炭火の上で金属串に刺した肉を焼くコーカサス風シャシリク
🔪下準備35分
🔥調理25分
🍽️分量4
🌍料理ジョージア・コーカサス料理
東欧・コーカサスレシピ

シャシリクの作り方|コーカサスの炭火串焼き

20分で読めます世界ごはん編集部

煙が立つ前に、玉ねぎの匂いで食卓が始まる

週末の朝、豚肩ロースを大きめに切り、玉ねぎをすりおろす。まだ炭も起こしていないのに、ボウルの中では肉と玉ねぎの香りが混ざり始めます。日本の焼肉だれとは違い、甘い醤油もにんにくの強いタレも使いません。塩、玉ねぎ、黒こしょう、少しの酸味。これだけで肉が「串焼きの顔」になっていくのが、シャシリクの楽しいところです。

シャシリク(shashlik / шашлык)は、コーカサス、東欧、中央アジア、旧ソ連圏で広く食べられる串焼きです。ジョージアではムツヴァディ(მწვადი / mtsvadi)と呼ばれ、特にカヘティ地方ではブドウの枝の熾火で豚肉を焼く文化が語られます。ロシア語圏の「シャシリク」は酢、ワイン、ケフィア、ミネラルウォーターなどで漬ける家庭もありますが、ジョージア式はもっと素朴です。よい肉、玉ねぎ、塩、炭火。そこへザクロ、トケマリ、香草、パンが寄り添います。

ジョージアのムツヴァディを皿に盛った様子
ムツヴァディはジョージア語の串焼き。シャシリクという広い呼び名の中でも、塩と玉ねぎを大切にする

この記事では、ジョージアのムツヴァディを軸にしたシャシリクを、日本の台所とベランダではない安全な屋外BBQで作れるように整理します。炭火が理想ですが、魚焼きグリル、オーブン、フライパンでも着地点を作ります。ジョージア料理入門で触れたスプラの肉料理を、ハチャプリヒンカリの次に試すなら、この串焼きはかなりよい入口です。

呼び方の整理

本記事では検索で使われやすい「シャシリク」をタイトルに置き、本文ではジョージア式を指す時に「ムツヴァディ」と書き分けます。シャシリクは旧ソ連圏で広い呼び名、ムツヴァディはジョージア語の料理名です。

この料理の背景 — ブドウの枝、スプラ、コーカサスの火

ジョージア政府観光局の Georgia Travel は、ムツヴァディを「ジョージアの串焼き」として紹介し、豚、仔牛、羊、鶏でも作れるが、ジョージアでは豚肉が特に一般的だと説明しています。さらにカヘティ地方のムツヴァディでは、ブドウの剪定枝(tsalami)や山の低木の熾火で焼くこと、仕上げにカヘティのクヴェヴリワインやザクロ果汁をまとわせることにも触れています。

炭火の上で焼かれるジョージアの肉串
ジョージアではブドウの枝の熾火で焼くムツヴァディが語られる。家庭では炭火と香りの設計で近づける

ここに、ジョージア料理らしい考え方が出ています。スパイスを増やして肉を覆い隠すのではなく、火と脂と酸味で肉の味を前へ出す。Serious Eats のジョージア料理ガイドでも、ムツヴァディは肉を串に刺して直火で焼く料理で、ジョージアの料理人は複雑なマリネやラブよりも塩を重視すると整理されています。

一方で、英語圏や旧ソ連圏のシャシリクレシピを見ると、酢を入れる家庭、ワインを入れる家庭、ケフィアで漬ける家庭、ザクロ果汁で漬ける家庭があり、正解は一つではありません。日本で作る時に大切なのは、「何でも入れて焼肉だれ化しない」ことです。玉ねぎの酵素と水分で肉をやわらかくし、塩で味を入れ、酸味は肉の表面を引き締めすぎない量に止める。この線を守ると、スーパーの豚肩ロースでもコーカサスの串焼きらしさが出ます。

