ラープの物語 — 香草を刻む音が食卓を起こす
夕方の台所でミントをちぎると、空気が一瞬だけ涼しくなります。そこへライムを搾り、ナンプラーを落とし、炒ったもち米をすり鉢で砕く。カレーのように長く煮込む料理ではないのに、ラープは香りの立ち上がりがとても早い料理です。ひき肉の湯気に香草が触れた瞬間、台所がラオスの食堂の入口みたいになります。
**ラープ(ລາບ / laap, larb, laab)**は、刻んだ肉や魚をライム、魚醤、唐辛子、香草、炒り米粉で和えるラオスの代表料理です。日本ではタイ料理の「ラーブ」として知られることが多いですが、料理の芯にあるのはラオスとタイ東北部イーサーンのもち米文化です。炒り米粉の香ばしさ、ミントやパクチーの青い香り、ライムの酸味が一口で来ます。

この記事では、入手しやすい鶏ひき肉で作る**ラープ・ガイ(鶏ラープ)**を基本にします。本場では豚、牛、鴨、水牛、魚でも作りますが、日本の家庭で最初に失敗しにくいのは鶏です。火の通りが早く、香草の味も受け止めやすいからです。
ラープで守りたいのは、凝った調味料よりも「温かい肉を油っぽくしないこと」と「炒り米粉を省かないこと」です。とくに炒り米粉、ラオス語で**カオクア(ເຂົ້າຂົ້ວ / khao khua)**は、ただの香ばしい粉ではありません。肉汁とライムの汁を吸って、皿の底に味が流れていくのを止めます。ここを抜くと、ラープは急に「酸っぱいひき肉炒め」になってしまいます。
すでにカオピヤックセンの作り方を読んだ方なら、ラオス料理が「米をどう食べるか」にかなり寄っていることが分かると思います。ラープも同じです。茶碗のご飯にのせるより、もち米を手で小さく丸め、ラープを少しつまんで食べる。そこまで含めて完成する料理です。
日本語では「ラープ」「ラーブ」「ラープガイ」が混在します。現地語のລາບは英語で laap / larb / laab と表記され、鶏肉版は gai を付けて laap gai と呼ばれます。本記事ではラオス料理としての現地性を出すため、基本表記を「ラープ」にします。
ラオス式ラープの芯 — カオクアともち米文化
ラープの味を決める材料は、肉よりも先にカオクアです。乾いたもち米を油なしで炒り、きつね色を少し越えるくらいまで香ばしくしてから粗く砕きます。細かい粉にしすぎると片栗粉のように重くなり、粗すぎると口の中で米粒が残ります。理想は、すりごまとパン粉の中間くらいです。

英語圏のラオス料理サイト Padaek は、カオクアをラープに欠かせない材料として紹介し、炒ったもち米が香ばしさ、ほのかな甘み、粒感を加えると説明しています。SBS Food のレシピでも、ラオス料理ではラープや未熟果物のディップに炒り米粉を使うとされています。つまりカオクアは飾りではなく、ラオス料理の味の土台です。
日本で作るときは、もち米がなければタイ米やジャスミンライスでも代用できます。ただし、白米を使う場合は粘りが出やすく、香りも少し軽くなります。初回はスーパーのもち米を大さじ3だけ使ってください。残りは炊き込みご飯やおこわに回せます。
| 材料 | 本場寄せ | 日本の台所での現実解 | 判断 |
|---|---|---|---|
| もち米 | 生のもち米を乾煎り | スーパーのもち米でOK | 最優先。できれば省かない |
| 魚醤 | パデークまたはナンプラー | ナンプラー中心、パデークは少量 | 初回はナンプラーだけで可 |
| 香草 | ミント、パクチー、ノコギリコリアンダー | ミント、パクチー、青ねぎ | ミントは残す |
| 辛味 | 粗挽き乾燥唐辛子 | 韓国唐辛子少量、一味唐辛子 | 辛さより香りを優先 |
| 主食 | もち米を手で丸める | もち米、または温かい白ごはん | できればもち米 |
パデーク(padaek)はラオスの発酵魚醤で、ナンプラーより濃く、発酵の香りが強い調味料です。日本ではアジア食材店や通販で探せますが、最初から買わなくても大丈夫です。ナンプラーに味噌を耳かき一杯ほど混ぜると、発酵感だけ少し近づきます。ただし入れすぎると和風の味噌だれになります。代替はあくまで影を足す程度にしてください。
市販のローストライスパウダーは便利ですが、香りが抜けやすい材料です。ラープ1回分なら、もち米大さじ3をフライパンで8〜12分炒って砕くだけ。すり鉢がなければ厚手の袋に入れ、麺棒や空き瓶でたたいても作れます。
材料(4人分)
ラープは材料が少ない料理に見えますが、味の役割を分けると買い物が迷いません。肉はうま味、ライムは酸味、ナンプラーは塩味、カオクアは香ばしさと吸水、香草は最後の軽さです。全部を強くすると騒がしいので、辛味は控えめから始めます。

