アヤムペニェット。押しつぶした揚げ鶏に粗い赤いサンバル、ご飯、きゅうり、豆腐、テンペを添えた皿
🔪下準備35分
🔥調理45分
🍽️分量4
🌍料理シンガポール・インドネシア料理
東南アジアレシピ

アヤムペニェットの作り方|押しつぶし揚げ鶏

30分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

調理工程スライド
手順1: 鶏肉に黄色い下味を入れる
STEP 11 / 6

鶏肉に黄色い下味を入れる

所要時間12分

火は使いません。骨付き鶏もも肉4本は紙で水分を拭き、厚い部分に骨へ沿って深さ1cmほどの切り込みを2本入れます。塩小さじ1/2、ライム果汁大さじ1、ターメリック小さじ1/2、コリアンダー小さじ1、白こしょう小さじ1/3をもみ込みます。表面が黄色く染まり、塩が溶けてぬるっとしたら、室温で10分置きます。冷蔵庫に長く置くより、この後の下煮へすぐ移る方が肉が締まりすぎません。

手順2: 香味で鶏を下煮する
STEP 22 / 6

香味で鶏を下煮する

所要時間25分

弱めの中火から弱火で加熱します。鍋に玉ねぎ120g、にんにく2片、しょうが25gをすりおろし、レモングラス1本、ローリエ2枚、水450ml、残りのターメリック小さじ1/2、コリアンダー小さじ1、塩小さじ1/2を入れます。鶏を皮目を上にして入れ、弱めの中火で沸かします。ふつふつしたら弱火に落とし、ふたを少しずらして18分煮ます。途中で一度返し、厚い部分の中心が74度C以上になったら火を止めます。煮汁の泡が大きく暴れる火加減にすると皮が破れ、香味が濁ります。

手順3: 粗いサンバルテラシを作る
STEP 33 / 6

粗いサンバルテラシを作る

所要時間15分

中火で焼き、火を止めてからつぶします。小さなフライパンに油大さじ1を入れ、生赤唐辛子8本、トマト1個、にんにく2片、紫玉ねぎ40gを入れます。中火で6分ほど焼き、唐辛子の皮に黒い点が出て、トマトの角が崩れたら火を止めます。石臼またはすり鉢に移し、えびペースト小さじ1/2、砂糖小さじ2、塩小さじ1/3を加えて粗くつぶします。完全なピュレではなく、唐辛子の種とトマトの粒が残る程度で止めます。最後にライム果汁小さじ2を混ぜます。

手順4: 鶏を短く揚げる
STEP 44 / 6

鶏を短く揚げる

所要時間12分

中火で170から180度Cを保ちます。下煮した鶏を網に上げ、表面を10分ほど乾かします。片栗粉大さじ2を皮側に薄くまぶし、余分な粉を落とします。鍋に油を深さ4cmほど入れて175度Cに温め、鶏を1から2本ずつ入れます。片面2分、返して2分、皮が濃い黄金色になったら引き上げます。中心温度は下煮で通っていますが、揚げ上がりでも74度C以上を確認すると安心です。油の泡が急に大きくなり、皮が黒くなり始めたら火を弱めます。

手順5: サンバルの上で鶏を押す
STEP 55 / 6

サンバルの上で鶏を押す

所要時間4分

火は使いません。石臼、すり鉢、または丈夫な皿にサンバル大さじ2を広げます。揚げたての鶏を皮目を上にしてのせ、すりこぎや木べらで一度だけ押します。目安は、皮に割れ目が入り、肉が少し開き、厚みが元の7割ほどに落ち着き、サンバルが隙間に入る状態です。鶏を完全に平たくする必要はありません。力を入れすぎると肉汁が出て、皮がサンバルの水分で早くしんなりします。

