かぼちゃとくるみのフィリングを薄い生地で巻き、渦巻きに焼いたブルガリアのティクヴェニク
🔪下準備15分
🔥調理40分
🌍料理ブルガリア料理

ティクヴェニクの作り方|かぼちゃとフィロのブルガリア菓子

約16分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 5

かぼちゃを炒めてフィリングを作る

手順1: かぼちゃを炒めてフィリングを作る

かぼちゃは皮と種を除いて約227gを量り、粗くすりおろします。フライパンでフィリング用のバター約21gを中火で溶かし、かぼちゃを加えて1〜2分炒め、やわらかくします。砂糖約38gとシナモン小さじ1を加えてさらに1〜2分炒め、フライパンに広げて余分な水分を飛ばします。かぼちゃの形が残り、鍋底に水分がたまらなくなったら火を止めます。時間は目安なので、かぼちゃの水分量に合わせて鍋の状態を優先してください。

STEP 22 / 5

皿とフィロを準備する(目安:約5分)

手順2: 皿とフィロを準備する(目安:約5分)

直径18〜20cmの耐熱皿に、生地と皿用の合計約21g(原レシピの大さじ1と1/2を換算した概算)のバターから、小さじ1程度(約5g、いずれも目安)を取り分けて薄く塗ります。残りは差し引きで約16gを目安に溶かし、生地2組への塗布と表面の仕上げに使います。個別の配分は指定されていません。冷凍のフィロは表示どおりに解凍します。かぼちゃのフィリングに粗く刻んだくるみ大さじ2を混ぜてから、冷まします。かぼちゃの繊維を保ったまま、くるみが全体に均等に散り、底に水分がたまっていない状態を目安に2等分します。フィロは乾きやすいため、使う直前まで袋に入れておき、使わない生地は乾かないよう覆います。

STEP 33 / 5

フィロを重ねて巻く(目安

手順3: フィロを重ねて巻く(目安

約5〜8分)

清潔で乾いた台にフィロを1枚広げ、溶かした生地用バターから薄く塗ってもう1枚を重ねます。同じ作業で2枚重ねを2組作ります。フィリングを半量ずつ、それぞれの生地の長辺に沿って細い帯状に置きます。生地が乾く前に巻くのが大切です。空気を押し出すほどきつくは巻かず、フィリングを包んだ細長いロールにします。

STEP 44 / 5

渦巻きに整える(目安

手順4: 渦巻きに整える(目安

約2〜3分)

1本目のロールを端から渦巻きにして、バターを塗った耐熱皿へ置きます。2本目は1本目の終わりにつなげるようにして渦巻きを続けます。生地が硬くなる前に形を整えてください。生地用バターの残りを表面に薄く塗ります。生地が乾くと曲げたところが割れやすいため、形が崩れそうなら無理に締めず、ロールの形を保って皿に収めます。

STEP 55 / 5

焼いて仕上げる

手順5: 焼いて仕上げる

180°Cに予熱したオーブンで約40分焼きます。表面がこんがりとした黄金色になり、フィロが乾いてぱりっとしていれば焼き上がりで、金色の焼き色と乾いた層が目安です。色づきが早いときは焦げないよう様子を見てください。オーブンから出して数分冷ましてから粉砂糖を振り、渦巻きに沿って約4等分に切り分けます。中のフィリングは熱いので、やけどに注意してください。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

かぼちゃ、フィロ生地、バター、シナモン、くるみを並べたティクヴェニクの材料
主な材料はかぼちゃ、薄いフィロ生地、シナモン、くるみ

フィロは冷凍パイシートとは別物で、ごく薄い層になった生地です。近くの店頭で見つからなければ、輸入食品の冷凍コーナーや通販を探してみてください。ただし、置いているかどうかは店によって違います。もう一つ大事なのが、主役は生のすりおろしかぼちゃだということ。生のかぼちゃを粗くすりおろして使います。水分を含んだなめらかなペーストより、繊維が残っているほうがこのレシピの食感に近づきます。

