕上げます。大人だけ辛くしたい場合は、鍋全体に唐辛子を足さず、小皿のチリフレークや唐辛子オイルで調整します。

トマト缶と生トマトはどちらがよいですか?

夏なら生トマト、季節外れならカットトマト缶で十分です。生トマトは酸味がやわらかく、缶は色が安定します。缶を使う場合は水分が多いので、工程4で2分長く煮詰めてください。

前日に作ってもおいしいですか?

おいしいです。翌日は味が落ち着きますが、パプリカの香りは少し丸くなります。温め直した後にレモン果汁を数滴、刻みパセリを少し足すと、作りたての輪郭が戻ります。

参考にした現地情報

次に作るなら

セルビアの肉料理を続けるなら、まずチェヴァピで焼き肉の方向を比べてください。パプリカと豆の落ち着いた煮込みへ進むなら、北マケドニアのタヴチェ・グラヴチェがよいです。赤いソースをパンで受ける食卓が気に入ったら、アルバニアのフェルゲセも近い楽しさがあります。

出典・引用について

この記事は、世界ごはん紀行編集部が各国の料理資料、現地レシピ、食材事情をもとに、日本の家庭で再現しやすい形に整理したものです。

出典
世界ごはん紀行ムチカリツァの作り方|肉とパプリカのセルビア煮込み
URL
https://sekaigohan.com/recipes/east-europe/serbia/muckalica
著者・編集
世界ごはん紀行編集部
更新日
2026年5月30日
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