冷たい白い飲み物が、ケバブの皿のそばに置かれる。ドゥーグはよくそんなふうに紹介されます。Encyclopædia Iranicaは、イランのドゥーグをヨーグルトに水(静水または炭酸水)を混ぜたもので、夏の飲み物として、あるいは食事、とくにケバブに添えて冷やして出すと説明しています。甘いラッシーを想像して口にすると、最初の一口で驚くはずです。味の軸は砂糖ではなく塩とハーブにあります。
塩味のヨーグルトドリンクがイランの食卓に並ぶ
ドゥーグは甘くありません。プレーンヨーグルトをのばして塩で味を整え、ミントで香りをつけた、食事の脇に置くための飲み物です。デザート代わりの一杯ではありません。
ペルシャ語ではdūḡ(دوغ)といい、英語では一般にdooghと書かれます。この記事の分類名はayran(アイラン)ですが、これはトルコなどで知られる近縁のヨーグルトドリンクの呼び名です。ここで扱うのはあくまでイランのドゥーグです。トルコ・Akademik Gıda誌のレビュー論文は、ドゥーグとトルコのアイランを近い飲み物として扱いながら、違いがありうることも指摘しています。そのため、この記事は二つの名前をひとつの固定したレシピとしては扱いません。
下のレシピは現代の一例で、Bon Appétitの「Fizzy Mint Doogh」を土台にしています。フレッシュミントと炭酸水を使い、市販のヨーグルトに塩とミントと炭酸水を合わせるだけです。ヨーグルトを発酵から作る工程も、加熱も要りません。同じ国のほかの料理はイラン料理のページでも紹介しています。
途中で見つける、味の決め手
道具
- ブレンダー
- 計量カップ(US)と計量スプーン
- 炭酸水を混ぜ込むためのフォークまたは木べら
- グラス4個
選び方と代用

ヨーグルト。 使うのは全脂のプレーンヨーグルトで、レシピはギリシャヨーグルトを使わないと明記しています。ギリシャヨーグルトは濃いため、同じ量の炭酸水では同じ口当たりになりません。濃いものしか手に入らないときに水を少し足すのは、編集部の調整であって原典の配合ではなく、同じ仕上がりになる保証もありません。市販の飲むヨーグルトも塩分や濃度が違うので、代わりにはなりません。
塩。 レシピは塩の種類で量が変わると注記しています。Diamond Crystalのコーシャーソルトなら小さじ1、Mortonなら小さじ1/2です。精製塩など別の塩を使うときは、同じスプーン量とは考えず、少しずつ加えて味を見てください。塩気を控えたいときも同じです。
水。 Encyclopædia Iranicaは、ドゥーグが静水でも炭酸水でも作られると述べています。このレシピは炭酸水を使って泡立つ仕上がりにしています。静水にすると泡のない版になります(バリエーションの節で触れます)。
うまくいかないときの見分け方
| 気づくこと | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| スムージーのように濃い | ギリシャヨーグルトや非常に濃いヨーグルトを使った | 次回は原典の指定どおり全脂プレーンヨーグルトを使う。水でのばすのは編集部の調整で、原典と同じにはならない場合がある |
| 塩辛い | 塩の銘柄や種類がレシピと違う | 銘柄に合わせた量にする(Diamond Crystalは小さじ1、Mortonは小さじ1/2)。ほかの塩は少量から味を見る |
| 泡がなく平らな味 | 炭酸水をブレンダーで回した、または注ぐ前に置いてしまった | 炭酸水はブレンド後に加えて手で混ぜ、すぐに出す |
| ミントの大きな破片が残る | ブレンドが足りない | 炭酸水を入れる前に、ヨーグルト・塩・ミントを小さな粒になるまで回す |
作り置きについて
今回確認した資料には、この家庭用の配合の冷蔵時間や保存の目安が書かれていません。そのため、作り置きはおすすめしません。泡が抜けないうちに、作りたてを飲んでください。
味と濃さを変えるとき

