トスターダに赤いチポトレ鶏煮をのせ、アボカド、ライム、香草を添えたメキシコのティンガ・デ・ポヨ
🔪下準備20分
🔥調理45分
🌍ジャンルメキシコ料理

ティンガ・デ・ポヨの作り方|燻香の鶏肉をトスターダに

世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方

STEP 11 / 8

鶏肉をゆでる(18分)

手順1: 鶏肉をゆでる(18分)

鍋に鶏肉、水900ml、玉ねぎ1/2個、にんにく1片、ローリエ2枚、塩小さじ1を入れます。強めの中火で沸かし、アクをすくったら弱火に落として12から15分煮ます。温度計で厚い部分の中心75℃を確認し、1分以上保ちます。12〜15分は目安で、厚みによって延長してください。

STEP 22 / 8

鶏肉を粗くほぐす(7分)

手順2: 鶏肉を粗くほぐす(7分)

鶏肉を取り出して5分休ませ、触れる熱さになったらフォーク2本で5から8mm幅の太い繊維にほぐします。細かく裂きすぎるとソースの中で肉感が消えるため、タコスに入れても噛みごたえが残る太さにします。ゆで汁は150ml取り分けます。

STEP 33 / 8

玉ねぎを透き通るまで炒める(8分)

手順3: 玉ねぎを透き通るまで炒める(8分)

玉ねぎ1/2個を2から3mm幅の薄切りにします。フライパンに油大さじ1と1/2を入れて中火で1分温め、玉ねぎを入れて6分炒めます。端が薄く金色になり、甘い香りが出たらにんにく2片のみじん切りを加えて1分だけ火を通します。

STEP 44 / 8

トマトとチポトレを撹拌する(3分)

手順4: トマトとチポトレを撹拌する(3分)

トマト3個をざく切りにし、チポトレ1個、アドボソース大さじ1、オレガノ小さじ1、クミン小さじ1/2、黒こしょう、鶏のゆで汁150mlと一緒にブレンダーへ入れます。45から60秒回し、皮の大きな粒が残らない赤いソースにします。

STEP 55 / 8

ソースを炒めて香りを起こす(6分)

手順5: ソースを炒めて香りを起こす(6分)

玉ねぎのフライパンへ赤いソースを注ぎます。中火のまま1分沸かし、跳ね始めたら弱めの中火に落として5分混ぜながら煮ます。表面の泡が大きくなり、木べらで引くと一瞬だけ鍋底が見える、ゆるいケチャップくらいの粘度になれば水っぽさが抜けています。

STEP 66 / 8

鶏肉を戻してからめる(8分)

手順6: 鶏肉を戻してからめる(8分)

ほぐした鶏肉を加え、弱めの中火で8分煮ます。ソースがふつふつと小さく泡立ち、鶏肉の白い部分がほぼ赤く染まり、繊維同士が赤いソースでまとまる粘度になったら塩小さじ1/2を加えます。水分が足りない場合は、ゆで汁を大さじ2ずつ足して焦げ付きを防ぎます。

STEP 77 / 8

しっとり煮詰める(8分)

手順7: しっとり煮詰める(8分)

弱火に落とし、ふたをせずに8分煮詰めます。木べらで寄せたときに汁が流れ戻らず、鶏肉につやが出る状態が完成です。乾きすぎると翌日ぱさつくため、フライパンの底に大さじ2程度のソースが残るところで止めます。

STEP 88 / 8

トスターダに盛る(5分)

手順8: トスターダに盛る(5分)

トスターダにリフライドビーンズを30gずつ薄く塗り、ティンガを1枚あたり70gほどのせます。レタス、アボカド、ケソ・フレスコ、クレマ、パクチーを重ね、最後にライムを搾ります。豆を広げてから具を重ね、食べる直前に組み立てます。

鶏むね肉650gを使うときも、中心75℃で1分以上という基準は同じです。その温度に届いたらすぐ取り出し、沸騰させ続けないでください。煮すぎるとぱさつきます。ほぐすときは粗い繊維を残し、肉を細かく切り刻まないこと。ソースの中で乾きそうになったら、ゆで汁を大さじ2ずつ足します。