手順6: ご飯と野菜で盛り付ける
STEP 66 / 6

ご飯と野菜で盛り付ける

所要時間8分

火は使いません。皿に温かいご飯を盛り、押した鶏、きゅうり、キャベツまたはレタス、表面が薄いきつね色の厚揚げ、あれば揚げたテンペを添えます。サンバルは鶏の下に大さじ1、横に大さじ1を置くと、辛さを自分で調整しやすくなります。完成の目安は、鶏の割れ目に赤いサンバルが入り、皮の端がまだ軽く立ち、ご飯と生野菜が鶏の油を受け止められる配置になっていることです。辛味が強い場合は、ケチャップマニス小さじ1を別皿に出し、鶏ではなくご飯の端に少し混ぜます。鶏は揚げてから10分以内に食べると、皮の割れ目とサンバルの香りが残ります。

シンガポールやマレーシアの店では衣が強いタイプもあります。ただ、家庭で厚衣にすると、押した時に衣だけが割れて鶏から離れやすくなります。初回は片栗粉を薄くまぶす程度にすると、アヤムゴレンとアヤムペニェットの中間に寄せやすいです。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料スライド
材料

買い出しの前に

アヤムペニェット用の骨付き鶏肉、赤唐辛子、トマト、にんにく、しょうが、レモングラス、ターメリック、コリアンダー、豆腐、テンペを台所に並べた様子
アヤムペニェットは鶏の下煮材料とサンバル材料を分けてそろえると作業が楽になる

4人分です。骨付き鶏もも肉なら、見た目も現地の定食に近づきます。手に入りにくい場合は手羽元8本、または鶏もも肉600gでも作れます。鶏もも肉だけで作るときは、下煮時間を短くし、揚げ時間も少し短めにします。

14品目

鶏と下煮

材料 分量 代替・備考
骨付き鶏もも肉 4本、約900g 手羽元8本、鶏もも肉600gでも可
小さじ1 下味と下煮で分けて使う
ライム果汁またはレモン汁 大さじ1 鶏の下味。酢は香りが強い
にんにく 4片 2片は下煮、2片はサンバルへ
紫玉ねぎまたは玉ねぎ 120g エシャロットなら80g
しょうが 25g ガランガルがあれば10g置き換え
ターメリックパウダー 小さじ1 生ターメリックなら10g
コリアンダーパウダー 小さじ2 粒なら軽く砕く
白こしょう 小さじ1/3 黒こしょうでも可
レモングラス 1本 根元を叩く。冷凍でも可
ローリエ 2枚 インドネシアのdaun salamの代用
450ml 鶏が半分浸かる量
揚げ用に700ml前後 鍋の大きさで調整
片栗粉 大さじ2 薄くまぶす。厚衣にはしない
10品目

サンバルテラシ寄りのソース

材料 分量 代替・備考
生赤唐辛子 8本、約50g 辛さ控えめなら4本+赤パプリカ1/2個
トマト 1個、約150g 完熟がよい。ミニトマトなら8個
にんにく 2片 下煮と別に用意
紫玉ねぎ 40g 普通の玉ねぎでも可
えびペースト 小さじ1/2 テラシ、カピ、干しえび小さじ2でも可
きび砂糖 小さじ2 パームシュガー、黒糖でも可
小さじ1/3 最後に調整
ライム果汁 小さじ2 レモン汁でも可
大さじ1 唐辛子を焼き付ける用
市販サンバルオレック 大さじ1から 辛さ追加用。なくても可
6品目

付け合わせ

材料 分量 代替・備考
温かいご飯 2合分 ジャスミン米ならより軽い
きゅうり 1本 斜め薄切り
厚揚げまたは木綿豆腐 1枚 水気を拭いて焼く
テンペ 100g 手に入る場合だけ。厚揚げで代用可
キャベツまたはレタス 120g 生野菜の逃げ場
ケチャップマニス 小さじ2から 辛さを丸めたい人の別添え
アレルギー情報

鶏肉、大豆製品、えび由来調味料を使います。えびペースト、干しえび、ナンプラーは甲殻類・魚介アレルギーに関わるため、食べる人に必ず確認してください。えびを避ける場合は、白味噌小さじ1/2と醤油小さじ1/2でうま味を補います。


