紫の飲み物と一緒に供えるボリビアの人形パン、タンタワワ
🔪下準備2時間35分
🔥調理18分
🍽️分量8
🌍料理ボリビア料理
南米レシピ

タンタワワの作り方|ボリビアの供養パン

29分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

調理工程スライド
手順1: 酵母を起こす
STEP 11 / 8

酵母を起こす

所要時間10分

牛乳230mlを小鍋の弱火、または電子レンジ600Wで40から50秒温め、38から40℃にします。砂糖10gとドライイースト7gを混ぜ、8分置きます。表面に細かい泡が浮き、乳白色の層が少し厚くなれば進めます。泡が出ない場合は、イーストが古いか牛乳が熱すぎます。ここで作り直した方が、後の2時間を無駄にしません。

手順2: 生地をこねる
STEP 22 / 8

生地をこねる

所要時間15分

ボウルに強力粉420g、薄力粉80g、砂糖65g、塩6g、シナモン2g、つぶしたアニスシード1g、オレンジの皮5gを入れます。卵2個、酵母入り牛乳、オレンジフラワーウォーター2.5mlを加えて混ぜ、粉気がほぼ消えたら柔らかいバター80gを3回に分けて練り込みます。台に出して10分こね、生地温度は24から27℃を目安にします。表面がなめらかで、薄く伸ばすと粗い膜ができる状態までこねます。火は使いません。

手順3: 一次発酵と紫餡を作る
STEP 33 / 8

一次発酵と紫餡を作る

所要時間70分

生地を丸め、薄く油を塗ったボウルに入れて28℃前後で60分発酵させます。1.5から1.6倍にふくらみ、指で押した跡がゆっくり戻れば十分です。その間に小鍋へブルーベリージャム120g、りんごジャム60g、レモン汁10ml、シナモンスティック1/2本を入れます。水20mlで溶いたコーンスターチ5gを加え、弱火で4から5分加熱します。ふつふつ細かい泡が出て、へらで底をなぞると一瞬道が残る固さで火を止め、シナモンを取り出して冷まします。

手順4: 分割して餡を包む
STEP 44 / 8

分割して餡を包む

所要時間20分

生地を8等分し、1個を約110gにします。詰め物なしで作る場合はこのまま工程5へ進みます。紫餡を入れる場合は、各生地から12gほどを腕用に取り分け、残りを長さ12cm、幅8cmほどの楕円に伸ばします。中央に冷めた餡15gをのせ、縁をつまんで閉じ、閉じ目を下にします。餡が温かいと生地がゆるみ、焼いた時に紫色の線が底から出やすくなります。

手順5: 人形に組む
STEP 55 / 8

人形に組む

所要時間20分

上1/4を軽くくびれさせて頭、下を胴にします。取り分けた生地を2本の腕にし、胸の前で交差するように貼ります。貼り付ける場所には水を指で薄く塗ります。腕を細くすると焼いた時に割れ、太くしすぎると胴の形が消えます。目安は直径1.2cm前後です。顔の線はここでは描きません。焼く前に描くと、発酵と焼成で流れて読みにくい表情になります。火は使いません。

手順6: 二次発酵とつや出し
STEP 66 / 8

二次発酵とつや出し

所要時間35分

天板にオーブンシートを敷き、成形した生地を3cm以上あけて並べます。28℃前後で30分置き、1.2から1.3倍にふくらませます。大きくしたくなるところですが、タンタワワは形を残す方が大切です。オーブンを180℃に予熱し、卵黄1個と牛乳10mlを混ぜた液を表面に薄く塗ります。たまった卵液は焼きムラになるので、刷毛を軽くしごいてから塗ります。

手順7: 焼く
STEP 77 / 8

焼く

所要時間18分

180℃のオーブンで16から18分焼きます。表面が薄いきつね色になり、底面に淡い焼き色が付けば目安です。色が早く付きすぎる場合は12分を過ぎたところでアルミホイルをふわりとかぶせます。中心温度が90から92℃に達していれば焼き上がりです。焼きすぎると翌日に硬くなり、アイシングの線も割れやすくなります。

手順8: 冷まして顔を描く
STEP 88 / 8

冷まして顔を描く

所要時間30分

焼き上がったパンを網に移し、20分以上冷まします。粉砂糖180g、牛乳25ml、レモン汁5mlを混ぜ、だまが残らずつやが出て、スプーンからゆっくり帯状に落ちる固さにします。小皿に分けて食用色素を1滴ずつ混ぜ、目、口、髪、仮面の線を描きます。線がにじむ時は粉砂糖を5g足し、固すぎる時は牛乳を2ml足します。完全に乾くまで15分置いてから皿に移します。火は使いません。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料スライド
材料