ソースを入れた瞬間は、油と水分が勢いよく跳ねます。弱めの中火に落とし、長いへらを使いましょう。部分的にふたで覆うと、跳ねを抑えながら水分を逃がせます。目安は、木べらの跡が一瞬見える粘度。鶏を戻したあとは、底に少量のソースが残るつやで止めます。鍋底に焦げた部分ができても、こそげなくて大丈夫です。

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Ingredients

材料

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

肉とトッピングは別々にそろえておくと、仕上がりの段取りが楽になります。トッピングは別に用意しておき、4人分・トスターダ8枚を基本にします。小さめのタコスなら10〜12個が目安です。鶏肉はもも600g、むねなら650gで代えられます。加熱時間だけで安全を判断せず、中心温度で確かめてください。栄養表示は1人分の推計値です。製品や盛り付けで変わり、実測値ではありません。

ティンガ・デ・ポヨに使う鶏肉、トマト、玉ねぎ、チポトレ、トスターダ、香草を並べた材料写真
ティンガは鶏肉、トマト、玉ねぎ、チポトレが芯。トッピングは食卓で軽さを足す役割
13品目

鶏肉とソース

材料 分量 代替・備考
鶏もも肉 600g 鶏むね肉なら650g。皮は外すとソースが重くなりにくい
水 900ml 鶏肉がかぶる量。足りなければ100mlずつ足す
玉ねぎ 1個(約200g) 半分はゆで汁、半分は薄切りで炒める
にんにく 3片 ゆで汁1片、ソース2片
ローリエ 2枚 なければ省略可
塩 小さじ1と1/2 ゆで汁小さじ1、仕上げ小さじ1/2
トマト 3個(約450g) カットトマト缶1缶(400g)でも可
チポトレのアドボ缶 チポトレ1個、ソース大さじ1 辛味が苦手ならチポトレ1/2個
乾燥オレガノ 小さじ1 メキシカンオレガノが理想。地中海オレガノでも可
クミンパウダー 小さじ1/2 入れすぎるとタコスミート風になる
黒こしょう 小さじ1/3 粗びき
サラダ油 大さじ1と1/2 米油、太白ごま油でも可
鶏のゆで汁 150ml ソースの濃度調整用
8品目

盛り付け

材料 分量 代替・備考
トスターダ 8枚 コーントルティーヤなら温めてタコスとして食べる
リフライドビーンズ 240g うずら豆、金時豆、ひよこ豆をつぶしても可
レタス 120g 5mm幅の細切り
アボカド 1個 5mm厚の薄切り
ケソ・フレスコ 60g カッテージチーズ、フェタ少量で代用可
クレマ 大さじ4 サワークリーム、ギリシャヨーグルトで代用可
ライム 2個 レモンで可
パクチー 20g 苦手なら小ねぎ
注意

チーズとクレマには乳が含まれます。トルティーヤやチポトレの加工品には小麦や大豆などが入っていることがあるので、表示を確認してください。乳を避ける場合は、チーズとクレマを省きます。生の鶏肉に触れた包丁とまな板は洗ってから使い、生野菜とは分けましょう。鶏肉は厚い部分の中心を75℃で1分以上加熱します。色や肉汁だけで安全とは言えません。

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栄養情報 1人分の目安
176kcal
エネルギー
9.6g
タンパク質
7.4g
脂質
17.9g
炭水化物
2.0g
食物繊維
285mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。

手に入りにくい材料の買い方

買い出しガイド

トスターダの上に、黒っぽい豆、赤くつやのあるほぐし鶏、細切りのレタス、薄切りのアボカド、白いチーズが重なっていきます。その赤い鶏肉がティンガ・デ・ポヨ(tinga de pollo)です。鶏肉、トマト、玉ねぎ、チポトレを合わせて煮詰めた料理で、この記事のレシピは4人分、約65分。チポトレ1個とアドボソース大さじ1から始めます。辛さは製品によっても、チポトレ1個ごとにも違うので、最初は控えめに。ほぐした鶏肉とチポトレが主役で、盛り付けは食べる直前に。トスターダのぱりっとした音を残すための、ほとんど唯一のコツです。

