トレド名物カルカムサス。豚肉、チョリソ、グリーンピースを赤いトマトソースで煮た小皿
🔪下準備15分
🔥調理50分
🍽️分量4
🌍料理スペイン料理・トレド料理
ヨーロッパレシピ

カルカムサスの作り方|トレドの豚肉煮込み

28分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

調理工程スライド
手順1: 豚肉に焼き色をつける
STEP 11 / 7

豚肉に焼き色をつける

所要時間8分

豚肉600gを3cm角に切り、塩小さじ1/2、黒こしょう小さじ1/3をまぶします。厚手鍋にオリーブオイル大さじ2を入れ、中火で1分温めます。肉を重ならないように並べ、中火から中強火で片面2分ずつ焼きます。表面に濃いきつね色の焼き色がつき、中心はまだ半火通りの状態で皿へ取り出します。鍋底の茶色い焼き跡は、あとでソースのうまみになります。

手順2: 玉ねぎとにんにくを甘くする
STEP 22 / 7

玉ねぎとにんにくを甘くする

所要時間8分

同じ鍋を弱めの中火に落とし、みじん切りの玉ねぎ200g、ローリエ1枚、乾燥唐辛子1/2本を入れます。焦げそうならオリーブオイル小さじ1を足します。木べらで鍋底をなでながら6分炒め、玉ねぎが透明から薄い黄金色に変わったら、にんにく2片のみじん切りを加えて1分炒めます。にんにくは焦げると苦くなるので、香りが立ったところで止めます。

手順3: 白ワインで鍋底をほどく
STEP 33 / 7

白ワインで鍋底をほどく

所要時間4分

白ワイン150mlを注ぎ、中火に上げます。木べらで鍋底をこすり、肉の焼き跡と玉ねぎをワインへ溶かします。2分ほどふつふつ煮立て、アルコールの鋭い香りがやわらぎ、液量が半分くらいになるまで煮詰めます。ワインを使わない場合は水120mlと白ワインビネガー小さじ2を入れ、酸味が角立たないよう同じく中火で2分煮ます。

手順4: チョリソと豆をなじませる
STEP 44 / 7

チョリソと豆をなじませる

所要時間5分

取り出した豚肉を鍋へ戻し、5mm厚のチョリソ80g、1cm角のハモンまたはベーコン60g、冷凍グリーンピース150gを加えます。弱めの中火で3分混ぜ、チョリソの赤い油が玉ねぎに移ったら、スモークパプリカ小さじ1をふります。粉を入れた後は焦げやすいので、30秒ほど香りを立てたら次へ進みます。鍋底が乾く場合は水大さじ1を足します。

手順5: トマトを加えて静かに煮る
STEP 55 / 7

トマトを加えて静かに煮る

所要時間22分

トマトパッサータ300g、トマトペースト大さじ1、水または薄いブロス200mlを入れます。中火で沸く直前まで上げ、鍋の縁がふつふつしたら弱火へ落とします。ふたを少しずらし、18から20分煮ます。泡が小さく、ソースがゆっくり揺れる状態を保ちます。豚肉の中心まで火が通り、温度計を使う場合は63度C以上、肉を押すと弾力があり、ソースが赤い油を少し浮かせる状態が目安です。

手順6: ふたを外して濃度を決める
STEP 66 / 7

ふたを外して濃度を決める

所要時間8分

ふたを外し、弱めの中火にします。焦げないよう2分に1回だけ底をなで、8分ほど水分を飛ばします。木べらを引いた跡が一瞬見え、ソースが豚肉と豆にまとわり、皿の中央に高さ2cmほどの山で残る濃度になれば止めます。味見をして、塩小さじ1/4までを目安に足します。水っぽい時はさらに2分、濃すぎる時は熱湯大さじ2を足して整えます。

手順7: 小皿に盛り、パンを添える
STEP 77 / 7

小皿に盛り、パンを添える

所要時間5分

火を止め、鍋のまま5分休ませます。余熱でソースの角が取れ、表面に照りが戻り、湯気が穏やかに上がる状態になります。陶器の小皿へ肉、豆、ソースが均等に入るようによそい、バゲットやカンパーニュを添えます。盛り付けは深くしすぎず、スプーンでソースをすくいやすい厚みが食べやすいです。

肉を焼く時だけ中火から中強火、玉ねぎとパプリカは弱めの中火、トマトを入れた後は弱火、最後の濃度調整は弱めの中火です。強く沸かす時間が長いほど豚肉が硬くなり、トマトの甘みより酸味が立ちます。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料スライド
17品目

