薄く焼いたスロベニアのとうもろこし粉菓子ズレヴァンカの断面
🔪下準備15分
🔥調理40分
🍽️分量4
🌍料理スロベニア料理
ヨーロッパレシピ

ズレヴァンカの作り方|スロベニアの薄焼き粉菓子

29分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

調理工程スライド
手順1: 型とオーブンを温める
STEP 11 / 4

型とオーブンを温める

所要時間10分

火加減: オーブンを200℃に予熱し、スキレットは油15mlを入れて5分温めます。

オーブン対応の26cmスキレットへ米油15mlを入れ、底へ薄く広げます。200℃のオーブンで5分温め、油がさらっと動き、鍋肌に均一なつやが出たら準備完了です。煙が出た場合は熱しすぎなので、一度外して1分待ちます。取っ手まで熱くなるため、乾いた厚手のミトンを使ってください。

手順2: 流れる生地を作る
STEP 22 / 4

流れる生地を作る

所要時間8分

火加減: 火は使いません。牛乳は20℃前後で使います。

ボウルに卵1個、砂糖24g、塩2gを入れ、泡立て器で1分混ぜます。牛乳500ml、生クリーム45ml、米油30mlを加え、ここで30秒混ぜてください。コーンフラワー250gを3回に分けて入れ、その都度だまをボウルの側面へ押しつぶします。泡立て器を持ち上げると、太い帯ではなく幅1cmほどの流れで落ち、表面の跡が2秒ほどで消える状態が目安です。粉が粗くて生地が重い時は、牛乳を15mlだけ追加します。

手順3: 熱い型へ一気に流す
STEP 33 / 4

熱い型へ一気に流す

所要時間2分

火加減: コンロは使いません。200℃のオーブンから出した型へ注ぎます。

熱いスキレットを耐熱台へ置き、生地を底から5回だけ混ぜ直します。粉の沈みが消え、生地全体がなめらかな流れへ戻ったことを確認し、鍋の中央へ一気に流してください。生地は厚さ1.5cm前後に広がり、縁に細かな油の泡が出ます。何度も分けて注ぐと最初の層だけが固まり、断面がはがれやすくなります。生地が片側へ寄った時は、取っ手を両手で持ち、鍋を一度だけゆっくり傾けてならします。

手順4: 温度を下げて焼く
STEP 44 / 4

温度を下げて焼く

所要時間35〜40分

火加減: 200℃で7分、表面が少し上がったら175℃で15分から20分焼き、火を止めて10分休ませます。

スキレットをすぐ200℃のオーブンへ戻します。7分ほどで縁が持ち上がり、中央に小さな泡の跡が出たら、扉を開けずに175℃へ下げます。そこから15分から20分、縁がきつね色になり、中央をそっと押すと指の跡がゆっくり戻るまで焼きます。表面全体を濃い茶色にする必要はありません。オーブンの設定を切り、型を取り出して10分置きます。縁へ薄いへらを入れ、8切れに切り、食べる直前に粉糖16gを薄く振ります。

耐熱ガラスや薄い金属型は、製品表示で空焼き可能と確認できない限り予熱しません。油を塗った常温の型へ生地を流し、200℃で10分、その後175℃で18分から23分焼きます。縁の音は弱くなりますが、割れる危険を避けるほうが大切です。

0 / 0
Ingredients

材料を分けて見る

材料スライド
8品目

買い出しの前に

とうもろこし粉、牛乳、生クリーム、卵、砂糖、油を並べた材料
材料は身近でも、粉の粒度だけは袋をよく見て選ぶ

26cmのスキレット、または24cm角程度の金属製焼き型1台分です。8切れにして、4人で2切れずつ食べる量を想定しています。

材料 分量 代替・備考
コーンフラワー 250g 細挽きとうもろこし粉。コーンスターチは不可
牛乳 500ml 成分無調整。冷蔵庫から出して15分置く
生クリーム 45ml 脂肪分35%前後。無糖ヨーグルト45gでも可
1個、約55g Mサイズ
グラニュー糖 24g 大さじ2。甘さを控えるなら16gまで減らせる
米油 45ml 生地に30ml、型に15ml。菜種油でも可
2g 小さじ1/3
粉糖 16g 仕上げ用。食べる直前に使う
アレルギーについて

