割った断面が見えるアルバニアのとうもろこし粉菓子バロクメ
🔪下準備1時間10分
🔥調理25分
🍽️分量4
🌍料理アルバニア料理
東欧・コーカサスレシピ

バロクメの作り方|エルバサンの春祭り菓子

17分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

調理工程スライド
手順1: バターと砂糖を白っぽく練る
STEP 11 / 7

バターと砂糖を白っぽく練る

所要時間15分

火加減なし。バター180gは20から23度Cに戻し、指で押すとへこむが溶けていない状態にします。ボウルにバター、砂糖230g、塩2gを入れ、木べらで側面へ押しつけるように練ります。色が黄色から淡いクリーム色に変わり、砂糖の粒が少し残る程度で止めます。溶けたバターを使うと生地が広がり、冷めたときに油っぽくなります。

手順2: 卵を一つずつ混ぜる
STEP 22 / 7

卵を一つずつ混ぜる

所要時間12分

火加減なし。室温に戻した卵を1個ずつ割り入れ、その都度2分ほど練ります。最初は分離したように見えますが、木べらでボウルの底へ押しつけていると、つやのある黄色いクリームに戻ります。4個目を入れたあとに牛乳15mlとバニラエッセンス1mlを加え、流れるほどゆるくせず、木べらを持ち上げると太い帯で落ちる状態にします。

手順3: とうもろこし粉を折り込む
STEP 33 / 7

とうもろこし粉を折り込む

所要時間8分

火加減なし。コーンフラワー420gを3回に分けて加えます。1回目は木べらで大きく混ぜ、2回目からはボウルの側面へ押しつけるようにまとめます。粉気が消え、生地をすくうと重く落ち、ボウル底で厚さ3cmほどの塊になり、表面に木べらの筋が残る状態が目安です。乾いて割れる場合は牛乳を5mlだけ足し、べたつく場合はコーンフラワーを10gずつ加えます。

手順4: 生地を休ませる
STEP 44 / 7

生地を休ませる

所要時間25分

火加減なし。ボウルにラップか布巾をかけ、20から23度Cの室温で25分休ませます。粉が水分と油脂を吸い、直径18cmほどの円盤状に広げても縁が大きく崩れず、表面が少しマットになれば次へ進みます。冷蔵庫に入れるとバターが固まりすぎ、成形時に割れやすくなります。夏場で室温が28度Cを超える場合だけ、15分室温で置いたあと冷蔵庫で10分締めます。

手順5: 丸く成形して間隔をあける
STEP 55 / 7

丸く成形して間隔をあける

所要時間10分

火加減なし。手に打ち粉用コーンフラワーを薄くつけ、生地を12等分します。1個あたり約80g、直径5.5cmから6cm、厚さ2.5cmほどの丸い山にします。表面を完全になめらかにせず、少しひびが残るくらいで構いません。天板にオーブンシートを敷き、隣と4cm以上あけて並べます。薄く押しつぶすと、焼き上がりが硬いクッキーに寄ります。

手順6: 低めの温度で焼く
STEP 66 / 7

低めの温度で焼く

所要時間20から25分

オーブンを170度Cに予熱し、中段で20分焼きます。縁が淡い黄金色になり、上面に細いひびが入り、中央を軽く押すと沈まずゆっくり戻る状態が目安です。色が薄い場合は3分ずつ追加します。180度C以上で一気に焼くと、外側だけ先に茶色くなり、中心が粉っぽく残ります。焦げたバターの匂いが出たら温度が高すぎます。

手順7: 網で冷ましてから割る
STEP 77 / 7

網で冷ましてから割る

所要時間15分

火加減なし。焼き上がったら天板のまま5分置き、崩れにくくなってから網へ移します。さらに10分冷ますと、外側が軽く締まり、内側はほろっとほどけます。熱いうちに割ると中心が湿って見えますが、冷めると粉とバターが落ち着きます。完全に冷める前の温かい状態で食べると香りが立ち、翌日は少ししっとりします。

0 / 0
Ingredients

材料を分けて見る

材料スライド
8品目

買い出しの前に

とうもろこし粉、バター、卵、砂糖、牛乳を並べた材料
バロクメはとうもろこし粉、バター、卵、砂糖が主役。香りづけは控えめでよい

大きめに焼くと現地風の存在感が出ますが、家庭用オーブンでは火通りが遅くなります。初回は12個に分け、直径5.5cmから6cmほどで焼くと失敗しにくいです。

材料 分量 代替・買い方
コーンフラワー 420g 細挽きのとうもろこし粉。粗いコーンミールだけで作るとざらつく
無塩バター 180g 室温で指が入る柔らかさ。普通のスーパー品でよい
グラニュー糖 230g 上白糖でも可。湿気が多い場合はグラニュー糖が扱いやすい
4個・約220g Mサイズ。必ず室温に戻す
牛乳 15ml 灰水を使わない家庭用の水分補助。入れすぎない
バニラエッセンス 1ml 省略可。香りを強くしすぎない
2g 甘さを締める。無塩バターの場合だけ入れる
打ち粉用コーンフラワー 20g 成形時に手へ薄くつける
アレルギーと灰水について