材料

カルカムサスは肉を大きくしすぎると、タパスらしい食べやすさがなくなります。豚肉は3cm角、チョリソは5mm厚、ハモンやベーコンは1cm角。スプーンですくった時に、肉、豆、ソースが一緒にのる大きさを目指します。

豚肉、チョリソ、ハモン、グリーンピース、トマト、白ワイン、スモークパプリカを並べた材料
豚肩ロース、チョリソ、ハモン、グリーンピース、トマト、白ワインを先に量っておく
材料 分量 代替・備考
豚肩ロースまたは豚ももブロック 600g 3cm角。脂が少ないももはオリーブオイルを大さじ1足す
パプリカ入りチョリソ 80g 5mm厚。なければ粗びきソーセージ70gとスモークパプリカ小さじ1/2
ハモンセラーノまたはベーコン 60g 1cm角。ハモンは塩気が強いので塩を減らす
玉ねぎ 1個(200g) みじん切り
にんにく 2片 みじん切り
冷凍グリーンピース 150g 凍ったままでよい。缶詰なら水気を切って最後の8分だけ
トマトパッサータ 300g カットトマト缶なら軽く潰す。トマトソースでも可
トマトペースト 大さじ1(18g) ソースを早く濃くする。なければ省略可
辛口白ワイン 150ml アルコールを避ける場合は水120mlと白ワインビネガー小さじ2
水または薄いチキンブロス 200ml 塩分の強いブロスは塩を減らす
スモークパプリカ 小さじ1 甘口が扱いやすい。辛口なら小さじ1/2から
ローリエ 1枚 月桂樹の葉
オリーブオイル 大さじ2 焼き付け用
小さじ1 ハモン、チョリソの塩気を見て最後に調整
黒こしょう 小さじ1/3 挽きたてが向く
乾燥唐辛子 1/2本 辛さは任意。種を抜くと穏やか
バゲットまたはカンパーニュ 1/2本 食卓用。商品カード化しない
アレルギーと食品安全

豚肉、加工肉、小麦を含む可能性があります。チョリソやベーコンは商品により乳、卵、小麦、大豆を含むことがあるため、表示を確認してください。豚肉は中心まで火を通し、温度計を使う場合は中心63度C以上、3分休ませる考え方を目安にします。煮込みでは食感を整えるため、さらに十分に加熱してから出します。

豚肉は肩ロースが作りやすいです。脂が少し入り、50分前後の煮込みでもぱさつきにくい。もも肉を使う場合は、焼き付けを短めにし、煮汁を強く沸かさないことを優先します。バラ肉だけで作るとソースに脂が出すぎ、パンに合うというより重い煮込みになります。

チョリソは「辛いソーセージ」なら何でもよいわけではありません。スペイン寄りにしたいなら、唐辛子の刺激より、パプリカの赤い油と燻した香りがあるものを選びます。ハモンセラーノがなければベーコンで十分ですが、燻製香が強い商品を使うとスモークパプリカとぶつかるため、量を少し控えます。

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材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

📊 栄養情報(1人分)
140
kcal
9.0g
タンパク質
8.3g
脂質
6.0g
炭水化物
1.3g
食物繊維
345mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。

トレドの酒場で小皿から始まる煮込み

夕方の台所でチョリソを切ると、包丁の跡に赤い油がにじみます。にんにく、玉ねぎ、白ワイン、トマトを重ねていくと、まだスペインに行ったことがない日でも、パンを手でちぎってソースをぬぐいたくなる香りになります。カルカムサス(Carcamusas)は、その衝動にかなり正直なトレドの小皿料理です。

カルカムサスは、スペイン中部カスティーリャ=ラ・マンチャ州の古都トレドで親しまれる、豚赤身肉、チョリソ、ハモン、グリーンピース、トマトの煮込みです。現地では陶器の小さなカスエラに熱々で出し、パンやフライドポテトを添えることがあります。大皿のごちそうというより、バルのカウンターで「まずこれ」と頼む、ソースまで食べるタパスです。

パンと小皿を添えたカルカムサスの食卓
カルカムサスは小皿に盛り、パンで赤いソースをぬぐいながら食べる

名前の由来には諸説があります。トレド公式観光情報や現地レシピでは、20世紀半ばにトレドのBar Ludeñaで生まれた料理とされ、店に集まった年配男性を指す「carcas」と若い女性を指す「musas」を合わせたという話がよく紹介されます。確定した語源として断言するより、料理名まで含めて酒場の会話から育った一皿、と受け取ると自然です。