買い出しの前に

この分量で、長さ12cm前後のタンタワワを8個作ります。1個を大きくすると中心まで火が入る前に表面が乾き、翌日硬くなりやすいです。初回は8等分にして、発酵の戻り、腕の太さ、焼き色の薄さを見ながら作る方が安定します。

強力粉、薄力粉、牛乳、卵、バター、オレンジの皮、シナモン、アニス、紫の餡を木の作業台に並べた材料
タンタワワの生地は普通のパン材料で作れる。現地らしさは香りと形で足す
12品目

生地

材料 分量 使い方
強力粉 420g 骨格を作る。薄力粉だけにしない
薄力粉 80g 硬くなりすぎるのを防ぐ
牛乳 230ml 38から40℃に温めて酵母を起こす
ドライイースト 7g 予備発酵する
砂糖 75g 10gは酵母用、65gは生地用
6g 甘さを締める
2個 生地に入れる
無塩バター 80g 室温でやわらかくし、後から練り込む
オレンジの皮 5g 白い部分を入れず、細かくすりおろす
シナモンパウダー 2g 生地に混ぜる
アニスシード 1g すり鉢で軽くつぶして混ぜる
オレンジフラワーウォーター 小さじ1/2(2.5ml) 省略可。入れると祝祭菓子らしい香りに寄る
13品目

紫餡と飾り

材料 分量 使い方
ブルーベリージャム 120g 紫色と酸味を出す
りんごジャム 60g 甘みと粘度を補う
レモン汁 10ml 甘さを切る
コーンスターチ 5g 餡を包める固さにする
20ml コーンスターチを溶く
シナモンスティック 1/2本 餡に短く香りを移す
卵黄 1個 焼く前のつや出し
牛乳 10ml 卵黄に混ぜる
粉砂糖 180g アイシング用
牛乳 25ml アイシングの固さ調整
レモン汁 5ml 乾きを助ける
食用色素 赤、黄、緑を各1滴 顔や仮面の線を描く。粉末なら各0.1gから始める
ココアパウダー 2g 茶色い線を作る
アレルギーと食品安全

小麦、卵、乳を使います。食用色素、ジャム、オレンジフラワーウォーターは製品ごとのアレルゲン表示を確認してください。焼き上がりの中心温度は90℃以上を目安にし、顔の線はパンが完全に冷めてから描きます。

紫餡は、ボリビアの祭礼パンとして必須ではありません。詰め物なしで作る場合は、工程3の餡作りと工程4の包む作業を飛ばし、分割した生地をそのまま人形に組みます。詰める場合も1個15gまでに抑えます。たくさん入れると、焼き上がりで底から漏れやすくなります。

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材料表の分量8人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

📊 栄養情報(1人分)
40
kcal
1.0g
タンパク質
1.3g
脂質
6.3g
炭水化物
0.3g
食物繊維
31mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。

タンタワワとは、家族を迎えるための小さなパン

11月の初め、台所に牛乳とシナモンの香りが立つと、ただの菓子パンを焼いている時とは少し気配が違います。タンタワワ(T'antawawa / Tanta wawa)は、ボリビアのトドス・サントス、つまり死者の日の時期に供えられる人形の形のパンです。t'anta はパン、wawa は子どもを指す言葉として紹介され、アンデス圏では赤ちゃんや子どもをかたどったパンとして知られています。

紫の飲み物、シナモン、アンデス風の布と一緒に並べたボリビアのタンタワワ
タンタワワは食べるパンであり、トドス・サントスの供えの場を思わせる形のパンでもある

ボリビアでは、亡くなった家族を迎えるために mast'aku と呼ばれる供えの場を整え、パン、人形、飲み物、果物などを並べると紹介されます。タンタワワはその中の目立つ存在です。日常の朝食パンというより、家族の記憶を食卓へ戻すための形を持ったパン、と考えると作り方の優先順位が見えてきます。

同じ名前の流れはエクアドルやペルーにもありますが、国ごとに表情が違います。エクアドルのグアグア・デ・パンはグアバ餡やコラーダ・モラーダとの組み合わせが強く、色付きアイシングで顔を描く家庭向けの形が作りやすい。一方、ボリビアのタンタワワは詰め物なしの甘い発酵パンでも成立し、祭礼用には食べられない陶器や石膏の顔飾りが使われることもあります。この記事では日本の家庭で安全に食べ切れるよう、顔は食用アイシングで描き、少量の紫餡は「しっとりさせる家庭版の選択肢」として扱います。