このレシピには卵、乳を使います。とうもろこし粉はグルテンを含まない食材ですが、製品によっては小麦を扱う工場で作られる場合があります。灰水は濃度や安全性を家庭で管理しにくいため、本記事では使いません。

材料

粉の選び方

コーンスターチはでんぷんだけなので不可です。バロクメで欲しいのは、とうもろこしの香りと粉の粒です。コーンフラワー、細挽きコーンミール、とうもろこし粉の表記を探してください。粗挽きポレンタ粉だけで作ると中心に硬い粒が残るため、使うなら全量のうち80gまでにします。

日本で買うなら、初回は細かいコーンフラワーを主役にするのが安全です。現地の粉の名前に完全一致するものを探すより、焼いたときに歯に当たりすぎない粒度を選びます。袋を開けたときに、砂のように粗い粒が多い場合は、目の細かいザルで一度ふるい、残った粗い粒を80g以下に抑えてください。

0 / 0
📊 栄養情報(1人分)
1013
kcal
12.0g
タンパク質
42.5g
脂質
147.5g
炭水化物
4.5g
食物繊維
105mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。
人数に合わせて材料表を調整する
4人分

材料|4人分・大きめ12 個

とうもろこし粉、バター、卵、砂糖、牛乳を並べた材料
バロクメはとうもろこし粉、バター、卵、砂糖が主役。香りづけは控えめでよい

大きめに焼くと現地風の存在感が出ますが、家庭用オーブンでは火通りが遅くなります。初回は12 個に分け、直径5.5cmから6cmほどで焼くと失敗しにくいです。

材料 分量 代替・買い方
コーンフラワー 420 g 細挽きのとうもろこし粉。粗いコーンミールだけで作るとざらつく
無塩バター 180 g 室温で指が入る柔らかさ。普通のスーパー品でよい
グラニュー糖 230 g 上白糖でも可。湿気が多い場合はグラニュー糖が扱いやすい
4 個・約220 g Mサイズ。必ず室温に戻す
牛乳 15 ml 灰水を使わない家庭用の水分補助。入れすぎない
バニラエッセンス 1 ml 省略可。香りを強くしすぎない
2 g 甘さを締める。無塩バターの場合だけ入れる
打ち粉用コーンフラワー 20 g 成形時に手へ薄くつける
アレルギーと灰水について

このレシピには卵、乳を使います。とうもろこし粉はグルテンを含まない食材ですが、製品によっては小麦を扱う工場で作られる場合があります。灰水は濃度や安全性を家庭で管理しにくいため、本記事では使いません。

粉の選び方

コーンスターチはでんぷんだけなので不可です。バロクメで欲しいのは、とうもろこしの香りと粉の粒です。コーンフラワー、細挽きコーンミール、とうもろこし粉の表記を探してください。粗挽きポレンタ粉だけで作ると中心に硬い粒が残るため、使うなら全量のうち80 gまでにします。

日本で買うなら、初回は細かいコーンフラワーを主役にするのが安全です。現地の粉の名前に完全一致するものを探すより、焼いたときに歯に当たりすぎない粒度を選びます。袋を開けたときに、砂のように粗い粒が多い場合は、目の細かいザルで一度ふるい、残った粗い粒を80 g以下に抑えてください。

エルバサンの春を告げる黄色い菓子

3月の台所でバターを練っていると、まだ冷たい空気の中に少しだけ春の匂いが混ざります。木べらで砂糖をすりつぶす音、卵を一つずつ入れる間の沈黙、とうもろこし粉を加えた瞬間に生地が急に重くなる感じ。バロクメは、見た目こそ素朴な黄色い焼き菓子ですが、作っている途中の手応えがはっきり残る料理です。

春の食卓に置いたバロクメとコーヒー
バロクメは春の祝い菓子として、コーヒーや卵、ナッツと一緒に出されることが多い

バロクメ(Ballokume / Ballokumja)は、アルバニア中部のエルバサンを代表する焼き菓子です。エルバサン市のDita e Verës案内でも、この祭りの象徴として伝統菓子のballokumjaが紹介されています。Dita e Verësは3月14日に祝われる春の祭りで、街では花、家族の集まり、菓子、散歩が一つの風景になります。

