米粉とココナッツミルクで焼いたインドネシアのスラビに椰子糖のキンチャを添えた皿
🔪下準備35分
🔥調理30分
🍽️分量4
🌍料理インドネシア料理・ジャワ料理
東南アジアレシピ

スラビの作り方|ジャワの米粉ココナッツ焼き

34分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

調理工程スライド
手順1: 粉と液体を混ぜる
STEP 11 / 6

粉と液体を混ぜる

所要時間7分

火加減: 電子レンジ600Wで40秒、液体を35〜38度Cに温めます。

耐熱容器にココナッツミルク250mlとぬるま湯110mlを入れ、600Wで40秒温めます。指で触れて熱くなく、人肌より少し温かい35〜38度Cが目安です。ボウルに米粉180g、タピオカ粉20g、きび砂糖12g、ドライイースト2g、塩2gを入れて30秒混ぜます。液体を3回に分けて注ぎ、泡立て器で2分混ぜます。粉の白いだまりが消え、泡立て器を持ち上げると細くゆっくり垂れる粘度にします。

手順2: 生地を休ませる
STEP 22 / 6

生地を休ませる

所要時間30分

火加減: 火は使いません。室温25〜28度Cで休ませます。

ボウルにラップか濡れ布巾をかけ、室温25〜28度Cで30分置きます。室温が20度C前後なら40分、暑い日は25分で様子を見ます。表面に小さな泡が増え、ボウルの縁に細かい気泡の跡が見えれば十分です。大きく膨らませる必要はありません。焼く直前は底から5回だけ混ぜ、沈んだ粉を戻します。粘度は泡立て器からゆっくり垂れる程度で、底に白いだまりが残らない状態にします。強く混ぜすぎると泡が抜け、中心が重くなります。

手順3: キンチャを煮る
STEP 33 / 6

キンチャを煮る

所要時間9分

火加減: 弱めの中火で6〜7分、ふつふつを保ちます。

小鍋に椰子糖80g、水50ml、塩1g、パンダンリーフを入れ、弱めの中火にかけます。糖が溶けたらココナッツミルク150mlを加え、木べらで混ぜながら6〜7分煮ます。鍋の縁に細かい泡が続き、木べらを持ち上げると薄く膜が残る濃度が目安です。温度計を使う場合は103度C前後で止めます。煮詰めすぎると冷めた時に飴のように硬くなるので、少しゆるい段階で火を止めます。

手順4: 型を温めて油を薄く塗る
STEP 44 / 6

型を温めて油を薄く塗る

所要時間5分

火加減: 弱めの中火で3〜4分予熱します。

小さなフライパン、目玉焼き用ミニパン、くぼみ型の鋳物鍋を弱めの中火にかけ、3〜4分温めます。米油を小さじ1弱落とし、底と縁へ薄く均一に広げます。油がさらっと動き、光り方にむらがなく、近づけた生地の端がすぐ小さく泡立つ状態が焼き始めの合図です。煙が出るほど熱い場合は、火を弱火に落として30秒待ちます。予熱不足のまま生地を注ぐと、縁が白く湿ったまま固まります。

手順5: ふたをして焼く
STEP 55 / 6

ふたをして焼く

所要時間12分

火加減: 弱めの中火で2分、ふたをして弱火で5〜6分、最後にふたを外して弱めの中火で2分焼きます。

生地をお玉で約70ml注ぎ、直径10〜12cmに自然に広げます。最初の2分は弱めの中火で、縁に細かい泡を作ります。ふたをして弱火に落とし、5〜6分蒸し焼きにします。中心が白く固まり、表面に小さな穴が残り、縁がきつね色になったらふたを外します。最後に弱めの中火へ戻し、2分ほど水分を飛ばします。へらを縁に差した時、底が一体で動く手応えになれば焼き上がりです。

手順6: 取り出してキンチャを添える
STEP 66 / 6

取り出してキンチャを添える

所要時間6分

火加減: 取り出す前に弱火で1分、底を乾かします。

火を弱火に落とし、へらを縁に沿わせて1周入れます。無理に引きはがさず、自然に浮いたところから持ち上げます。底が湿っている場合は、同じ火加減でさらに1分だけ置きます。焼けたスラビは皿かバナナの葉にのせ、キンチャを別添えにします。食べる直前にキンチャをかけ、ココナッツファインを小さじ1ほど散らします。先にかけすぎると縁の軽さが早くしんなりします。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料スライド
材料