メイン
| 材料 | 分量 | 代替・備考 |
|---|---|---|
| 鶏ひき肉 | 500 g | ももひき肉がしっとり。むねひき肉なら水大さじ2を追加 |
| 水または鶏がらスープ | 大さじ3 | 肉を油で炒めず、しっとり火入れするため |
| 紫玉ねぎ | 1/2 個(約80 g) | 普通の玉ねぎでも可。薄切りにして水に5分さらす |
| 青ねぎ | 4 本 | 小口切り |
| ミント | 1パック(約15 g) | 代替不可に近い。ラープらしさの要 |
| パクチー | 1パック(約25 g) | 苦手なら半量を大葉にしてもよい |
| きゅうり | 2 本 | 添え野菜。レタス、キャベツでも可 |
| サニーレタス | 8 枚 | 包んで食べる用 |
調味と香り
| 材料 | 分量 | 代替・備考 |
|---|---|---|
| ライム果汁 | 大さじ3 | レモン果汁でも可。ポッカレモンなら大さじ2.5から |
| ナンプラー | 大さじ2と1/2 | 醤油だけでは不可。魚醤の香りが必要 |
| パデーク | 小さじ1 | あれば。なければ省略、または味噌少量 |
| 砂糖 | 小さじ1/2 | 酸味の角を取る程度。甘くしない |
| 粗挽き唐辛子 | 小さじ1/2〜1 | 一味なら小さじ1/4から |
| しょうが | 1 片(約10 g) | 本場はガランガルも使う。日本ではしょうがで可 |
| こぶみかんの葉 | 2 枚 | あれば細切り。なければライム皮少量 |
カオクア(炒り米粉)
| 材料 | 分量 | 代替・備考 |
|---|---|---|
| もち米 | 大さじ3 | ジャスミン米でも可。生米のまま炒る |
| レモングラス | 5cm | あれば香り付け。乾燥でも可 |
| こぶみかんの葉 | 1 枚 | あれば。なくても成立 |
このレシピには鶏肉、魚醤が含まれます。ラオスやタイのラープには生肉に近い作り方もありますが、家庭では必ず中心まで火を通してください。鶏ひき肉は傷みやすいので、買った当日に調理し、作り置きは冷蔵で翌日までを目安にします。
この料理に使う食材・道具
カオクアと魚醤は、一度そろえるとソムタムの作り方やガパオライスの作り方にも回せます。近所で見つからない場合は、楽天で容量と原材料を見比べる入口として使ってください。
調理手順
香草と野菜を先に切る: 紫玉ねぎは薄切りにし、辛味が強ければ水に5分さらして水気を切ります。青ねぎは小口切り、ミントとパクチーはざく切り。きゅうりは棒状、レタスは洗って水気を拭きます。香草は細かく刻みすぎると黒ずみやすいので、最後にざっくりで十分です。
カオクアを作る: フライパンにもち米大さじ3を入れ、油をひかずに弱めの中火で炒ります。最初は白いままですが、6分ほどで香ばしい匂いが出ます。8〜12分で濃いきつね色になったら火を止め、粗熱を取ってすり鉢で粗く砕きます。焦げた粒が出たら苦くなるので、鍋を揺すり続けてください。