ジョージア式とロシア語圏式の違い

見る点 ジョージアのムツヴァディ寄り ロシア語圏のシャシリク寄り 日本での落としどころ
豚肩、仔牛、羊。脂を残す 豚、羊、鶏など家庭差が大きい 豚肩ロースを主役、鶏ももで代替
マリネ 玉ねぎ、塩、黒こしょう、ザクロ 酢、ワイン、ケフィア、ミネラルウォーターなど 玉ねぎ+塩+ザクロ果汁少量
炭火、ブドウの枝、熾火 マンガルの炭火 炭火BBQ、魚焼きグリル、オーブン
付け合わせ ザクロ玉ねぎ、トケマリ、香草、パン 生玉ねぎ、野菜、ラヴァシュ 紫玉ねぎ、ザクロジュース、パセリ、大葉
食べ方 焼けたらすぐ、パンにのせる 串のまま、またはパンと野菜で 皿で休ませすぎず、熱いうちに
情報アービトラージの核

日本語では「串焼き」「ロシア風BBQ」と短く説明されがちですが、英語圏・ジョージア系の情報では、火の種類、脂の残し方、ザクロ玉ねぎ、焼けた肉をすぐ食べる作法まで含めて語られます。この記事ではその食べ方まで持ち帰ります。

4人分

材料(4人分) — 脂のある豚肩と玉ねぎを中心にする

シャシリクは肉を小さく切りすぎると、ただの焼き鳥のように乾きます。4〜5cm角の大きさを残し、脂が少しついた豚肩ロースを使います。豚バラだけだと脂が強すぎ、ロースだけだと乾きやすいので、肩ロースが一番扱いやすいです。

串焼き用に切った肉と玉ねぎ、香草を並べた準備
肉は小さく切りすぎない。串に刺しても厚みが残る大きさにする

メイン材料

材料 分量 代替・備考
豚肩ロースブロック 800 g 脂を少し残す。豚ロースだけならオリーブ油大さじ1を足す
玉ねぎ 3 個(約600 g) 2 個はマリネ、1 個は付け合わせ。白玉ねぎでも可
粗塩 小さじ2 肉の約1.2%。精製塩なら少し控える
黒こしょう 小さじ1 粗びき
ザクロジュース 120 ml 100%推奨。なければ赤ワイン60 ml+水60 ml
米酢またはワインビネガー 小さじ2 酸味補助。入れすぎると肉が締まる
サラダ油 大さじ1 肉が赤身寄りなら加える
ローリエ 1 枚 省略可。香りを強くしすぎない

ザクロ玉ねぎと食卓用

材料 分量 代替・備考
紫玉ねぎまたは玉ねぎ 1 個 薄切り。辛ければ水に5分さらす
ザクロジュース 大さじ3 ザクロの実があれば大さじ2を足す
レモン汁 小さじ2 酸味を明るくする
パセリ 1束(約20 g) パクチー、大葉、青ねぎでも可
トマト 2 個 くし形切り。夏は冷やす
きゅうり 2 本 塩を軽く振る
ラヴァシュまたはピタパン 4 枚 食パン、トルティーヤでも可
トケマリまたは梅ソース 適量 梅肉小さじ2+はちみつ小さじ1+水小さじ2で代用
アレルギーと食品安全

この料理には豚肉を使います。パンを添える場合は小麦、トケマリ代用の梅ソースには製品により大豆や小麦が含まれることがあります。生肉を漬けたマリネ液は再利用せず、まな板とトングは生肉用と焼き上がり用で分けてください。

この料理に使う食材・道具

シャシリクは調味料より道具で仕上がりが変わります。竹串でも作れますが、肉が大きいので平たい金属串があると回転しにくく、焼きやすくなります。

平串タイプの金属BBQ串
平串タイプの金属BBQ串

炭火で焼ける環境があるなら、火起こし器があると失敗が減ります。火が安定する前に肉をのせると、すすっぽく焦げます。

ザクロジュースは、甘味料入りのザクロ風ドリンクではなく、100%に近いものを選びます。手に入らなければ無理に探さず、赤ワインと水で代替して、食卓でレモンを足します。