材料は少なく、とうもろこし粉、バター、砂糖、卵が中心です。だからこそ難しいのは、味付けではなく状態の見極めです。バターと砂糖をどこまで練るか、卵を急いで入れて分離させないか、とうもろこし粉を入れたあとにこねすぎないか。日本の台所で作るなら、アルバニアの家庭で語られる銅の器や木べらの話を尊重しつつ、無理なく再現できる配合に落とす必要があります。

同じアルバニア料理でも、焼きパプリカとチーズのフェルケセが食事の皿なら、バロクメは春を家に持ち帰る菓子です。バルカンの菓子文化に興味があるなら、層状のブレクやジョージアのアチマと並べると、小麦粉、乳製品、とうもろこし粉の使い分けが見えてきます。

呼び方について

アルバニア語では ballokume、ballokumja、地域や表記によって ballakume とも書かれます。日本語ではまだ定まった表記が少ないため、本記事では読みやすさを優先して「バロクメ」とします。

バロクメとは|とうもろこし粉で作る春祭りのクッキー

バロクメは、とうもろこし粉の香ばしさとバターのコクを、卵でふくらませて焼く菓子です。小麦粉のクッキーのように薄くサクッと割れるのではなく、外側は軽くひび割れ、内側はほろっとほどけます。しっとりしたケーキではなく、かといって硬いビスケットでもありません。噛むと粉の粒が少しだけ残り、口の中でバターと砂糖がほどける食感が理想です。

材料と銅色のボウルを並べたバロクメの準備
バロクメは材料数が少ないぶん、粉の粒度と練る道具の扱いで仕上がりが変わる

現地の説明でよく出てくるのが、finjという灰水です。古い作り方では、薪ストーブの灰を水で煮出したアルカリ性の液を少量使うことがあり、これが「kulaç me finj」という別名にもつながります。ただし、日本の家庭で出所の分からない灰を食品に使うのは勧めません。燃やした木の種類、塗料、炭、金属、灰の濃度が読めないからです。

この記事では、灰水を使わず、牛乳少量と休ませ時間で生地のまとまりを補います。本場の儀式性をそのまま再現するのではなく、味の中心であるとうもろこし粉、バター、卵、砂糖の比率を守る方針です。現地らしさを一つだけ選ぶなら、灰水より粉の選び方と木べらでしっかり練る時間を優先してください。

見る点 現地寄り 日本の台所での落としどころ
細かいとうもろこし粉 コーンフラワーを主軸に、粗い粉は一部だけ混ぜる
油脂 香りの強いバター 無塩バターを使い、塩は別で少量加える
道具 銅の器、木べら 金属か陶器の大きめボウルと丈夫な木べら
灰水 finjを少量 家庭では使わず、牛乳15mlで水分を補う
焼き色 淡い黄金色 170度Cで低めに焼き、縁が濃くなりすぎる前に止める

買い出しで迷う材料と道具

バロクメで商品として見る価値があるのは、卵やバターではありません。そこは近所のスーパーで十分です。迷いやすいのは、細かいとうもろこし粉、練り続けても折れにくい木べら、そして大きなボウルです。銅の器は必須ではありませんが、現地の作り方では象徴的な道具として語られるので、雰囲気を寄せたい人はここを見てもよいでしょう。

普通の薄いゴムベラで作ると、生地が重くなったところで手が止まりやすいです。木べらや木製スパチュラのほうが、ボウルの側面へ生地を押しつけて練れます。オーブンシートや砂糖はいつものものでよいので、買い足すなら粉と道具を先にします。

優先度 買うもの 見るポイント 代替
コーンフラワー 細かい粉。原材料がとうもろこし中心のもの 粗いコーンミールは一部だけ混ぜる
細挽きコーンミール 少しざらっとした素朴な食感を足せる 全量にはせず、80gまで
丈夫な木べら 厚い生地をボウルに押しつけて練れる 太めの木製スパチュラ
銅色や金属のボウル 広く、手を入れて練りやすい直径25cm以上 大きなステンレスボウル

焼き色と失敗原因

淡すぎる、ちょうどよい、焼きすぎたバロクメの比較
バロクメは濃い焼き色より、淡い黄金色とほろっとした断面を目指す

バロクメは焼き色を濃くしすぎない菓子です。クッキーのように香ばしい茶色まで焼くと、とうもろこし粉の甘い香りより、焦げたバターの苦みが前に出ます。目指すのは、上面が薄い黄色、縁だけが少し濃い黄金色、割った断面が乾きすぎず粒を感じる状態です。

症状 原因 直し方
平たく広がる バターが溶けていた、卵を一気に入れた バターを20から23度Cに戻し、卵は1個ずつ混ぜる
中心が粉っぽい 焼成不足、成形が大きすぎる 1個80g前後にし、170度Cで3分ずつ追加する
外側が硬い 高温で焼きすぎた 170度Cに下げ、縁が色づいた段階で止める
ざらつきが強い 粗挽き粉が多い コーンフラワーを主にし、粗い粉は80gまでにする
油っぽい バターを溶かした、練り不足 柔らかい固形バターを使い、最初に15分練る