鶏ひき肉を油なしで火入れする: フライパンに鶏ひき肉、水または鶏がらスープ大さじ3、塩ひとつまみを入れます。中火にかけ、木べらでほぐしながら白くなるまで加熱します。炒めるというより、少量の水分で蒸し煮にする感覚です。肉が固まりすぎる前にほぐすと、口当たりが軽くなります。

火を止めて調味する: 肉に火が通ったら火を止め、ライム果汁、ナンプラー、パデーク、砂糖、唐辛子、しょうが、こぶみかんの葉を加えて混ぜます。ここで味見をします。目指すのは「酸っぱい、しょっぱい、香ばしい」が同じくらい前に来る味。甘さは背景に置きます。

カオクアと香草を混ぜる: 粗く砕いたカオクアを大さじ2ほど加え、肉汁を吸わせるように混ぜます。最後に紫玉ねぎ、青ねぎ、ミント、パクチーを入れ、余熱で香りが立つ程度に和えます。香草を入れてから強火に戻すと香りが飛ぶので、ここでは火にかけません。

盛り付ける: 皿にラープを盛り、きゅうり、レタス、追加のミントを添えます。もち米を出す場合は、食べやすい量を小さな器に。食卓でライムをもう少し搾れるよう、くし形のライムを置いておくと味の調整がしやすくなります。

日本の台所で本場に寄せる分岐
ラープで迷うのは、香草と魚醤です。レシピを見て「ノコギリコリアンダー」「パデーク」「ガランガル」と並ぶと、そこで作る気持ちがしぼみます。けれど全部をそろえなくても、守る材料と代える材料を分ければ味は崩れません。