買い出しの前に

直径10〜12cmの小さなスラビが8枚ほどできます。軽いおやつなら4人分、食後に少し出すなら5〜6人分です。発酵でふくらませるので、焼く直前に生地をかき混ぜすぎず、底から一度だけ戻すくらいにします。

米粉、タピオカ粉、ココナッツミルク、椰子糖、ドライイーストを並べたスラビの材料
スラビは米粉、ココナッツミルク、椰子糖の三つを先に決めると味がぶれにくい
9品目

生地

材料 分量 代替・備考
製菓用米粉 180g 上新粉でも可。もち粉だけにすると重い
タピオカ粉 20g 片栗粉15gでも可。縁の軽さは少し弱くなる
きび砂糖 12g 生地用。発酵と焼き色の補助
ドライイースト 2g インスタントタイプ
2g 小さじ1/3弱
ココナッツミルク 250ml よく振ってから量る
ぬるま湯 110ml 35〜38度C
米油 大さじ2 焼く時に使う。サラダ油でも可
パンダンリーフ 1枚 香りづけ。省略可
7品目

キンチャと仕上げ

材料 分量 代替・備考
ココナッツミルク 150ml キンチャ用
椰子糖 80g 手に入らなければ黒糖60gときび砂糖20g
50ml 煮詰め始めに使う
1g 甘さを締める
パンダンリーフ 1/2枚 省略可
ココナッツファイン 20g 仕上げ用。なくてもよい
バナナ 1本 添える場合は薄切り
材料

アレルギーと代替

ココナッツを使います。米粉中心の配合ですが、タピオカ粉や米粉の製造ライン表示は商品ごとに確認してください。完全にグルテンを避けたい場合は、米粉とタピオカ粉だけで作れます。小麦粉を足すレシピもありますが、本記事では日本の台所で再現しやすい米粉主体にしています。

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材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

📊 栄養情報(1人分)
85
kcal
1.0g
タンパク質
3.3g
脂質
13.3g
炭水化物
0.5g
食物繊維
48mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。

小さなフライパンから、甘い椰子糖がにじむ

米粉とココナッツミルクを混ぜた白い生地を、熱い小鍋へ流す。縁から細かい泡が立ち、ふたを少し持ち上げると、湯気の中に甘いココナッツの匂いがふっと上がります。焦げる直前のきつね色と、まだ白く柔らかい中心。その上に椰子糖のキンチャを垂らすと、台所の粉ものが一気にジャワの屋台菓子のほうへ向きます。

スラビ(serabi / surabi / srabi)は、インドネシアのジャワやバリで親しまれる米粉とココナッツの小さな焼き菓子です。日本語では「セラビ」とも書かれますが、本記事では現地語の音に近い「スラビ」を本文の基本表記にします。小さな土鍋やくぼみ型で焼くのが現地らしい姿ですが、日本の台所では小さなフライパン、目玉焼き用のミニパン、鋳物のくぼみ型で十分に近づけます。

同じ米粉とココナッツの系譜なら、ベトナム南部のバインコットは油で縁を軽くし、マレーシアのボボチャチャはココナッツ汁で根菜を包みます。スラビはその中間にいて、焼き目の香ばしさとキンチャの甘さを一枚の小さな円にまとめる料理です。

表記について

スラビは、ジャワ語系では serabi / srabi、スンダ語圏では surabi と書かれることがあります。Bandung の surabi、Solo の serabi notosuman など地域名と一緒に出ることもあります。本記事では検索しやすさを考え、見出しでは「スラビ」、補足で現地語表記を併記します。