オーブンに熱むらがある場合は、焼き始めから15分は触らず、残り5分で天板の前後を入れ替えます。最初から何度も扉を開けると温度が落ち、中心に火が入りにくくなります。上面に大きな亀裂が入りすぎる場合は、成形時に表面を少しだけなで、次回は牛乳を5ml増やしてください。

春祭りの食べ方と保存

春の食卓にバロクメ、卵、ナッツ、干しいちじくを並べた様子
Dita e Verësの食卓に寄せるなら、卵、ナッツ、干しいちじく、コーヒーを少し添える

エルバサンの春祭りでは、バロクメだけでなく、卵、ナッツ、干しいちじく、果物などを一緒に用意する話が見られます。日本で出すなら、午後のコーヒー、濃いめの紅茶、無糖ヨーグルトが合います。生クリームや甘いソースを足すより、苦い飲み物や酸味のある果物で、とうもろこし粉とバターの甘さを受け止めるほうが食べやすいです。

焼いた当日は外側が軽く、翌日は全体が少しなじみます。完全に冷めたら一つずつ紙で包み、密閉容器へ入れます。常温なら2日、冷蔵なら4日、冷凍なら3週間が目安です。冷蔵するとバターが締まり硬く感じるため、食べる20分前に室温へ出してください。冷凍したものは自然解凍し、150度Cのトースターで2分温めると香りが戻ります。

バロクメを紙で包んで保存容器に入れる様子
紙で包んでから容器に入れると、表面の湿気がこもりにくい

作り置きするなら、焼く前の生地を冷蔵で一晩置くより、焼いてから保存するほうが安定します。とうもろこし粉の生地は冷蔵中に水分を吸い続け、翌日に成形するとひびが深くなりやすいからです。前日に済ませるなら、粉を量る、バターと卵を出す、天板とシートを用意するところまでにして、練る作業は当日に残すほうが仕上がりがよくなります。

よくある質問

初めて作るときに迷うのは、珍しい材料よりも「どこまで本場に寄せるか」です。灰水を使うべきか、コーンミールでよいのか、焼き色をどこで止めるのか。この三つを無理に現地そのままへ寄せると、かえって日本の台所では失敗しやすくなります。下の回答では、エルバサンの菓子として大事にしたい軸と、家庭で安全に置き換える線を分けます。

灰水を使わないと本場らしくなりませんか?

灰水を使う作り方はありますが、家庭で安全に濃度を管理するのが難しいため、このレシピでは使いません。風味の中心はとうもろこし粉、バター、卵、砂糖です。灰水の再現にこだわるより、細かい粉を選び、バターと砂糖をしっかり練るほうが、家庭では味の差が出ます。

コーンミールだけで作れますか?

作れますが、粗い粉だけだとざらつきが強くなります。初回はコーンフラワーを主にし、粗いコーンミールは80gまで混ぜる程度にしてください。粗い粉を使う場合は、牛乳を5ml増やし、休ませ時間を35分にすると粒が少し落ち着きます。

バターを減らせますか?

20g程度なら減らせますが、バロクメらしいほろっとした割れ方は弱くなります。150g以下にすると粉っぽさが出やすいので、減らす場合は1個を小さくし、焼き時間も18分から様子を見ます。マーガリンは香りと水分量が変わるため推奨しません。

ホットケーキミックスで代用できますか?

別の菓子になります。ホットケーキミックスには小麦粉、膨張剤、香料が入っており、とうもろこし粉のほろっとした食感が出ません。どうしても粉を減らすなら、コーンフラワー300g、薄力粉120gまでにし、焼き上がりはバロクメ風のクッキーとして考えてください。

子ども向けに小さく焼けますか?

焼けます。1個50g、直径4.5cmほどに分け、170度Cで15分から18分焼きます。小さくすると外側が早く乾くため、濃い焼き色をつけず、縁が少し色づいた段階で止めます。食べるときはコーヒーより牛乳や無糖ヨーグルトと合わせると甘さが落ち着きます。

参考資料

出典・引用について

この記事は、世界ごはん紀行編集部が各国の料理資料、現地レシピ、食材事情をもとに、日本の家庭で再現しやすい形に整理したものです。

出典
世界ごはん紀行バロクメの作り方|エルバサンの春祭り菓子
URL
https://sekaigohan.com/recipes/east-europe/albania/ballokume
著者・編集
世界ごはん紀行編集部
更新日
2026年5月22日
主な参考リンク
レシピ一覧に戻る