見るポイント ボリビア版で守ること 日本の台所での落としどころ
子どもや人形を思わせる輪郭 頭、胴、腕を太めに作り、発酵させすぎない
香り 甘いパンにシナモン、アニス、柑橘の香り シナモンを軸に、オレンジの皮と少量の花の香りを足す
祭礼用の仮面や飾りをのせる地域がある 食べ切る前提で、冷めてから食用アイシングで線を描く
詰め物 詰め物なしでもよい 翌日までしっとりさせたい場合だけ紫餡を15g入れる
食べ方 供えた後に家族で分ける 濃い紫の飲み物、紅茶、ミルクなしのコーヒーと合わせる

最初に意識したいのは、パン屋のブリオッシュのように大きくふくらませないことです。タンタワワは輪郭が料理の意味を持つので、ふわふわ最優先ではなく、成形した手足と顔の余白が焼いた後にも残るところを狙います。甘い生地なので焦げやすく、焼き色も濃くしすぎません。

買い出しで迷うもの

小麦粉、牛乳、卵、バターは近所のスーパー品で十分です。買い出しで迷うのは、現地らしい香りをどこまで足すかです。タンタワワは形が主役ですが、ただの甘いロールパンに見えないよう、シナモン、アニス、柑橘の香りを薄く重ねます。

オレンジフラワーウォーター、スターアニス、シナモン、アニスシード、温度計、色付きアイシングを作業台に並べた買い出しの目安
現地らしさを足す材料は少量で足りる。普通の材料に香りと温度管理を足す

オレンジフラワーウォーターは小さじ半分だけ使います。余った分は中東菓子、紅茶、シロップにも回せるので、甘いパンや焼き菓子を続けて作る人には使い道があります。

掲載商品は、複数の販売先を定期的に確認し、価格・内容量・レビュー傾向・購入しやすさを比較したうえで選定しています。

オレンジフラワーウォーターを買わない場合は、スターアニスを牛乳に短く浸して香りだけ移します。粉にして混ぜると薬っぽくなりやすいので、1/4片を温めた牛乳に2分入れて取り出す使い方に留めます。

発酵生地は温度の数度差で表情が変わります。牛乳を温める、一次発酵の場所を決める、焼き上がりの中心温度を見る、この3場面で温度計があると失敗の理由を切り分けやすくなります。

割れ、餡漏れ、顔のにじみを直す

タンタワワは、味より先に形で失敗が見えます。割れた、餡が出た、顔がにじんだという失敗は、発酵、餡の固さ、冷却のどこかで起きます。次回のために、どの段階で起きたかを分けて見ます。

きれいに焼けたパン、表面が割れたパン、紫餡が漏れたパンを並べて比べる作業台
割れや餡漏れは原因を分けると次回直しやすい。発酵、餡、焼き色を別々に見る
起きたこと 起きやすい原因 次回の直し方
表面が大きく割れる 二次発酵不足、または生地表面が乾いた 発酵中は乾いた布ではなく、軽く油を塗ったラップをふんわりかける
餡が底から漏れる 餡が熱い、餡が多い、閉じ目が薄い 餡を完全に冷まし、1個15gまでにして閉じ目を下に置く
人形の形が丸く消える 二次発酵が長すぎる 1.2から1.3倍で止め、ふくらませすぎない
焼き色が濃く硬い 180℃を超えている、または焼きすぎ 12分で色を見て、濃いならアルミホイルをかぶせる
顔の線が流れる パンが温かい、またはアイシングがゆるい 20分以上冷まし、粉砂糖を5gずつ足して調整する
香りが菓子パンに寄りすぎる シナモンだけで作った オレンジの皮、アニスシード、花の香りのどれか1つを足す

この中で一番戻しやすいのは餡です。ジャムはメーカーごとに水分量が違うので、弱火で煮詰める時間を固定しすぎない方がよいです。へらで持ち上げた時にぽってり落ち、冷めるとスプーンですくって形が残る状態で止めます。ゆるいまま包むと、焼成中に底から漏れます。

形が丸く消える場合は、生地のこね不足より二次発酵の長さが原因であることが多いです。一次発酵では1.5倍まで許し、二次発酵では1.2から1.3倍で止める。この差をつけると、ふんわりしながらも人形の形が残ります。

食べ方、保存、前日準備

供えた後のタンタワワは、家族で分けて食べるパンです。ボリビアの食卓を意識するなら、紫とうもろこしの飲み物 api morado を添えると雰囲気が出ます。ただ、日本では毎回紫とうもろこしを用意しにくいので、濃いベリージュース、スパイスを入れた紅茶、ミルクを入れないコーヒーでも、パンの甘さと香りは受け止められます。