スラビの物語|屋台、祈り、地域差のある米粉菓子

スラビを一言で「インドネシアのパンケーキ」と呼ぶと、半分は当たっていて、半分はこぼれ落ちます。小麦粉を卵と牛乳でふんわり焼く西洋式のパンケーキではなく、米粉、ココナッツミルク、椰子糖の香りが先に立つ焼き菓子です。炭火の上に小さな土の型を並べ、生地を少しずつ注いで、縁だけをこんがり固める。その場でキンチャをかける屋台の姿は、朝食というより、学校帰りや夕方の軽い甘味に近い空気があります。

現地資料を追うと、スラビは単なるおやつとしてだけでなく、地域の行事にも出てきます。ジョグジャカルタ特別州文化局は、Bandung, Playen の Srabi Kocor を雨乞いの儀礼と結びつくものとして紹介し、白い米粉の菓子と椰子糖の juruh を、土地が雨で潤う象徴として説明しています。プマラン県の記事では、ラマダン終盤の「Serabi Likuran」で、キンチャをかけたスラビを近所や親戚へ分ける習慣が語られます。食卓に置かれた一枚が、家庭の甘味であり、地域の記憶でもあるところが面白いのです。

バナナの葉にのせたスラビと椰子糖キンチャを囲む食卓
スラビは屋台の軽食にも、家庭で分け合う甘い菓子にもなる

地域差も大きく、バンドンの surabi は比較的しっかり焼き、oncom など塩気のある具をのせる方向まで広がります。ソロの serabi は中心をしっとり残し、薄い縁と濃いココナッツ感を楽しむ印象が強いです。日本で初めて作るなら、無理にチーズやソーセージの現代風トッピングへ寄せず、米粉、ココナッツミルク、椰子糖キンチャの三つを守るほうが、料理の輪郭が見えます。

ただし、日本のスーパーで椰子糖やパンダンリーフを毎回そろえるのは現実的ではありません。守りたいのは、米粉の白い中心、焦がしすぎないココナッツの香り、黒糖だけに寄りすぎないキンチャの濃度です。パンダンは香りの層を足す材料で、ないと作れない材料ではありません。最初の一回は、米粉、ココナッツミルク、少量のタピオカ粉、黒糖で始めてかまいません。

買い出しで迷うもの

米粉はスーパーの製菓棚で手に入ることが多いので、通販で急いで探す優先度は下げます。見る価値があるのは、味の芯になるココナッツミルク、粉の食感を軽くするタピオカ粉、キンチャを煮詰めすぎないための温度計です。椰子糖は見つかれば使いますが、黒糖ときび砂糖を混ぜても家庭の一皿としては十分に寄せられます。

ココナッツミルク、タピオカ粉、温度計、小さなフライパンを並べたスラビの買い出し準備
通販で見るなら、ココナッツミルク、タピオカ粉、温度計の優先度が高い

ココナッツミルクは、生地とキンチャの両方に使います。1缶400mlを使い切れるので、余りを冷蔵庫に置きっぱなしにしにくいのも作りやすい点です。

掲載商品は、価格・在庫・レビュー傾向・入手しやすさを確認して選定しています。
ココナッツミルク 400ml
ココナッツミルク 400ml
リサーチ日時:2026-07-09

タピオカ粉は、片栗粉よりも縁の軽さともちっとした中心を両立しやすい粉です。使う量は少ないですが、ボボチャチャや他の東南アジア菓子にも回せます。

温度計は必須ではありません。ただ、キンチャを煮詰める時に103度C前後を見られると、冷めてから硬くなる失敗を減らせます。初めて作るなら、ここだけ道具に頼る価値があります。

料理用デジタル温度計
料理用デジタル温度計
リサーチ日時:2026-07-09

日本の台所で守ること、代えてよいこと

現地の土鍋型を持っていなくても、スラビは作れます。大事なのは、型そのものよりも「小さく焼く」「ふたを使う」「縁と中心を同じ食感にしない」ことです。大きなフライパンで一気に広げると、中心まで薄くなり、ただの米粉クレープに近づきます。小さく、少し厚く、中心を白く残してください。

迷うもの 守る理由 日本での現実解
米粉 スラビの白い中心を作る 製菓用米粉を使い、もち粉だけにしない
ココナッツミルク 生地とキンチャの香りの芯 牛乳や豆乳で置き換えない
椰子糖 キンチャの丸い苦み 黒糖60gときび砂糖20gで代替する
パンダン 草のような香り 省略可。バニラは1滴まで
縁を先に固める 小さなフライパン、目玉焼き用ミニパン、くぼみ型
縁を軽くする 小さじ1弱を薄く塗る。多すぎると揚げ菓子になる