代替してよいもの
パクチーは大葉や青ねぎを足しても成立します。こぶみかんの葉は、ライムの皮を少量削れば香りの方向は近づきます。唐辛子は一味唐辛子でも作れますが、量は控えめにしてください。一味は辛味が直線的なので、入れすぎると香草より先に辛さだけが立ちます。
鶏ひき肉は豚ひき肉でも作れます。豚なら脂が出やすいので、水を大さじ2に減らし、加熱後に余分な脂を少し拭き取ります。牛ひき肉なら香りが強いので、ミントを多めにすると重さが抜けます。豆腐で作る場合は木綿豆腐をしっかり水切りし、手で崩してから乾煎りしてください。
代替しない方がよいもの
カオクアはできるだけ抜かないでください。ナンプラーも醤油だけに置き換えない方がよいです。醤油で作ると、味が日本のそぼろサラダに寄ってしまいます。魚醤の発酵香が苦手な場合でも、大さじ1は入れ、残りを塩で調整する方がラープらしさが残ります。
ミントも重要です。パクチーが苦手な人はいますが、ミントまで抜くとラープの「涼しい香り」が消えます。パクチーを半量にしても、ミントは1パック使ってください。食べる直前に手でちぎると、包丁で刻むより香りが強く出ます。
| 状況 | おすすめの調整 | 避けたい調整 |
|---|---|---|
| 子どもも食べる | 唐辛子を別添え、ライム多め | 砂糖を増やして甘くする |
| 香草が苦手 | パクチー半量、大葉を足す | ミントまで抜く |
| 魚醤が強い | ナンプラーを減らし塩で補う | 醤油だけにする |
| もち米がない | 温かい白米、レタス包み | 冷たいご飯にのせる |
| 作り置きしたい | 肉だけ冷蔵、香草は直前 | 全部混ぜて翌々日まで保存 |
タイのラーブは砂糖を少し効かせるレシピもあります。ラオス式に寄せるなら、甘さはかなり控えめにし、パデークやカオクア、もち米との一体感を優先します。甘辛いサラダではなく、酸味と香ばしさで食べる肉料理です。
食べ方と献立 — もち米、レタス、青い野菜
ラープは単品で完結する料理ではありません。もち米、きゅうり、キャベツ、レタス、香草を横に置くと、急に現地の食卓に近づきます。肉の塩気と酸味を、野菜と米で少しずつ受け止める食べ方です。
一番ラオスに寄せるなら、もち米を蒸します。もち米は軽く洗い、できれば3時間以上浸水し、蒸し器で25〜30分。炊飯器の「おこわ」モードでも作れます。手で小さく丸め、ラープの肉汁を少しつけて食べると、カオクアの香ばしさが米に戻ってきます。
平日の夕飯なら、レタス包みでも十分です。レタスにラープ、きゅうり、ミントをのせ、ライムを少し搾って食べます。糖質を控えたい日にも使いやすい食べ方です。ただ、ラープは米と一緒に食べる前提の塩気なので、レタスだけで食べる日はナンプラーを大さじ2に減らしてください。
献立としては、同じラオス料理のカオピヤックセンと合わせると、汁物と肉サラダのバランスが取れます。タイ料理側に寄せるならソムタムやパッタイと並べると、酸味、辛味、甘味の違いが見えて楽しい食卓になります。
ラープの日の献立例
| 場面 | 組み合わせ | 理由 |
|---|---|---|
| 平日の夕飯 | ラープ、白ごはん、きゅうり、味噌汁 | 買い物が少なく、香草だけで変化が出る |
| 週末の東南アジアごはん | ラープ、もち米、ソムタム、卵焼き | 酸味と辛味を野菜で受ける |
| 来客の日 | ラープ、カオピヤックセン、パッタイ、果物 | 汁物、肉、麺を少量ずつ出せる |
| お酒に合わせる | ラープ、レタス、きゅうり、ナッツ | 米を減らして軽いつまみにできる |
最後に果物を置くなら、パイナップルやグレープフルーツのような酸味のあるものが合います。ラープの後に甘いケーキへ行くより、口がすっきりします。ラオス料理は強い発酵香と香草を使うので、締めも軽い方がまとまります。
失敗原因と直し方
ラープは短時間で作れるぶん、失敗もすぐ味に出ます。よくあるのは、水っぽい、肉が固い、香草が黒い、酸味がとがる、カオクアが焦げる、の5つです。原因を分ければ、次回はかなり安定します。

水っぽい
肉を加熱したあと、汁が多すぎる状態でライムとナンプラーを足すと、味が薄くなります。鶏ひき肉から出た水分が大さじ4以上ある場合は、少しだけ煮詰めるか、余分な汁を小さじ2ほど取り除いてください。カオクアは水分を吸いますが、スープを全部抱え込めるほど万能ではありません。
肉が固い
油で強く炒めすぎると、ひき肉が細かい塊になり、香草となじみません。ラープの肉は、炒め物というより「少量の水でほぐしながら火を通す」イメージです。水またはスープを入れてから火をつけると、肉が急に縮みにくくなります。
香草が黒くなる
熱すぎる肉に香草を入れて、さらに火にかけると黒ずみます。肉の火を止め、調味料を混ぜて少し温度が落ちてから香草を入れてください。温かいけれど湯気が強すぎないくらいが目安です。
酸味がとがる
ライムを入れた直後は酸味が尖ります。砂糖を増やす前に、カオクアを足して30秒待ってください。炒り米粉が汁を吸うと酸味の当たりが少し丸くなります。それでも鋭い場合だけ、砂糖を小さじ1/4足します。
カオクアが苦い
火が強すぎると、米の外側だけ黒くなり、中は白いままです。焦げた粒は苦味が強く、少量でも全体に出ます。弱めの中火で、色より香りを見てください。香ばしい匂いが甘いナッツのようなら成功、煙っぽくなったら行き過ぎです。
現地には生肉や半生に近いラープもありますが、日本の家庭では食中毒リスクを考え、鶏、豚、牛すべて中心まで火を通してください。とくに鶏ひき肉は表面だけでなく全体に菌が入りやすいため、色が完全に変わるまで加熱します。
保存と作り置き
ラープは作りたてが一番です。香草は時間が経つと黒ずみ、ライムの酸味も丸くなりすぎます。とはいえ、平日の夕飯で全部を当日にやるのは少し面倒です。作り置きするなら、混ぜる前の状態で分けておきます。

