赤いココナッツカレーの汁に米麺と鶏肉を盛り、キャベツやもやし、香草を添えたラオスのカオプーン
🔪下準備35分
🔥調理55分
🍽️分量4
🌍料理ラオス料理

カオプーンの作り方|ラオスの発酵魚風味の米麺カレー

44分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 6

鶏の香りだしを取る(18分)

手順1: 鶏の香りだしを取る(18分)

鍋に水700ml、鶏もも肉、レモングラスの残り、しょうがの薄切り半量、塩2gを入れ、中火にかけます。沸騰したら表面の泡をすくい、弱火へ落とします。鍋の表面が大きく波立たず、小さな泡が一つずつ上がる状態を12〜15分保ちます。

最も厚い部分を箸で開き、赤い部分がなく、肉汁が透明なら鍋から出します。温度計を使う場合は、鶏肉の中心が74℃に達していることを確認してください。これはFoodSafety.govが示す鶏肉の安全な最低内部温度です。残った煮汁は、ペーストをのばすために500mlほど取り分け、残りは濃さの調整用に残します。レモングラスとしょうがの硬い部分は取り出します。

STEP 22 / 6

米麺と卓上野菜を準備する(15分)

手順2: 米麺と卓上野菜を準備する(15分)

別の鍋にたっぷりの湯を強火で沸かし、湯面が大きく動く状態で乾燥米麺240gを袋の表示時間より30秒短くゆでます。麺全体に透明感が出て、一本を噛むと中心まで柔らかく、指でつまむと細い弾力が残るところでざるへ上げます。流水でぬめりを落とし、水気をしっかり切ります。

キャベツ、きゅうり、さやいんげん、もやしは、麺をゆでている間に別々の皿へ盛ります。パクチー、ミント、小ねぎは水気を拭き、食べやすい長さにします。麺を大きな塊のまま置くと汁が絡まないため、4等分に分けておきます。

STEP 33 / 6

香味ペーストを潰し、鶏肉を合わせる(10分)

手順3: 香味ペーストを潰し、鶏肉を合わせる(10分)

乳鉢に乾燥赤唐辛子を入れ、10回ほど叩いて粗い粉にします。にんにく、紫玉ねぎ、残りのしょうが、レモングラスの薄切りを加え、すりこぎを円を描くように動かします。パプリカパウダーも加え、粒が大きく残らず、指で押すと湿ったペーストになるまで潰します。

鍋から上げた鶏肉の粗熱が取れたら、3分の1を細かく裂き、ペーストへ加えて軽く叩きます。鶏肉がペーストをまとい、乳鉢の底に乾いた粉が見えなくなれば止めます。残りの鶏肉は幅1cmほどに裂き、汁へ戻すまで別皿に置きます。ペーストが固ければ、取り分けた鶏だしを小さじ1ずつ加えます。

STEP 44 / 6

ココナッツミルクでペーストを炒める(8分)

手順4: ココナッツミルクでペーストを炒める(8分)

深めのフライパンにサラダ油大さじ1を入れ、弱めの中火で温めます。ココナッツミルクの半量、約200mlを加え、木べらで底をなぞりながら4〜5分煮ます。表面に透明な油が少しにじみ、ペーストの生の玉ねぎ臭が消えて、赤い色が油へ移れば進みます。

油が分かれなくても、ペーストがふつふつし、香りが甘く変わっていれば問題ありません。強火にするとココナッツの固形分が鍋底に付きやすいので、鍋肌の泡が細かく続く火加減にします。ペーストを加え、3分ほど混ぜながら炒め、乳鉢の鶏肉がほぐれて赤い汁をまとったら火を止めます。

STEP 55 / 6

だしと鶏肉を合わせ、葉を最後に入れる(10分)

手順5: だしと鶏肉を合わせ、葉を最後に入れる(10分)

ペーストのフライパンへ、取り分けた鶏だし500mlと残りのココナッツミルク200mlを少しずつ加えます。鍋底を木べらでこそげ、ナンプラー大さじ2、パームシュガー10g、ゆでたけのこ、残りの鶏肉を加えます。弱火で6〜8分、湯面が静かに揺れる状態を保ちます。

味を見て塩味が足りないときだけナンプラーを小さじ1ずつ足します。こぶみかんの葉は中央の筋を外してちぎり、最後の2分に加えます。葉の香りが立ち、汁がスプーンの背に薄くまとえば火を止めます。ぐらぐら煮立てて汁が減った場合は、残しておいた鶏だしまたは湯を50mlずつ加えて戻します。