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📊 栄養情報(1人分)
140
kcal
9.3g
タンパク質
8.8g
脂質
5.8g
炭水化物
1.0g
食物繊維
320mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。
人数に合わせて材料表を調整する
4人分

材料|鶏、黄色い下煮、粗いサンバルを分ける

アヤムペニェット用の骨付き鶏肉、赤唐辛子、トマト、にんにく、しょうが、レモングラス、ターメリック、コリアンダー、豆腐、テンペを台所に並べた様子
アヤムペニェットは鶏の下煮材料とサンバル材料を分けてそろえると作業が楽になる

4人分です。骨付き鶏もも肉なら、見た目も現地の定食に近づきます。手に入りにくい場合は手羽元8 本、または鶏もも肉600 gでも作れます。鶏もも肉だけで作るときは、下煮時間を短くし、揚げ時間も少し短めにします。

鶏と下煮

材料 分量 代替・備考
骨付き鶏もも肉 4 本、約900 g 手羽元8 本、鶏もも肉600 gでも可
小さじ1 下味と下煮で分けて使う
ライム果汁またはレモン汁 大さじ1 鶏の下味。酢は香りが強い
にんにく 4 片 2 片は下煮、2 片はサンバルへ
紫玉ねぎまたは玉ねぎ 120 g エシャロットなら80 g
しょうが 25 g ガランガルがあれば10 g置き換え
ターメリックパウダー 小さじ1 生ターメリックなら10 g
コリアンダーパウダー 小さじ2 粒なら軽く砕く
白こしょう 小さじ1/3 黒こしょうでも可
レモングラス 1 本 根元を叩く。冷凍でも可
ローリエ 2 枚 インドネシアのdaun salamの代用
450 ml 鶏が半分浸かる量
揚げ用に700 ml前後 鍋の大きさで調整
片栗粉 大さじ2 薄くまぶす。厚衣にはしない

サンバルテラシ寄りのソース

材料 分量 代替・備考
生赤唐辛子 8 本、約50 g 辛さ控えめなら4 本+赤パプリカ1/2 個
トマト 1 個、約150 g 完熟がよい。ミニトマトなら8 個
にんにく 2 片 下煮と別に用意
紫玉ねぎ 40 g 普通の玉ねぎでも可
えびペースト 小さじ1/2 テラシ、カピ、干しえび小さじ2でも可
きび砂糖 小さじ2 パームシュガー、黒糖でも可
小さじ1/3 最後に調整
ライム果汁 小さじ2 レモン汁でも可
大さじ1 唐辛子を焼き付ける用
市販サンバルオレック 大さじ1から 辛さ追加用。なくても可

付け合わせ

材料 分量 代替・備考
温かいご飯 2 合分 ジャスミン米ならより軽い
きゅうり 1 本 斜め薄切り
厚揚げまたは木綿豆腐 1 枚 水気を拭いて焼く
テンペ 100 g 手に入る場合だけ。厚揚げで代用可
キャベツまたはレタス 120 g 生野菜の逃げ場
ケチャップマニス 小さじ2から 辛さを丸めたい人の別添え
アレルギー情報

鶏肉、大豆製品、えび由来調味料を使います。えびペースト、干しえび、ナンプラーは甲殻類・魚介アレルギーに関わるため、食べる人に必ず確認してください。えびを避ける場合は、白味噌小さじ1/2と醤油小さじ1/2でうま味を補います。


石臼で鶏を押すと、サンバルの香りが入る

揚げた鶏をまな板に置くだけなら、食卓はまだ「唐揚げの日」に近いままです。そこへ赤いサンバルを石臼に広げ、熱い鶏をのせ、すりこぎで一度だけ押す。皮がぱきっと割れ、肉の隙間に唐辛子、トマト、えび発酵調味料の香りが入った瞬間、台所の空気が一気にジャワの屋台寄りになります。

アヤムペニェット、現地表記ではAyam penyetは、インドネシア語・ジャワ語圏の言葉で「押しつぶした鶏」を指す料理です。鶏を黄色い香味で下煮し、短く揚げ、サンバルの上で軽く押して食べます。東ジャワ、とくにスラバヤ周辺の料理として語られることが多く、いまはシンガポール、マレーシア、ブルネイの食堂やフードコートでも見かける一皿です。