鶏ひき肉は調味前に火を通し、冷蔵で翌日まで保存できます。食べる前に軽く温め、ライム、ナンプラー、カオクア、香草を混ぜます。香草は洗って水気を拭き、キッチンペーパーで包んで冷蔵。カオクアは炒った米の状態で保存し、食べる直前に砕くと香りが残ります。
完成したラープを保存する場合は、密閉容器で冷蔵し、翌日中に食べ切ってください。再加熱すると香草がしおれるので、温め直すより、冷たいままレタス包みにする方が向いています。味がぼやけたらライムを少し足し、カオクアを小さじ1追加すると戻りやすいです。
冷凍はおすすめしません。肉だけなら冷凍できますが、完成ラープは香草とライムの香りが落ち、解凍時に水っぽくなります。余ったら、翌日の昼にごはんへ軽くのせ、目玉焼きを添えるくらいがちょうどよいです。ナシゴレンのように炒め直すこともできますが、その場合はラープらしさより「香草そぼろごはん」として楽しんでください。
| 保存するもの | 保存期間 | コツ |
|---|---|---|
| 火を通した鶏ひき肉 | 冷蔵1日 | 調味前に保存。食べる前に温める |
| カオクア | 炒った米なら常温1週間 | 砕くのは直前 |
| 洗った香草 | 冷蔵2日 | 水気を拭き、紙で包む |
| 完成したラープ | 冷蔵翌日まで | 再加熱せずレタス包みへ |
ラープの背景 — 祝い事の名前と地域差
ラープはラオスの代表料理として紹介されることが多い一方で、タイ東北部イーサーンでも日常的に食べられます。国境線よりも、もち米、香草、発酵魚醤を共有する食文化圏で考えた方が理解しやすい料理です。

ラープという名前は、ラオス語やタイ語で「幸運」を連想させる言葉と結びつけられ、祝いの席にも出されます。家庭料理としてのラープは短時間で作れますが、特別な日は肉を細かく手で刻み、内臓や胆汁を加える地域もあります。苦味を好むラープ、鴨で作るラープ、魚で作るラープなど、同じ名前でも土地と家庭で表情が変わります。
日本で最初に作るなら、鶏ひき肉を使う加熱版が安全で扱いやすいです。けれど背景を知っておくと、ラープが単なる「タイ風ひき肉サラダ」ではないことが見えてきます。肉を刻む、米を炒る、香草を足す、もち米で食べる。この一連の流れが、ラオスの食卓のリズムです。
英語圏では、ラープを「minced meat salad」と説明することが多いです。ただ、日本語の「サラダ」から想像する冷たい葉物料理とは少し違います。温かい肉、酸味のある調味、香草、米粉が混ざる、主菜とサラダの中間にある料理です。この曖昧さが、ラープの面白いところでもあります。
タイ料理店で食べるラーブは、少し甘く、辛味がはっきりしていることがあります。ラオス式に寄せたい日は、砂糖を控え、魚醤とライム、カオクアの香りを前に出します。もち米を添えれば、味の重心はさらにラオス側へ寄ります。
よくある質問

