マハシー・リフト。米とひき肉を詰めたかぶを赤茶色の酸味ソースで煮たパレスチナ料理
🔪下準備35分
🔥調理55分
🍽️分量4
🌍料理パレスチナ料理
中東レシピ

マハシー・リフト|パレスチナの詰めかぶ

23分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

調理工程スライド
手順1: かぶをくり抜いて塩を当てる
STEP 11 / 6

かぶをくり抜いて塩を当てる

所要時間20分

かぶは茎を1cmだけ残して葉を落とし、皮を薄くむきます。上から直径2.5から3cmの穴を作り、小さなスプーンで内側をくり抜きます。底と側面は厚さ7から8mm残し、光に透かして薄い部分が見える手前で止めます。くり抜いたかぶに塩小さじ1を内側と外側へまぶし、10分置いて水分を出します。出た水はキッチンペーパーで拭きます。この工程では火を止めた状態で作業し、焼き色や柔らかさはまだ変えません。底を突き破ったかぶは、後で米が流れ出るので早めに取り分け、味見用に回します。

手順2: 詰め物をゆるく混ぜる
STEP 22 / 6

詰め物をゆるく混ぜる

所要時間10分

米120gは水を3回替えて洗い、20分浸水してからざるに上げます。ボウルに米、ひき肉、玉ねぎ、パセリ、にんにく、オリーブオイル大さじ1、オールスパイス、スマック、シナモン、黒こしょう、塩小さじ1を入れます。手またはスプーンで2分混ぜ、肉が米に均一に絡み、米粒がつぶれず残る状態にします。練りすぎて粘りが出ると、煮上がりが団子状になります。火は使いません。

手順3: かぶに七分目まで詰める
STEP 33 / 6

かぶに七分目まで詰める

所要時間12分

かぶの内側の水気をもう一度拭き、詰め物をスプーンで入れます。上端から8mmほど空け、七分目から八分目で止めます。中央を押し固めず、スプーンの背で表面だけ平らにします。米は後の加熱でふくらむため、ぎゅうぎゅうに詰めると肩の部分が割れます。詰め終えたかぶは、穴を上にして鍋の近くへ並べます。この工程では火は使わず、焼き色や柔らかさはまだ変えません。

手順4: かぶを軽く焼き付ける
STEP 44 / 6

かぶを軽く焼き付ける

所要時間8分

直径24cm前後の厚手鍋にオリーブオイル大さじ1を入れ、中火で1分温めます。かぶを穴を上にして並べ、中火のまま6分焼きます。途中で鍋を少し傾け、油を底へ回します。底と側面に淡いきつね色の点がつき、かぶの表面が少し乾いたら十分です。強火で濃く焦がすと、ソースに苦みが出ます。鍋底が乾く場合は油小さじ1を足します。

手順5: 酸味ソースで静かに煮る
STEP 55 / 6

酸味ソースで静かに煮る

所要時間45分

ボウルに水または鶏だし550ml、ざくろモラセス、タマリンドペースト、トマトペースト、砂糖、塩小さじ1/2を混ぜます。鍋へ注ぎ、かぶの高さの半分から三分の二までソースが来る状態にします。中火で5分温め、縁がふつふつしたら弱火に落とします。落としぶた代わりにオーブンシートをのせ、弱火で35から40分煮ます。目安は、竹串が側面に抵抗少なく入り、米が白い芯を残さずふっくらしている状態です。途中で強く沸騰させると、詰め物が押し出されます。

手順6: ソースをからめて休ませる
STEP 66 / 6

ソースをからめて休ませる

所要時間10分

火を止め、落としぶたを外します。ソースがさらさらなら、かぶを崩さないよう端へ寄せ、弱めの中火で3から4分だけ煮詰めます。木べらで鍋底をこすった跡が1秒残り、ソースがスプーンに薄くまとわるくらいで止めます。皿にかぶを移し、ソースを上から回しかけ、スマック小さじ1/2とパセリを散らします。盛り付け後に5分休ませると、かぶの中の米が落ち着き、切ったときに崩れにくくなります。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料スライド
材料

