ヨルダンのガライエット・バンドーラ。スキレットで煮詰めたトマト炒めに青唐辛子とパセリを散らし、平たいパンを添えた皿
🔪下準備15分
🔥調理25分
🍽️分量4
🌍料理ヨルダン料理

ガライエット・バンドーラの作り方|ヨルダンのトマト炒め

26分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 6

トマトを2cm大に切る

所要時間8分

手順1: トマトを2cm大に切る

火は使いません。トマトはへたを取り、2cm大のざく切りにします。種と汁は捨てず、まな板に出た分もボウルへ移してください。玉ねぎは3mm厚の薄切り、青唐辛子は小口切り、にんにくは2mm前後のみじん切りにします。青唐辛子の種を半分取ると、香りを残して辛味を抑えられます。赤いトマトに未熟なトマトを少し混ぜる場合も、果肉がつぶれず角の残る粗い状態で、この大きさにそろえます。

STEP 22 / 6

玉ねぎと青唐辛子を透き通るまで炒める

所要時間6分

手順2: 玉ねぎと青唐辛子を透き通るまで炒める

スキレットまたは厚手のフライパンにオリーブオイル大さじ2を入れ、中火で30秒温めます。玉ねぎと青唐辛子を入れ、木べらで返しながら中火で5から6分炒めます。玉ねぎの縁が透明になり、甘い香りが出て、茶色く焦げる手前で止めます。油が少なく見えても、この段階で水を足さないでください。玉ねぎを焦がさないことが、缶トマトを使ったときの酸味を丸める土台になります。

STEP 33 / 6

にんにくとスパイスを油になじませる

所要時間1分

手順3: にんにくとスパイスを油になじませる

火を弱火に落とし、にんにく、クミン、黒こしょうを入れて45秒ほど炒めます。にんにくが白から薄いクリーム色に変わり、クミンの香りが立てば十分です。ここで焦げると最後まで苦味が残るため、フライパンの底が乾く場合はオリーブオイル小さじ1を足します。スマックは熱で香りがぼやけやすいので、ここでは入れず、火を止めた後に加えます。

STEP 44 / 6

トマトを入れて果肉を崩す

所要時間8分

手順4: トマトを入れて果肉を崩す

トマトとボウルに出た汁をすべて加え、中火から中強火に上げます。塩小さじ3/4を入れ、木べらで大きい果肉を押しつぶしながら8分煮ます。鍋全体がふつふつし、トマトの角が丸くなり、木べらで返すと水分と油が分かれず粗いソース状にまとまれば次へ進みます。強く沸かしすぎると油だけが飛ぶので、跳ねる場合は中火へ落とします。缶トマトを混ぜた場合は、缶の汁が多いほど次の煮詰め時間を長く取ります。

STEP 55 / 6

鍋底に木べらの跡が残るまで煮詰める

所要時間7から10分

手順5: 鍋底に木べらの跡が残るまで煮詰める

弱めの中火にし、ふたをせず7から10分ほど煮詰めます。木べらを底に沿わせたとき、鍋底が1秒ほど見え、すぐにトマトが戻る状態が目安です。縁に赤い油が薄くにじみ、汁だけがしゃばしゃば残らなくなったら、残りの塩で味を整えます。トマトの水分が多い日は、時間だけでなく木べらの跡で判断してください。酸味が強い日は砂糖ではなく、玉ねぎを少量追加で炒めたものか、オリーブオイル小さじ1で丸めます。

STEP 66 / 6

火を止めてスマックとパセリで仕上げる

所要時間2分

手順6: 火を止めてスマックとパセリで仕上げる

火を止め、スマック、パセリ、オリーブオイル大さじ1をかけます。余熱で表面が軽くふつふつする程度ならそのまま食卓へ。熱が強く残っている場合は1分置き、油が落ち着いてからレモンを添えます。酸味を強くしたいときも、レモンは数滴ずつ足してください。皿へ移してもよいですが、スキレットのまま出すと最後のソースをパンでぬぐいやすくなります。

