ほぐした鶏肉とひよこ豆、アボカドを添えたメキシコシティのチポトレスープ、カルド・トラルペーニョ
🔪下準備15分
🔥調理1時間
🌍料理メキシコ料理・メキシコシティ

カルド・トラルペーニョの作り方|メキシコシティの鶏とチポトレのスープ

約12分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 6

鶏肉を煮る

手順1: 鶏肉を煮る

大きな鍋に鶏むね肉、にんにく1片、白玉ねぎを入れ、水2Lを注いで強火にかけます。沸騰したら中火に落とし、20〜30分煮ましょう。表面に浮いてくる灰色のアクは、こまめにすくいます。鶏肉に竹串を刺して、透明な肉汁が出れば火が通った合図です。

STEP 22 / 6

野菜とひよこ豆を煮る

手順2: 野菜とひよこ豆を煮る

鶏肉を取り出して冷ましておきます。スープに、5mm厚さの輪切りにしたにんじん、1.5cm角のじゃがいも、ひよこ豆を加え、中火で15〜20分煮ましょう。にんじんとじゃがいもに竹串がすっと通り、柔らかくなったら火を弱めます。玉ねぎは取り出しておきます。

STEP 33 / 6

トマトのソースを作る

手順3: トマトのソースを作る

ミキサーに4等分に切ったトマト、残りのにんにく1片、スープ約1カップ(200ml)を入れ、1分ほど回します。皮の粒が見えず、とろりと均一なソースになれば十分です。

STEP 44 / 6

ソースを炒める

手順4: ソースを炒める

小鍋かフライパンにサラダ油大さじ1を中火で熱し、トマトのソースを注ぎます。はねやすいので、ふたを手に持って注ぎましょう。ときどき混ぜながら4〜5分炒め、汁気が少し煮詰まってとろみが出て、ソースの色が明るい赤から一段濃い赤に変わったら火を止めます。こうして炒めると、トマトの青くささが抜け、スープにこくが出ます。

STEP 55 / 6

チポトレとエパソテを加えて煮る

手順5: チポトレとエパソテを加えて煮る

炒めたソースをスープの鍋に加え、チポトレのアドボ漬け2本とエパソテを入れます。弱火で10分ほど煮て、チポトレの燻香とエパソテの香りをスープに移しましょう。スープがほんのり赤く色づき、燻したような香りが立てば十分です。味見をして、塩で調えます。辛さが強く出すぎたら、チポトレを取り出してください。

STEP 66 / 6

鶏肉をほぐして盛り付ける

手順6: 鶏肉をほぐして盛り付ける

スープを煮ている間に、冷ました鶏肉を手で細く裂きます。器ごとに鶏肉を分けて入れ、上から熱いスープと野菜、ひよこ豆をたっぷり注ぎましょう。角切りのアボカドをのせ、辛いのが好きな人の器にはチポトレを1本ずつ添えます。スープはふつふつと沸騰した熱々を注ぐと、アボカドの冷たさとの差がおいしさになります。

トマトのソースを熱い油に注ぐと、勢いよくはねます。ふたを盾のように持ち、少し離れた位置から注いでください。

0 / 0
Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

カルド・トラルペーニョの材料の鶏むね肉、トマト、にんじん、じゃがいも、ひよこ豆、チポトレのアドボ漬け、エパソテ、アボカド

エクセルシオールに載っている伝統的なレシピをもとに、日本で手に入る材料に置き換えた配合です。

8品目

スープ

材料 分量 代替・備考
鶏むね肉 1/2枚(約150g) 骨付きや鶏ももでもよい
水 2L
にんにく 2片 1片はスープ、1片はトマトのソースに使う
白玉ねぎ 1/4個
にんじん 1カップ(約1本) 5mm厚さの輪切り
じゃがいも 1カップ(約1個) 1.5cm角
ひよこ豆(水煮) 1カップ(約150g) 缶詰やパックの水煮。汁気を切る
塩 小さじ1と1/2 味を見て加減する
4品目