買い出しの前に

マハシー・リフトの材料。かぶ、米、ひき肉、香草、スパイス、ざくろモラセス、タマリンドペースト
直径5から6cmのかぶ、米、ひき肉、香草、酸味のある調味料を先にそろえる
13品目

かぶと詰め物

材料 分量 日本での代替・注意
かぶ 8から10個、約1.1kg 直径5から6cmの硬めを選ぶ。大きいかぶなら半分に切って器状にする
小さじ1 くり抜いたかぶに当てる分。詰め物用は別に用意
120g 日本米でよい。洗って20分だけ浸水し、長く置きすぎない
ラムひき肉 250g 牛ひき肉250gでも可。豚ひき肉は現地性から外れる
玉ねぎ 1/2個、約100g みじん切り。詰め物の水分と甘みを作る
パセリ 20g 粗みじん切り。香菜が好きなら半量を香菜に替える
にんにく 2片、約10g すりおろし、または細かいみじん切り
オリーブオイル 大さじ2 詰め物に大さじ1、焼き付けに大さじ1
オールスパイス 小さじ1 レバントらしい甘い香り。バハラット小さじ1でもよい
スマック 小さじ1 酸味と赤紫の香り。なければレモン皮少量で香りを補う
シナモンパウダー 小さじ1/4 入れすぎると菓子寄りになるので少量
黒こしょう 小さじ1/2 粗びき
小さじ1 詰め物用
8品目

酸味ソース

材料 分量 日本での代替・注意
水または鶏だし 550ml 水で十分。ブイヨンを使う場合は塩を小さじ1/4減らす
ざくろモラセス 大さじ2 甘いシロップではなく酸味のある濃縮タイプ
タマリンドペースト 大さじ1 ない場合はレモン汁大さじ1と米酢小さじ1で酸味を補う
トマトペースト 大さじ1 ソースの色と厚みを作る
砂糖 小さじ1 酸味の角を丸める。黒糖なら小さじ2/3
小さじ1/2 煮汁用。最後に味を見て調整する
スマック 小さじ1/2 仕上げ用
パセリ 5g 仕上げ用。細かく刻む
アレルギー情報

このレシピには羊肉または牛肉を使います。添えるヨーグルトやパンを出す場合は、乳、小麦の表示も確認してください。ナッツは使いませんが、商品によってスパイスの製造ラインが異なるため、重いアレルギーがある方は購入品の表示を確認します。

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この料理の買い出し

買い出しガイド

買い出しで見る価値があるもの

かぶ、米、ひき肉は近所のスーパーで揃えられます。通販で見る価値があるのは、味の輪郭を変えるスマック、ざくろモラセス、オールスパイスです。酸味をレモンだけで作ると中東らしい奥行きが薄くなるので、初回だけでも小瓶で揃えると着地点が見えます。

掲載商品は、複数の販売先を定期的に確認し、価格・内容量・レビュー傾向・購入しやすさを比較したうえで選定しています。
📊 栄養情報(1人分)
130
kcal
6.0g
タンパク質
6.3g
脂質
12.3g
炭水化物
1.5g
食物繊維
345mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。
人数に合わせて材料表を調整する
4人分

材料 4人分

マハシー・リフトの材料。かぶ、米、ひき肉、香草、スパイス、ざくろモラセス、タマリンドペースト
直径5から6cmのかぶ、米、ひき肉、香草、酸味のある調味料を先にそろえる

かぶと詰め物

材料 分量 日本での代替・注意
かぶ 8から10 個、約1.1kg 直径5から6cmの硬めを選ぶ。大きいかぶなら半分に切って器状にする
小さじ1 くり抜いたかぶに当てる分。詰め物用は別に用意
120 g 日本米でよい。洗って20分だけ浸水し、長く置きすぎない
ラムひき肉 250 g 牛ひき肉250 gでも可。豚ひき肉は現地性から外れる
玉ねぎ 1/2 個、約100 g みじん切り。詰め物の水分と甘みを作る
パセリ 20 g 粗みじん切り。香菜が好きなら半量を香菜に替える
にんにく 2 片、約10 g すりおろし、または細かいみじん切り
オリーブオイル 大さじ2 詰め物に大さじ1、焼き付けに大さじ1
オールスパイス 小さじ1 レバントらしい甘い香り。バハラット小さじ1でもよい
スマック 小さじ1 酸味と赤紫の香り。なければレモン皮少量で香りを補う
シナモンパウダー 小さじ1/4 入れすぎると菓子寄りになるので少量
黒こしょう 小さじ1/2 粗びき
小さじ1 詰め物用

