アルバニアの国民食フェルケセ。焼きパプリカとトマト、溶けた白チーズが土鍋の中で黄金色に焼き上がった一皿
🔪下準備30分
🔥調理35分
🍽️分量4
🌍料理アルバニア料理
東欧・コーカサスレシピ

フェルケセの作り方|アルバニアの焼きパプリカチーズ

26分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

調理工程スライド
手順1: パプリカを焼く(15分)
STEP 11 / 6

パプリカを焼く(15分)

赤パプリカ4個を丸ごとガスコンロの直火で焼きます。トングで回しながら全面の皮が真っ黒に焦げるまで焼いてください。約15分かかります。ガスコンロがない場合は、オーブンのグリル機能で250度、15〜20分焼きます。魚焼きグリルでも代用可能。皮が黒くなり、パプリカ本体がしんなりしたら完了です。

パプリカの皮は「怖いくらい真っ黒」にするのが正解です。表面が炭化することでスモーキーな風味が生まれます。中身には火が通りすぎないため心配いりません。焼きムラがあると皮がむきにくくなるので、全面を均一に焼くことを意識してください。

手順2: パプリカの皮をむく(10分)
STEP 22 / 6

パプリカの皮をむく(10分)

直火に当てたパプリカをボウルに入れ、ラップで覆って10分置きます。皮が浮き上がり、指で軽くこすると手でするりとむけ、果肉が柔らかくなっていれば十分です。皮をむいたら種とヘタを取り除き、果肉を一口大に切ります。水で洗うと旨みが流れてしまうのでキッチンペーパーで拭く程度にしてください。

手順3: トマトとパプリカを炒める(10分)
STEP 33 / 6

トマトとパプリカを炒める(10分)

フライパンにオリーブオイル大さじ3を入れ、中火で加熱します。にんにくのみじん切りを加え、香りが立つまで約1分炒めます。焦がさないよう注意。ざく切りにしたトマトを加え、中火で5分煮詰めます。トマトが崩れてソース状になったら、パプリカの果肉を加えてさらに3〜4分炒め合わせます。塩小さじ1、黒こしょう、オレガノ、パプリカパウダーを加えて味を調えてください。

手順4: チーズと卵を加える(5分)
STEP 44 / 6

チーズと卵を加える(5分)

火を弱火に落とします。白チーズを手でほぐしながら加え、全体にざっくり混ぜます。チーズが完全に溶ける必要はありません。むしろゴロッとした塊が残る方が食感のアクセントになります。卵2個をボウルで軽く溶き、フライパンに回し入れます。手早く全体を混ぜ、卵が半熟状に固まり始めたら火を止めてください。

手順5: オーブンで焼き上げる(15分)
STEP 55 / 6

オーブンで焼き上げる(15分)

耐熱の土鍋またはグラタン皿に移し替えます。表面をスプーンの背で厚み2〜3cmに平らにならし、200度に予熱したオーブンで15分焼きます。表面にこんがりとした焼き色が付き、縁のチーズが小さな泡でぶくぶくし、中央を揺らすとゆっくり震える程度にまとまったら完成。水っぽい汁が表面に浮く場合は、さらに3分焼いて水分を飛ばします。オーブンがない場合はフライパンのまま蓋をして弱火で10分加熱しても仕上がります。トースター(1200W)なら10分でも可。

手順6: 盛り付け(2分)
STEP 66 / 6

盛り付け(2分)

オーブンから出して表面の泡が落ち着くまで1〜2分置き、熱いうちに皿へ取り分けるか、土鍋のまま食卓に出します。皿に取り分ける場合は、スプーンで8cm角ほどをすくい、チーズの塊とパプリカが均等に入るよう中央を少し高く盛ります。表面が黄金色で、縁がふつふつしている状態が食べごろです。パセリのみじん切りを散らし、オリーブオイルを少量回しかけます。クラストの効いたパンを添えてください。アルバニアではブケ(bukë) と呼ばれる田舎パンと共に食べるのが定番です。日本のバゲットやカンパーニュがよく合います。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料スライド
7品目

メインの材料

材料 分量 代替・備考
赤パプリカ 4個(大きめ) 焼いて皮をむく。黄・オレンジでも可
トマト 3個(完熟) 缶詰のダイストマト200gでも代用可
白チーズ(フェタチーズ) 200g ジゼ(gjizë)の代用。カッテージチーズでも可
2個 つなぎ兼仕上げ用
にんにく 3片(みじん切り)
オリーブオイル 大さじ3 バターでも可。コクが増す
小麦粉 大さじ1 とろみ付け。ベシャメル風にする場合
チーズの選び方

