南スマトラ風のピンダン。黄色いタマリンドスープに白身魚、トマト、パイナップル、レモングラスを入れた器
🔪下準備25分
🔥調理35分
🍽️分量4
🌍料理インドネシア料理
東南アジアレシピ

ピンダンの作り方|南スマトラの魚スープ

26分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

調理工程スライド
手順1: 魚を塩とライムで整える
STEP 11 / 6

魚を塩とライムで整える

所要時間8分

火は使いません。魚600gを4cm角ほどに切り、塩小さじ1/2とライム汁大さじ1をまぶします。室温18から22度Cの涼しい場所で8分置き、表面に出た水気をキッチンペーパーで押さえます。洗い流すと身が水っぽくなるので、拭き取るだけにします。

手順2: 香味ペーストを粗くつぶす
STEP 22 / 6

香味ペーストを粗くつぶす

所要時間10分

火は使いません。紫玉ねぎ100g、にんにく18g、生ターメリック10g、しょうが8g、ガランガル10g、赤唐辛子1本をすり鉢かフードプロセッサーで粗いペーストにします。完全な液体にせず、玉ねぎの粒が3mm以下になり、黄色が全体へ回ったところで止めます。

手順3: 香味材料を炒める
STEP 33 / 6

香味材料を炒める

所要時間7分

鍋に油大さじ1と1/2を入れ、中火で30秒温めます。工程2のペースト、叩いたレモングラス2本、こぶみかんの葉4枚、残りのガランガル10gを入れ、弱めの中火に落として5から6分炒めます。鍋底に黄色い油がにじみ、玉ねぎの生のにおいが消えたら水を入れる合図です。

手順4: 酸味だしを作る
STEP 44 / 6

酸味だしを作る

所要時間12分

水800ml、タマリンドペースト大さじ1を水80mlで溶いたもの、塩小さじ5/6、きび砂糖小さじ2を入れ、中火に上げます。鍋の縁から小さな泡が続く85から90度Cくらいの状態になったら、トマト2個とパイナップル150gを加え、弱めの中火で8分煮ます。ぐらぐら沸かさず、湯気に酸味とレモングラスの香りが混ざる状態を目指します。

手順5: 魚を静かに煮る
STEP 55 / 6

魚を静かに煮る

所要時間8分

火加減を弱火に落とし、煮汁の表面がふつふつ揺れる程度にします。魚を皮目が下になるように並べ、木べらで押さずに6分煮ます。途中で返さず、煮汁をお玉で2から3回かけます。中心が白くなり、温度計があれば中心63度Cに届いたら火は通っています。

手順6: 味を締めて盛る
STEP 66 / 6

味を締めて盛る

所要時間5分

弱火のまま青ねぎまたはバジル20gを入れ、1分だけ温めます。火を止めて3分休ませ、塩が足りなければ小さじ1/6、酸味が弱ければライム汁小さじ1を足します。器へ魚を先に移し、煮汁を上から注ぎます。レモングラスと大きなガランガルは香りづけなので、食卓ではよけながら食べます。

ピンダンで失敗しやすいのは、味が薄いことより魚が崩れてスープが濁ることです。魚を入れた後は、鍋底から大きな泡が上がる状態にしません。火を弱め、煮汁を上からかける方が身が大きく残ります。

煮ている間にタマリンドの酸味は少し丸くなります。仕上げで物足りなければ、ライム汁小さじ1を器に直接足すと、鍋全体を酸っぱくしすぎず調整できます。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料スライド
20品目

買い出しの前に

白身魚、パイナップル、トマト、香味野菜を並べたピンダンの材料
ピンダンは魚より先に、タマリンド、ガランガル、レモングラス、こぶみかんの葉をそろえると味の輪郭が作りやすい

魚は厚み2.5から3cmの切り身が扱いやすいです。薄い切り身は火が入りすぎ、厚すぎる切り身は中心まで温まる前に表面が崩れます。初回は皮付きのたら、鯛、さわらを選ぶと、煮汁が濁りにくくなります。

材料 分量 下ごしらえ・代替
白身魚または脂の軽い青魚 600g たら、鯛、さわら、ぶり。4cm角程度に切る
小さじ1と1/3 下処理に小さじ1/2、煮汁に小さじ5/6
ライム汁 大さじ1 魚の下処理用。レモン汁でも可
紫玉ねぎまたは玉ねぎ 100g 粗みじん。シャロットなら90g
にんにく 18g 3片ほど
生ターメリック 10g なければターメリックパウダー小さじ1
しょうが 8g ガランガルが少ない日の補助
ガランガル 20g 10gはペースト、10gは薄切りで香り出し
赤唐辛子 1本 辛さ控えめなら種を取る。子ども向けは省く
レモングラス 2本 根元10cmを叩き、5cm長さに切る
こぶみかんの葉 4枚 筋を外して軽くちぎる
トマト 2個(約250g) くし形
パイナップル 150g ひと口大。缶詰なら汁を切る
タマリンドペースト 大さじ1 水80mlで溶いて種や繊維を除く
800ml 魚のあらを使うなら650mlまで減らす
きび砂糖 小さじ2 酸味の角を丸める
米油または菜種油 大さじ1と1/2 香味ペースト炒め用
青ねぎまたはバジル 20g 仕上げ。現地の kemangi の代わり
温かいご飯 4膳分 食べる直前に用意
サンバル 小さじ4 器で辛味を足す
材料