酸味ソース

材料 分量 日本での代替・注意
水または鶏だし 550 ml 水で十分。ブイヨンを使う場合は塩を小さじ1/4減らす
ざくろモラセス 大さじ2 甘いシロップではなく酸味のある濃縮タイプ
タマリンドペースト 大さじ1 ない場合はレモン汁大さじ1と米酢小さじ1で酸味を補う
トマトペースト 大さじ1 ソースの色と厚みを作る
砂糖 小さじ1 酸味の角を丸める。黒糖なら小さじ2/3
小さじ1/2 煮汁用。最後に味を見て調整する
スマック 小さじ1/2 仕上げ用
パセリ 5 g 仕上げ用。細かく刻む
アレルギー情報

このレシピには羊肉または牛肉を使います。添えるヨーグルトやパンを出す場合は、乳、小麦の表示も確認してください。ナッツは使いませんが、商品によってスパイスの製造ラインが異なるため、重いアレルギーがある方は購入品の表示を確認します。

かぶをくり抜くと、台所の時間が少し遅くなる

丸いかぶの上に小さな穴を開け、スプーンで中を少しずつ掘る。急ぐと底を突き破り、慎重すぎると日が暮れます。マハシー・リフトは、この地味な手作業から始まるパレスチナの詰め物料理です。鍋に入れたあとは、ざくろとタマリンドの酸味がふつふつ立ち、白かったかぶが赤茶色のソースをゆっくり吸っていきます。

マハシー・リフト(Mahshi Lift / محشي لفت)は、直訳すれば「詰めたかぶ」。米とひき肉、香りの温かいスパイスを詰め、酸味のあるソースで煮ます。英語圏では stuffed turnips と呼ばれ、パレスチナ料理の一覧ではヘブロンと結びつけて紹介されることがあります。日本語で見かける機会は多くありませんが、作り方の考え方はマクルーベムサッハンと同じく、米、肉、酸味、家族で囲む大皿の文化につながっています。

日本で作るときの難所は、かぶの種類です。中東のかぶは日本の春かぶより締まっていることがあり、煮ても形を保ちやすい。日本のかぶで近づけるなら、直径5から6cmの小ぶりで硬めのものを選び、くり抜いたあとに塩を当て、最初に軽く焼き付けます。ここを省くと、煮汁はおいしいのに、皿に移した瞬間にかぶが割れます。

呼び名について

アラビア語の mahshi は「詰め物」、lift は「かぶ」を指します。この記事では料理名として「マハシー・リフト」と表記し、日本で探しやすいように「パレスチナの詰めかぶ」も併記します。

日本の台所で寄せる分岐

迷うところ 守りたい点 現実的な分岐
かぶ 煮ても形を保ち、内側が水っぽくならないこと 春の柔らかいかぶより、冬から初春の硬めを選ぶ。大きいかぶは半割りで器にする
生米がソースを吸い、詰め物が固まりすぎないこと 日本米でよい。浸水は20分まで。長く浸すと割れて粘る
米に脂と旨みを入れること ラムが香りに合う。牛なら脂のある合いびきではなく牛ひき肉を使う
酸味 甘酸っぱく、重い肉の香りを切ること ざくろモラセスとタマリンドが理想。片方だけなら、レモン汁と米酢で酸を補う
スパイス 温かい香りを薄く重ねること オールスパイスを核に、スマックで酸味の香りを足す。クミンを入れるなら小さじ1/4まで
煮方 穏やかな泡で米に火を入れること 沸いたら弱火。鍋底が薄い場合は途中で鍋の位置をずらし、焦げ臭がしたらすぐ止める

中東の詰め物料理は、野菜を容器として使うところが面白い料理です。ぶどうの葉で包むドルマは酸味と米の軽さ、ヨーグルトを添えるマンサフは肉と米の重なりが見えます。マハシー・リフトはその中でも、かぶの苦みと甘酸っぱいソースが前に出る一皿です。