このレシピは卵と乳製品を使います。とうもろこし粉自体に小麦は含まれませんが、製品によっては小麦を扱う工場で作られます。グルテンを避ける必要がある場合は、袋のアレルゲン表示まで確認してください。

材料

コーンフラワー、コーンミール、コーンスターチの違い

日本の売り場でいちばん迷うのは、黄色い粉の名前です。ここで使うのは、とうもろこしを細かく挽いたコーンフラワーか、粒の細かいコーンミール。白いコーンスターチはでんぷんだけなので、焼いたとうもろこしの香りも、ほどけるような粉の食感も出ません。

細挽きコーンミールを使う場合は、250gのうち80gまでにすると、少し粒を感じる農家風の食感になります。全量を粗挽きへ替えると、20分から30分の焼成では粒が水分を吸い切れず、中心に硬さが残ります。袋の中身が砂糖より明らかに粗いなら、細かいコーンフラワーを主役にしてください。

細かいコーンフラワーと粒の見えるコーンミール、スキレット
左の細かい粉を主にし、手前の粒がある粉は食感づけに少量使う

牛乳や卵は近所のスーパーでそろいます。迷うのは粉と型です。初回は細かいコーンフラワーだけで十分。縁を香ばしくしたい場合は、オーブンへ入れられる厚手のスキレットが役立ちます。薄いアルミ型を使う時は予熱せず、油を塗ってから生地を流し、焼成を3分ほど延ばしてください。

0 / 0
材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

Shopping

この料理の買い出し

買い出しガイド
掲載商品は、価格・在庫・レビュー傾向・入手しやすさを確認して選定しています。
Bob's Red Mill コーンフラワー 624g
Bob's Red Mill コーンフラワー 624g
リサーチ日時:2026-07-10
細挽きコーンミール 500g
細挽きコーンミール 500g
リサーチ日時:2026-07-10
ロッジ スキレット 10インチ(26cm)
ロッジ スキレット 10インチ(26cm)
リサーチ日時:2026-07-10
📊 栄養情報(1人分)
490
kcal
9.0g
タンパク質
19.5g
脂質
70.0g
炭水化物
4.5g
食物繊維
263mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。

型の縁が先に鳴る、プレクムリェのズレヴァンカ

熱い型へ黄色い生地を流すと、縁だけが小さくジュッと鳴ります。オーブンの中では平らだった表面がゆっくり持ち上がり、焼けたとうもろこしの甘い匂いが、牛乳のやわらかな香りを追い越していく。華やかな飾りはありません。少し焦げた縁を指でつまみ、まだ温かい中心を食べるための、日常の粉菓子です。

プレクムリェの窓辺で型から取り分けるズレヴァンカ
大きな型で薄く焼き、食べる分だけ気軽に切り出すのが似合う

ズレヴァンカ(zlevanka)は、スロベニア北東部のプレクムリェやプルレキヤで作られてきた、流れる生地を型へ注いで焼く料理です。プレクムリェ方言に寄せて zlejvanka と書くこともあり、名前はスロベニア語で「注ぐ」を表す zlivati と結びつけて説明されます。ケーキと呼ぶには薄く、パンと呼ぶには生地がやわらかい。食卓では、そのどちらかに決める必要もありません。

現地にはとうもろこし粉の甘い koruzna zlevanka、そば粉を使う ajdova zlevanka、ヨーグルトやサワークリームを重ねる版があり、砂糖を抜いてスープの横へ置く食べ方もあります。今回は、プレクムリェの郷土料理をまとめたスロベニア語資料にある、とうもろこし粉250g、牛乳500ml、卵1個を軸にします。200℃で焼き始め、生地が少し上がったところで175℃へ下げるのが、この配合の面白いところです。

日本の台所で守りたいのは、細かい粉、流れる生地、熱い型、二段階の温度。乳製品の銘柄や専用の焼き型は代えられます。似たとうもろこし料理でも、鍋で練るモルドバのママリガとは手触りが逆です。こちらは練らず、流して、縁から焼き固めます。

現地名と読み方

標準的な綴りは zlevanka、プレクムリェでは zlejvanka も見られます。日本語表記はまだ定着していないため、本記事では原綴りに近い「ズレヴァンカ」とします。クロアチア北部にも近縁の zlijevka や zlevenka があり、国境をまたいで材料と呼び名が少しずつ変わります。