米粉を水だけで溶くと、焼きたては軽くても、冷めた時に粉っぽさが出ます。ココナッツミルクは、その粉っぽさを丸める材料です。ナシウドゥックの米をココナッツで炊く発想にも近く、米と椰子の香りが自然に重なるところがインドネシア料理らしい部分です。

失敗原因|白い、硬い、キンチャが固まる

スラビは、失敗した一枚も見れば原因が分かりやすい料理です。生地が悪いのか、火が悪いのか、キンチャを煮詰めすぎたのか。次の一枚で直せるように、状態と対策を分けておきます。

白く湿ったもの、焦げすぎたもの、縁だけ色づいたスラビを並べた比較
焼き色と中心の状態を見ると、予熱と火加減の修正点が分かる
状態 原因 次に直すこと
縁が白く湿る 予熱不足、油不足 弱めの中火で1分追加予熱し、油を小さじ1/4足す
底だけ焦げる 火が強すぎる 生地を入れた後は弱火へ落とし、ふた時間を長めにする
中心が生っぽい 生地が厚い、ふた時間が短い 1枚70mlを守り、ふたを5〜6分使う
全体が硬い 生地を混ぜすぎた、発酵が弱い 焼く前は5回だけ混ぜ、休ませ時間を10分延ばす
キンチャが飴のように固まる 煮詰めすぎ 103度C前後で止める。固まったら水大さじ1を足して弱火で戻す
黒糖の味だけが強い 黒糖だけで代替した きび砂糖を20g混ぜ、塩1gで輪郭を作る

焼いたスラビは、常温で2時間以内に食べるのが一番です。保存する場合は、キンチャをかけずに1枚ずつラップで包み、冷蔵で翌日まで。温め直しはフライパンの弱火で片面1分ずつ、最後にふたを20秒だけ使います。電子レンジだけで温めると縁がしんなりするので、最後にフライパンで乾かすほうが食感は戻ります。

食べ方と献立へのつなげ方

スラビは甘い菓子ですが、甘さを強くしすぎると食後に重くなります。キンチャは皿全体へかけるより、小さな器に入れて、食べる人が端をつけるくらいがちょうどよいです。バナナを添える時は、完熟で柔らかいものより、少し硬さのあるものを薄切りにすると、米粉の中心とぶつかりません。

インドネシアの一日として組むなら、食事は香り米のナシウドゥック、軽い菓子はスラビ、乾いた口直しには豆の粉菓子のクエサトゥを合わせると、米、豆、ココナッツのつながりが見えます。東南アジアの粉もの比較としては、縁を油で割るバインコットと並べると、同じ米粉でも「揚げ焼き」と「蒸し焼き」の違いが分かります。

よくある質問

スラビとパンケーキは同じですか?

形は近いですが、食感と香りはかなり違います。スラビは米粉とココナッツミルクが中心で、縁は軽く、中心は白くしっとりします。小麦粉、卵、牛乳で均一にふくらませるパンケーキとは別の粉ものとして考えたほうが作りやすいです。

パンダンリーフがなくても作れますか?

作れます。パンダンは香りの層を足す材料です。ない場合は無理に香料を入れず、ココナッツミルクとキンチャの濃度を整えるほうが大事です。バニラエッセンスを使うなら1滴までにしてください。

発酵させずにベーキングパウダーで作れますか?

作れますが、香りと穴の出方は変わります。置き換えるならドライイースト2gの代わりにベーキングパウダー4gを使い、休ませ時間は10分に短縮します。焼きたては軽いものの、米粉の甘い発酵香は弱くなります。

たこ焼き器で焼けますか?

鋳物や電気式のくぼみ型なら焼けます。ただし、たこ焼きのように丸く返しません。くぼみの底に生地を注ぎ、ふたをして片面だけで焼きます。小さくなるので、1個あたりの生地は大さじ1と1/2ほどに減らしてください。

主な参考リンク

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