この記事では、シンガポールのインドネシア系食堂で食べるアヤムペニェットを、日本の台所に寄せます。骨付き鶏もも肉を使い、下煮で中心まで火を通してから、180度C手前の油で短く揚げます。サンバルは唐辛子、トマト、にんにく、えびペーストを粗くつぶすサンバルテラシ寄り。辛さを分けたい家庭では、市販サンバルやケチャップマニスを添えて調整できるようにします。

シンガポールの軽食として比べるならロティ・ジョン、魚の酸っぱ辛い煮込みならアッサムペダスへ。インドネシア料理の流れで見るなら、同じ鶏料理のアヤムゴレン、米と香りを合わせるナシウドゥック、辛味調味料の入口になるサンバル代用とつなげると、買い出しの重複が減ります。

表記について

日本語ではアヤムペニェット、アヤムペンエット、アヤムペニェと揺れます。英語圏ではAyam penyet、インドネシア語ではayam penyetと書かれます。この記事では検索で見つけやすい「アヤムペニェット」を見出しに使い、本文ではAyam penyetも併記します。


アヤムペニェットとは|揚げ鶏とサンバルを一体にする料理

Ayamは鶏、penyetは押す、つぶすという意味合いの言葉です。名前だけを見ると大胆に潰す料理に思えますが、家庭で作るときは鶏を粉々にする必要はありません。皮が割れて、身が少し開き、サンバルが入り込む程度で十分です。強く叩きすぎると肉汁が逃げ、食べるころにはぱさつきます。

料理の芯は、下煮、揚げ、押しつぶし、サンバルの4つです。インドネシアの伝統的な作り方では、鶏を黄色い香味ペーストで煮てから揚げる形がよく見られます。シンガポールやマレーシアの店では、衣を少しまとわせてカリッと強めにする店もあります。この記事では、家庭で失敗しにくいように衣は薄い片栗粉だけにし、肉を安全に火入れしてから皮を短時間で仕上げます。

見るポイント 現地でよくある形 日本の台所での考え方
鶏肉 骨付き鶏、丸鶏のぶつ切り 骨付きもも肉、手羽元、鶏もも肉
下煮 ターメリック、コリアンダー、にんにく、レモングラス ターメリックとコリアンダーを軸にする
サンバル 唐辛子、トマト、にんにく、テラシ、砂糖、ライム えびペースト、干しえび、ナンプラーで補う
付け合わせ ご飯、きゅうり、ララパン、揚げ豆腐、テンペ ご飯、きゅうり、厚揚げ、豆腐、あればテンペ
食べ方 サンバルの上で鶏を押して、ご飯にのせる 辛さを分けるならサンバルを別添えにする

「シンガポール料理」として見ると、発祥そのものはインドネシア側にあります。ただ、シンガポールのフードコートやインドネシア系の店で親しまれてきた料理でもあります。だからこの記事では、発祥をシンガポールと断定せず、シンガポールで食べられるインドネシア料理として扱います。移民と外食文化の中で広がった一皿として見る方が、読者にも実際の味の位置が伝わります。


買い出し導線|辛味、発酵香、火入れの不安を先に潰す

鶏肉、きゅうり、ご飯、豆腐は近所のスーパーで足ります。通販で見る価値があるのは、近所で見つからないことがあるサンバル、テラシの代わりになるえびペースト、そして骨付き鶏の火入れを確認する温度計です。低意図の材料で数を増やさず、味と安全に直結するものだけに絞ります。

手作りサンバルが面倒な日でも、サンバルオレックがあると唐辛子の輪郭だけは残せます。アヤムペニェットでは鶏にべったり塗るより、食卓で小さじ1ずつ足す方が辛さを分けやすいです。

掲載商品は、複数の販売先を定期的に確認し、価格・内容量・レビュー傾向・購入しやすさを比較したうえで選定しています。

サンバルテラシの「テラシ」は、えびを発酵させた強い香りの調味料です。インドネシア産そのものがなければ、タイのカピや干しえびで寄せます。小さじ1/2でも味が立つので、入れすぎず、最初は少量から始めてください。