焼き加減を迷いで決めないために、中心温度計は一本あると便利です。串焼きは外側が焦げても中心がぬるいことがあるので、厚い一切れで確認します。

買い出しを最小にするなら

豚肩ロース、玉ねぎ、塩、黒こしょう、ザクロジュース、トマト、きゅうり、パンだけで始めてください。トケマリ、ザクロの実、金属串は2回目以降で大丈夫です。

📊 栄養情報(1人分)
615
kcal
34.0g
タンパク質
43.5g
脂質
15.5g
炭水化物
2.0g
食物繊維
950mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。

作り方 — 漬けすぎず、強い熾火で短く焼く

一番の失敗は、酸っぱい液に一晩以上漬けて肉をぼそぼそにすることです。玉ねぎと塩だけなら長めでもよいのですが、酢やザクロを入れるなら4〜6時間で十分。朝漬けて夕方焼くくらいが、家庭では扱いやすいです。

1. 肉を4〜5cm角に切る(10分)

豚肩ロース800gを4〜5cm角に切ります。脂身は全部落とさず、各切れに少し残します。薄い筋があれば取り除きますが、赤身だけにすると焼き上がりが乾きます。

焼く前の串肉を準備する様子
肉は4〜5cm角。外は焦げ、内側はしっとりする厚みを残す
  1. 玉ねぎをすりおろしてマリネを作る(10分)
    玉ねぎ2個をすりおろし、粗塩小さじ2、黒こしょう小さじ1、ザクロジュース120ml、酢小さじ2、油大さじ1、ローリエ1枚を混ぜます。肉を加え、手で2分ほどもみます。玉ねぎの汁が肉にまとわりつけば十分です。
玉ねぎと肉を合わせてマリネするシャシリクの準備
玉ねぎの汁で肉を包む。酢は香り付け程度に止める
  1. 冷蔵庫で4〜6時間漬ける
    保存袋またはボウルに入れ、空気を抜いて冷蔵庫で4〜6時間置きます。途中で一度上下を返します。前夜から漬ける場合は、酢を入れず、焼く1時間前にザクロジュースだけ足してください。
ジョージアの肉串を焼く前に皿へ並べた様子
酸味を入れたマリネは長く漬けすぎない。玉ねぎの甘みを移す程度でよい
  1. 串に刺して室温に戻す(30分)
    肉の玉ねぎを軽くぬぐい、金属串に刺します。肉同士をぎゅうぎゅうに詰めず、少しだけすき間を作ります。焼く30分前に冷蔵庫から出し、表面の冷たさを取ります。直射日光の下には置かないでください。
金属串に刺したシャシリクを炭火の前に置いた様子
串に刺す時は肉の向きをそろえる。厚みがばらつくと焼き上がりもばらつく
  1. 炭を白い熾火にする(20〜30分)
    炭に火をつけ、炎が落ち着いて表面が白く灰をかぶるまで待ちます。手を焼き網の高さにかざして2〜3秒で熱くなるくらいが目安です。炎が上がっている状態で焼くと、表面だけ黒くなり、中心が冷たいままになりやすいです。
マンガルの炭火で肉串を焼く様子
シャシリクは炎ではなく熾火で焼く。脂が落ちて火が上がったら串を横へ逃がす
  1. 強めの熾火で15〜20分焼く
    串を炭の上に置き、2〜3分ごとに回します。最初の5分で表面に焼き色をつけ、その後は焦げそうな場所から少し外します。豚肉の中心が63度C以上になり、3分休ませられる状態を目安にします。鶏もも肉で作る場合は中心75度Cを目安にしてください。
炭火で焼き色がついたシャシリクの串
表面は香ばしく焦がし、中心は温度計で確認する。色だけで判断しない
  1. ザクロ玉ねぎを作る(5分)
    焼いている間に、薄切りの玉ねぎ1個、ザクロジュース大さじ3、レモン汁小さじ2、塩ひとつまみ、刻んだパセリを混ぜます。辛味が強い玉ねぎは先に水に5分さらし、よく水気を切ります。
ザクロの実を小鉢に入れた付け合わせ用の準備
ザクロ玉ねぎは脂の多い豚肉を軽くする。肉が焼ける直前に作る
  1. パンに肉汁を受けてすぐ食べる
    皿にラヴァシュやピタパンを敷き、焼けた肉を串から外してのせます。上からザクロ玉ねぎ、香草、トケマリまたは梅ソースを添えます。長く休ませると串焼きの脂が固まりやすいので、3分ほど置いたら食卓へ出します。
パンと玉ねぎを添えて食べるムツヴァディ
パンは肉汁を受ける道具。串から外したら熱いうちに玉ねぎと食べる
中心温度の目安