炭酸水の代わりに静水。 Iranicaは静水と炭酸水の両方を挙げています。静水にすると泡の刺激がなくなり、なめらかで落ち着いた飲み心地になります。上の泡立つ版とは別の仕上がりです。
乾燥ミント。 Iranicaは、現在一般的な簡便法としてヨーグルトを攪拌し、水、塩、乾燥ミントやセロリの葉などのハーブを加える方法を挙げています。Bon Appétitも乾燥ミントが伝統的だと述べています。このレシピの分量はフレッシュミント用なので、乾燥ミントを同じ1/2 cupで置き換えないでください。この記事で使った資料には乾燥ミントの分量がなく、数値は提案しません。
バラの花びらや黒こしょう。 Bon Appétitは、バラの花びらや黒こしょうを使う版もあると述べています。掲載レシピでは乾燥バラの花びら1 tbspが任意で、工程1でヨーグルト、塩、ミントと一緒にブレンドします。上の基本の配合は、ミントの香りをすっきり出すために入れていません。花びらは食用のものだけを使ってください。
アーブドゥーグ・ヒヤール。 Iranicaは、ドゥーグに刻んだきゅうりやパンなどを合わせ、軽い食事として食べるābdūḡ-ḵīārも紹介しています。これはドゥーグの別の食べ方で、この飲み物に足す材料ではありません。
食卓のドゥーグと、その歴史

ドゥーグは、料理と並べて注ぐ飲み物です。Iranicaは、夏に冷やして、あるいは食事、とくにケバブとともに出されると述べ、Akademik Gıdaのレビューは、イランで日常的に飲まれる発酵乳飲料として紹介しています。塩気のある一杯は、焼いた肉やごはんの脇にいて、甘い飲み物では出せない役割を果たします。
昔の作り方は、ブレンダーのレシピとは大きく違いました。Iranicaは伝統的な撹拌で脂肪を分ける方法を記し、Akademik Gıdaのレビューは、乳からヨーグルトを作り、水を加えながら撹拌し、脂肪の層を取り除き、発酵を進めて涼しい場所に置く伝統的な工程を説明しています。これらは伝統や製造の方法の説明で、家庭で真似る手順ではなく、今も一般的だとは述べません。Iranicaは言葉そのものの古い用例にも触れていますが、古い用例があるからといって、今と同じ飲み物を指していたとは言えません。
今は幅が広く、静水か炭酸水か、塩、乾燥ミントやセロリの葉、フレッシュミントやバラの花びらなど、さまざまです。イラン全体に通じるひとつの家庭配合はなく、ここで紹介するBon Appétitのレシピは数ある掲載例の一つです。
ドゥーグとアイラン

Akademik Gıdaのレビューは、ドゥーグをトルコのアイランなどの近縁の製品と比べています。どちらもヨーグルトを基にした飲み物ですが、水でのばす度合い、物性、脂肪分、風味に違いがありうると指摘しています。
名前の混同を避けるため、この記事は範囲を絞っています。レシピはイランのドゥーグであり、アイランは近隣地域の近縁の飲み物として扱い、まったく同じレシピの別名とはしません。
資料にも限界があります。論文はレビューで、二つの飲み物の境界を一つに定義したり、各地・各市販品をすべて説明したりするものではありません。名前も配合も土地ごとに変わるので、きっぱり線を引かないほうが安全です。
よくある質問
ドゥーグは甘いですか?
このレシピでは甘くありません。無糖のヨーグルト、塩、ミントで作り、砂糖は使いません。甘いヨーグルトドリンクに慣れている方は、食事に合わせる塩気とハーブの飲み物だと思ってください。
炭酸水でなく水でもよいですか?
はい。Iranicaは、ドゥーグが静水でも炭酸水でも作られると述べています。静水では泡がないので、上の泡立つ版とは仕上がりが違います。
乾燥ミントでもよいですか?
乾燥ミントはIranicaの現代の一般的な簡便法の説明に出てきて、Bon Appétitも伝統的だと述べています。ただし、このレシピの1/2 cupは詰めたフレッシュミントの量なので、乾燥ミントを同じ量で使わないでください。
アイランとドゥーグは同じですか?
近縁ですが、研究は製品ごとに、水でのばす度合い、食感、脂肪、風味などの違いがあると述べています。名前も配合も地域によって異なるので、同一とは扱わないほうが無難です。
どのくらい保存できますか?
この家庭用の飲み物について、今回の資料は冷蔵の保存時間を示していません。安全に保てるか、品質がどのくらい保たれるかは、この記事では言えません。作りたてを、炭酸が元気なうちに飲んでください。