トマトのソースと香り

材料 分量 代替・備考
完熟トマト 3個 4等分に切る
サラダ油 大さじ1
チポトレのアドボ漬け 2本 缶詰。辛さが苦手なら1本から
エパソテ 1枝 乾燥なら小さじ1/2。なければ省く
2品目

添えもの

材料 分量 代替・備考
アボカド 1個 1.5cm角
チポトレのアドボ漬け 4本 好みで。辛いのが好きな人の器に1本ずつ
コツ

チポトレ・アドボの缶詰は、一度開けると使いきれないことが多いものです。残ったら実とソースを一緒に清潔な容器へ移して冷蔵し、早めに煮込みやソースに使いきってください。

注意

チポトレは辛い唐辛子です。缶から出すときや刻むときは、手で目や顔に触れないようにしてください。子どもや辛さが苦手な人がいる場合は、スープには1本だけ入れ、残りは食卓で各自が加えるようにします。


0 / 0
Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

湯気の立つ素焼きの器に、ほぐした鶏肉、ひよこ豆、にんじんとじゃがいも。赤みを帯びたスープからは、燻したような香りがふわりと立ちのぼります。その香りのもとは、乾燥させて燻した唐辛子チポトレ。角切りのアボカドを浮かべ、熱々をすすれば、ほのかな辛さと燻香が体の芯まで温めてくれます。メキシコシティの南、トラルパンの名を冠したチポトレ香る鶏のスープ、カルド・トラルペーニョ(caldo tlalpeño)です。チポトレのアドボ漬けの缶詰があれば、日本の台所でもそのまま作れます。

二日酔いの将軍と、トラルパンのスープ

素焼きの器に盛られたカルド・トラルペーニョとアボカドが並ぶ食卓

トラルパンは、メキシコシティの南部、森に近い地区です。メキシコの新聞エクセルシオールは、ラルース社の料理辞典をもとに、このスープの発祥をトラルパンとし、19世紀、サン・アグスティンの市が開かれていた頃にさかのぼる話として紹介しています。メキシコシティの情報誌チランゴは、メキシコシティで生まれた唯一の伝統料理とまで呼んでいます。

よく語られるのが、19世紀のメキシコ大統領アントニオ・ロペス・デ・サンタ・アナの伝説です。お祝いの翌朝、二日酔いのサンタ・アナが温かくて辛いものを求めると、土地の料理人が鶏のスープに畑の野菜、チポトレ、エパソテを合わせた一杯を作りました。名前を尋ねられた料理人は「カルド・トラルペーニョでございます」と答えた、という話です。確かな記録が残っているわけではありませんが、この話はトラルパンの人々が語り継いできた物語として、いまも店や祭りで紹介されています。

豆知識

別の説もあります。エクセルシオールによると、トラルパンの路面電車の終点では、屋台の女性たちが旅人や労働者に寒さしのぎのチポトレ入り鶏スープを売っていて、客たちはそれを「トラルパンのスープ」と呼んだといいます。

素焼きの器と、トラルパンの祭り

トラルパンの祭りで並ぶさまざまなカルド・トラルペーニョ

このスープは、昔から素焼きの器で出されてきました。チランゴによると、トラルパンの市場では今もこのスープを出す食堂があり、器に角切りのアボカドを好きなだけのせて食べるのが定番です。チーズや、酸味のあるサボテンの実ショコノストレを加える店もあるそうです。

トラルパン区は、このスープの祭りも開いています。2026年は6月24日から28日まで、トラルパン中心部のボレロ広場で「カルド・トラルペーニョ祭り」が開かれ、料理人たちがそれぞれのレシピを持ち寄りました。150年近く受け継がれてきたスープは、いまも町の名物として現役です。

豆知識

伝統的なカルド・トラルペーニョでは、乾燥させたチポトレ・メコを水で戻し、丸ごと入れて香りだけを移します。家庭では、アドボ(トマトと酢の甘酸っぱいソース)に漬けた缶詰のチポトレを、実とソースごと使うのが一般的だと、エクセルシオールは紹介しています。