代替の判断

タマリンド、ガランガル、こぶみかんの葉は、すべて省くと日本の魚の酸っぱいスープになります。三つ全部を必ず買う必要はありませんが、料理の輪郭を残すなら、タマリンドを最優先、次にレモングラスとガランガル、余裕があればこぶみかんの葉です。

パイナップルは好みが分かれます。入れると南スマトラらしい甘酸っぱい方向に寄り、入れないと澄んだ魚スープに近づきます。缶詰を使う日は、汁を入れず、きび砂糖を小さじ1に減らしてください。

材料

アレルギーと辛さ

魚を使う料理です。青魚で作る場合は脂が出やすいので、下処理のライムを省かないでください。辛味は唐辛子を鍋に入れず、サンバルを器で添えると家族で分けやすくなります。

6品目

栄養の目安

下記は、白身魚600g、油大さじ1と1/2、ご飯を除いた1人分の目安です。魚の種類、パイナップルの糖度、塩加減で変わります。

項目 目安
エネルギー 約285kcal
たんぱく質 約29g
脂質 約9g
炭水化物 約21g
食物繊維 約4g
食塩相当量 約2.1g
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材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

📊 栄養情報(1人分)
71
kcal
7.3g
タンパク質
2.3g
脂質
5.3g
炭水化物
1.0g
食物繊維
205mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。

レモングラスを包丁の背で叩くと、青い柑橘の香りがまな板から立ち上がります。そこへタマリンドを溶いた酸っぱいだし、黄色いターメリック、少し硬い香りのガランガル。ピンダンは、魚を重たい煮込みにせず、酸味と香草でさらっと食べるインドネシアの魚スープです。

ピンダン(Pindang)は、インドネシアで魚や肉を塩、酸味、香味材料と煮る料理名として使われます。この記事では、南スマトラ、特にパレンバン周辺で語られることの多い Pindang ikan / Pindang patin の考え方を、日本で買いやすい白身魚へ置き換えます。現地の patin はナマズに近い淡水魚ですが、日本の台所では、たら、鯛、さわら、ぶりなどの切り身で十分に作れます。

大事なのは、魚を強く沸かさないことです。ぐらぐら煮るとスープが濁り、身がほどけ、酸味だけが目立ちます。ふつふつ揺れる火加減で、先に香りのだしを作り、魚を最後に静かに入れる。ここを守ると、白ご飯にかけたくなる軽い魚スープになります。

ピンダンは酸味で魚を軽くするスープ

白ご飯、きゅうり、サンバルと一緒に食卓へ置いたピンダン
ピンダンは白ご飯と辛味を横に置き、酸っぱい魚スープを少しずつかけながら食べるとまとまりやすい

ピンダンの芯は、魚の脂を酸味で軽くすることです。タマリンドの丸い酸味、トマトの水分、パイナップルの甘酸っぱさが入り、そこへレモングラス、ガランガル、こぶみかんの葉が青い香りを足します。ココナッツミルクを入れる料理ではないので、ルンダンソトベタウィよりずっと軽く、暑い日の汁物にも向きます。

現地の家庭や食堂では、魚の種類、酸味素材、辛さが地域や家で変わります。パレンバンでよく知られる Pindang patin は淡水魚の patin を使うことがありますが、家庭版では海魚でも作られます。日本で再現するときは、魚の種類を完全に合わせるより、酸味、香草、火加減を守る方が味が近づきます。

日本語で見落とされやすいのは、ピンダンが「ひとつの固定レシピ」だけではなく、魚を塩、酸味、香味で扱う調理の考え方としても使われることです。だから現地の写真やレシピを見比べると、汁が澄んだもの、唐辛子が強いもの、パイナップルで甘酸っぱくするものが並びます。この記事の配合は、日本の切り身で崩れにくく、白ご飯に合わせやすい南スマトラ寄りの家庭版としてまとめています。

似た魚料理でいえば、北スマトラのアルシックは黄色い香味ペーストを魚へ煮含める濃い料理です。ピンダンは煮汁をもっと澄ませ、酸味を前へ出します。同じインドネシアの魚料理でも、皿の重さがかなり違います。

現地の要素 役割 日本での現実的な寄せ方
patinなどの淡水魚 脂と骨のだし たら、鯛、さわら、ぶり。骨付きのあらを少量混ぜるとだしが深くなる
asam / タマリンド 酸味の芯 タマリンドペーストを水で溶く。なければレモン汁と米酢を少量
lengkuas / ガランガル しょうがより硬い清涼感 冷凍ガランガル。なければしょうがは少量だけ
daun jeruk 柑橘葉の香り 冷凍こぶみかんの葉。なければライム皮を薄く削る
nanas / パイナップル 甘酸っぱさと南国感 生か缶詰を水気を切って使う。甘すぎる缶詰は砂糖を減らす