STEP 66 / 6

麺、汁、野菜を器で合わせる(5分)

手順6: 麺、汁、野菜を器で合わせる(5分)

深めの器へ米麺を4等分して入れ、熱い汁を1人分ずつ注ぎます。鶏肉とたけのこが均等に入るよう、鍋の底から混ぜてすくいます。キャベツ、もやし、きゅうり、さやいんげん、ミント、パクチー、小ねぎは、最初から全部沈めず、器の片側か別皿に添えます。

ライムは食べ始める直前に搾ります。熱い汁の中で香りを閉じ込めるより、野菜を一口、汁を一口、麺を一口と交互に食べる方が、辛味と魚醤の強さを調整できます。汁が冷める前に、麺の細い弾力が残っているうちに出します。

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Ingredients

材料を分けて見る

準備

買い出しの前に

鶏もも肉、米麺、ココナッツミルク、レモングラス、こぶみかんの葉、魚醤、生野菜を並べた材料
カオプーンは汁の香味材料と、後から添える生野菜を分けて準備する

汁はやや濃いめに作り、器で麺と野菜が入ったときにちょうどよくなる分量です。鶏肉は骨なしのもも肉なら煮出したあとにほぐしやすく、むね肉を使う場合は火が通った時点ですぐ鍋から上げます。

15品目

汁と香味ペースト

材料 分量 代替・備考
鶏もも肉 400g 皮なし、厚い部分を開いて使う。むね肉なら加熱を短くする
700ml 鶏を煮るだし。仕上がりの濃さ調整用に50mlほど残す
ココナッツミルク 400ml 缶タイプ。使用前によく振る
レモングラス 1本 根元8cmはペースト、残りはだし用。冷凍でも可
しょうが 20g ガランガルがあれば半量を置き換える
にんにく 2片 芯が硬ければ外す
紫玉ねぎまたはエシャロット 80g 普通の玉ねぎなら薄切りにする
乾燥赤唐辛子 3本 辛さを抑えるなら種を外す。辛口は5本まで
パプリカパウダー 小さじ1 色づけ用。辛味はほぼ増やさない
ナンプラー 大さじ2 仕上げに小さじ1ずつ追加できるよう残す
パームシュガー 10g きび砂糖または三温糖で代用
2g 鶏だしの下味。魚醤の塩分で減らす
こぶみかんの葉 3枚 冷凍可。中央の筋を外してちぎる
ゆでたけのこ 120g 細切り。なくても汁は成立する
サラダ油 大さじ1 香りのない油
9品目

米麺と卓上の野菜

材料 分量 代替・備考
乾燥米麺(ライスバーミセリ) 240g 生のカオプーン麺なら約600g。袋表示を優先
キャベツ 200g 細切り。白菜なら水分が増える
もやし 160g 生食を避けたい場合は30秒ゆでて冷ます
さやいんげん 100g 3cm長さ。長いんげんでも可
きゅうり 1本 細切り。青い香りを足す
ミント 10g スペアミント。苦手なら量を半分にする
パクチー 10g 茎は汁、葉は仕上げに使える
小ねぎ 2本 小口切り
ライム 2個 レモンなら果汁を少なめから調整

分量の中で、鶏肉と米麺は近所で買えるものを使って構いません。こぶみかんの葉、レモングラス、ナンプラーは、同じ東南アジア料理を何度か作る人ほど使い切りやすい食材です。冷凍品は一度に全部を使わず、必要量だけ取り出せるかを見て選びます。


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材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

栄養情報 1人分の目安
155kcal
エネルギー
6.0g
タンパク質
6.0g
脂質
19.0g
炭水化物
1.3g
食物繊維
300mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。
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材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

香りの汁に麺を沈める前に、野菜を卓上へ

鶏肉入りのカオプーンを丼に盛り、キャベツ、もやし、ミント、ライムを添えた食卓
カオプーンは熱い汁と米麺に生野菜や香草を添え、食べる人が一杯ずつ組み立てる

レモングラスを叩いたまな板から青い香りが立ち、乾燥唐辛子を潰した乳鉢には赤い粉が残ります。鍋ではココナッツミルクがゆっくり揺れ、鶏のだしと魚醤が重なった汁が、米麺の細い隙間へ入り込む。器の横には、細切りキャベツ、もやし、ミント、ライムを別々に置きます。