5品目

フィリング

材料 分量 代替・備考
かぼちゃ(皮と種を除いた状態) 約227g Caroline's Cookingの8 ozを換算した概算。日本のかぼちゃで作る場合も皮と種を除いて量る
無塩バター 約21g フィリング用。原レシピの大さじ1と1/2
砂糖 約38g 原レシピの大さじ3。甘さ控えめへ減らす場合はフィリングの水分量も確認
シナモンパウダー 小さじ1 かぼちゃの香りと組み合わせる
くるみ(粗く刻む) 大さじ2 原レシピ表記。重量はくるみの大きさや詰め方で変わる。食感を変えるアレンジとして省くことはできますが、アレルギー対応を意味しません
3品目

生地と仕上げ

材料 分量 代替・備考
フィロ生地 4枚 2枚ずつ重ねて2本作る。市販品は表示に従って解凍
無塩バター 約21g 原レシピの大さじ1と1/2を換算した概算(皿用を含む合計)。皿用は約5gを目安にし、差し引きで残り約16gをフィロと表面用に使います。個別の配分は指定されていません
粉砂糖 約大さじ1/2 原レシピの分量。焼き上がりに振る
フィロが手に入らない日は

フィロ生地は、この菓子の薄い層と軽い口当たりを生む中心の材料です。冷凍パイシートは厚みも食感も違うため、置き換えると同じ仕上がりにはなりません。パイシートで作るなら、ティクヴェニクとは別の家庭向けアレンジとして楽しんでください。かぼちゃ、シナモン、くるみは、いずれも身近な食材です。

アレルギー

フィロ生地には小麦、バターには乳、くるみには木の実が含まれます。市販のフィロ生地は製品によって原材料やアレルゲン表示が異なるので、パッケージで確かめてください。くるみを省いても小麦と乳は残るため、アレルゲンを完全に取り除けるわけではありません。

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栄養情報 1人分の目安
55kcal
エネルギー
0.8g
タンパク質
3.3g
脂質
6.3g
炭水化物
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。
Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

オーブンから出したばかりの渦巻きにナイフを入れたときの、かさりと崩れる乾いた音。焼けたフィロの薄い層の内側から、シナモンの香りをまとったかぼちゃがのぞきます。ティクヴェニク(тиквеник / tikvenik)は、すりおろしたかぼちゃをフィロ生地で包んで焼く、ブルガリアの甘いペストリーです。紙のように薄くぱりっとした外側と、シナモン香るかぼちゃの重なりが、この菓子の中心にあります。参照した料理記事は、クリスマスイブや秋冬に食べる例と、通年食べる例を紹介しています。

名前の由来と、紹介記事に見る季節のティクヴェニク

名前は、かぼちゃを意味するtikvaに由来すると紹介されています。薄いフィロ生地にかぼちゃと砂糖、シナモンを巻き込んで焼く甘い菓子で、ひと口かじるとかぼちゃの甘みとシナモンの香りが生地の香ばしさと一緒に広がります。同じ薄い生地で作るバニツァは、チーズを包んだ甘くないペストリー。ティクヴェニクはその近縁にあたり、チーズの代わりにかぼちゃを使った甘い仲間です。ここで参照した料理記事は名前や料理の説明をしていますが、成立した年代や発祥地までは示していません。確かな由来を一つに決めず、紹介されている食材と作り方からその輪郭を見ていきます。

豆知識

ブルガリア語ではтиквеникと書きます。レシピを紹介するCaroline's Cookingは、チーズ入りのバニツァに対する甘い版として説明しています。ただ、これはあくまでひとつの紹介の仕方で、ブルガリア全土に共通する決まった分類というわけではありません。

冬の食卓との結びつきについて、Caroline's Cookingはクリスマスイブのデザートであり、秋冬の菓子でもあると紹介しています。Vegan Physicistもクリスマスに食べる例を挙げつつ、一年を通して食べられることにも触れています。これは参照した二つの記事で紹介されている例であり、祝いの日や普段の食卓にどの程度登場するかを一般化できる資料はありません。祝日に必ず焼くものとも、どの家庭でも同じ形だとも言い切れません。地域差についても、参照した記事からブルガリア各地の決まった配合や分布を比べることはできません。確認できるのは、紹介例の中でも具の水分の飛ばし方や巻き方に幅があることです。