日本で作るときの芯は3つです。豚肉に先に焼き色をつけること、白ワインを煮詰めて鍋底のうまみを戻すこと、最後にトマトソースをゆるく残さず、パンにからむ濃度まで詰めること。チョリソとハモンが完全に手に入らなくても、赤い油、燻したパプリカの香り、豆の甘みを残せば、ただの豚肉トマト煮込みから一歩トレド寄りになります。

同じスペイン料理で献立を組むなら、冷たい前菜にガスパチョ、卵料理にトルティージャ・エスパニョーラ、食卓の主役にフィデウアを合わせると、トマト、卵、魚介、肉の流れが作れます。豆と豚加工肉の濃い煮込みまで広げるなら、北スペインのファバダ・アストゥリアーナも近い香りを持っています。

本記事の方針

現地の「magro de cerdo(豚赤身肉)」「chorizo」「jamón」「guisantes(グリーンピース)」の骨格を残しつつ、日本のスーパーで揃えやすい豚肩ロース、冷凍グリーンピース、トマトパッサータで作ります。辛さは控えめにし、スモークパプリカでチョリソの香りを補います。

買い出しで迷うところ

近所で買うものは豚肉、玉ねぎ、にんにく、冷凍グリーンピース、トマトです。通販で見る価値があるのは、料理の輪郭を決めるチョリソ、スモークパプリカ、そして水分をゆっくり飛ばせる厚手鍋くらいに絞ります。肉やパンまで商品カードにすると、読者の買い物の優先順位がぼやけます。

カルカムサス向けのチョリソ、スモークパプリカ、厚手鍋、白ワイン、ローリエを並べた買い出し
香りを決めるチョリソ、スモークパプリカ、煮込み用の厚手鍋を先に見る

チョリソはカルカムサスの赤い油を作ります。普通のウインナーで作る日も、初回だけはパプリカ入りを見ておくと、どの香りを代替しているのかが分かります。

掲載商品は、複数の販売先を定期的に確認し、価格・内容量・レビュー傾向・購入しやすさを比較したうえで選定しています。

スモークパプリカは、チョリソが手に入らない時の保険でもあります。甘口を選ぶと、辛さを増やさずにスペイン料理らしい赤い香りを足せます。

ソースを詰める煮込みなので、鍋底の当たりが強すぎるとトマトが焦げます。厚手鍋は必須ではありませんが、弱火から中火の調整がしやすく、肉も硬くなりにくいです。

失敗しやすいところと直し方

カルカムサスの失敗は、味よりも濃度に出ます。ソースが水っぽいとパンにからまず、煮詰めすぎると塩気だけが強くなる。鍋の深さ、トマトの水分、チョリソの脂で変わるため、最後の8分は時間より状態を見ます。

水っぽいカルカムサスと、ソースが具材にからんだカルカムサスの比較
水っぽい状態と、ソースが豚肉にまとわる状態を見比べて濃度を決める
状態 原因 その場での直し方
ソースがさらさら トマトの水分が多い、ふたを閉じたまま煮た ふたを外し、弱めの中火で2分ずつ煮詰める。肉を崩さないよう底だけなでる
塩辛い ハモンやチョリソの塩気が強い 茹でたじゃがいも100gを角切りで足し、弱火で5分煮る。塩は足さない
豚肉が硬い 強火で長く沸かした、もも肉を使った 水大さじ3を足し、弱火で10分追加。次回は肩ロースを使う
トマトの酸味が強い 煮詰め不足、トマト缶の酸味が強い ふたを外して弱めの中火で3分煮詰め、オリーブオイル小さじ1を足す
パプリカが苦い 粉を入れてから炒めすぎた その場で完全には戻らない。次回は粉を入れたら30秒で液体を入れる

チョリソがない時にソーセージだけで作ると、味がやや丸くなります。その場合は、ソーセージを焼いてからスモークパプリカを小さじ1と1/2まで増やし、唐辛子を少し入れます。しょうゆや中濃ソースでコクを足すと、すぐに日本の洋食寄りになります。足すならオリーブオイル、塩、白ワインの酸味までに留める方が、料理の方向がぶれません。

現地の食べ方と日本の献立

トレドでカルカムサスを食べるなら、主役は肉だけではなくソースです。小皿に残った赤いソースをパンでぬぐうところまでが料理。じゃがいもを添える店もありますが、家庭では揚げ物を増やすより、焼いたパンと簡単なサラダを添える方が、煮込みの甘みが重くなりません。

