薄く切ったザウアーブラーテンにレーズン入りの茶色いソースをかけ、じゃがいも団子とりんごのピュレを添えた皿
🔪下準備20分
🔥調理3時間10分
🌍料理ドイツ・ラインラント料理

ザウアーブラーテンの作り方|酢に3日漬けて煮る、ケルンの甘酸っぱい牛肉

約14分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 7

マリネ液を煮立てて冷ます

手順1: マリネ液を煮立てて冷ます

鍋に水500ml、赤ワインビネガー250ml、塩小さじ1、くし形の玉ねぎ3個分、輪切りのにんじん、クローブからローズマリーまでのスパイスとハーブをすべて入れ、中火にかけます。沸騰したら火を弱め、5分ほど静かに煮立てて火を止めます。そのまま室温で約1時間置き、手で触れても温かさを感じない程度まで冷まします。熱いまま肉にかけると表面だけ火が通ってしまいます。

STEP 22 / 7

牛肉を冷蔵庫で3日漬ける

手順2: 牛肉を冷蔵庫で3日漬ける

牛肉1kgを酸に強い容器か厚手の保存袋に入れ、冷ましたマリネ液を野菜ごと注ぎます。肉が液にほぼ沈む状態にして、冷蔵庫で72時間漬けます。1日に1〜2回、肉の上下を返してください。漬け終わると、肉の表面は赤みが抜けて灰色がかった茶色になります。中まで色が変わっていなくても問題ありません。

STEP 33 / 7

水気を拭いて表面を焼く(約10分)

手順3: 水気を拭いて表面を焼く(約10分)

肉を取り出し、マリネ液はざるでこして液だけを取っておきます。こした野菜とスパイスは使いません。肉の表面をキッチンペーパーでしっかり拭きます。厚手の鍋にサラダ油大さじ2を強めの中火で熱し、肉の各面を2〜3分ずつ、合計約10分かけて焼きます。濡れたまま入れると油がはねて焼き色も付きにくいので、水気は念入りに拭き取ってください。

STEP 44 / 7

レーズンと玉ねぎを加えて煮る(約15分)

手順4: レーズンと玉ねぎを加えて煮る(約15分)

肉を鍋に入れたまま、レーズン200g、カレンズ50g、みじん切りの玉ねぎ2個分を周りに加えます。中火〜弱めの中火で約15分、ときどき鍋底をこそげながら火を通します。玉ねぎがしんなりして薄く色づき、レーズンがふっくら膨らんだら次へ進みます。鍋底が焦げそうなときは、こしたマリネ液を大さじ2ほど先に足します。

STEP 55 / 7

マリネ液を注いで蒸し煮にする(約2時間30分)

手順5: マリネ液を注いで蒸し煮にする(約2時間30分)

こしておいたマリネ液を鍋に注ぎ、中火で一度沸かします。マリネ液は生の肉に触れているので、ここでしっかり沸騰させてから弱火に落とします。蓋をして、表面が小さくふつふつする程度の火加減で約2時間30分煮ます。30分おきに肉を返し、煮汁が肉の半分の高さより減ったら水を100mlずつ足します。フォークを刺して抵抗なく入り、そのまま持ち上げると肉が落ちるくらいの柔らかさになれば煮上がりです。

STEP 66 / 7

ソースを仕上げる(約10分)

手順6: ソースを仕上げる(約10分)

肉を取り出してアルミ箔で包み、温かいところで休ませます。鍋の煮汁にりんごジャム大さじ1を混ぜ、弱めの中火にかけながら、砕いたジンジャークッキー40gを少しずつ加えて溶かします。全部を一度に入れず、木べらで鍋底をなぞった跡がゆっくり消えるくらいのとろみになったら止めます。塩と黒こしょうで味を調え、火を止めてからサワークリーム大さじ3を混ぜます。サワークリームを入れた後は煮立たせないようにすると、分離せずなめらかに仕上がります。

STEP 77 / 7

肉を切り分けて盛る

手順7: 肉を切り分けて盛る

肉は繊維を断つ向きに、1cm厚さを目安に包丁を入れます。煮えた肉は崩れやすいので、よく研いだ包丁で前後に大きく動かしながら押さずに引いてください。皿に肉を並べ、レーズンごとソースをたっぷりかけます。

生の肉を漬けるマリネ液は、必ず冷蔵庫に入れて漬けます。米国農務省食品安全検査局(USDA FSIS)は、マリネは室温ではなく冷蔵庫で行い、生の肉や鶏肉に触れたマリネ液を使い回すときは先に沸騰させるよう呼びかけています。工程5でマリネ液をしっかり沸かすのはこのためです。