本場のフェルケセにはジゼ(gjizë) というアルバニア特有のホエイチーズを使います。リコッタチーズに近い食感です。日本ではフェタチーズが最も近い味わいを再現できます。成城石井や輸入食材店で400〜600円/200gで購入可能です。手に入らない場合はカッテージチーズ150g+粉チーズ大さじ2の組み合わせで代用してください。塩味が足りない場合は塩で調整します。

アレルギー情報

このレシピには乳(チーズ、バター使用時)、卵、小麦(小麦粉使用時)が含まれます。乳アレルギーの方はチーズなしでパプリカとトマトの煮込みとして楽しめます。卵アレルギーの方は卵を省略し、チーズのとろみだけで仕上げてください。小麦粉は米粉で代用可能です。

フェルケセの主要食材。赤パプリカ、トマト、白チーズ、卵、にんにく、オリーブオイルが並ぶ
食材一覧。赤パプリカの鮮やかな赤が主役
5品目

調味料

材料 分量 備考
小さじ1 味を見ながら調整
黒こしょう 小さじ1/2
パプリカパウダー 小さじ1 色と香りの補強。省略可
オレガノ(乾燥) 小さじ1/2 バルカン料理の定番ハーブ
パセリ 適量(みじん切り) 仕上げ用

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📊 栄養情報(1人分)
80
kcal
4.0g
タンパク質
5.5g
脂質
3.5g
炭水化物
0.8g
食物繊維
155mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。
人数に合わせて材料表を調整する
4人分

材料(4人分)

メインの材料

材料 分量 代替・備考
赤パプリカ 4 個(大きめ) 焼いて皮をむく。黄・オレンジでも可
トマト 3 個(完熟) 缶詰のダイストマト200 gでも代用可
白チーズ(フェタチーズ) 200 g ジゼ(gjizë)の代用。カッテージチーズでも可
2 個 つなぎ兼仕上げ用
にんにく 3 片(みじん切り)
オリーブオイル 大さじ3 バターでも可。コクが増す
小麦粉 大さじ1 とろみ付け。ベシャメル風にする場合
チーズの選び方

本場のフェルケセにはジゼ(gjizë) というアルバニア特有のホエイチーズを使います。リコッタチーズに近い食感です。日本ではフェタチーズが最も近い味わいを再現できます。成城石井や輸入食材店で400〜600円/200 gで購入可能です。手に入らない場合はカッテージチーズ150 g+粉チーズ大さじ2の組み合わせで代用してください。塩味が足りない場合は塩で調整します。

アレルギー情報

このレシピには乳(チーズ、バター使用時)、卵、小麦(小麦粉使用時)が含まれます。乳アレルギーの方はチーズなしでパプリカとトマトの煮込みとして楽しめます。卵アレルギーの方は卵を省略し、チーズのとろみだけで仕上げてください。小麦粉は米粉で代用可能です。

フェルケセの主要食材。赤パプリカ、トマト、白チーズ、卵、にんにく、オリーブオイルが並ぶ
食材一覧。赤パプリカの鮮やかな赤が主役

調味料

材料 分量 備考
小さじ1 味を見ながら調整
黒こしょう 小さじ1/2
パプリカパウダー 小さじ1 色と香りの補強。省略可
オレガノ(乾燥) 小さじ1/2 バルカン料理の定番ハーブ
パセリ 適量(みじん切り) 仕上げ用

バルカン半島の隠れた宝石

ヨーロッパの地図を見てください。イタリアの踵の向かい、ギリシャの北隣に位置する小さな国がアルバニアです。長年の鎖国政策で「ヨーロッパ最後の秘境」と呼ばれてきたこの国には、知られざる食文化の宝庫が眠っています。その代表格がフェルケセ(Fërgesë)です。

フェルケセは焼きパプリカとトマトを炒め、白チーズと卵を加えてオーブンで焼き上げるアルバニアの伝統料理です。見た目は地味な土鍋料理ですが、一口食べると驚きます。パプリカの甘みとスモーキーな香り、トマトの酸味、白チーズの塩気と乳のコク。これらが卵のまろやかさで一つにまとまり、複雑なのに調和のとれた味わいが口の中に広がります。

アルバニア料理研究家のPetrit Kumi氏によれば、フェルケセはアルバニアの首都ティラナを中心に中部地方で最も愛されている家庭料理です。特に「フェルケセ・ティラネ(Fërgesë Tirane)」と呼ばれるティラナスタイルが全国的に知られています。レストランでも家庭でも、アルバニア人にとって「おふくろの味」に最も近い存在です。