骨付き鶏は色だけで判断しにくい食材です。下煮と揚げを分けても、厚い部分の温度が分かると安心です。油温も中心温度も同じ道具で見られるので、揚げ鶏を何度も作る家庭では出番があります。


日本の台所で本場に寄せる分岐表

アヤムペニェットを2皿並べ、ご飯、サンバル、きゅうり、豆腐、テンペ、飲み物を添えた家庭の食卓
アヤムペニェットは辛いサンバル、白いご飯、生野菜を一緒に食べると味が重くなりすぎない

アヤムペニェットは、珍しい材料を全部集めるより、押しつぶしとサンバルの香りを守る方が大切です。テラシがなければカピや干しえび、テンペがなければ厚揚げ、骨付き鶏がなければ鶏もも肉で構いません。ただし、サンバルを省いて「揚げ鶏だけ」にすると料理の名前から離れます。

迷う材料 本場寄せ 日本での現実解 判断
鶏肉 骨付き鶏もも、丸鶏のぶつ切り 骨付きもも、手羽元、鶏もも肉 下煮で中心温度を確認する
えび発酵調味料 テラシ カピ、干しえび、ナンプラー少量 甲殻類アレルギーがあれば味噌へ
唐辛子 生赤唐辛子、cabai rawit 生赤唐辛子、鷹の爪、赤パプリカ 辛さは唐辛子本数で調整
付け合わせ ララパン、きゅうり、テンペ、豆腐 きゅうり、キャベツ、厚揚げ、豆腐 生野菜で辛さの逃げ場を作る
押す道具 石臼とすりこぎ すり鉢、丈夫な皿、木べら 押しすぎず、皮に割れ目を入れる

辛さを家族で分けたい日は、サンバルを鶏に全部からめません。大人の皿だけサンバルオレックを小さじ1足し、子どもや辛味が苦手な人の皿はケチャップマニス、ライム、きゅうりで食べやすくします。鶏の下煮自体には唐辛子を入れないので、辛味の調整は食卓でできます。

献立はご飯が中心です。ココナッツご飯まで広げるならナシレマに近づきますが、最初は白いご飯で十分です。酸味を足すならライム、野菜を増やすならゆでキャベツやきゅうり、汁物を合わせるなら軽い鶏スープが合います。重い揚げ物を横に置くより、辛味と油を受け止めるものを置く方が食べ疲れません。

食べる時は、鶏を先に全部ほぐさず、一口分だけ皮を割ってサンバルを少しすくいます。ご飯に直接サンバルを広げると辛味が逃げ場なく広がるので、鶏、サンバル、ご飯、きゅうりの順に小さく重ねると食べやすいです。現地の店では皿の端に生野菜が置かれることが多く、これは飾りではなく、唐辛子と揚げ油をいったん止めるための休憩地点です。日本の食卓なら、きゅうりを厚さ3mmほどに切り、キャベツは冷水でぱりっとさせておくと、サンバルの強さに負けません。


失敗原因|黒くなる、ぱさつく、辛すぎる

揚げ油が高すぎて黒く乾いた鶏肉と、ほどよく黄金色でサンバルをまとった鶏肉を並べて確認している台所
アヤムペニェットの失敗は、油温の上げすぎ、押しすぎ、サンバルの辛味調整不足で起きやすい
状態 原因 直し方
皮が黒くなる 油温が180度Cを超えたまま揚げた 170度Cまで落とし、1から2本ずつ揚げる
肉がぱさつく 揚げ時間で火を通そうとした 下煮で74度C以上へ。揚げは短くする
サンバルが辛すぎる 唐辛子の種、えびペースト、塩が強い トマトを足し、砂糖小さじ1、ライム少量で丸める
サンバルが水っぽい トマトを焼き足りない、つぶしすぎた 中火で水分を飛ばし、粗くつぶす
皮がしんなりする 押してから時間を置いた 食べる直前に押し、サンバルは横にも分ける