プエブラ由来のティンガ、土地ごとに変わる肉と具

メキシコ料理辞典Larousse Cocinaは、ティンガをプエブラ由来の料理として紹介しています。いまでは中部の各州に、地域ごと、家庭ごとの版があります。同辞典が挙げる最初の記録は、1881年の料理書『La cocinera poblana』です。ただし、これは記録に残る最初の例であって、1881年に誰かが発明したという意味ではありません。当時の例として挙がるのは、豚の内臓と血を使うtinga caliente、豚肉、じゃがいも、ロンガニーサを合わせるtinga escandalosa。いまの鶏のティンガとは、ずいぶん違う顔つきです。プエブラから中部メキシコへ広がるうちに、土地ごとの材料が混ざっていったのでしょう。

肉や添え方が変わっても、食卓に残る特徴があります。現在のティンガには鶏のほか、豚、牛、いわしの版があり、どれもチポトレが重要な材料として紹介されています。Tlaxcala(トラスカラ)には、ロンガニーサまたはチョリソとじゃがいもを加え、molotesの詰め物にする例があります。Morelos(モレロス)では、hongo cazahuateというきのこを肉の代わりに使う版もあります。日本で手に入るきのこを同じものとして扱うことはできませんが、肉でなくても成り立つ料理だということは伝わります。トスターダやタコス、ケサディーヤの具になり、昼の主菜にもなる。祝いの日だけの特別な皿ではなく、日々の台所に近い煮込みです。

豆知識

同じプエブラには、チポトレを別の食べ方で味わうセミタ・ポブラナがあります。ごま付きのパンに揚げた肉を重ねる一品で、ティンガと読み比べるとプエブラの食卓が立体的に見えてきます。

日本の家庭で作るなら、チポトレのアドボ缶から

買い出しで優先したいのは、チポトレのアドボ缶です。使うのは本体とソースの両方で、一缶まるごと4人分に入れてしまうと強すぎます。買うときは、アドボソース入りかどうかをラベルで確かめてください。乾燥チポトレは別の商品で、そのまま同量に置き換えることはできません。価格や在庫は店によって違うので、ここでは触れません。トマトは生なら約450g、カットトマトなら400g。玉ねぎは普通のものでかまいませんが、玉ねぎは薄切りにして炒めると、ソースの甘みがしっかり出ます。ケチャップだけに置き換えると、甘みも調味も変わってしまいます。

現地の家庭版にも幅があります。料理家Pati Jinichの公開レシピには、トマトにトマティージョを加える版があります。ただし、すべてのティンガに必須という意味ではありません。オレガノについても、Pati Jinichはメキシカンオレガノがなければ地中海オレガノも使えると回答しています。この記事の配合は乾燥オレガノ小さじ1です。チポトレを別の料理に使いたくなったらセミタ・ポブラナへ。ナッツやチレを重ねる深いソースならモレ・ポブラノも参考になります。

コツ

チポトレがない日の家庭向け代替案として、スモークパプリカ小さじ2、通常のパプリカ小さじ1、一味唐辛子小さじ1/4、酢小さじ1を、チポトレ1個とアドボソースの代わりに使う方法があります。同じ味にはなりません。辛さは一味を減らして調整してください。料理本来の香りを初めて知りたいなら、やはりチポトレを選ぶのが近道です。再現率を測ったわけではないので、あくまで近づける工夫と考えてください。


辛さと水分を整える、失敗したときの戻し方

辛すぎたときは、チポトレを足さず、トマトと鶏肉で薄めます。砂糖を入れても辛味成分が取り除かれるわけではないので、砂糖だけで直そうとしないでください。乳製品が使える人は、食卓でクレマを添えると口当たりが和らぎます。子ども向けに取り分ける場合も、辛さの許容度には個人差があります。辛味は後から足すつもりで、辛味材料を加える前に取り分けておくと安心です。水っぽさについても同じで、鶏肉を入れる前に濃度を整えると、あとが楽になります。