失敗原因|縁ではなく中央を見て止める

ズレヴァンカは薄いので、焼き色だけを追うと急に乾きます。理想の断面には細かな穴があり、指で押すとしっとり戻る。生焼けは中央に水分がにじみ、焼きすぎは切った端が砂のように崩れます。

しっとり焼けた断面、生焼け、焼きすぎを並べた比較
中央の水分と粉のほどけ方を見れば、次に変える温度と時間が分かる
状態 原因 次に直すこと
中央が濡れてへらにつく 175℃へ下げるのが早い、型が小さく生地が厚い 175℃で5分追加し、次回は24cm角以上の型にする
縁だけ黒く中央が白い 型の予熱が長い、油が多い 予熱を3分にし、型用油を10mlへ減らす
全体がぼろぼろ崩れる 粗挽き粉が多い、焼きすぎ 粗挽きを80g以下にし、175℃の時間を3分短くする
底がべたつく 型が冷たい、休ませず切った 予熱可能な型を使い、焼成後10分待つ
もちのように重い コーンスターチを使った、粉のだまが残った 原材料名が「とうもろこし」の黄色い粉へ替え、3回に分けて混ぜる

焼きすぎたものは、牛乳をかけて戻そうとすると崩れます。1cm角に切り、無糖ヨーグルトと果物の下へ少量散らすと、乾いた粉の食感を生かせます。生焼けは切り分けず、型へ戻して175℃で5分ずつ追加加熱してください。

同じ温度でも、黒い鉄のスキレットは縁と底が早く色づき、銀色の薄い型は中央まで熱が届くのに少し時間がかかります。表の時間どおりなのに縁だけ先に濃くなるなら、焼成の後半だけ型の縁へ細く切ったアルミホイルをかぶせます。反対に底が白い時は、次回だけ天板をオーブンの下段へ移してください。温度を大きく変えるより、型の位置と5分単位の追加加熱で合わせるほうが、中心を乾かさず修正できます。

甘い版と塩味版|同じ「注ぐ料理」の幅

粉糖を振ったとうもろこし版と、そば粉とパンプキンシードオイルの塩味版
甘味と塩味のどちらにも振れるのがズレヴァンカの面白さ

今回の koruzna zlevanka は、粉糖を薄く振り、コーヒーか白いミルクコーヒーと食べる甘い版です。砂糖は24gしか入らないので、ケーキというより朝食や軽い間食に近い甘さ。粉糖をかける前なら、塩気のあるスープの横へ置いても落ち着きます。ハンガリーのグヤーシュのような煮込みと合わせる時は、砂糖を8gに減らし、粉糖を省いてください。

そば粉の ajdova zlevanka は、同じ形でも役割が変わります。そば粉300g、卵2個、牛乳を生地がパンケーキより少し濃い程度まで加え、熱い型へ流して高温で短く焼く現地例があります。仕上げに豚脂のカリカリやパンプキンシードオイルを使い、スープの付け合わせや温かな前菜として食べます。この塩味版は別配合なので、とうもろこし粉をそば粉へ同量置換するだけでは作れません。

国境の向こう、クロアチアのザゴルスキ・シュトゥルクリは、乳製品と粉を使っても、生地を伸ばして包む料理です。ズレヴァンカは包みません。朝に時間がない日ほど、ボウルの生地を型へ注ぐだけという素朴さが効いてきます。パラグアイのソパ・パラグアージャと食べ比べると、同じとうもろこしの焼き物でも、玉ねぎとチーズを抱える濃い食事パンと、牛乳の軽さを残す薄焼き菓子の違いが見えます。

保存と温め直し

完全に冷めてから、オーブンシートを敷いた密閉容器へ重ならないように入れます。冷蔵で2日、冷凍で2週間が目安です。粉糖は湿気を吸うので保存前には振りません。冷凍する場合は1切れずつオーブンシートで挟み、容器に入れてください。

温め直しは、冷蔵なら乾いたフライパンの弱火で片面2分ずつ。冷凍なら冷蔵庫で6時間解凍してから同じように温めます。電子レンジだけでも食べられますが、600Wで20秒を超えると中心が締まりやすいので、最後に弱火のフライパンで縁を30秒乾かすほうが焼きたてへ近づきます。