この料理がカオプーン(Khao poon/ເຂົ້າປຸ້ນ)です。鶏や魚、豚などの汁に香味のペーストと魚醤を合わせ、細い米麺にかけて食べます。ココナッツミルクを使う赤い汁は濃厚ですが、麺と野菜を同じ鍋で煮込まないため、口に入れたときの重さは調整できます。

作るときの軸は、汁を完成させてから麺をゆで、野菜を卓上で足すことです。麺を汁で煮ると水分を吸って塩味が強くなり、細い麺の歯切れも失われます。熱い汁、弾力のある麺、冷たい野菜を一杯の中で合わせると、辛味と魚醤の香りを自分のペースで動かせます。

このレシピは、ラオスの魚や豚骨を使う伝統的な汁をそのまま再現するものではありません。日本の台所で扱いやすい鶏もも肉を使い、ココナッツミルクの丸さとナンプラーの発酵したうま味を残した、鶏肉のカオプーン・ナーム・ガイに寄せています。ガランガルが手に入ればしょうがの一部を置き換えられますが、香りの根を探せない日も料理が崩れない分量にしています。

カオプーンの食べ方

麺を器に入れ、熱い汁を注ぎ、生野菜と香草をのせてからライムを搾ります。野菜を別皿に並べ、食べる人が好きな量を取る形も資料に見られます。汁だけを濃く作りすぎず、麺と具の一口を組み立てる料理として考えると、味の調整がしやすくなります。


ラオスの食卓では、汁より先に「選べる余白」が用意される

ラオスの食卓をイメージした米麺、香草、生野菜、ライムの取り分け皿
カオプーンに添える野菜と香草。食べる人が器の味を組み立てられるよう別盛りにする

Pha Khao Laoの料理資料は、カオプーンをラオスを代表する料理の一つとして紹介し、魚、豚骨または鶏がら、レモングラス、にんにく、玉ねぎ、ガランガル、パデークまたは魚醤を使う汁を載せています。生のカオプーン麺だけでなく、乾燥麺や米麺でも作れるように書かれており、キャベツ、たけのこ、もやし、ミント、長いんげん、ライムなどは一つの鍋へ入れず、食卓に並べて各自が加える形です。

一方、WFP Asia & Pacificは、ラオスの栄養担当者Khanが作るレシピとして、黄色い割り豆、きのこ、里芋やかぼちゃなどを使った肉なしのカオプーンを紹介しています。生のキャベツ、長いんげん、空心菜、バナナの花、もやしを薬味のように添え、ココナッツミルクと唐辛子のペーストを汁へ合わせる形です。肉を使うかどうかが違っても、熱い汁だけで味を閉じず、青い野菜と香草を最後に重ねる考え方は共通しています。

カオプーンが家族の祝い事に用意される料理だという説明もあります。WFPの記事は、ラオスで家族の祝いに作られる料理として取り上げ、米麺、汁、野菜を順に器へ加える流れを示しました。シアトルのラオ料理教室も、カオプーンを家族の集まりや仏教寺院の行事で作る料理として紹介しています。毎日の簡単な麺というより、香味を潰す人、麺を扱う人、野菜を切る人が同じ台所に立つときに力を発揮する料理です。

ラオスでは米が食生活だけでなく、祭りや宗教行事とも深く結びついています。ラオス国営通信の米祭りの紹介にも、米が暮らしや儀礼の基盤として受け継がれてきたことが記されています。カオプーンの細い米麺も、単に汁を運ぶだけの具ではありません。汁の辛さ、魚醤の塩気、野菜の水分を受け止める、食卓の中心です。

日本で作ると、乾燥米麺を先にゆでて水で締める工程が少し離れて見えます。本場の生麺は、柔らかさや水分が汁と一緒に変化します。乾麺ではその代わりに、ゆで上がりを少し硬めに止め、汁を注いだ直後に食べ始めると、細い麺の歯切れを保てます。


正解が一つではないから、汁の違いを先に決める

ココナッツを使う赤いカオプーンと、澄んだ魚だしのカオプーンを並べた比較
カオプーンは魚、豚、鶏、野菜、ココナッツの組み合わせで汁の表情が変わる

カオプーンは「ラオスのカレー麺」と一言でまとめられますが、汁の濃さや具は家庭と地域で変わります。Pha Khao Laoが紹介する北部ラオスの伝統型は、魚と豚骨または鶏がらを使い、北部ではココナッツミルクを加えないと説明されています。魚の身をほぐし、豚肉を加え、パデークや魚醤で味を決める、具の多い汁です。