USDA FSIS は、豚・牛・羊・仔牛の丸ごとの肉は中心63度C以上で3分休ませること、鶏肉は中心74度C以上まで加熱することを示しています。家庭では色だけで判断せず、厚い一切れに温度計を差して確認してください。

炭火がない時の代替調理

炭火の香りはシャシリクの魅力ですが、毎回BBQを起こせる家ばかりではありません。日本の台所では、魚焼きグリル、オーブン、フライパンの順に「炭火っぽさ」を作りやすいです。

鉄板やグリルで肉串を焼く屋台風のシャシリク
炭火がない日は、強い上火と焼き目を優先する。弱火で蒸し焼きにすると別料理になる

代替調理で守りたいのは、煙の完全再現ではなく「表面を短時間で乾かし、香ばしい焼き目を作る」ことです。弱火でじわじわ火を入れると、玉ねぎマリネの水分が先に出て、肉が煮えたような食感になります。炭火がない日は、予熱、強い上火、網やラックで余分な水分を落とす。この3つを意識すると、台所でも串焼きの方向へ寄せられます。

魚焼きグリル

両面焼きグリルなら、予熱3分、強火で片面6〜8分、裏返して5〜7分が目安です。串が庫内に入らない場合は、金属串ではなく短い竹串に刺すか、串に刺さず網に並べます。脂が落ちるので、受け皿に水を入れるタイプでは説明書に従ってください。

オーブン

230度Cに予熱し、網をのせた天板に肉を並べて18〜22分焼きます。最後に上火またはブロイルで2〜3分焼き色を足します。オーブンでは炭の香りが出ないので、仕上げにスモークパプリカをひとつまみ振ると雰囲気が近づきます。

フライパン

厚い鉄フライパンを強めの中火で十分に熱し、油を薄くひいて肉を並べます。串に刺すと接地面が少なくなるため、フライパンでは串から外して焼く方がよいです。全面を合計12〜15分焼き、ふたをして2分蒸らし、中心温度を確認します。

調理法 向く人 仕上がり 注意点
炭火BBQ 香りを重視したい もっとも本場寄り 炎ではなく熾火で焼く
魚焼きグリル 家庭で焼き目を出したい 表面が香ばしい 串の長さと脂落ちに注意
オーブン 一度に多く焼きたい 均一で失敗しにくい 最後の焼き色を足す
フライパン 平日夕飯にしたい 肉汁を逃しにくい 串焼き感は弱い
燻製風に寄せすぎない

液体スモークや燻製塩を入れすぎると、ジョージアのムツヴァディというよりアメリカBBQ寄りになります。足すならスモークパプリカをほんの少し。主役はあくまで玉ねぎ、塩、肉の焼けた香りです。

日本で本場に寄せる分岐表

スーパーの買い物で迷うのは、肉、酸味、パン、ソースです。本場の材料を全部追うより、守るべき材料と代えてよい材料を分けると失敗しません。

ウズベク系のシャシリクを炭火で焼く様子
地域によって肉も味付けも変わる。日本ではまず豚肩と玉ねぎの基本形から始める
迷う材料 代替できる 代替しすぎない 理由
豚肩ロース 鶏もも、ラム肩、牛肩ロース 脂のない豚ヒレ、鶏むね 強火で焼くので脂と厚みが必要
ザクロ 赤ワイン、ぶどうジュース少量、レモン 酢を大量に入れる 酸味が強すぎると肉が締まる
ラヴァシュ ピタ、トルティーヤ、薄いナン 甘い食パン 肉汁と玉ねぎを受ける役
トケマリ 梅肉+はちみつ+水、ゆかり少量 甘い焼肉だれ 脂を切る酸味がほしい
香草 パセリ、パクチー、大葉、青ねぎ 乾燥ハーブだけ 焼き肉の熱を生の香りで冷ます