買い出し|香りと酸味だけを通販で見る

タマリンド、ガランガル、こぶみかんの葉、レモングラスを買い出し用に並べた様子
ピンダンの買い足しは魚ではなく、酸味と香草を優先する

通販で見る価値があるのは魚ではありません。魚、トマト、パイナップルは近所で買い、探しにくい酸味と香草だけをそろえます。タマリンド、ガランガル、こぶみかんの葉は、余ってもアルシックガドガドトムカーガイへ回せます。

タマリンドは酸味の芯です。レモンだけでも食べられますが、魚の脂と合わさったときの丸さはタマリンドがあると作りやすくなります。

掲載商品は、複数の販売先を定期的に確認し、価格・内容量・レビュー傾向・購入しやすさを比較したうえで選定しています。

ガランガルは、しょうがだけでは出にくい硬い清涼感を足します。冷凍なら薄切りで使え、余りはスープやカレーへ回しやすいです。

こぶみかんの葉は一枚でも煮汁の香りを変えます。冷凍品を小分けで持っておくと、東南アジアのスープを作る時に助かります。

よくある失敗と保存

澄んだピンダンと、強く煮て濁ったピンダンを比べた様子
ピンダンは弱火で魚を動かさず煮ると澄み、強火で沸かすと濁って魚が崩れやすい

ピンダンは材料の種類より火加減で差が出ます。香草をそろえても、魚を入れてから強く沸かすと、身が割れて煮汁が灰色っぽくなります。逆に火を弱くしすぎると、魚の中心が温まらず、香りもぼやけます。

困った状態 主な原因 その場での戻し方
スープが濁った 魚を入れてから強火で沸かした 大きな身だけ器へ移し、煮汁をキッチンペーパーを敷いたざるで軽くこす
魚が崩れた 途中で返した、木べらで押した 崩れた身はご飯にかける用にし、大きな身を上に盛る
酸味が強すぎる タマリンドが多い、パイナップルが酸っぱい きび砂糖小さじ1/2と湯100mlを足し、弱火で3分温める
香りが弱い 香草を炒めず水から入れた レモングラス1/2本とこぶみかんの葉1枚を足し、弱火で4分温める
生臭い 下処理不足、魚の鮮度が弱い ライム汁小さじ1を器に足し、サンバルを少量添える

保存と温め直し

作りたてが一番香りますが、冷蔵で翌日までならおいしく食べられます。魚料理なので常温放置は避け、粗熱が取れたらすぐ浅い容器へ移します。

保存方法 目安 注意点
冷蔵 翌日まで 魚と煮汁を一緒に保存。香草は取り除くと苦味が出にくい
冷凍 不向き 魚の身が割れ、トマトとパイナップルの食感も落ちる
作り置き 煮汁だけ前日可 香味だしまで作り、魚は食べる当日に入れる

温め直しは小鍋で弱火です。電子レンジだけで温めると魚の端が硬くなりやすいので、煮汁を先に温め、魚を戻して2から3分だけ温めます。

食べ方と献立

白ご飯に少しずつかけ、サンバルを器で足します。野菜を添えるなら、濃い副菜より、きゅうり、ゆで青菜、軽い炒め物が合います。インドネシアの食卓に寄せるなら、甘い串焼きのサテアヤム、温野菜のガドガド、黄色い鶏スープのソトアヤムへつなぐと、同じ香草やサンバルを使い回せます。

Q1. patinを使わないとピンダンになりませんか?

なりません。Pindang patin という形では patin が主役ですが、Pindang ikan と考えれば魚の種類には幅があります。日本ではたら、鯛、さわら、ぶりの切り身が扱いやすいです。骨付きの魚を少し入れると煮汁は深くなります。

Q2. タマリンドがない日は作れますか?

作れます。レモン汁大さじ1、米酢小さじ1、きび砂糖小さじ1/2、水大さじ1を混ぜて使います。ただし酸味の丸さは変わるので、仕上げに味見してから少しずつ足してください。

Q3. パイナップルは必須ですか?

必須ではありません。入れると甘酸っぱさが出て、魚の脂が軽くなります。入れない場合はトマトを1個増やし、きび砂糖を小さじ1/2だけ足すとバランスが取りやすいです。

Q4. 子ども向けに辛くないピンダンにできますか?

できます。赤唐辛子を抜き、サンバルを大人の器だけに添えます。香りの軸はターメリック、レモングラス、ガランガル、こぶみかんの葉で残るので、辛味を抜いても酸味の魚スープとして成立します。

Q5. 魚の火通りはどこで判断しますか?

身の中心が白く不透明になり、軽く押すと大きな層でほぐれる状態です。温度計がある場合は中心63度Cを目安にします。見た目だけで不安なときは、一番厚い身を一つだけ割って確認してください。

参考文献

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