きつね色に揚がったねじり形のアイスランドの揚げ菓子クレイヌルをコーヒーと一緒に並べた様子
🔪下準備30分
🔥調理30分
🌍料理アイスランド料理

クレイヌルの作り方|アイスランドのねじり揚げドーナツ

約11分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 5

卵と砂糖を混ぜる(約3分)

手順1: 卵と砂糖を混ぜる(約3分)

ボウルに卵を割りほぐし、砂糖を加えて泡立て器で混ぜます。砂糖のざらつきがほぼなくなり、全体が白っぽくもったりとするまで、2〜3分しっかり混ぜてください。ここで空気を含ませておくと、仕上がりの中がふんわりします。

STEP 22 / 5

乳製品と粉を合わせて生地にする(約7分)

手順2: 乳製品と粉を合わせて生地にする(約7分)

別の容器でサワークリーム、バターミルク、重曹を混ぜます。薄力粉にクリームオブタータ、塩、ナツメグを合わせておきます。卵のボウルにバニラを加え、乳製品と粉を交互に3回ほどに分けて加え、ゴムべらで混ぜます。粉っぽさがなくなり、手で触ると少しべたつくがまとめられるやわらかさが目安です。べたつきが強すぎるときは、薄力粉を大さじ1ずつ足します。

STEP 33 / 5

6mmの厚さにのばして細長いひし形に分ける(約10分)

手順3: 6mmの厚さにのばして細長いひし形に分ける(約10分)

台に打ち粉をして生地をのせ、めん棒で厚さ6mmにのばします。パイカッターかピザカッターで、幅2.5cmの帯状にカットし、さらに斜めに6cmほどの長さで区切って、細長いひし形にします。厚さがそろっていないと、仕上がりにむらが出ます。

STEP 44 / 5

真ん中に切れ目を入れて、端をくぐらせる(約10分)

手順4: 真ん中に切れ目を入れて、端をくぐらせる(約10分)

ひし形の中央に、長さ2cmほどの切れ目を縦に入れます。片方のとがった端をつまみ、その切れ目に下からくぐらせて引き出すと、真ん中がくるりとねじれた形になります。引っ張りすぎると生地が伸びて薄くなるので、形を整える程度にとどめます。成形したものは、打ち粉をしたバットに重ならないように並べておきます。

STEP 55 / 5

190℃の油で揚げる(1回約3分)

手順5: 190℃の油で揚げる(1回約3分)

鍋に油を深さ4cm以上入れ、温度計で190℃まで温めます。生地を5〜6個ずつ静かに入れ、表面がきつね色になったら裏返し、合わせて約3分、両面がこんがりと色づくまで揚げます。揚げている途中で油の温度が180℃を下回ったら、火を少し強めて戻してください。網やペーパータオルにとって油を落とし、粗熱が取れたら食べごろです。

揚げ油は高温になります。揚げている間はコンロの前を離れず、油の温度が上がりすぎて煙が出てきたら、すぐに火を止めてください。生地を入れるときは油の表面近くからそっと滑り込ませ、油はねによるやけどに注意します。このお菓子には小麦、卵、乳が入っています。

油の温度が低いと、生地が油を吸って重たくなります。逆に高すぎると、中が生のまま外だけ焦げます。最初の1個を試し揚げして割り、中まで火が通っているか確かめてから、残りを揚げると失敗がありません。

0 / 0
Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

クレイヌルに使う小麦粉、卵、砂糖、サワークリーム、バターミルク、ナツメグ、カルダモン

アイスランドの英字誌Reykjavík Grapevineに載ったレシピ(約50個分)を、家庭で揚げやすい3分の1の量にした配合です。カップの分量はグラムとmlに置き換えています。

10品目

生地

材料 分量 代替・備考
卵 1個 室温に戻す
砂糖 100g グラニュー糖
サワークリーム 80ml
バターミルク 80ml 牛乳80mlでもよい。牛乳にレモン汁小さじ1を混ぜて10分置いたものでもよい
重曹 小さじ2/3
クリームオブタータ 小さじ1/3 製菓材料店で手に入る。重曹とクリームオブタータの代わりにベーキングパウダー小さじ2を使うのは家庭向けの代用
塩 小さじ1/3
バニラエッセンス 小さじ1/3 バニラオイルでもよい
ナツメグ(パウダー) 小さじ1/3 カルダモン(パウダー)小さじ1/3に替えてもよい
薄力粉 約200g 生地の様子を見て打ち粉用に50gほど別に用意
1品目

揚げ油

材料 分量 代替・備考
揚げ油 鍋に深さ4cm以上 サラダ油やキャノーラ油。ラードを混ぜるとこくが出る

クリームオブタータは酒石酸水素カリウムという白い粉で、重曹と一緒に使うと生地をふくらませます。製菓材料店やネット通販で手に入りますが、ない場合はベーキングパウダーに替えても作れます。ナツメグとカルダモンはどちらもスーパーのスパイス売り場で見つかります。カルダモンにすると、北欧らしいさわやかな香りになるので、2回目に試してみるのも楽しいはずです。

コツ

バターミルクは日本ではあまり見かけません。牛乳にレモン汁を混ぜて少し置くと、とろみと酸味が出てバターミルクの代わりになります。酸味のある乳製品が重曹と反応して、生地をふんわりふくらませる役目を果たします。


0 / 0
Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

レイキャビクのスーパーのパン売り場には、きつね色の揚げ菓子がぎっしり詰まった袋が積まれています。ひとつひとつは細長いひし形で、真ん中の切れ目に端をくぐらせた、くるりとねじれた形。アイスランドの人はこれをコーヒーのお供に、特別な日でもない平日の午後につまみます。クレイヌル(kleinur、単数形はkleina)です。