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Ingredients

材料を分けて見る

12品目

買い出しの前に

トマト、玉ねぎ、にんにく、青唐辛子、クミン、スマック、オリーブオイル、パセリ、レモン、平たいパンを並べた材料
トマトが主役。クミンとスマックは香りを足す脇役として使う
材料 分量 代替・注意
完熟トマト 850gから900g 中玉5から6個。冬は完熟トマト600gとカットトマト缶200gを混ぜる
玉ねぎ 1/2個(100g) 薄切り。甘みを出す土台
にんにく 2片(10g) みじん切り。チューブなら6gで香りは弱くなる
青唐辛子 1本(10g) 種を取ると辛味が穏やか。ししとう2本でもよい
エキストラバージンオリーブオイル 大さじ3(45ml) 香りの要。炒め油と仕上げに分ける
クミンパウダー 小さじ1/2(1g) 日本向けの香りづけ。入れすぎるとカレー寄りになる
スマック 小さじ1/2(1g) 仕上げ用。なければレモンの皮を少量すりおろす
小さじ1弱(5g) トマト缶を使う日は最後に減らす
黒こしょう 小さじ1/4 粗びきが合う
パセリ 10g みじん切り。香菜が好きなら半量を香菜に替える
レモン 1/4個 食卓で絞る。トマトが酸っぱい日は省く
平たいパン 4枚 ピタ、ナン、トルティーヤ、薄いバゲットでも可

この料理は乳製品、卵、肉を使わず作れます。添えるパンに小麦が入るため、小麦を避けたい場合は米粉パンや温野菜で代用してください。辛味が苦手な家庭では、青唐辛子をししとうに替え、スマックやレモンで酸味だけ足すと食べやすくなります。市販のトマト缶、スパイス、パンは製品ごとに原材料表示が異なるので、アレルギーがある場合は購入時に確認してください。

準備

日本の台所で守りたい材料

ヨルダンの基本形を伝える材料として守りたいのは、トマトの量とオリーブオイルです。ヨルダンの伝統料理書が挙げる基本材料は、刻んだトマト、玉ねぎ、青唐辛子、オリーブオイルを炒める組み合わせで、にんにくや卵の有無には家庭差があります。トマトを少なくしてケチャップで補うと、砂糖と酢の味が前に出て別の料理になります。冬のトマトが水っぽいときは、トマト缶を少し混ぜる方が自然です。缶だけで作る場合は酸味が強くなりやすいので、玉ねぎを150gに増やし、弱火で少し長めに甘みを出します。

スマックは必須ではありませんが、レモンとは違う乾いた酸味が出ます。買って余っても、ムサッハンババガヌーシュ、焼いた鶏肉、玉ねぎサラダに回せます。クミンは少量で十分です。多く入れるより、にんにくを焦がさず香りを油に移す方が、トマトの甘みと青唐辛子の香りが残ります。

買い出しで見る価値があるのは、近所の棚で見つけにくいスマックと、使い切りやすい少量のクミンです。トマトや玉ねぎは近所の店で選び、通販は香りの軸になる材料に絞ると無駄がありません。価格、在庫、送料は変動するため、注文前に販売ページを開き、スマックは内容量100g、クミンはGABAN 65gの商品かを確認してください。

スマックを一度だけ使うなら、買わずにレモンの皮で代用できます。中東料理で焼きなすや鶏肉にも使う予定があり、乾いた酸味を料理ごとにそろえたいなら買い足す価値があります。

クミンは、トマトの酸味に温かい香りを重ねたいときだけ買えば足ります。すでにカレー用のクミンがあり、開封後の香りが残っているなら追加購入は不要です。買い足す場合は、リンク先でGABANのクミンパウダー65gという内容量と、常温保存の商品かを確認してください。

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材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

栄養情報 1人分の目安
155kcal
エネルギー
2.5g
タンパク質
10.8g
脂質
14.5g
炭水化物
3.8g
食物繊維
525mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。
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材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

トマトが崩れる音で始まる、ヨルダンの家庭料理

トマトを木べらで押すと、皮の内側から汁が出て、鍋の縁のオリーブオイルが赤くにじみます。水分がまだ多い間はパンを近づけても流れますが、煮詰まると果肉が木べらの跡をゆっくり埋める濃さになります。ガライエット・バンドーラは、その変化を見ながら作る料理です。

アラビア語では قلاية بندورة と書き、Qalayet Bandora、Galayet Bandoraなど表記が揺れます。ヨルダンだけの料理と切り分けるより、ヨルダン、パレスチナを含むレバントの家庭で、トマトを油と香味野菜で煮詰めてきた料理として捉える方が実態に近いでしょう。ヨルダンの伝統料理書は、国の広い地域で好まれ、一日のどの時間にも食べられる料理として紹介しています。

同じ名前でも鍋の姿は一つではありません。ヨルダン北部のアジュルーンやジャラシュでは、トマトの旬に乾燥させたトマトを保存し、季節外にも使った記録があります。土窯や土鍋で焼き、卵をのせる形も紹介されているため、今回のフライパン版は数ある家庭の形の一つです。パレスチナ側の資料では、地域によって呼び名が変わり、青いトマトと赤く熟したトマトを組み合わせたり、にんにく、ナッツ、パセリを足したりします。