食卓では、最初から大きな主菜皿に山盛りにしない方が雰囲気が出ます。小さな器に2杯分くらいずつよそい、足りなければ鍋から追加します。ソースが冷める前にパンで食べ切れる量にすると、タパスらしい「少し濃いけれど、もう一口いける」加減になります。日本の夕食で白ご飯にのせるなら、ソースを少し強めに煮詰め、茶碗ではなく浅い皿にご飯を薄く広げてかけると、丼ものに寄りすぎません。

日本の夕食にするなら、前菜は冷たいガスパチョ、卵料理はトルティージャ・エスパニョーラが便利です。米や麺を合わせたい日は、魚介のフィデウアパエリア・バレンシアーナへ広げると、スペインの食卓らしい明るさが出ます。

肉の煮込みとして見比べるなら、コシード・マドリレーニョは豆と肉を段階的に食べる大鍋、ファバダ・アストゥリアーナは白い豆と豚加工肉の重い煮込みです。カルカムサスはそこまで大げさではなく、1時間前後で作って小皿で分ける、酒場寄りの軽さがあります。

飲み物は、若い赤ワイン、ロゼ、冷たいビールが合わせやすいです。辛さを強めた場合はビール、トマトの甘みを前に出した場合はロゼ。白ワインを煮込みに使ったから白だけ、とは考えなくて大丈夫です。

保存と温め直し

カルカムサスは翌日もおいしい煮込みです。冷める時にチョリソとハモンの塩気がソースへなじみ、トマトの酸味が丸くなります。ただし豚肉と加工肉の煮込みなので、常温に長く置かず、粗熱が取れたら清潔な容器へ移します。

保存容器へ移したカルカムサスと、少量を鍋で温め直している様子
余ったカルカムサスは冷蔵し、少量の水を足して弱火で温め直す

冷蔵は2日を目安にします。保存容器へ平たく入れると早く冷え、温め直しもしやすいです。冷凍する場合は1食分ずつ分け、2週間以内に食べます。グリーンピースは解凍後に少し柔らかくなるため、食感を残したい人は冷凍前に豆を少し取り分け、温め直し時に新しい豆を足すと見た目が戻ります。

温め直しは小鍋が向きます。1人分に水大さじ2を足し、弱火で4分温めます。湯気が出て中心まで熱くなったら、中火で1分だけ水分を飛ばします。電子レンジだけで温める場合は、ふんわりラップをして600Wで2分、よく混ぜてさらに30秒ずつ追加します。パンは別で軽く焼き、ソースをつける直前に出すと、食卓の感じがかなり戻ります。

よくある質問

豚肉はどの部位が向いていますか?

肩ロースが一番扱いやすいです。もも肉でも作れますが、強火で煮ると硬くなりやすいので、焼き付けを短めにして弱火で静かに煮ます。バラ肉だけで作ると脂が多く、ソースが重くなります。豚こまは短時間で火が入りますが、カルカムサスらしい角切りの食感は出にくいです。

白ワインなしでも作れますか?

作れます。水120mlと白ワインビネガー小さじ2を使い、中火で2分煮て酸味を丸めます。料理酒は甘みが出やすいため、使うなら100mlにして、トマトペーストを少し増やすとバランスが取りやすいです。

グリーンピースは冷凍と缶詰のどちらがいいですか?

冷凍がおすすめです。煮込みの中でも色と粒感が残ります。缶詰を使う場合は水気を切り、工程5の最初からではなく、最後の8分だけ入れます。最初から入れると柔らかく崩れ、ソースが濁りやすくなります。

チョリソがない場合、何で代用できますか?

粗びきソーセージ70gとスモークパプリカ小さじ1/2を足すのが家庭向きです。辛さが欲しい時は唐辛子を少し増やします。日本のチョリソー風ソーセージは唐辛子の辛さが強いことがあるため、パプリカの香りがあるかを確認してください。

ソースが水っぽい時は小麦粉でとろみをつけてもいいですか?

小麦粉より、ふたを外して煮詰める方が自然です。弱めの中火で2分ずつ煮詰め、木べらを引いた跡が一瞬見えるところで止めます。小麦粉を入れると煮込みの輪郭が洋食寄りになり、パンにからむ濃いソースではなく、重いあんのようになりやすいです。

圧力鍋で時短できますか?

できますが、チョリソと豆は後入れがおすすめです。豚肉、玉ねぎ、白ワイン、トマト、水を入れて高圧8分、自然放置で圧を抜き、ふたを開けてからチョリソ、ハモン、グリーンピース、スモークパプリカを加えます。その後は弱めの中火で8から10分煮詰め、ソースの濃度を整えます。

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