日本で作るときに頼りになるのも、この缶詰のチポトレ・アドボです。輸入食材店や通販で手に入り、少量でも燻香と辛さがしっかり出ます。エパソテは、メキシコでは豆料理やスープに使う独特の香りのハーブで、日本では乾燥品が手に入ります。


辛さと燻香を決めるコツ

チポトレの量を変えたカルド・トラルペーニョの色の違い

カルド・トラルペーニョの辛さは、チポトレを何本入れるか、そして刻むか丸ごと入れるかで大きく変わります。丸ごと入れれば香りが中心で辛さは穏やか、刻んで入れれば辛さがしっかり出ます。最初は丸ごと2本から始め、味を見ながら調整するのが失敗しないこつです。

コツ

アドボのソースも少し加えると、スープの色が深くなり、甘酸っぱさと燻香が増します。小さじ1から足していき、好みのところで止めてください。

エパソテは、入れすぎると薬草のような香りが強くなります。乾燥品を使う場合は、小さじ1/2を守ってください。手に入らなければ省いても、チポトレの香りでカルド・トラルペーニョらしさは十分に出ます。

コツ

鶏肉は、煮終わったらすぐにスープから出しておくと、ぱさつきにくくなります。むね肉の代わりに鶏ももを使うと、脂のうまみが加わり、よりこくのあるスープになります。

チーズや、さやいんげんを足して — アレンジのしかた

チーズとさやいんげん、ズッキーニを加えたカルド・トラルペーニョ

エクセルシオールの記事によると、伝統的なレシピには、さやいんげんやズッキーニに似たメキシコのカボチャ、カラバシータを入れることもあります。日本では、さやいんげんとズッキーニを、にんじんやじゃがいもと一緒に煮ると、具だくさんになります。

食べるときに、角切りのフレッシュチーズを加えるのもトラルパン流です。日本では、カッテージチーズや、小さく切ったモッツァレラが手軽です。熱いスープの中で少し溶けて、チポトレの辛さをやわらげてくれます。

食べ方

アボカドとチポトレを添えたカルド・トラルペーニョの完成写真
アボカドを浮かべ、チポトレを添えて

器が熱いうちに、スープから飲みはじめます。アボカドをスプーンでくずしながら、鶏肉や野菜と一緒に口へ運ぶと、とろりとしたアボカドが燻香の効いたスープとよく合います。ライムを搾ったり、トルティーヤを添えたりしてもおいしく食べられます。

チポトレと鶏肉の組み合わせが気に入ったら、ほぐした鶏肉をチポトレとトマトで煮るティンガ・デ・ポジョも作ってみてください。同じ材料でも、スープと煮込みでまったく違う一皿になります。豆と肉の煮込みスープなら、ホミニーを使うポソレ・ロホもおすすめです。

よくある質問

チポトレのアドボ漬けの缶詰と乾燥エパソテを並べた写真

チポトレがないときはどうすればいいですか?

チポトレの燻香は、ほかの材料では再現しにくいものです。辛さだけなら一味唐辛子で補えますが、カルド・トラルペーニョらしい香りは出ません。缶詰のチポトレ・アドボを用意するのがいちばん確実です。

乾燥ひよこ豆で作れますか?

作れます。乾燥ひよこ豆はひと晩水に浸し、柔らかくなるまで別にゆでてから、水煮と同じように加えてください。

作り置きできますか?

スープと鶏肉は分けて冷蔵し、食べるときにスープを温め直してから器に注ぎます。保存日数のはっきりした目安は示せないので、早めに食べきってください。アボカドは食べる直前に切りましょう。

二日酔いに効きますか?

サンタ・アナの伝説や、二日酔いの朝の一杯として語られることはありますが、効き目を確かめた根拠はありません。温かいスープとして、体調に合わせて楽しんでください。

主な参考リンク

レシピ一覧に戻る