飴色玉ねぎ、アンチョビ、黒オリーブをのせて焼いたニースのピサラディエール
🔪下準備35分
🔥調理1時間10分
🍽️分量4
🌍料理フランス料理・ニース料理
ヨーロッパレシピ

ピサラディエールの作り方|ニースの玉ねぎタルト

28分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

調理工程スライド
手順1: 生地をこねて休ませる
STEP 11 / 8

生地をこねて休ませる

所要時間12分

火は使いません。ぬるま湯は35から38度Cにします。ボウルに強力粉、薄力粉、ドライイースト、砂糖を入れて混ぜ、ぬるま湯とオリーブオイルを加えます。粉気がなくなったら塩を入れ、手で8分こねます。表面が少しなめらかになり、指で押すとゆっくり戻る状態が目安です。丸めて薄く油を塗ったボウルに戻し、乾かないように覆って30分休ませます。

手順2: 玉ねぎを薄く切る
STEP 22 / 8

玉ねぎを薄く切る

所要時間10分

火は使いません。玉ねぎは縦半分に切り、芯を少し残したまま繊維に沿って2から3mm幅に切ります。切り終えた玉ねぎは、細いリボン状で、指で軽くほぐすと一枚ずつ離れ、ボウルの中でふんわりまとまる状態が目安です。繊維を断つ輪切りにすると早く崩れますが、水分が出すぎて甘い泥のようになりやすいです。にんにくはつぶし、アンチョビは大きければ縦半分に裂き、黒オリーブは水気を拭いておきます。

手順3: 玉ねぎをゆっくり炒める
STEP 33 / 8

玉ねぎをゆっくり炒める

所要時間35分

厚手フライパンにオリーブオイル45ml、にんにく、玉ねぎ、タイム、ローリエを入れ、弱めの中火で5分温めます。玉ねぎがしんなりしたら塩3gを加え、弱火に落として25から30分炒めます。温度の目安は、鍋底で小さくじゅうじゅう音がするが、端が茶色く焦げない程度です。木べらで寄せると玉ねぎがゆっくり戻り、全体が淡いあめ色になったら火を止めます。焦げそうなら水大さじ1を足して鍋底をこすります。

手順4: 生地を伸ばして天板に置く
STEP 44 / 8

生地を伸ばして天板に置く

所要時間8分

オーブンを220度Cに予熱します。生地を軽く押して空気を抜き、オーブンシートを敷いた天板の上で30cm×24cmほどに伸ばします。火はまだ使いませんが、オーブンはこの時点でしっかり温めます。厚みは中央が5から7mm、縁は少し厚め。この工程では焼き色をつけず、生地が柔らかく、持ち上げても破れず、指跡が浅く戻るくらいが目安です。薄すぎると玉ねぎの油を受け止められず、厚すぎるとパンの印象が強くなります。

手順5: 玉ねぎを厚めに広げる
STEP 55 / 8

玉ねぎを厚めに広げる

所要時間5分

火は使いません。ローリエと大きなタイムの枝を外し、玉ねぎを生地の中央へ広げます。縁を1cmほど残し、中央はやや厚く、端は薄くしすぎないようにします。黒こしょうを軽く振ります。ここで玉ねぎの塩気を味見し、すでに十分しょっぱければアンチョビを少なめにします。

手順6: アンチョビとオリーブを置く
STEP 66 / 8

アンチョビとオリーブを置く

所要時間5分

火は使いません。アンチョビは幅5mmほどの細い帯に裂き、斜めに並べます。格子にしたい場合は縦横ではなく斜めの線で組むと切り分けやすくなります。黒オリーブはアンチョビの間へ置きます。全体にエルブ・ド・プロヴァンスをほんの少し振ります。アンチョビを全面に敷き詰めると一口ごとの塩気が強くなるため、玉ねぎの甘い面を残します。

手順7: 高温で短く焼く
STEP 77 / 8

高温で短く焼く

所要時間18分

220度Cのオーブンで15から18分焼きます。天板を中段へ入れ、10分を過ぎたら縁の色を見ます。生地の縁が黄金色、底を持ち上げたときに薄く焼き色があり、玉ねぎの先が少し乾いている状態が目安です。焦げそうなら200度Cに下げ、反対に底が白い場合は下段で2分だけ追加します。アンチョビが乾きすぎる前に取り出します。