油温は高ければ高いほどカリッとするわけではありません。下煮した鶏は表面に水分が残っているので、油に入れた瞬間に温度が落ちます。そこで火を強めすぎると、戻った油温が一気に上がり、皮の端だけ黒くなります。温度計がない場合は、片栗粉を少し落とし、底まで沈まず中ほどで細かい泡が出るくらいを目安にします。

押しつぶしも加減が必要です。名前につられて何度も叩くと、肉汁が逃げ、皮がサンバルを吸って重くなります。鶏を柔らかくするというより、サンバルを入れる入り口を作る工程だと考えると失敗しにくいです。


保存と作り置き|鶏とサンバルは分ける

揚げた鶏とサンバルを一緒に保存すると、翌日は皮が完全にしんなりします。作り置きするなら、下煮した鶏、サンバル、付け合わせを分けます。下煮した鶏は冷蔵で翌日まで、サンバルは清潔な容器で冷蔵3日を目安にします。揚げるのは食べる直前がいちばんよいです。

冷蔵した下煮鶏を揚げる場合は、冷蔵庫から出して15分置き、表面の水分を拭きます。冷たいまま油に入れると、油温が大きく下がって皮が重くなります。再加熱する場合も、鶏の中心が74度Cに戻るまで温めます。米国FSISの温度表でも、鶏を含む家禽は165度F、約74度Cが安全な最低内部温度として示されています。

余ったサンバルは、目玉焼き、焼き魚、厚揚げ、ナシゴレン、ミーゴレンに回せます。油と塩が入っているため味が強いので、最初は小さじ1から。冷蔵庫の奥で香りが飛んだサンバルは、油小さじ1で軽く温めると香りが戻りますが、酸っぱい異臭やぬめりがあれば使わないでください。


よくある質問

鶏もも肉だけでも作れますか?

作れます。鶏もも肉600gを大きめの4枚に切り、下煮は弱火で12分、揚げは片面1分半ずつから始めます。骨付きより早く火が入るので、長く揚げないことが大事です。中心温度は同じく74度Cを目安にします。

テラシやカピがありません。省いてよいですか?

省けますが、サンバルの奥行きは弱くなります。えびアレルギーでなければ、干しえび小さじ2をぬるま湯で戻して刻むと寄せやすいです。魚介を避けるなら、白味噌小さじ1/2と醤油小さじ1/2を混ぜます。香りは変わりますが、ご飯に合う辛味調味料として成立します。

サンバルオレックだけで済ませてもいいですか?

時間がない日はできます。ただし、サンバルオレックは唐辛子の直線的な辛味が中心です。トマトを焼いてつぶし、砂糖、ライム、えびペーストを少し足すと、アヤムペニェットらしい丸い辛味になります。瓶詰めを使う場合も、そのまま大さじ3をのせず、小さじ1ずつ調整してください。

揚げ物を避けたい日はどうすればいいですか?

下煮した鶏の表面を乾かし、魚焼きグリルまたはフライパンで皮目を焼きます。フライパンなら油小さじ2を入れ、中火で皮目4分、返して2分が目安です。揚げた香ばしさは弱くなりますが、サンバルの上で押す工程を入れれば、料理の輪郭は残ります。

シンガポール料理として出してよいですか?

発祥はインドネシア、とくに東ジャワ側として扱うのが自然です。ただ、シンガポールでもインドネシア系の食堂やフードコートで親しまれています。献立名では「シンガポールで食べるインドネシアの押しつぶし揚げ鶏」と説明すると、誤解が少なくなります。


参考にした情報

出典・引用について

この記事は、世界ごはん紀行編集部が各国の料理資料、現地レシピ、食材事情をもとに、日本の家庭で再現しやすい形に整理したものです。

出典
世界ごはん紀行アヤムペニェットの作り方|押しつぶし揚げ鶏
URL
https://sekaigohan.com/recipes/southeast-asia/singapore/ayam-penyet
著者・編集
世界ごはん紀行編集部
更新日
2026年6月2日
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