酸味が強すぎると感じたら、りんごジャムを小さじ1ずつ足します。逆に甘すぎるときは、こしたマリネ液を取り分けておき、煮立ててから大さじ1ずつ加えます。ソースは最後に必ず味見をして、甘さと酸味の釣り合いを決めてください。

肉はひと晩冷ますと、ずっと切りやすくなります。前日に工程5まで済ませて肉ごと冷蔵庫で冷やし、当日に薄く切ってからソースで温め直すのもよい方法です。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

ザウアーブラーテンに使う牛肉の塊、赤ワインビネガー、玉ねぎ、にんじん、レーズン、クローブ、ローリエ、ジュニパーベリー

ケルンのブラウハウス由来として紹介されているレシピ(koeln.de掲載、牛肉1kg)をもとに、日本の台所で揃えやすいよう一部を置き換えた家庭向けの配合です。

14品目

牛肉とマリネ液

材料 分量 代替・備考
牛肉(肩またはもものかたまり) 1kg 煮込み向けの赤身。形が整ったひとかたまりがよい
水 500ml
赤ワインビネガー 250ml 手に入らなければ米酢と赤ワインを半量ずつ。酸味の質は変わる
塩 小さじ1
玉ねぎ 3個 くし形に切る
にんじん 1本 1cm厚さの輪切り
クローブ(ホール) 5個
ジュニパーベリー 10粒 輸入食材店や通販で買えるスパイス。なければ省き、香りは控えめになる
黒こしょう(粒) 10粒
マスタードシード 小さじ1/2
ローリエ 2枚
コリアンダーパウダー 小さじ1/4 元のレシピでは「ひとつまみ」
マジョラム(乾燥) 小さじ1/4 元のレシピでは「ひとつまみ」。なければ省く
ローズマリー(乾燥) 小さじ1
8品目

焼き付けとソース

材料 分量 代替・備考
サラダ油 大さじ2 元のレシピは牛脂かひまわり油100g。家庭向けに減らしている
レーズン 200g 甘さを控えたいときは半量でもよい
カレンズ(小粒の干しぶどう) 50g なければレーズンを50g増やす
玉ねぎ(ソース用) 2個 みじん切り
ジンジャークッキーまたはレープクーヘン 40g プリンテン1〜2枚の代用。砕いて使う
りんごジャム 大さじ1 Apfelkraut(りんごシロップ)の代用
サワークリーム 大さじ3 仕上げ用。省くと酸味がやや前に出る
塩・黒こしょう 各少々 仕上げに味を見て調える

マリネ液はお酢の量が多いので、漬け込みはガラス、ホーロー、厚手の保存袋のように酸に強い容器で行います。アルミや鉄の容器は避けてください。ジュニパーベリーはジンの香り付けに使われる針葉樹の実で、松やにを思わせる香りがマリネ液に入ります。プリンテンは日本ではまず見かけないので、シナモンやジンジャーの効いた固めのクッキーを使います。甘いだけのバタークッキーでは、スパイスの香りもとろみも足りません。

コツ

スパイスはクローブ、ジュニパーベリー、粒こしょうのように粒のまま使うものが多く、こした後に液がにごりません。家にあるパウダーで代える場合は量を半分にし、マリネ液をこすときに目の細かいざるを使ってください。

注意

ジンジャークッキーやレープクーヘンには小麦、卵、乳、ナッツが入っている製品があります。サワークリームは乳製品です。アレルギーがある場合は、原材料表示を確かめてから選んでください。


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Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

ケルンの大聖堂から少し歩いた旧市街には、細長いグラスでケルシュ(Kölsch)を出すビアホール、ブラウハウスが並んでいます。木のテーブルに運ばれてくる皿の定番が、濃い茶色のソースをまとった薄切りの牛肉、ザウアーブラーテン(Sauerbraten)です。ドイツ語で「酸っぱい焼き肉」という名前のとおり、肉は焼く前に酢のマリネ液に何日も漬けておくのが決まりです。ケルンの方言ではソーアブローデ(Soorbrode)と呼ばれています。

酢に漬けた肉が、レーズンの甘さで戻ってくる

ケルンのブラウハウスを思わせる木のテーブルに置かれたザウアーブラーテンとケルシュ

ザウアーブラーテンはドイツの各地で作られていて、英語版ウィキペディアは「ドイツの国民食」と見なされることもある料理として紹介しています。生の肉を酢やワインを使ったマリネ液に漬け、こしょう、ジュニパーベリー、クローブなどで香りを移してから蒸し煮にします。使うのは肩や外もものような、そのままでは硬い部位です。長く漬けることで、硬い肉を酸で柔らかくしていくのがこの料理の考え方です。