焼いたタンタワワを保存容器に入れ、残りを紫の飲み物と一緒に皿へ出している様子
保存するときはアイシングを乾かしてから容器に入れ、温め直しは低温で短くする

食卓では、焼きたてを急いで割るより、顔の線が乾いてから1個ずつ皿にのせます。大皿に積むとアイシングが下のパンに付きやすいので、乾くまでは間隔をあけます。紫餡入りはそのまま菓子パンとして食べやすく、詰め物なしはバターやジャムを足すより、温かい飲み物に浸す方が香りを崩しません。

常温なら乾燥しない容器に入れて翌日まで、冷蔵なら2日が目安です。冷蔵すると生地が締まるので、食べる前にトースター120℃で3から4分温め、粗熱を取ってから食べます。アイシングを厚く描いたものは温めると溶けやすいため、電子レンジ加熱は避けます。

冷凍する場合は、顔を描く前の焼き上がりを1個ずつラップで包み、保存袋に入れて2週間以内に食べます。解凍は冷蔵庫で一晩、温め直しは150℃のオーブンで6から7分です。顔は温め直して冷めた後に描くと、線が割れにくいです。

前日にできるのは、紫餡を作ることと、一次発酵後の生地を8等分して冷蔵することです。生地は丸めて密閉容器に入れ、冷蔵庫で一晩置きます。翌日は室温で30分戻してから成形します。すでに人形に組んだ状態で一晩置くと、手足が沈みやすく、顔の余白も広がりにくくなります。

食卓をボリビアの流れで組むなら、午前の軽食に向くサルテーニャ、一皿ごはんのシルパンチョと合わせて読むと、小麦粉、肉、米、じゃがいもが同じ国でどう使い分けられるかが見えます。南米のパン料理として横に置くなら、もちっとしたブラジルのポン・デ・ケージョや、とうもろこし団子のパラグアイのボリボリも近い比較対象になります。

よくある質問

焼く前に顔を描きたくなりますが、タンタワワではここを急がない方がきれいです。発酵と焼成で生地は動き、線はずれます。顔は冷めてから、食べられる材料で描くのが家庭向きです。

焼く前の生地に顔を描くと線が発酵でずれやすいことを示す天板上の人形パン
顔は焼く前ではなく、パンが冷めてから描くと線が読みやすい

グアグア・デ・パンと同じものですか。

大きくはアンデス圏の人形パンの仲間です。ただ、エクアドルのグアグア・デ・パンはグアバ餡やコラーダ・モラーダとの組み合わせが強く、ボリビアのタンタワワはトドス・サントスの供え物として、詰め物なしの甘いパンや仮面飾りの印象が強くなります。この記事はボリビア版として、形と香り、供え物としての文脈を優先しています。

紫餡は入れないといけませんか。

入れなくても作れます。むしろ供え物のパンとしては詰め物なしで作る方が素直です。この記事では、日本の家庭で翌日までしっとり食べやすくするために、1個15gだけ紫餡を入れる選択肢を示しています。初めてなら、半分は詰め物なし、半分は紫餡入りにすると違いが分かりやすいです。

オレンジフラワーウォーターは省けますか。

省けます。その場合はオレンジの皮を7gに増やし、牛乳を温める時にスターアニス1/4片を2分浸して取り出すと、少し祝祭菓子らしい香りに寄ります。スターアニスを粉にして入れると香りが強く出すぎるので、浸すだけにします。

顔の飾りは本場の仮面と同じにできますか。

現地の祭礼用には食べられない飾りが使われることがありますが、家庭で食べる記事としては食用アイシングに寄せます。顔の完全再現より、パンとして安全に食べ切れることを優先します。色は赤、黄、緑の3色だけでも十分に表情が出ます。

前日にどこまで準備できますか。

紫餡は前日に作って冷蔵できます。生地は一次発酵後に8等分し、丸めて密閉容器に入れ、冷蔵庫で一晩置けます。翌日は室温で30分戻してから成形します。成形後の長時間冷蔵は、腕や頭の輪郭が崩れやすいので避けます。

紫とうもろこしの飲み物がないと本場らしくありませんか。

あると雰囲気は出ますが、パン作りの成否は飲み物では決まりません。家庭再現で大事なのは、甘い発酵生地、形、焼きすぎない温度、冷めてから描く顔です。飲み物は濃いベリージュースや紅茶でも構いません。

主な参考リンク

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