ココナッツを使う鶏版は、ラオス系の料理教室や家庭料理の解説でよく見られます。鶏肉を香味ペーストと合わせ、ココナッツミルク、魚醤、こぶみかんの葉で赤い汁にする形です。タイのカノムチーン・ナムヤーと近い米麺料理として紹介されることもありますが、同じ料理ではありません。カオプーンには、ラオスの発酵調味料や香草、別盛りの野菜を含めた食べ方があります。

見え方 汁の組み立て 食卓に出る形 日本での判断
北部で紹介される伝統型 魚、豚骨または鶏がら、香草、パデークまたは魚醤。ココナッツなし 米麺と多種類の野菜を別盛り 軽い汁にしたい日向き。魚をほぐす時間が必要
鶏肉のココナッツ版 鶏、香味ペースト、ココナッツミルク、魚醤、こぶみかんの葉 赤い汁に米麺、野菜、ミントを添える 材料を日本でそろえやすく、初回に作りやすい
肉なしの家庭版 豆、きのこ、根菜、ココナッツミルク、唐辛子 野菜と香草を多めに添える WFPの例に近い。魚醤を使わず味を組み直す

発酵魚の調味料は、魚醤とパデークを同じものとして扱わない方がよいです。タイ財団の解説では、タイ東北部でプラーラー、地域によってプラデークとも呼ばれる発酵魚は、淡水魚を塩と米ぬかなどで長く発酵させた調味料で、強い香りと塩味を持つと説明されています。ラオスのパデークにも似た発酵文化がありますが、製品ごとの濃さや固形分は異なります。日本の初回調理では、液体で分量を量りやすいナンプラーを使い、香りを増やしたい人だけパデークを少量試す方が失敗を戻しやすくなります。

強い発酵香を料理の中心に置くか、鶏だしとココナッツの丸さを前に出すかで、同じカオプーンでも印象は大きく変わります。店の味を一つに決めつけず、汁の組み立てを選んでから材料を買うと、不要な調味料が残りません。


日本で寄せるなら、麺より香りの根を優先する

日本の台所でカオプーンの材料を切り、乳鉢と乾燥唐辛子を並べている様子
乾燥米麺を使いながら、乳鉢で香味を潰し、香りの芯を汁へ移す

日本のスーパーで見つけやすい鶏もも肉、キャベツ、もやし、きゅうりは、料理の土台として十分に働きます。味の差が出るのは、香味をペーストにする順番と、魚醤を一度に入れすぎないことです。唐辛子、にんにく、玉ねぎ、しょうが、レモングラスを細かく潰すと、刻んだだけの具より汁へ香りが広がります。

レモングラスは、根元の柔らかい部分をペーストにし、残りをだしの鍋へ使います。こぶみかんの葉は、煮込みの初めから入れると香りが丸くなりすぎるので、汁が整った終盤に加えます。葉の中央の硬い筋は外し、大きな葉は食べる人がよけられる大きさにちぎります。

本場の材料表に出てくるガランガルは、しょうがと同じ根茎の仲間ではありません。ガランガルには、しょうがよりも乾いた柑橘と白こしょうに近い香りがあります。冷凍品が見つかったら、しょうが20gのうち10gをガランガル10gへ置き換えると、香りの方向を寄せられます。全量をしょうがで作る場合も、鶏だし、魚醤、レモングラス、こぶみかんの葉の順番が残るため、料理名から離れすぎません。

乾燥米麺は、汁の鍋で戻さず別鍋でゆでます。袋の表示時間が5分なら4分半で一度食べてみて、中心に硬い芯が消えたところで水へ取ります。熱い汁をかける時間があるため、完全に柔らかくなるまでゆでると器の中で切れやすくなります。

魚醤を薄口しょうゆへ替える方法もあります。ただし、しょうゆは塩味を入れられても、発酵した魚の香りまでは作れません。魚を避ける必要がある場合の代替として使い、味の不足はきのこや焼いた玉ねぎで補う、と考えると無理がありません。


買い出しで差が出るのは、香りの芯と潰し方

ナンプラー、冷凍こぶみかんの葉、花崗岩の乳鉢をカオプーンの材料と一緒に置いた買い出し風景
通販で探す価値があるものを、調味料、香草、道具の順に分けて考える

ココナッツミルクと乾燥米麺は、輸入食品の棚で比較的見つけやすいので、最初から容量を増やす必要はありません。探す手間が味へ直結するのは、魚醤の香り、冷凍こぶみかんの葉の保存性、香味を細かく潰す道具です。