ここで作るのは、完熟トマト、玉ねぎ、にんにく、青唐辛子をオリーブオイルで煮詰める、パンにのせやすい基本形です。クミンとスマックはヨルダン全域の必須材料として扱わず、日本の台所で香りと酸味を補う少量のアレンジに位置づけます。

ガライエット・バンドーラを平たいパン、きゅうり、オリーブ、白チーズ、紅茶と並べた食卓
パンですくって食べると、トマトの酸味とオリーブオイルの香りが一皿でまとまる
見るポイント 目指す状態
トマト 完全なピューレではなく、1cm前後の果肉が少し残る
鍋の縁に赤い油が薄くにじむ。水っぽく浮かせない
辛味 青唐辛子の香りはあるが、口が痛くなるほど辛くしない
食べ方 平たいパンで鍋底のソースまでぬぐう

バリラムジャッダラのような豆・穀物料理と並べると、肉が少ない日でも食卓を組み立てやすくなります。シャクシュカに似ていますが、卵を落とさず、トマトそのものをパンで食べるところが違います。

同じ名前でも、北部とパレスチナ側で鍋が変わる

ヨルダンの伝統料理書では、ガライエット・バンドーラは国の広い地域で親しまれ、トマトの旬に作る料理として記録されています。北部のアジュルーンやジャラシュでは、旬のトマトを乾燥させて保存し、季節外にも使いました。土窯や土鍋で焼き、卵をのせる形もあるため、玉ねぎと青唐辛子をフライパンで炒める今回の形だけを「正解」とは考えません。

パレスチナ側の料理資料にも家庭差がはっきり出ています。Galayet、Qalayet、Alayetと呼び名が揺れ、青いトマトと赤く熟したトマトを合わせる作り方、にんにくやパセリ、松の実などを足す作り方があります。青いトマトを使うのは酸味と歯ざわりを残すためで、完熟トマトだけで作る日本の夏の鍋とは味の重心が変わります。

地域差を残して作るなら、基本のトマトとオリーブオイルを変えず、青唐辛子をししとうにする程度にとどめます。スマックとクミンは、今回の日本向けレシピで香りと酸味を補う材料です。現地の家庭すべてで使う必須材料としては扱いません。
場所・形 鍋に出る違い 日本での再現判断
ヨルダンの基本形 トマト、玉ねぎ、青唐辛子、オリーブオイルを炒める 完熟トマトを主役にして、煮詰め具合を合わせる
アジュルーン・ジャラシュ周辺の記録 乾燥トマトを保存し、土窯や土鍋で焼く。卵をのせる場合もある 乾燥トマトは塩分を見て少量。卵は別添えにすると基本形を保てる
パレスチナの家庭差 青・赤トマトの組み合わせ、にんにく、ハーブ、ナッツなど 未熟なトマトを少し混ぜると酸味と歯ざわりが出る。ナッツは別料理に寄せたいときだけ足す
日本の台所 トマトの品種と水分が季節で変わる 生トマト850から900gを基準に、冬だけ缶を一部混ぜて煮詰め時間を調整する

現地の食べ方と日本の献立へのつなぎ方

FAOのヨルダン食文化資料は、平たいパンのホブズ(khobez)が多くの食事に添えられ、料理をすくう役割も持つと説明しています。ガライエット・バンドーラも、ソースをスプーンで飲むように食べるより、パンの端で果肉と油を一緒にすくうと味の設計が分かります。ピタがなければ、ナン、薄いトルティーヤ、軽く焼いたバゲットで代用できます。

場面 合わせるもの 組み立ての理由
朝食 平たいパン、きゅうり、白チーズ、紅茶 トマトの酸味、チーズの塩気、パンの香ばしさを一口にできる
軽い夕食 バリラ、焼きなす、サラダ 豆と野菜を添えると、パンだけで食べるより腹持ちが出る
肉料理の横 鶏のグリル、ラムの串焼き、ケバブ 肉の脂をトマトの酸味で受け止められる
作り置き昼食 ゆで卵、パン、残り野菜 卵を鍋に入れず別添えにすると、トマトの味がぼやけない

シャクシュカのように卵を落としたくなる日もあります。ヨルダン北部の形として卵をのせる例はありますが、卵を入れると朝食の主役が変わるため、まずは卵なしで酸味と煮詰め具合を確かめるのがおすすめです。食べ応えを足すなら、最後にゆで卵を添える方が、トマトをパンでぬぐう料理の輪郭を残せます。

