なめらかにつぶしたオマーンのマドルーバを器に盛り、カルダモンギーと揚げ玉ねぎをのせた一皿
🔪下準備45分
🔥調理2時間45分
🌍料理オマーン料理

マドルーバの作り方|オマーンの鶏肉と米をつぶすスパイス粥

約12分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 8

米を洗って浸水させる(約30分)

手順1: 米を洗って浸水させる(約30分)

ボウルに長粒米を入れ、水を注いで手で回すように洗い、水を捨てます。水が澄むまでこれを繰り返したら、新しい水をかぶるくらいに注ぎ、30分浸水させます。浸水が終わったら、ざるに上げて水気をしっかり除きます。

STEP 22 / 8

ドライライムの果肉を取り出す(約5分)

手順2: ドライライムの果肉を取り出す(約5分)

米を浸水させているあいだに、ドライライムを1個ずつ、重い包丁の柄でたたいて割ります。半分に割り、中の薄い紙のような果肉を指で取り出します。種と外側の硬い皮は除きます。2個で小さじ2ほどの果肉が取れれば十分です。ほかの粉スパイスも小皿に合わせておきます。

STEP 33 / 8

玉ねぎをギーで炒める(10〜15分)

手順3: 玉ねぎをギーで炒める(10〜15分)

厚手の鍋にギー大さじ2を入れて中強火にかけ、みじん切りの赤玉ねぎを炒めます。ときどき混ぜながら10〜15分、ギーが全体になじんでしんなりとやわらかくなり、こんがりと茶色く色づくまで炒めます。鍋底に色がつき始めたら、少し火を弱めて焦がさないようにします。

STEP 44 / 8

にんにく、トマト、スパイス、鶏肉を加える(約3分)

手順4: にんにく、トマト、スパイス、鶏肉を加える(約3分)

火は中強火のまま、にんにくとトマトを加え、トマトが煮崩れてくたっとするまで2分ほど炒めます。ドライライムの果肉、合わせておいた粉スパイス、鶏肉を加え、1分ほど混ぜます。鶏肉の表面の色が変わり、全体がスパイスで黄色く色づけば次へ進みます。

STEP 55 / 8

水と塩を加えて鶏肉を煮る(約20分)

手順5: 水と塩を加えて鶏肉を煮る(約20分)

水960mlと塩小さじ1と1/2を加え、強火にして煮立てます。ぐらぐらと沸いた状態で約20分煮て、鶏肉に火を通します。いちばん大きな鶏肉を1つ取り出して箸でほぐし、中まで白くなっていることを確かめます。

STEP 66 / 8

米を加えて弱火で煮込む(1時間半〜2時間)

手順6: 米を加えて弱火で煮込む(1時間半〜2時間)

水気を除いた米を加え、もう一度煮立てます。煮立ったら弱火にして蓋をし、1時間半〜2時間煮込みます。米が沈んで鍋底に張りつきやすいので、10〜15分おきに鍋底からこそげるように混ぜます。水分が減ってもったりしすぎたら、そのつど熱湯を少しずつ足します。米粒が崩れて形がなくなり、鶏肉が糸のようにほぐれてきたら煮込みは終わりです。

STEP 77 / 8

揚げ玉ねぎを作る(5〜8分)

手順7: 揚げ玉ねぎを作る(5〜8分)

粥を煮込んでいるあいだに、フライパンにサラダ油60mlを入れて中火〜中強火で熱し、薄切りの赤玉ねぎを揚げ焼きにします。ときどき返しながら5〜8分、濃いきつね色になったら、ペーパータオルを敷いた皿に取り出して油をきります。フライパンに入りきらなければ2回に分けます。

STEP 88 / 8

粥をつぶし、カルダモンギーをかける(約7分)

手順8: 粥をつぶし、カルダモンギーをかける(約7分)