Q1. ラープは温かい料理ですか、冷たい料理ですか?
温かい肉を調味し、常温に近い状態で食べる料理です。熱々の炒め物ではありません。肉を加熱した直後に調味し、香草を混ぜてすぐ食べると、香りと肉汁のバランスがよくなります。
Q2. カオクアなしでも作れますか?
作れますが、ラープらしさはかなり落ちます。カオクアは香ばしさだけでなく、肉汁とライムの汁を吸う役割があります。もち米大さじ3を炒るだけなので、初回こそ作る価値があります。
Q3. ナンプラーが苦手な場合はどうすればいいですか?
全量を醤油に置き換えるより、ナンプラーを大さじ1だけ使い、残りを塩で調整してください。魚醤の香りが完全に消えると、ラープではなく和風そぼろサラダに近づきます。
Q4. 鶏肉以外でおすすめはありますか?
豚ひき肉、牛赤身ひき肉、木綿豆腐が作りやすいです。豚は脂を少し拭き取り、牛はミントを多めに。豆腐はしっかり水切りし、乾煎りしてから調味すると水っぽくなりません。
Q5. もち米は必須ですか?
必須ではありませんが、できれば添えてください。ラープの塩気と酸味は、もち米と一緒に食べるとちょうどよくなります。白米で代用する場合は、ラープのナンプラーを少し控えめにします。
まとめ — 省かないのは炒り米粉、怖がらないのは香草

ラープは、肉を煮込まず、油で炒めず、香草と酸味で食べるラオスの肉料理です。日本の台所で作るなら、難しい材料を全部そろえるより、カオクア、ナンプラー、ライム、ミントを守る方が本場に近づきます。
最初の一回は、鶏ひき肉、もち米、ミント、パクチー、ライム、ナンプラーで十分です。パデークやノコギリコリアンダーは、気に入ってから足せばいい。大事なのは、炒り米粉を香ばしく作り、肉をしっとり火入れし、香草を余熱でなじませることです。
ラープが食卓にあると、ほかの東南アジア料理の見え方も変わります。ソムタムの酸味、ガパオライスの香草、カオピヤックセンのもち米文化が、ばらばらではなく一本の線でつながります。ミントをちぎるところから、週末の世界ごはんを始めてみてください。
参考文献
- Padaek "Khao khua - Lao ground roasted glutinous rice powder" (https://padaek.com/khao-khua-lao-ground-roasted-glutinous-rice-powder/) 2026年5月参照
- SBS Food "Sticky rice powder (koa kore)" (https://www.sbs.com.au/food/recipe/sticky-rice-powder-koa-kore/imtvpg1fv) 2026年5月参照
- Serious Eats "Lao Food 101: Essential Dishes From Laos and Isan" (https://www.seriouseats.com/a-guide-to-the-essential-dishes-of-laos) 2026年5月参照
- Tuk Tuk Box "Laab Gai by Saeng Douangdara" (https://www.tuktukbox.com/blogs/from-our-southeast-asian-kitchen-to-yours/laab-gai-by-saeng-douangdara) 2026年5月参照
- Hot Thai Kitchen "Toasted Rice Powder (Kao Kua)" (https://hot-thai-kitchen.com/how-to-make-toasted-rice-powder/) 2026年5月参照
画像出典
本文・商品カードで使用した画像の出典元をまとめています。
- Wikimedia Commons鶏肉のラープに米を添えた皿。刻み香草とローストチリが見える、ラープやラオスのディップに使う炒り米粉、カオクア、ラオスのもち米を伝統的な竹かごに入れた様子、ラープの一種、ラオスのスアガイ。鶏肉、唐辛子、香草、炒り米粉を混ぜた皿、ラオス料理の食卓に並ぶもち米、青パパイヤサラダ、レタス、ラープに使う粗い炒り米粉を皿に広げた状態、ラオスの肉ラープ。ひき肉、内臓、香草を混ぜた力強い一皿、ラオス料理店の食卓。もち米やソーセージなどが並ぶ ほか9点



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