ブルガリアの家庭菓子ティクヴェニクを切り分けた断面
かぼちゃのフィリングを薄い生地で包むティクヴェニク

バニツァ、ブンデヴァラと比べると見える家庭差

Caroline's Cookingは、ティクヴェニクをチーズ入りバニツァの甘い版にたとえています。同じ記事では、セルビアのブンデヴァラを近いかぼちゃ菓子として取り上げ、ブンデヴァラはフィリングを先に加熱しないことが多く、渦巻きにしない場合もあると比べています。Vegan Physicistが整理した別のレシピには、砂糖をまぶしてかぼちゃの水分を引き出してから絞る方法と、加熱して水分を飛ばす方法の両方が出てきます。どちらも紹介記事の中での比較で、国全体の厳密な定義ではありません。それでも、同じ薄い生地の菓子なのに、家ごとにかぼちゃの扱い方が違うことはよくわかります。

豆知識

Vegan Physicistが複数の例を比べたところでは、くるみやスパイスを省く配合もあり、仕上げも粉砂糖、シロップ、何もかけないものまでさまざまです。形も、ロールをつなげて一つの渦巻きにするものと、一本ずつ個別のロールで焼くものがあります。渦巻きも、まっすぐなロールも、どちらもティクヴェニクの姿です。

Caroline's Cookingの家庭レシピでは、バターを使い、フィリングを加熱して水分を飛ばします。まずはこの作り方で、薄い生地とかぼちゃの食感を楽しんでください。


薄いフィロの層とかぼちゃ・くるみの具が見えるティクヴェニクの断面

ぱりっと焼くための小さなコツ

コツ

フィリングは先に作って、少し冷ましておきます。濡れたまま熱いフィリングをのせると、薄いフィロはすぐに湿ってしまいます。生地を袋から出す前に、皿もバターも具も手元にそろえておくと、フィロが空気にさらされる時間が短くなります。巻くときはきつく締めず、少し余白を残すくらいがちょうどいい加減です。生地がやわらかいうちに渦巻きへ曲げて、乾く前に形を決めるようにしましょう。それでも生地が乾いて割れてきたら、無理に渦巻きにせず、ロールのまま並べて焼くやり方もあります。

コツ

かぼちゃの水分が多いときは、幅の広いフライパンで炒めて蒸気を逃がし、水分を飛ばします。フィリングはぎっしり包まず、長辺に細く置いてください。焼いたあとに底が湿っていても、生地にしみ込んだ水分はもう戻せません。焼く前の水分調整が、ぱりっとした仕上がりの分かれ目です。

バターを焦がさない

バターは弱めの火で溶かし、熱々のままフィロに注がないようにします。塗り残しがあると、その部分だけ焼き色やぱりっとした層の出方が変わってしまいます。かといってびしょびしょにはせず、薄い生地全体に均等に行き渡らせてください。

かぼちゃや甘さを変える家庭版

ここでの標準配合には、粗く刻んだくるみも入ります。省く場合は、ナッツの歯ごたえが変わるアレンジとして楽しんでください。Vegan Physicistのレシピではバターナッツかぼちゃが使われ、油を使ったヴィーガン向けの配合もありますが、これは別のレシピなので、バターの配合と混ぜないようにします。形を変えたいときは、まっすぐなロールのまま焼くと渦巻きより成形が簡単です。そのぶん、焼き上がりの姿は変わります。

甘さを決めるのは、フィリングに加える砂糖です。粉砂糖は仕上げに焼いたあと振るものなので、甘さを大きく変えたいときはフィリングの砂糖で調整します。香りの特徴はシナモン。ほかのスパイスを足してみるのは、まずこの配合で一度焼き、本来の甘さと香りを知ってからにすると、何が変わったのかがつかみやすくなります。