魚醤を一度しか使わない人は、ナンプラーを買わず薄口しょうゆと塩で作っても構いません。魚醤の香りをカオプーン、炒め物、春雨サラダへ回すなら、700mlを選ぶ意味が出ます。商品を確認するときは、リンク先で容量700mlと原材料表示を見て、魚介を避ける必要がある人は魚の種類や添加物まで確認してください。

こぶみかんの葉は、冷凍品なら必要な分だけ取り出しやすく、残りを別の料理へ回せます。ただし、商品によって葉の大きさと枚数が違うため、値段だけでなく冷凍品であることと内容量を確認します。カオプーンで3枚使った残りは、トムカーガイやグリーンカレーの香りづけへ回せます。一度だけ作る人は、レモンの皮を少量使う代替で買い物を減らす方が合理的です。

乳鉢は必須の専用器具ではありません。包丁で香味を細かく刻み、まな板の上で包丁の腹を当てても汁は作れます。カオプーンのほかにラオスやタイのペースト、サルサ、スパイスを月に何度か作るなら、重さのある花崗岩の器が台の上で動きにくく、乾燥唐辛子と玉ねぎを別々に潰しやすくなります。リンク先ではすり鉢とすりこぎがセットか、天然花崗岩の表記とサイズ・重量を確認し、収納場所がない人は見送ってください。


汁の失敗は、味を足す前に温度と水分を戻す

ココナッツミルクの汁、香味ペースト、ゆで米麺の状態を見比べるカオプーンの調理途中
カオプーンは汁の濃さ、香味の火入れ、麺の水切りを別々に直すと戻しやすい

カオプーンは、魚醤、ココナッツミルク、唐辛子を同じ鍋へ入れるため、味が強く出たときに砂糖だけで整えたくなります。砂糖は塩味の角を丸めますが、水分不足や焦げた香味は直せません。鍋の状態を見て、戻せるものと作り直すものを分けます。

状態 確認するところ 戻し方
塩辛い 汁だけを飲むと魚醤の塩気が先に来る 無塩の鶏だしまたは湯を50mlずつ加え、ココナッツミルク少量と野菜で受け止める。魚醤は追加しない
汁が薄い スプーンからすぐ流れ、香味が舌に残らない 蓋を外して弱めの中火で3分ずつ煮詰める。煮詰めすぎたらだしを戻す
香味が生っぽい 玉ねぎの青臭さが残る フライパンへ戻し、弱めの中火で2〜3分炒める。焦げていればペーストだけ作り直す
ココナッツミルクが分離した 白い固形分が鍋底に付き、油だけが多い 火から外してだしを大さじ2ずつ混ぜる。再加熱は弱火にし、沸騰させない
辛すぎる 唐辛子の刺激が長く残る 汁を少し取り分け、ココナッツミルクとだしで薄める。麺とキャベツを増やし、砂糖だけで隠さない
麺が柔らかい 水を切ったあとも麺が膨らみ続ける 汁から取り出して水で軽く締め直す。戻らなければ新しい麺を短めにゆでる
鶏肉の中心が赤い 74℃に届かない、または切ると赤い汁が出る 汁へ戻して弱火で加熱し、中心まで火を通す。盛り付け済みなら鶏肉だけ鍋へ戻す

乾燥米麺を汁へ入れてしまった場合、汁を別鍋へ移して麺だけを取り出すのは難しくなります。麺がまだ硬ければ、だしを少量足して弱火で温め、器へ盛ってすぐ食べます。時間がたって完全に水分を吸った麺は、汁の味を直すより、麺を新しくゆでる方が食感を取り戻せます。

ナンプラーを足すときは、鍋全体へ大さじ単位で注がず、器の汁を少量すくって小さじ1を混ぜて味を見ます。鍋へ戻す量を決めてから全体を調整すると、食べる人ごとの濃さも変えられます。


野菜の皿があると、同じ汁でも一杯ずつ違って食べられる

カオプーンの器と、キャベツ、もやし、さやいんげん、ミント、ライムを並べた食卓
米麺と汁を中心に、野菜、香草、ライムを別々に添えて食卓で味を変える

カオプーンを一人分の完成品として盛り切るより、麺と汁を器へ入れ、野菜と香草を横に置くと料理の特徴が伝わります。キャベツを多く取れば汁の辛味が薄まり、ミントを加えれば魚醤の香りが軽く感じられます。ライムは酸味の強さだけでなく、唐辛子の後味を切る役目です。