手順8: 休ませて切る
STEP 88 / 8

休ませて切る

所要時間7分

火は止めたまま仕上げます。天板の上で5分休ませ、オリーブオイルを小さじ1ほど細く垂らします。包丁で四角または細長く切ります。前菜なら5cm角、昼食なら8×6cmほどの長方形が食べやすい大きさです。焼きたてはアンチョビの塩気が前に出ますが、5から10分置くと玉ねぎの甘みとなじみます。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料スライド
材料

買い出しの前に

ピサラディエールに使う玉ねぎ、粉、ドライイースト、アンチョビ、黒オリーブ、タイム、ローリエを台所に並べたところ
材料は少ないが、玉ねぎ、アンチョビ、黒オリーブの塩気を分けて考えると味を整えやすい

30cm×24cm前後の天板1枚分、軽い昼食なら4人分、前菜なら6人分ほどです。玉ねぎは加熱でかなり減るので、多く見えても減らさないほうがピサラディエールらしくなります。

7品目

生地

材料 分量 役割・代替
強力粉 180g もっちりした底を作る。全量を準強力粉にしてもよい
薄力粉 70g 歯切れを軽くする。なければ強力粉250gでも作れる
ぬるま湯 150ml 35から38度C。熱すぎると発酵が鈍る
ドライイースト 3g 小さじ1弱
砂糖 6g 発酵の助け。はちみつなら小さじ1
5g 生地用。玉ねぎ側の塩と分ける
オリーブオイル 20ml 生地に香りとしなやかさを出す
10品目

玉ねぎと仕上げ

材料 分量 役割・代替
玉ねぎ 700g 中4個ほど。薄切りにする
オリーブオイル 45ml 玉ねぎを焦がさず甘くする
にんにく 1片(5g) つぶして香りだけ出す。苦手なら省く
タイム 2枝 乾燥なら小さじ1/2
ローリエ 1枚 玉ねぎの甘さを少し締める
3g 玉ねぎ用。アンチョビの塩気を見て控えめ
黒こしょう 少々 焼く直前に軽く
アンチョビフィレ 10から12枚(35g前後) 塩漬けなら軽く洗い、オイル漬けなら油を切る
黒オリーブ 16から20粒(60g前後) ニース産が理想。手に入りやすい種抜き黒オリーブでもよい
エルブ・ド・プロヴァンス 小さじ1/2 任意。入れすぎると乾いた香りだけが残る
アレルギーと食品安全

このレシピは小麦と魚を使います。アンチョビは塩分が高いので、減塩中の方は量を半分から試してください。魚を使わない場合は、黒オリーブとケッパー少量で塩気を補えますが、料理名としてはピサラディエール風になります。

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材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

📊 栄養情報(1人分)
130
kcal
3.8g
タンパク質
5.5g
脂質
16.5g
炭水化物
1.5g
食物繊維
280mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。

玉ねぎが甘く沈む、ニースの朝の一切れ

玉ねぎを薄く切って、オリーブオイルの中でゆっくり透き通らせると、台所の空気が少し海沿いに寄ります。まだパン生地は白く、アンチョビの缶も開けただけ。それでも、木べらで玉ねぎを寄せたときに鍋底へ甘い汁が残ると、この料理の半分はもう決まっています。

ピサラディエールをサラダ、オリーブ、水と一緒に食卓へ出したところ
ピサラディエールは熱々より少し落ち着かせると、玉ねぎの甘みとアンチョビの塩気がなじむ

ピサラディエール、フランス語では Pissaladière。南仏プロヴァンス、とくにニース周辺で親しまれる、玉ねぎ、アンチョビ、黒オリーブをのせた平たいパン料理です。見た目はピザに近いのですが、トマトソースやチーズで押す料理ではありません。主役は厚くのせた玉ねぎで、アンチョビとオリーブは塩気の線を引く役です。