かぼちゃとシナモンをフィロで包んだティクヴェニクのイラスト

失敗した時は焼く前に戻す

フィリングから水が出てきたら、広いフライパンに戻して追加で加熱し、液体が目立たなくなってから冷まします。フィロが乾いてひび割れるときは手早く作業し、使っていない生地を覆っておきます。ひびが小さければ重ねた生地で包み込み、無理に渦巻きにせず、まっすぐなまま焼いてください。渦巻きがほどけてしまうなら、きつく巻こうとするより、皿の外周から沿わせるように置き、端を次のロールへつないでいきます。焼いている途中で表面だけが先に濃くなる場合は、焦げていないか確かめましょう。焼き上がりは、表面の色と層の乾き具合で見極めます。どの場面でも、形より生地を破らないことを優先してください。

焼く前にフィリングの水分を飛ばしたティクヴェニクの準備
水分を飛ばしたフィリングならフィロ生地が湿りにくい

保存

Caroline's Cookingによると、焼いたティクヴェニクは1〜2日もち、翌日には生地がやわらかくなるそうです。これはおいしさについての話で、安全の時間と食感の期限は別に考えます。FoodSafety.govの案内では、焼いたあとは2時間以内に浅い容器へ移して冷蔵し、冷蔵庫は4°C以下に保ちます。長時間室温に置いたままにしないでください。保存後の生地の食感を戻す確かな方法はわかっていません。冷凍した場合にどのくらいもつかも、確かな目安がわかっていません。

食べ残しは早めに冷蔵

FoodSafety.govは、調理済みの食品を2時間以内(外気温が32°Cを超えるときは1時間以内)に冷蔵するよう案内しています。小分けにして浅い容器に入れ、冷蔵庫は4°C以下に。これは残り物を保管するときの一般的な目安で、ティクヴェニクで保存試験をした結果ではありません。

切り分けて保存するティクヴェニク

よくある質問

冷凍パイシートで作れますか?

冷凍パイシートはフィロより厚く、層の重なりも口当たりも違います。家庭のアレンジとして作ることはできますが、このレシピと同じ食感や工程にはなりません。

くるみを抜いても作れますか?

くるみを省くのは食感や香ばしさを変えるアレンジです。アレルギーがある場合の対応を保証するものではありません。生地の原材料や製造ラインの表示も確認してください。くるみを抜いても、小麦や乳などのアレルゲンは残ります。

かぼちゃの代わりにバターナッツかぼちゃを使えますか?

Vegan Physicistは、バターナッツかぼちゃを使ったレシピを掲載しています。使うときも皮と種を除いた重さを基準にし、水分の量に合わせて炒めて、水分を飛ばしてください。

作り置きしても生地はぱりっとしていますか?

Caroline's Cookingによると、翌日には生地がやわらかくなります。保存するなら焼いてから2時間以内に浅い容器に入れ、4°C以下で冷蔵してください。保存後の生地の食感を戻す確かな方法はわかっていません。

切り分けたティクヴェニクと保存分
焼きたての薄い層は、保存後にやわらかくなる

ブルガリアの食卓へ続く一皿

かぼちゃのフィリングを薄い生地で巻いて焼くティクヴェニクは、ブルガリアの菓子として紹介されています。参照した二つの料理記事には、クリスマスや秋冬に食べる例と、一年を通して食べられるという記述があります。日本の台所で焼くなら、フィロを乾かさないこと、フィリングの水分を飛ばしておくこと、そして生地がやわらかいうちに渦巻きにすること。そうして焼き上げた一切れには、薄い生地と、かぼちゃの甘みが重なっています。同じブルガリアの食卓をもう少しのぞいてみたくなったら、スネジャンカのページもどうぞ。

渦巻きのティクヴェニクと取り分けた小皿を並べた家庭の食卓

栄養情報(1人分の目安)

栄養素 含有量
エネルギー 221 kcal
たんぱく質 3 g
脂質 13 g
炭水化物 25 g

数値はCaroline's Cookingに掲載された概算をもとにした、全体をおよそ4等分したときの1人分の目安です。生地やかぼちゃの水分、使う製品のブランド、切り分ける大きさによって変わります。実際に分析・測定した値ではありません。

ティクヴェニク一切れと栄養情報の目安に対応する標準的な盛り付け
小さく切り分けて楽しむかぼちゃのフィロ菓子

主な参考リンク

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