北欧にはよく似た揚げ菓子がいくつもあり、ほかの国ではクリスマスのお菓子として作られることが多いのに対し、アイスランドでは一年中食べる普段のおやつになっています。生地は小麦粉と卵、砂糖、それにサワークリームとバターミルク。ナツメグかカルダモンの香りがほんのり漂います。作り方の山場は2つだけで、生地を6mmの厚さにそろえることと、190℃の油で揚げること。この2つを押さえれば、外はかりっと、中はふんわりとした揚げ上がりになります。

北欧じゅうに親戚がいる、ねじれた揚げ菓子

アイスランドの家庭の台所で、ねじった生地を揚げ鍋に入れる様子

この揚げ菓子の仲間は、北欧のあちこちにいます。スウェーデンではクレネート(klenät)、デンマークではクライネ(klejne)、ノルウェーではファッティグマン(fattigmann)。名前は、小さな品物や贈り物を意味する低地ドイツ語のKleinetから来たと考えられています。デンマークでは14世紀にはすでに記録があり、18〜19世紀にはデンマークとアイスランドの料理書に作り方が載るようになりました。

アイスランドで最初にクレイヌルが文字に残るのは、1800年ごろ。マルタ・マリア・ステフェンセンがまとめた料理書に出てきます。アイスランドの食文化を伝えるウェブマガジンIcelandic Foodによると、はじめはクリスマスのごちそうだったものが、19世紀のうちに毎日のおやつへと変わっていきました。今ではパン屋で1個ずつ、スーパーでは10個ほどの袋入りで売られ、粉砂糖などはかけずにそのまま食べるのが普通です。

豆知識

クレイヌルは昔、羊の脂(獣脂)で揚げていました。羊が暮らしの中心だったアイスランドならではの揚げ方です。今は植物油で揚げるのが一般的で、ラードを使う人もいます。

ノルウェーのファッティグマンには、カルダモンとシナモン、ほんの少しのコニャックを入れることがよくあります。アイスランドのクレイヌルも、家庭によって香りづけはさまざまで、ナツメグを使う人もいればカルダモンの香りを好む人もいます。Icelandic Foodの記事は、揚げているあいだに台所に広がるカルダモンの香りを、この菓子の思い出として書いています。どちらのスパイスでも、ほんの少量で十分です。入れすぎるとスパイスの主張が強くなりすぎて、揚げ菓子の素朴さが隠れてしまいます。


形をそろえるための、昔ながらの道具

アイスランドの伝統的な生地用カッターと、ひし形にカットされた生地

アイスランドでは、クレイヌルの生地を切るための専用の道具、クレイヌヤールン(kleinujárn)が使われてきました。生地の上を転がして切る、小さな車輪の形をした道具です。日本ではパイカッターが同じ役目を果たし、なければピザカッターでも十分です。

成形のときに気をつけたいのは、すべてのひし形の大きさと厚さをそろえることです。揚げ時間をそろえられるうえ、袋に詰めても見た目がきれいに並びます。定規を当ててカットすると、慣れないうちでも形がそろいます。ねじり方は、最初の数個はぎこちなくても、10個も作るうちに手が覚えていきます。

コーヒーと一緒に、温かいうちに

ねじり形のクレイヌルとブラックコーヒーを並べたアイスランドの家庭のテーブル
揚げてから少し冷まし、温かさが残るうちにコーヒーと

揚げたてから少し冷まし、まだほんのり温かいうちに食べるのがいちばんおいしいとされています。アイスランドでは、ブラックコーヒーと一緒に何もかけずに食べるのが定番です。外側はかりっと香ばしく、中はしっとりふんわり、サワークリームのかすかな酸味とナツメグの香りが残ります。甘さを足したい人は粉砂糖をふってもかまいませんが、アイスランドの人にはあまり見かけない食べ方です。

乾いた場所で保存するのがクレイヌルの扱い方です。湿気を吸うと外側のかりっとした食感がなくなります。北欧のおやつをもうひとつ作るなら、デンマークのオープンサンドスモーブローも、コーヒーの時間とは違う北欧の食卓の顔を見せてくれます。

よくある質問

網の上で冷ましているクレイヌル

生地がやわらかすぎてのばせません。

打ち粉を多めに使い、薄力粉を大さじ1ずつ加えてください。それでもべたつくときは、ラップで包んで冷蔵庫で30分ほど休ませると扱いやすくなります。粉を足しすぎると揚げ上がりがかたくなるので、少しずつ加えます。

ベーキングパウダーだけで作れますか?

作れます。重曹とクリームオブタータの代わりに、ベーキングパウダー小さじ2を薄力粉に混ぜてください。ふくらみ方や風味は少し変わります。

揚げたあと中が生っぽいです。

油の温度が高すぎて外だけ先に色づいたか、生地が厚すぎた可能性があります。温度計で190℃を保ち、厚さを6mmにそろえてください。中が生のものは、180℃の油でもう一度1分ほど揚げると火が通ります。

羊の脂で揚げてみたいのですが。

日本では羊の脂は手に入りにくいので、ラードを揚げ油に少し混ぜると、昔ながらのこくに近づきます。植物油だけでもおいしく揚がります。

どのくらい日持ちしますか?

揚げたその日がいちばんおいしく食べられます。乾いた場所で保存し、早めに食べきってください。この記事では、確かな根拠を確認できていない保存日数は案内しません。

主な参考リンク

レシピ一覧に戻る