プレクムリェの食文化|とうもろこし粉とそば粉が使われる理由

とうもろこし粉、そば粉、パンプキンシードオイルを置いたプレクムリェの台所
黄色いとうもろこし粉と灰色のそば粉が、甘味と塩味の二つのズレヴァンカにつながる

袋を開けると、とうもろこし粉は鮮やかな黄色、そば粉は曇り空のような灰色です。この二つの粉が身近に並ぶプレクムリェは、ムラ川の向こう側、スロベニアの北東端に広がるパノニア平原の地域。オーストリア、ハンガリー、クロアチアに近く、食卓には国境線より先に、乳製品、豚肉、かぼちゃの種も入りました。ズレヴァンカを一つの固定レシピへ閉じ込めにくいのは、この土地の家庭が、手元の粉と季節の仕事に合わせて甘味と塩味を行き来してきたからです。

スロベニアの地域資料に載る koruzna zlevanka は、とうもろこし粉かコーンミール、牛乳、卵、クリームを混ぜて焼く簡素な甘味です。一方、現地料理メディアが紹介する ajdova zlevanka は、白い小麦粉が乏しい時にも身近だったそば粉を使い、かつてはスープの横へ、今は温かな前菜や軽食として出すと説明しています。仕上げのパンプキンシードオイルは、黒に近い緑色と焙煎香を足します。とうもろこし版は淡い黄色の甘味、そば粉版は灰色がかった塩味になり、同じ名前でも食べる場面が違います。

作り方に共通するのは、こねずに注ぐことです。パンのように発酵を待たず、層菓子のように生地を伸ばしません。大きなボウルで濃度を決め、熱い型が待つうちに焼き始めます。日々の仕事の合間にも粉料理を用意できる手順で、現代の台所でも扱いやすさは変わりません。材料を量り始めてから一時間ほどで、表面の粉糖がまだ溶けない温かな一切れにたどり着けます。

日本で再現する時に優先したいのは、粉の粒度と二段階の焼成温度です。生クリームはヨーグルトへ替えられ、鉄の型も金属型へ替えられます。しかしコーンスターチでは、とうもろこしを挽いた香りが戻りません。買い物で袋を一つ余計に確認すれば、現地配合の芯は残せます。

よくある質問|代替、保存、食べ方

冷ましたズレヴァンカをガラス容器で保存し、弱火のスキレットで温め直す
粉糖を振る前に保存し、食べる時に乾いたフライパンで縁を戻す

コーンスターチで作れますか?

作れません。コーンスターチはとうもろこしのでんぷんだけを取り出した白い粉で、コーンフラワーとは役割が違います。使うと弾力が強く、冷めた時にもちのように締まります。袋の原材料と色を見て、黄色いコーンフラワーか細挽きコーンミールを選んでください。

生クリームを使わずに作れますか?

無糖ヨーグルト45gで置き換えられます。酸味が少し出て、現地の別系統のズレヴァンカに近い方向になります。牛乳500mlはそのままにし、生地が重い場合だけ牛乳を15ml追加してください。バターへ替えると冷めた時に固くなるため、油と乳製品の組み合わせを保つほうが扱いやすいです。

スキレットがなくても作れますか?

24cm角の金属製ケーキ型か、20cm×28cm前後のバットで作れます。型が薄い場合は空のまま予熱せず、油を塗って生地を流してからオーブンへ入れます。200℃の時間を10分に延ばし、その後175℃で中央の戻りを見てください。耐熱ガラスは急な温度差で割れる製品があるので、常温から使います。

甘くしない場合、何と食べますか?

砂糖を8gへ減らして粉糖を省き、野菜スープ、豆の煮込み、グヤーシュの横へ置けます。完全に無糖へするととうもろこしの青い香りが立ちやすいため、8gだけ残すと塩味の皿にもなじみます。翌朝は卵料理の横に添えても重くありません。

冷蔵すると硬くなった時は?

表面へ水をかけず、乾いたフライパンの弱火で片面2分ずつ温めます。ふたをすると水分が戻りすぎて縁が湿るため、最初はふたを使いません。中心だけ冷たい場合は、最後の30秒だけふたをしてください。

主な参考リンク

レシピ一覧に戻る