ここでは、日本の台所で作りやすい分量にしながら、パン生地、玉ねぎの火加減、アンチョビの置き方、黒オリーブの選び方を分けて整理します。市販のピザ生地でも寄せられますが、できれば一度だけ粉から作ってみてください。焼き上がりの底がふかっとして、玉ねぎの油を受け止める感じが、この料理の気持ちよさです。

先に押さえる要点

ピサラディエールは、玉ねぎを焦がして香ばしくする料理ではありません。弱めの中火から弱火で30分以上かけ、透明から淡いあめ色にするのが軸です。アンチョビは塩気が強いため、玉ねぎ側の塩は控えめにし、黒オリーブは塩抜きしすぎないほうが輪郭が残ります。

背景|パン屋と市場で育った南仏の軽食

市場の惣菜台にピサラディエールの切り分けを並べたところ
ニース周辺では、ピサラディエールは切り分けて軽食や前菜として食べられる

ピサラディエールの名前には、ニース方言で塩漬け魚を意味する pissalat の影が残っています。pissalat は、アンチョビや小魚を塩と香草で熟成させる魚の調味料で、今の家庭では塩漬けアンチョビやアンチョビペーストで置き換えられることが多いものです。だから、ピサラディエールは「玉ねぎタルト」というより、魚の塩気で玉ねぎの甘みを締める、港町の保存食感覚に近い料理です。

ニースの食文化は、海だけで閉じていません。山側の野菜、オリーブオイル、塩漬け魚、パン屋の生地、近隣リグーリアのフォカッチャ文化が重なります。英語圏やスペイン語圏の料理記事でも、ピサラディエールはピザ、フォカッチャ、タルトの間に置かれますが、現地性を守るなら、厚い玉ねぎ層、パン生地、アンチョビ、黒オリーブを外さないことが大事です。チーズやトマトを足すと食べやすくはなりますが、別の地中海パンに寄っていきます。

地域差もあります。メンタン周辺にはトマトを使う pichade や、アンチョビを使わないタルトの話があり、イタリア側リグーリアにはトマトやにんにくを効かせる piscialandrea や sardenaira と呼ばれる近い料理があります。日本で作るときは、この周辺差を全部混ぜるより、まずニース寄りの骨格に絞るほうが味がぼやけません。玉ねぎを厚くのせ、トマトソースとチーズを入れず、アンチョビと黒オリーブを少量でも効かせる。そこを守ると、スーパーの玉ねぎでも南仏の軽食らしさが出ます。

買い出し|普通の玉ねぎと、通販で見る道具

ピサラディエール用のオリーブオイル、厚手フライパン、温度計、アンチョビ、黒オリーブを台所に並べたところ
玉ねぎと粉は近所で買い、火加減を安定させる道具と香りのよい油だけを補う

玉ねぎ、粉、アンチョビ、黒オリーブは、まず近所のスーパーで十分です。通販で見る価値があるのは、香りのよいオリーブオイル、生地を薄く均一に伸ばすめん棒、ぬるま湯と焼成温度を確認しやすい温度計です。アンチョビや黒オリーブは銘柄より塩気が大事なので、最初は少量パックで試し、味が強すぎるものは工程中で量を減らします。

オリーブオイルは、玉ねぎを炒める油であり、焼き上がりに少し垂らす香りでもあります。強い苦みより、青さと丸みがあるものが使いやすいです。

掲載商品は、複数の販売先を定期的に確認し、価格・内容量・レビュー傾向・購入しやすさを比較したうえで選定しています。

生地を天板いっぱいに伸ばすとき、手だけだと中央が厚く残りやすくなります。30cm前後のめん棒があると、縁だけ少し厚く残しながら中央をそろえやすいです。

ぬるま湯は指の感覚でも測れますが、発酵生地に慣れていない日は温度計があると迷いません。35から38度Cを超えて熱くすると、ドライイーストの動きが鈍りやすくなります。

日本の台所で本場に寄せる分岐表

ピサラディエールの生地、黒オリーブ、乾燥ハーブ、アンチョビペーストを台所に並べたところ
日本で再現するときは、生地、玉ねぎ、魚の塩気、オリーブ、ハーブを別々に調整する