煮込み終わった粥を、丈夫な木べらで力強く混ぜてつぶします。鶏肉の繊維と米が一体になり、なめらかなポタージュのような粥になるまで約5分。味を見て、塩が足りなければここで足します。小さなフライパンにギー大さじ2を入れて中弱火で溶かし、カルダモン小さじ1/4を加えて約2分、香りが立ったら火から下ろします。粥を器に盛り、カルダモンギーを回しかけて揚げ玉ねぎをのせます。

とろみのついた粥は、煮立つと表面で泡がはじけて熱い粥が飛ぶことがあります。混ぜるときは火を弱め、柄の長い木べらを使ってください。揚げ玉ねぎの油は少量でも高温になるので、水気のある手や道具を近づけず、使い終わった油は冷めてから片づけます。

鍋底の焦げつきは、粥の色と香りを台なしにします。厚手の鍋を使い、弱火で、こまめに鍋底から混ぜるのがいちばんの対策です。蓋をしたまま長時間放っておかないでください。

つぶす工程は、米が十分に崩れていればすぐにまとまります。粒が残って混ぜても粥にならないときは、熱湯を少し足して、あと15分ほど弱火で煮込んでからつぶしてください。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

長粒米、鶏もも肉、ドライライム、赤玉ねぎ、トマト、にんにく、ギー、粉スパイスを並べたマドルーバの材料

材料は、『The Food of Oman』に収められたキャンベルのレシピ(6〜8人分)を半量にしたものです。カップの分量は米国の1カップ(240ml)で計算しています。原書は塩をコーシャーソルトで量っているため、日本の食塩に置き換える分量は家庭向けの目安です。

9品目

粥

材料 分量 代替・備考
長粒米 240ml バスマティライスなど。洗って30分浸水する
ドライライム 2個 割って中の果肉だけを使う(小さじ2ほど取れる)
赤玉ねぎ 中1と1/2個 みじん切り
ギー 大さじ2 玉ねぎを炒める分
にんにく 2かけ みじん切り
トマト 2個 細長いプラムトマト。ヘタを取ってみじん切り
鶏肉(皮なし・骨なし) 280g もも肉または胸肉。7〜8cm大に切る
塩 小さじ1と1/2 原書の半量はコーシャーソルト大さじ1。仕上げに味を見て足す
水 960ml ほかに、途中で足す熱湯を用意する
10品目

スパイス(粉)

材料 分量 代替・備考
ターメリック 小さじ1/2強 原書の半量は小さじ5/8
クミン 小さじ1/2
コリアンダー 小さじ1/2
しょうが(粉) 小さじ1/4 ジンジャーパウダー
シナモン 小さじ1/8
黒こしょう 小さじ1/8
カルダモン ごく少量 原書の半量は小さじ1/16。ひとつまみ弱
クローブ ごく少量 原書の半量は小さじ1/16
カイエンペッパー ごく少量 原書の半量は小さじ1/16
ナツメグ ひとつまみ弱
4品目

仕上げ

材料 分量 代替・備考
赤玉ねぎ 小1個 半分に切って薄切り
サラダ油 60ml 揚げ焼き用
ギー 大さじ2 カルダモンギー用
カルダモン 小さじ1/4 カルダモンギー用

米は、日本の短粒米より粘りの少ない長粒米を使います。原書の指定は長粒の白米なので、バスマティライスでもタイ米でも、手に入る長粒米でかまいません。ドライライムは中東食材店や輸入食材の通販で手に入ります。中を割ってみて、乾いて空洞になっていたりカビていたりしたら、その実は使わずに別のものを割るようキャンベルは書いています。

コツ

スパイスは量が少ないので、計量スプーンで量りにくいものは「ひとつまみ弱」で十分です。鍋に入れる前に小皿で全部を合わせておくと、玉ねぎを炒めたあとに慌てずに済みます。


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材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

鍋の中で、米粒がゆっくりと形をなくしていきます。ふつふつと泡を立てる黄色い粥から、カルダモンと米のでんぷんの甘い香りが立ちのぼり、台所いっぱいに広がっていく。煮上がったら木べらで力いっぱい混ぜてつぶし、最後に溶かしたギーをたらりと回しかけます。マドルーバ(madrouba)は、鶏肉と米をとろとろになるまで煮込んだ、オマーンのスパイス粥です。