スヴァン塩を作ってあるなら、焼き上がりにほんの少し振るのもおすすめです。ただしマリネに最初から大量に入れると、香りが焦げやすくなります。スヴァン塩は仕上げ用、肉の下味は塩と玉ねぎ、と分ける方がきれいに決まります。

食べ方、献立、作り置き

シャシリクは焼けた瞬間が一番おいしい料理です。煮込みのように翌日おいしくなる料理ではありません。だから献立は、焼いている間に出せる冷たいものを先に用意します。

串焼きと野菜、パンを合わせたコーカサス風の食卓
肉が焼けたらすぐ食べるため、野菜とパンは先に並べておく

合わせたい副菜

一番簡単なのは、トマト、きゅうり、玉ねぎ、香草を大皿に盛ることです。ジョージアの食卓では、肉の横にフレッシュな野菜、パン、酸味のあるソースがよく並びます。サツィヴィのようなくるみソース料理を合わせると重くなるので、シャシリクの日は冷たい前菜やパンを中心にすると食べ進めやすいです。

保存と温め直し

焼いた肉は粗熱を取り、2時間以内に冷蔵庫へ入れます。翌日までに食べるのが理想で、長くても冷蔵3日以内。温め直しは電子レンジより、フライパンで少量の水を加え、ふたをして温める方が乾きにくいです。冷凍する場合は焼いた肉だけを保存袋に入れ、2〜3週間を目安にします。ザクロ玉ねぎは水っぽくなるので作り置きしません。

余った肉の使い回し

翌日は、薄く切ってピタパンに挟むとおいしいです。ザクロ玉ねぎの代わりにレモン、ヨーグルト、きゅうりを合わせれば、コーカサス寄りのサンドになります。米にのせるなら、プロフのような炊き込みご飯ではなく、白いごはんに香草とレモンを足すくらいが軽くまとまります。

作り置きするなら「漬け肉」まで

焼きたての価値が高い料理なので、前日にできるのはマリネまでです。酸味を控えた玉ねぎ塩マリネなら、冷蔵で一晩置いても使えます。酢やザクロを多めに入れた場合は、4〜6時間で焼いてください。

失敗原因 — 焦げる、乾く、酸っぱいを先に潰す

シャシリクは材料が少ない分、失敗の原因もはっきりしています。火が強すぎるのではなく、炎で焼いている。肉が悪いのではなく、小さく切りすぎている。味が足りないのではなく、酸味で肉を締めすぎている。ここを分けて見ると、次の串からすぐ直せます。

炭火の上で複数の串を並べて焼くシャシリク
失敗の多くは火の状態で決まる。炎が落ち、炭が白くなってから焼き始める
失敗 起きる原因 直し方
表面だけ黒い 炎が上がっている、脂が火に落ちている 串を横へ逃がし、炭が落ち着いてから戻す
肉が乾く 小さく切った、脂を落とした、焼きすぎ 4〜5cm角、肩ロース、中心温度確認
酸っぱい 酢が多い、長く漬けた 酢は小さじ2程度。長時間なら酸味を後入れ
味が薄い 塩が少ない、玉ねぎをぬぐいすぎた 肉重量の1〜1.2%を目安に塩を入れる
生焼けが怖い 外側の色だけで判断している 温度計で中心を確認し、焼けた串から外す
屋内炭火は禁止

炭火や七輪を室内、換気の悪い場所、ベランダ規約に反する場所で使わないでください。一酸化炭素中毒や火災の危険があります。屋外でも消火用の水、耐熱手袋、火消し壺を用意し、完全に消火してから片付けます。

よくある質問

Q1. 豚肉ではなくラムで作れますか?