地方ごとに仕上げは少しずつ違います。なかでもラインラント(ライン川流域)の版は甘さがはっきりしていて、レーズンと、りんごや甜菜を煮詰めたシロップ(Apfelkraut、Rübenkraut)を加えます。ケルンの地域情報サイトkoeln.deも、ラインラント風はりんごまたは甜菜のシロップとレーズンで甘みを付けると書いています。とろみ付けには、アーヘン名物の固いスパイス菓子プリンテン(Printen)を砕いて溶かし込みます。酸味と甘みが同時に来るソースが、ラインラントのザウアーブラーテンの顔です。

豆知識

ドイツには、ソーアブローデ用のプリンテン(Sauerbraten-Printen)や、ソース用のレープクーヘン(Saucenlebkuchen)という名前の材料まであります。お菓子を煮込みに溶かすのは奇抜に聞こえますが、蜂蜜とスパイスの入った固い焼き菓子は、とろみと甘い香りを同時に足せる材料です。

肉の種類にも、この土地らしい話があります。koeln.deは、伝統的なラインラントのザウアーブラーテンは馬肉で作ると紹介し、いまのケルンのブラウハウスでは馬肉を避けるお客が多いため、たいてい牛肉で出していると書いています。英語版ウィキペディアは、馬肉はもともとの材料ではなかったものの、ラインラントの飲食店ではよく使われるという書き方です。どちらにしても、いま家庭や店で作られる主流は牛肉です。このレシピも牛肉で作ります。

起源については、カール大帝が残った焼き肉を使い切るために考えた、ユリウス・カエサルがワインに漬けた牛肉をケルンに送らせた、といった話が語られています。ただし英語版ウィキペディアは、こうした話の多くに裏付けがないとしています。名前の古さより、冷蔵庫のない時代に肉を酢で保ち、硬い肉を食べやすくした台所の工夫として受け取っておくのがよさそうです。


ケルンでは、じゃがいも団子とりんごが隣に来る

ザウアーブラーテンにじゃがいも団子、りんごのピュレ、紫キャベツの煮込みを添えた一皿

koeln.deによると、ラインラントではザウアーブラーテンにじゃがいもの団子(Kartoffelklöße)か、すりおろしたじゃがいもを焼いたライベクーヘン(Reibekuchen)を合わせ、そこにアップフェルムース(りんごのピュレ)を必ず添えるそうです。ゆでたじゃがいもを添えることもあります。レッカー(lecker.de)のレシピは、紫キャベツの煮込み(Rotkohl)も合う付け合わせとして挙げています。

日本の台所なら、マッシュポテトかゆでたじゃがいも、市販のりんごのピュレやりんごのコンポートで十分にそれらしい皿になります。甘酸っぱいソースを、もちっとしたじゃがいもで受け止めながら食べてください。

ソースのとろみは土地ごとに違う

ドイツ全体で見ると、ソースのとろみ付けに使うものは一つではありません。英語版ウィキペディアは、ジンジャーブレッド、レープクーヘン、ジンジャースナップ、小麦粉、サワークリーム、黒砂糖、ルウなどを挙げています。レッカーのレシピは、プリンテンの代わりにプンパーニッケル(ライ麦の黒パン)とレーズンでソースを仕上げています。漬け込みの日数もレシピによって幅があり、レッカーは冷蔵庫で2日、koeln.deのケルンのレシピは少なくとも3日です。

豆知識

レッカーのレシピは赤ワイン1リットルと赤ワインビネガーでマリネ液を作り、オールスパイスも入れています。ケルンのレシピは水と赤ワインビネガーが中心です。同じラインラント風でも、マリネ液の土台からして家ごとに違う料理だと分かります。

よくある質問

冷蔵庫の中でマリネ液に漬けた牛肉の保存袋をバットにのせている

漬け込みを3日より短くできますか?

レシピによって幅があり、冷蔵庫で2日漬ける作り方もあります。短くするほど酸味の入り方と肉の柔らかさは控えめになります。このレシピは、ケルンのレシピにある「少なくとも3日」に合わせています。

牛肉の部位は何がよいですか?

肩やもものように、煮込みに向く赤身のかたまりを選びます。英語版ウィキペディアは、ランプや外ももなど硬めの部位がよく使われると説明しています。脂の多い部位は、長い蒸し煮でソースが重くなりがちです。

ジュニパーベリーがない場合は?

省いても作れますが、針葉樹のような香りがなくなり、クローブとこしょうが前に出た味になります。手に入るなら、少量でも入れると印象がかなり近づきます。

子どもと食べられますか?

アルコールは使わないレシピですが、酢の酸味はかなりはっきりしています。ソースの仕上げでりんごジャムを少し多めにし、サワークリームを足すと酸味が丸くなります。クッキーやサワークリームに含まれるアレルギー物質にも気を付けてください。

主な参考リンク

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