割れる、水っぽい、米が硬い原因

成功したマハシー・リフトと、煮崩れて米が流れたかぶを並べた比較
左は形を保った状態、右は詰めすぎや強火で割れた状態。七分目と弱火が差になる
状態 主な原因 次回の直し方
かぶが割れる 底を薄くしすぎた、詰め物を入れすぎた、強く沸騰させた 厚さ7から8mmを残し、詰め物は七分目に止め、弱火で煮る
米が硬い 浸水不足、ソースが少ない、煮時間が短い 米は20分浸水し、かぶの半分以上までソースを入れ、竹串と米粒で確認する
ソースが水っぽい ふたの水滴が多い、最後に煮詰めていない 仕上げにかぶを端へ寄せ、弱めの中火で3から4分だけ煮詰める
酸味がきつい ざくろモラセスやタマリンドの酸が強い 砂糖小さじ1/2を足し、塩をひとつまみ加えて丸める
味が薄い 詰め物の塩が少ない、ソースの塩分が弱い 詰め物に塩小さじ1を入れ、煮汁は軽いスープより少し濃い味にする

食べ方と保存

熱いうちは、かぶを一人2個ずつ皿に置き、ソースをたっぷりかけます。白いごはんを別に炊くより、ヨーグルト、薄いパン、きゅうりとトマトの刻みサラダを添える方が、酸味と肉の香りが重くなりません。食卓でレモンを少し搾ると、ざくろとタマリンドの甘さが立ちます。

献立にするなら、マハシー・リフトを主菜にして、青い香りのタブーレ、豆のなめらかさがあるフムス、揚げ物を足したい日のファラフェルを少量ずつ並べると、酸味、油、豆、香草の役割が分かれます。米を詰めたかぶは見た目より腹持ちがよいので、主食を追加するより野菜とヨーグルトで軽く受ける方が食後に重くなりません。

保存する場合は、かぶとソースを一緒に密閉容器へ入れ、冷蔵で2日です。温め直しは鍋に移し、水大さじ3を足して弱火で8分。電子レンジなら600Wで2分温め、上下を返してさらに1分半です。長く加熱するとかぶが割れやすいので、熱々を狙うより、中心が温まったところで止めます。冷凍はかぶの繊維が崩れやすく、食感が落ちます。

よくある質問

日本のかぶで本当に作れますか

作れます。ただし、春の柔らかいかぶは煮崩れやすいので、硬めで小ぶりなものを選びます。手で持って軽すぎるかぶは水分が抜けていることがあり、くり抜く途中で割れます。初回は予備を2個多く買うと安心です。

タマリンドペーストがない場合はどうしますか

レモン汁大さじ1と米酢小さじ1で酸味を補えます。ざくろモラセスだけだと甘酸っぱさが丸く、タマリンドを入れたときの鋭い酸味は弱くなります。手に入りにくい日は、トマトペーストを小さじ1だけ増やすとソースの厚みは保てます。

肉なしでも作れますか

作れますが、詰め物がほぐれやすくなります。肉を抜く場合は、米を100gに減らし、ゆでたひよこ豆120gを粗くつぶして混ぜます。オリーブオイルは大さじ1増やし、塩は小さじ3/4に減らします。肉の脂がない分、ソースは少しさっぱりします。

前日に仕込めますか

くり抜きとかぶの塩当て、詰め物作りまでは前日にできます。ただし、詰めた状態で長く置くと米が水分を吸い、煮る前から膨らみます。前日に準備するなら、かぶ、詰め物、ソースを別々に冷蔵し、当日に詰めて煮ます。

参考にした資料

出典・引用について

この記事は、世界ごはん紀行編集部が各国の料理資料、現地レシピ、食材事情をもとに、日本の家庭で再現しやすい形に整理したものです。

出典
世界ごはん紀行マハシー・リフト|パレスチナの詰めかぶ
URL
https://sekaigohan.com/recipes/middle-east/palestine/stuffed-turnips
著者・編集
世界ごはん紀行編集部
更新日
2026年5月29日
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