名前の意味は「たたいた米」

大鍋で煮たマドルーバを器に取り分ける家庭の食卓

マドルーバは、日本語にすると「たたいた米」。オマーン料理の本『The Food of Oman』の著者フェリシア・キャンベル(Felicia Campbell)は、この料理を米を「たたいて」作る塩味の粥として紹介しています。米と鶏肉を、米が崩れて鶏肉がほぐれるまで長い時間煮込み、最後に木べらで勢いよく混ぜてつぶす。名前そのものが、仕上げの作業を表しているわけです。

キャンベルは、オマーンでは米が昼の食事に欠かせないものだと書いています。その米を、粒が消えるまで煮崩して粥にしてしまうのがマドルーバです。煮込んでいるあいだ、家じゅうがカルダモンと米の香りに包まれるとキャンベルは書いています。長い煮込みの時間も、この料理の楽しみのうちです。

味の芯になるのは、ドライライム。ライムを丸ごと乾燥させた香味素材で、ほろ苦さと乾いた酸味をもっています。キャンベルのレシピでは、ドライライムを割って中の果肉だけを取り出し、スパイスと一緒に鍋へ入れます。ターメリック、クミン、コリアンダー、しょうが、シナモン、黒こしょう、カルダモン、クローブ、カイエン、ナツメグと、スパイスの種類は多めですが、それぞれの量はごく少しずつ。どれかが突出するのではなく、酸味と香りが粥全体にやわらかく溶け込む配合です。

豆知識

キャンベルは、最後にかけるカルダモン入りのギーを決して省かないように、と念を押しています。粥そのものには塩とスパイスの味がしっかりついているので、香りの強いギーと、甘く香ばしい揚げ玉ねぎをのせることで、ひと皿の味がまとまります。


カルダモンギーと揚げ玉ねぎで仕上げる

器に盛ったマドルーバに、揚げ玉ねぎとカルダモンギーをのせた完成の一皿
カルダモンギーを回しかけ、揚げ玉ねぎをたっぷりのせる

できあがったマドルーバは、熱いうちに深めの器に盛ります。黄色い粥の上に、ギーの金色の筋と、濃い茶色の揚げ玉ねぎ。スプーンですくうと、ドライライムのほろ苦い酸味のあとに、カルダモンの甘い香りが追いかけてきます。揚げ玉ねぎのカリッとした食感が、なめらかな粥のよいアクセントになります。

同じオマーンの料理なら、羊肉をスパイスで包んでじっくり焼く祝祭料理シュワーにも、ドライライムが使われています。粗びき小麦を煮崩すサウジアラビアのジャリーシュと食べ比べると、湾岸の粥料理の違いがよく分かります。

よくある質問

残ったマドルーバを小鍋で熱湯を足しながら温め直す様子

ドライライムが手に入らないときは?

ドライライムの代わりになる材料は、このレシピのもとにした本では挙げられていません。ドライライムがなくても粥は作れますが、湾岸らしい乾いた酸味と苦みはなくなります。なるべくドライライムを用意してください。

日本の米で作れますか?

作れないわけではありませんが、日本の短粒米は粘りが強く、つぶすと粘りが出て重たい口当たりになりやすいと考えられます。粘りの少ない長粒米のほうが、なめらかでさらりとした粥に仕上がります。

鶏肉は骨つきでもいいですか?

このレシピは骨なしの鶏肉を使い、煮込んだあと鍋の中でつぶして粥と一体にします。骨つき肉を使うと、つぶす前に骨を取り除く手間が増えるうえ、細かい骨が残るおそれがあります。骨なしの肉を使うのが安心です。

残ったマドルーバはどう温め直しますか?

冷めると固くなるので、小鍋に移して熱湯を少しずつ足し、弱火で混ぜながら温めます。粥が鍋底に張りつきやすいので、温め直すときもこまめに混ぜてください。残りは粗熱をとってから冷蔵し、早めに食べきります。

主な参考リンク

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