ラオスの汁に寄せたい日と、日本の夕飯として食べやすくしたい日で、追加するものを変えられます。

変えたい方向 変える部分 味の動き
北部の軽い汁に寄せる ココナッツミルクを200mlに減らし、だしを200ml増やす 魚醤と香草が前に出て、汁がさらりとする
発酵香を強くする ナンプラーの一部を、表示を確認した加熱用パデークへ置き換える 香りと塩気が強くなる。少量ずつ味を見る
肉なしにする 鶏肉をきのこ、豆、かぼちゃなどへ替え、魚醤を使わない きのこと豆のうま味、香草、ライムで輪郭を作る
辛さを家族で分ける 唐辛子を減らし、乾煎りした唐辛子を器へ添える 子どもや辛味が苦手な人も自分で調整できる

パデークのような発酵魚調味料を使う場合は、販売元の加熱表示と原材料を確認し、鍋の中で十分に温めます。生の魚を自家発酵させたものを、分量だけ真似して代用するのは避けてください。魚介アレルギーがある場合は、ナンプラーだけでなくパデーク、魚を原料にしただし、商品ごとの表示を確認します。


保存は汁と麺を分け、食べる日に野菜を切る

保存容器に分けたカオプーンの汁と米麺、別皿の香草と野菜
残ったカオプーンは汁と麺を別の容器に分け、野菜と香草は食べる日に用意する

余った汁は粗熱が取れたら浅い容器へ移し、米麺とは別に冷蔵します。英語圏のカオプーンレシピでも、汁と麺を分けて冷蔵し、3日程度を目安に食べる保存方法が紹介されています。麺を汁に浸けたままにすると水分を吸って切れやすくなるため、野菜や香草も別にしておきます。

温め直しは鍋に汁だけを入れ、弱めの中火で全体が熱くなるまで温めます。冷凍する場合は汁だけを密閉し、冷蔵庫で解凍してから温めます。ココナッツミルクは再加熱で分離しやすいので、煮立てず、だしまたは湯を少量混ぜて濃さを戻します。見た目やにおいに違和感がある場合は、保存日数に関係なく食べないでください。

よくある質問

Q. パデークがないとカオプーンになりませんか?

必須ではありません。パデークは魚の発酵香と塩気が強く出る調味料なので、初回はナンプラーで作り、香りが足りないと感じたら次回に少量試す順番が扱いやすいです。魚醤も使わない場合は薄口しょうゆへ替え、きのこや焼いた玉ねぎでうま味を補います。

Q. ガランガルはしょうがで代用できますか?

できますが、香りは同じになりません。しょうがは温かい辛香、ガランガルは乾いた柑橘と白こしょうに近い香りです。初回はしょうがで手順を確認し、次に冷凍ガランガルを10gから試すと違いを比べやすくなります。

Q. 生のカオプーン麺を使うときはどうしますか?

生麺は表示や販売店の案内に従って扱い、乾燥麺のように長くゆでません。シアトルのラオ料理教室が説明するカオプーン麺も、細い丸麺を別に用意し、汁とは別に仕上げています。日本で手に入る生米麺は商品差が大きいので、湯通し後に一本食べ、芯がなく切れないところで止めます。

Q. 乳鉢がなければ作れませんか?

作れます。包丁で唐辛子、にんにく、玉ねぎ、しょうが、レモングラスを細かく刻み、包丁の腹で押し潰します。乳鉢を使ったときより粒が残りやすいので、フライパンで炒める時間を1〜2分延ばし、玉ねぎの生っぽい香りが消えたかを見てください。

Q. 作り置きするなら、どこまで先にできますか?

前日に汁を作り、米麺と野菜は食べる日に用意する方法が向いています。汁は冷えるとココナッツの脂が固まり、表面が白くなりますが、弱火で温めれば戻ります。麺を前日に汁へ入れると水分を吸うため、同じ容器にまとめないでください。


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カオプーンで香草と米麺の組み合わせが気に入ったら、汁にとろみを出す手打ち麺のカオピヤックセンへ進むと、同じ米麺でも食感の設計が変わることが分かります。ひき肉と香草をライムでまとめるラープは、汁を使わずに生野菜を添える料理です。タイの米麺料理と比べたいときは、魚の汁で食べるカノムチーン・ナムヤーと、唐辛子、発酵調味料、野菜の置き方を見比べてください。


主な参考リンク

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