作れます。ラム肩肉またはラムもも肉を4cm角に切り、同じマリネで4時間ほど漬けます。ラムは香りが強いので、ザクロ玉ねぎとトケマリ風の酸味がよく合います。焼きすぎると硬くなるため、中心63度C以上を確認し、短く休ませて食べます。

Q2. 酢を入れないとやわらかくなりませんか?

酢は必須ではありません。玉ねぎの水分と塩だけでも、肉の表面は十分に整います。酢やレモンを多く入れると、肉がやわらかくなる前に表面が締まり、食感がぼそっとすることがあります。酸味はザクロ玉ねぎやトケマリで食卓に足す方が安全です。

Q3. 前日から漬けても大丈夫ですか?

酸味を抜いた「玉ねぎ、塩、黒こしょう、油」だけなら一晩でも大丈夫です。ザクロジュースや酢を入れる場合は4〜6時間を目安にしてください。前日仕込みにするなら、朝に酸味を足し、夕方に焼く流れが扱いやすいです。

Q4. 子ども向けにするなら何を変えますか?

黒こしょうを半量にし、トケマリや梅ソースは別添えにします。ザクロ玉ねぎも辛味が気になる場合は、水にさらした玉ねぎを使います。肉の中心温度確認は大人向けより厳密に行い、鶏肉を使う場合は必ず中心74度C以上まで加熱します。

Q5. 魚焼きグリルで串が焦げます。

竹串は焦げやすいので、30分以上水に浸してから使います。それでも庫内で焦げる場合は、串を使わず肉だけ網に並べてください。シャシリクらしさは少し弱くなりますが、焼き目と玉ねぎマリネが残れば料理としては成立します。

まとめ

シャシリクは、特別なソースで肉を飾る料理ではありません。脂のある肉を大きく切り、玉ねぎと塩で下味を入れ、落ち着いた熾火で焼き、酸味のある玉ねぎとパンで食べる料理です。日本の台所で本場へ寄せるなら、守るべきは「肉を小さくしない」「酢を入れすぎない」「炎ではなく熾火で焼く」「焼けたらすぐ食べる」の4つです。

ジョージア料理の食卓として広げるなら、ハチャプリヒンカリジョージア料理入門へつなげると、パン、肉、宴席の流れが見えてきます。次のBBQで焼肉だれに少し飽きたら、玉ねぎとザクロのボウルを一つ用意してみてください。煙の匂いが立った瞬間、いつもの肉がコーカサスの方を向きます。

参考文献

画像出典

  • Wikimedia Commons: "Shashlik Grill (5613219427).jpg", "Mtsvadi (მწვადი).JPG", "Mtsvadi.jpg", "Ghoris Mtsvadi", "Khobis Mtsvadi", "Chicken Mtsvadi and Fried Piglet", "Tbilisoba 2015 in Moscow", "Lamb shish kebab with onions and spicy sauce at Little Georgia restaurant", "Grillwurst Schaschlik Shashlik.JPG", "Pomegranate Seeds.JPG", "Skewers prepared for grilling.jpg", "Jigar Uzbek Shashlik..." ほか、各画像ページのライセンス表記に従って参照。

画像出典

本文・商品カードで使用した画像の出典元をまとめています。

  1. Wikimedia Commonsジョージアのムツヴァディを皿に盛った様子、炭火の上で焼かれるジョージアの肉串、串焼き用に切った肉と玉ねぎ、香草を並べた準備、焼く前の串肉を準備する様子、玉ねぎと肉を合わせてマリネするシャシリクの準備、ジョージアの肉串を焼く前に皿へ並べた様子、金属串に刺したシャシリクを炭火の前に置いた様子、マンガルの炭火で肉串を焼く様子 ほか11点
  • シャシリク
  • ムツヴァディ
  • ジョージア料理
  • コーカサス料理
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  • BBQ
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