失敗しやすいところ

酸味を砂糖で隠す前に、トマトの水分量、玉ねぎの炒め時間、塩の順で確認してください。塩味が先に強くなると戻しにくいので、調整はひとつまみずつ行います。
失敗 原因 直し方
水っぽい トマトの水分が多い、ふたをした ふたを外し、弱めの中火で3分ずつ煮詰める
酸っぱい 冬のトマト、缶詰比率が高い 塩を少量足し、オリーブオイル小さじ1を加える。砂糖は最後の手段
苦い にんにくやクミンを焦がした トマトを入れる前ならやり直す。入れた後はレモンを足さない
辛すぎる 青唐辛子の種が多い トマト100gを追加し、弱火で5分煮る。仕上げのスマックは控える
味が平たい 塩不足、油不足 塩ひとつまみ、オリーブオイル小さじ1、スマック少量の順で足す

起こりやすいのは、早く終わらせようとして強火で一気に水分を飛ばす失敗です。鍋底の油だけが熱くなり、トマトの果肉はまだ水っぽいのに、にんにくやスパイスが焦げます。中火で水分を出し、弱めの中火で煮詰める二段階に分けると、酸味が丸くなり、パンにのせた時に流れ落ちにくくなります。

保存と温め直し

平たいパン、チーズ、パセリは別にして保存します。水分と香りを後から調整でき、翌日のパンがふやけるのも防げます。

冷蔵保存は清潔な容器で2日が目安です。平たいパンやチーズとは別に保存し、パセリとレモンは食べる直前に足します。冷凍もできますが、解凍後にトマトの水分が分離しやすいため、1週間以内に使い切る小分けだけにしてください。

温め直しは電子レンジよりフライパンが向きます。冷蔵した分をフライパンに移し、水小さじ2を足して弱火で2分温め、ふつふつしたら中火で1分だけ水分を飛ばします。油が表面に戻ってきたら、火を止めてスマックかレモンを少し足します。パンにのせる日なら固め、スープの横に置く日なら少しゆるめに戻すと食べやすいです。

翌日に回す場合は、最初から味を変えすぎないのがコツです。トマト煮として万能に見えますが、ケチャップや砂糖を足すと中東の酸味が消えます。残りは次のように、油と酸味を活かす方向へ使うと破綻しません。

使い回し 方法 注意
パンの昼食 温め直してピタやバゲットにのせる 水分を飛ばし、落ちにくい固さにする
焼き魚の横 冷たいまま小皿に置く レモンは足しすぎない。魚に塩があるため塩追加は控える
豆料理のソース フムスやバリラの横に添える 温かい豆に冷たいトマトを置くと温度差で食べやすい
パスタ風 茹でたショートパスタ80gにからめる イタリア風に寄せすぎないよう、チーズよりスマックを少量足す

FAQ

ガライエット・バンドーラには家庭差があるため、材料の一つが違うだけで別料理になるとは限りません。ここでは、トマトを油で煮詰めてパンで食べる基本形を保つ判断を答えます。

トマト缶だけで作れますか?

作れます。ただし缶だけだと酸味が強く、果肉の形も単調です。400g缶1缶で作るなら、玉ねぎを150gに増やし、最初の炒め時間を8分にします。カットトマトよりホールトマトを手で粗くつぶす方が、鍋の中に果肉感が残ります。

スマックなしでもガライエット・バンドーラになりますか?

なります。スマックは仕上げの酸味と香りを補う材料で、料理の土台はトマト、玉ねぎ、にんにく、青唐辛子、オリーブオイルです。ない場合はレモンの皮をほんの少しすりおろし、果汁は酸味を見て最後に数滴だけ使います。

子どもと食べる場合はどう調整しますか?

青唐辛子を抜き、ししとう1本かピーマン20gに替えます。黒こしょうも半量にしてください。大人の皿だけにスマック、チリフレーク、レモンを足すと、同じ鍋から分けやすくなります。

肉や卵を入れてもいいですか?

家庭料理なので自由ですが、この記事の基本形では入れません。ひき肉を入れるとトマトミートソースに寄り、卵を落とすとシャクシュカに近づきます。食べ応えを足したい日は、横に焼いた鶏肉やゆで卵を添える方が、料理名の個性を保ちやすいです。

どの鍋で作るのが向いていますか?

直径24から26cmの厚手フライパンかスキレットが向きます。薄いアルミ鍋は水分が飛ぶ前に一点だけ焦げやすく、トマトの煮詰め具合を見にくいです。スキレットを使う場合は余熱が強いので、最後の1分は火を止めて様子を見ます。

主な参考リンク

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