フェルケセとは

アルバニア中部発祥の伝統的なオーブン焼き料理。焼きパプリカ、トマト、白チーズ(ジゼ / gjizë)を卵でまとめて焼く。「フェルケセ・ティラネ」が最も有名なバリエーション。オスマン帝国時代の影響を受けつつ、アルバニア独自の発展を遂げた。夏のパプリカの旬に最も美味しい。

日本語でフェルケセの情報を検索しても、ほぼ何も出てきません。アルバニア料理そのものが日本ではほとんど知られていないのが現状です。しかし英語圏では"Albanian comfort food"として多くの料理ブロガーが紹介しています。近年のバルカン半島観光ブームもあり、注目度は急速に高まっています。ボスニアのブレク北マケドニアのタブチェグラブチェのようにバルカン料理に興味がある方なら、フェルケセは間違いなく次の一皿です。この記事では英語圏の情報を徹底調査し、日本で手に入る食材だけで本格的なフェルケセを再現する方法を解説します。


フェルケセの食べ方

フェルケセはアルバニアでは前菜またはメインディッシュとして食べられます。前菜の場合は少量を小皿に盛り、パンと共に。メインの場合はたっぷり盛り、サラダやグリル肉を添えます。

食べ方はシンプルです。パンをちぎってフェルケセをすくい上げるようにして口に運びます。パプリカの甘みとチーズのコクがパンの小麦の風味と合わさり、素朴だが深い満足感が得られます。レバノンのフムスをパンですくって食べる感覚に似ています。

アルバニアの食卓では、フェルケセと一緒にラキ(raki) というぶどう蒸留酒を飲むのが伝統です。食前酒として小さなグラスに注ぎ、「ゲズアル(Gëzuar = 乾杯)」の掛け声と共にいただきます。アルコールが苦手な方にはドヒ(dhallë) というアイランに似たヨーグルトドリンクがおすすめです。


歴史と文化——バルカン半島の食の交差点

オスマン帝国の影響とアルバニアの独自性

アルバニア料理はオスマン帝国の500年にわたる支配の影響を色濃く受けています。トルコのドルマキョフテに見られる調理法がアルバニアにも伝わりました。しかしフェルケセには、オスマン料理にはないアルバニア独自の要素があります。

それがジゼ(gjizë) というチーズの存在です。ジゼはホエイから作る酸味の強いチーズで、アルバニアの山岳地帯で古くから作られてきました。このジゼをパプリカ料理に加えるのはアルバニア独自の発想です。食文化史家のKlajdi Turku氏は「フェルケセはトルコ由来の焼き野菜料理にアルバニアの乳文化が融合した結晶」と評しています。

アルバニアの伝統的な食文化。ティラナのカフェと街並み
ティラナの旧市街。オスマン帝国時代の建築とカフェ文化が今も息づく

ティラナスタイルとベラトスタイル

フェルケセにはいくつかの地域バリエーションがあります。

スタイル 特徴 地域
ティラナスタイル パプリカ+トマト+チーズ+卵。最も標準的 ティラナ(首都)
ベラトスタイル レバー(内臓)入り。より濃厚で力強い味 ベラト(南部)
コルチャスタイル チーズ多め。パプリカは控えめ コルチャ(東部)

この記事のレシピはティラナスタイルをベースにしています。ベラトスタイルに挑戦したい方は、鶏レバー100gを細かく刻んでステップ3で加えてください。レバーの鉄分とパプリカのビタミンCの組み合わせは栄養面でも優れています。

アルバニア料理の知られざる魅力

アルバニアは地中海、バルカン、オスマンの3つの食文化が交差する場所にあります。海沿いでは新鮮な魚介料理が、山岳部では羊肉とチーズの料理が発達しました。フェルケセのほかにも以下の料理が有名です。

  • ビュレク(byrek) ——フィロ生地のパイ。ボスニアのブレクの親戚
  • タヴァ・コシ ——ラムとヨーグルトのオーブン焼き
  • チフテ ——スパイシーなミートボール。トルコのキョフテのアルバニア版
  • バクラヴァ ——蜂蜜シロップのフィロ菓子

近年、アルバニアは「ヨーロッパの穴場旅行先」として欧米で注目を集めています。食文化への関心も急速に高まっており、フェルケセを紹介する英語圏のブログも年々増えています。


アレンジとバリエーション

フェルケセの基本レシピは非常にシンプルです。そのためアレンジの幅が広いのも魅力の一つ。

レバー入りフェルケセ(ベラトスタイル)

鶏レバー100gを5mm角に刻みます。ステップ3でにんにくを炒めた後、トマトの前にレバーを加えて中火で3分炒めてください。レバーに火が通ったらトマトとパプリカを加えて通常通り進めます。レバーの濃厚さがフェルケセの味の奥行きを格段に広げます。