困った状態 戻し方 見分け方・注意
辛すぎる トマト缶100gとゆで汁50mlを加えて5分ほど煮る。必要なら加熱済みの鶏肉も加える 少しずつ味を見る。完全に辛さが消える保証はない
水っぽい ふたを外し弱めの中火で5〜8分を目安に追加加熱 焦げないよう混ぜ、汁が流れる状態からしっとりにする
鶏肉が乾いた ゆで汁大さじ3と油小さじ1を加え弱火で2分ほどなじませる 失われた食感が完全に戻るわけではない
トスターダがしんなり 具と台を別に置き、食べる直前に盛る 湿った台を再びぱりっと戻すより新しい台を使う
味がぼやける 塩ひとつまみ、ライム汁小さじ1ずつで味を見る 塩をまとめて足さない

豆ととうもろこしの食卓から、翌日の献立へ

鍋のティンガ・デ・ポヨとトルティーヤ、トスターダ、米、レタス、アボカドを並べた食卓
ティンガはトスターダ、タコス、ごはん、ケサディーヤへ回せる。作り置き向きの鶏煮込み

豆、鶏肉、レタス、アボカド、チーズ、クレマ、ライムと、重ねていく具のなかには水気の多いものが混じります。食べる直前に重ねるのは、トスターダの食感を守るためです。同じ豆と具でも、土台が変わると別の料理になります。パヌーチョスは、豆をトルティーヤの内側に詰めるユカタンの料理です。表面に豆を塗るトスターダとは豆の居場所が違うので、次に読む一皿としておすすめです。ソペは、厚いとうもろこし生地の縁で具を受け止めます。豆ととうもろこしの組み合わせは同じでも、手に持ったときの印象はずいぶん違ってきます。

残ったティンガは、翌日以降のいろいろな食事に回せます。温めたトルティーヤには1枚あたり大さじ2〜3をのせてタコスに。チーズと合わせればケサディーヤに。卵焼きの具にも、パンに挟む温かいサンドにも向きます。ごはんにのせて、レタスとライムを添える丼もよく合います。ただし、これらは家庭向けの使い回し案で、現地の必須の食べ方ではありません。地域のほぐし肉を比べたいなら、コチニータ・ピビルも試してみてください。こちらは豚肉にアチョーテと柑橘を合わせる点が異なります。

保存と温め直し

調理を終えた鍋は、清潔な浅い容器へ浅い容器に小分けして、速やかに冷蔵庫へ。大鍋のまま、中心が冷えるのを室温で長時間待つのは避けましょう。冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は−15℃以下というのが、厚生労働省の家庭向け管理の目安です。ただし、温度だけで保存できる日数が保証されるわけではありません。冷蔵したものは早めに食べ切り、長く置く分は早い段階で一食分ずつ冷凍します。トッピングは別に管理してください。食べるときは中心まで十分に再加熱します。

注意

解凍は冷蔵庫か電子レンジで行い、室温に放置しないでください。温め直しは、混ぜながら中心まで75℃以上を目安に十分に加熱します。フライパンなら水大さじ2を足して弱火で。電子レンジなら途中で混ぜます。600Wで何分、という固定値だけで仕上がりを決めないでください。異臭や異常があれば食べないこと。見た目が普通でも安全の保証にはなりません。調理日を容器に書いておくと、いつのものか分からなくなりません。

あわせて読みたい

  • パヌーチョス:豆をトルティーヤの内側に詰める、ユカタンの一皿。
  • セミタ・ポブラナ:チポトレをごま付きパンと揚げ肉に合わせるプエブラのサンド。
  • ソペ:厚いとうもろこし生地に豆と具を重ねる食べ方。
  • コチニータ・ピビル:アチョーテと柑橘でほぐし豚を仕上げるユカタン料理。

主な参考リンク

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