全部を現地食材に寄せる必要はありません。むしろ、守るところを決めておくと、スーパーの材料でもピサラディエールらしくまとまります。

迷うところ 現地寄せ 日本での現実解 守ること
生地 パン生地、またはフォカッチャ寄り 市販ピザ生地でも可。パイシートは別料理寄り トマトソースとチーズを入れない
玉ねぎ 甘みのある白玉ねぎを大量に使う 普通の黄玉ねぎでよい 焦がさず、厚くのせる
魚の塩気 pissalat や塩漬けアンチョビ オイル漬けアンチョビ、少量のペースト 玉ねぎ側の塩を控える
黒オリーブ ニース産や小粒の黒オリーブ 種抜き黒オリーブ、カラマタ少量 水気を拭き、塩気を残す
ハーブ タイム、ローリエ、プロヴァンス系ハーブ 乾燥タイム、ローリエ、少量のミックスハーブ 入れすぎない
焼き方 高温のパン屋の窯 家庭オーブン220度C 底が白いまま終えない

パイシートで作ると、軽い前菜になります。玉ねぎの油が層に入り、サクサクしたタルトに寄るため、パン生地のピサラディエールとは別物です。時短したい日は市販のピザ生地を薄く伸ばすほうが、料理の輪郭は保ちやすいです。

アンチョビが苦手な家族がいる日は、全体へ置かず、半分だけにのせるのがいちばん現実的です。魚なしで作るなら、黒オリーブを少し増やし、ケッパー小さじ1を刻んで玉ねぎに混ぜると塩気の点ができます。この場合は「ピサラディエール風」と考えたほうが無理がありません。

食卓・保存・FAQ

ピサラディエールの残りを網の上で冷まし、紙で包んでいるところ
残ったピサラディエールは冷ましてから包み、温め直しはトースターで短く行う

ピサラディエールは熱々を急いで食べるより、少し温度が落ちたほうが味の輪郭が見えます。葉野菜のサラダ、白ワイン、冷たい水だけでも昼食になります。同じ南仏の魚介へ寄せるならブイヤベース、肉と野菜の煮込みへつなぐならポトフガルビュールが合います。地中海のパンや米料理を続けるなら、スペインのフィデウアパエリア・バレンシアーナ、冷たい前菜ならガスパチョへ回遊できます。

保存は、しっかり冷ましてから1切れずつ紙で包み、密閉容器に入れて冷蔵2日が目安です。温め直しはトースター180度Cで5から6分。電子レンジだけだと生地がやわらかく戻り、玉ねぎの水分で底が湿りやすいので、レンジを使うなら20秒だけ温めてからトースターへ移します。

アンチョビなしで作れますか

作れますが、味の方向は変わります。黒オリーブを少し増やし、ケッパー小さじ1を刻んで玉ねぎに混ぜると、塩気の点は作れます。魚の香りが消えるので、料理名はピサラディエール風と考えるのが自然です。

市販のピザ生地で作れますか

作れます。生地を5から7mmに薄く伸ばし、縁だけ少し厚くします。ピザクラストが甘いタイプだと玉ねぎの甘みと重なるので、シンプルなパン生地系を選ぶと合わせやすいです。

玉ねぎはどこまで炒めますか

濃い茶色のキャラメル色までは炒めません。透明から淡いあめ色で、木べらで寄せるとゆっくり戻る程度です。焦げ色が点々と出るくらいなら問題ありませんが、黒い焦げが増えたら苦みが出ます。

冷凍できますか

できます。焼いて冷ましたものを1切れずつ包み、冷凍で2週間を目安にします。解凍せずにトースター160度Cで8から10分温め、途中で焦げそうならアルミホイルをかぶせます。

オリーブが苦手な場合はどうしますか

量を半分にし、刻んで散らすと一口ごとの主張が弱くなります。全部抜くと塩気と苦みの点が消えるので、アンチョビを少し増やすか、ケッパーを数粒だけ加えるとバランスが取りやすいです。

参考にした海外・現地情報

ピサラディエールの生地、玉ねぎの火入れ、pissalat の背景、リグーリア側の近い料理を確認するため、以下の情報を参照しました。本文では、日本の家庭で再現しやすい分量と工程に調整しています。

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