なす入りフェルケセ

パプリカの半量をなすに置き換えるバリエーション。なすは1cm厚の輪切りにし、オリーブオイルで両面を焼いてから加えます。なすがトマトソースを吸い込み、ジューシーな仕上がりに。ギリシャのムサカのような満足感が得られます。

チーズ増量バージョン

チーズ好きなら、白チーズを300gに増量してみてください。卵を3個に増やし、小麦粉大さじ1を加えるとキッシュのような食感になります。オーブンでの焼き時間を5分延ばし、しっかり焼き色を付けると良いでしょう。


フェルケセに合う副菜

アルバニアの食卓ではフェルケセに以下の副菜を合わせます。

  • ブケ(bukë) ——アルバニアの田舎パン。日本のカンパーニュやバゲットで代用
  • サラタ・ジェルベル ——焼きパプリカのマリネサラダ。フェルケセと同じパプリカ文化
  • サラタ・ショプスケ ——トマト、きゅうり、白チーズのサラダ。バルカン半島の定番
  • ドヒ(dhallë) ——ヨーグルトドリンク。辛さを和らげる

フェルケセは白ワインとの相性が抜群です。アルバニアはワイン生産国でもあり、白ワイン品種のプーリーニュ(Pule)が特に合います。日本で入手しにくい場合は、ギリシャのアシルティコやイタリアのヴェルディッキオが近い味わいです。


あわせて作りたい料理

よくある質問

Q1. フェタチーズ以外で代用できますか?

はい。カッテージチーズ150g+粉チーズ大さじ2が最もコスパの良い代用法です。リコッタチーズも近い食感が得られます。クリームチーズは脂肪分が多すぎるため不向き。本場のジゼに最も近いのはフェタチーズですが高価なので、カッテージチーズで十分美味しく仕上がります。

Q2. パプリカを直火で焼く代わりの方法は?

オーブンのグリル機能(250度、15〜20分)が最も手軽な代替手段です。魚焼きグリルでも可。またフライパンで押し焼きにする方法もあります。半分に切ったパプリカの皮面を下にして、蓋をして強火で10分焼きます。仕上がりは直火にやや劣りますが十分です。

Q3. 作り置きはできますか?

冷蔵保存で3日以内が目安です。再加熱は電子レンジ600Wで2分、またはオーブン180度で10分。冷凍保存は1ヶ月可能ですが、解凍時にチーズから水分が出やすくなります。作りたてが最も美味しいので、食べ切れる量を作ることをおすすめします。

Q4. ベジタリアン対応ですか?

基本レシピはベジタリアン対応です。卵とチーズが含まれるのでヴィーガンではありませんが、卵をなくし、チーズを豆腐に置き換えればヴィーガン対応も可能です。パプリカとトマトだけでも十分美味しい料理になります。

Q5. 子どもにも食べさせられますか?

はい。辛い調味料は一切使わないので、お子様にも安心です。パプリカの甘みとチーズの風味は子どもにも人気があります。パプリカを細かく刻めば2歳以上のお子様に。離乳食期のお子様にはパプリカとチーズを裏ごしして提供できます。


おすすめの食材・調理器具

掲載商品は、複数の販売先を定期的に確認し、価格・内容量・レビュー傾向・購入しやすさを比較したうえで選定しています。

まとめ

フェルケセは「ヨーロッパ最後の秘境」アルバニアが世界に誇る家庭料理です。焼きパプリカ、トマト、白チーズ、卵という身近な材料だけで作れる手軽さが魅力。それでいて味わいは驚くほど奥深い。パプリカのスモーキーな甘み、チーズのコク、トマトの酸味が一体となった味覚は他の料理では得られません。

調理時間は約1時間。特別な技術も不要です。パプリカを直火で焼くステップだけ少し手間がかかりますが、この工程が味の決め手になります。休日のブランチやワインのお供に、ぜひ作ってみてください。

ルーマニアのプラチンタが東欧のパイ文化を代表するなら、フェルケセは東欧のチーズ焼き文化の最高峰です。バルカン半島の食の豊かさを日本の台所から体験してください。


参考文献

出典・引用について

この記事は、世界ごはん紀行編集部が各国の料理資料、現地レシピ、食材事情をもとに、日本の家庭で再現しやすい形に整理したものです。

出典
世界ごはん紀行フェルケセの作り方|アルバニアの焼きパプリカチーズ
URL
https://sekaigohan.com/recipes/east-europe/albania/fergese
著者・編集
世界ごはん紀行編集部
更新日
2026年4月7日
主な参考リンク
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