牛乳でとろりと煮た白いご飯を大皿に広げ、溶かしたギーをかけて焼いた鶏肉をのせたサウジアラビアのサリーグ
🔪下準備20分
🔥調理1時間30分
🌍料理サウジアラビア・ヒジャーズ料理

サリーグの作り方|サウジ・ヒジャーズの鶏スープと牛乳で煮るご飯

約11分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 5

鶏をゆでてスープをとる(約40分)

手順1: 鶏をゆでてスープをとる(約40分)

米は洗って、たっぷりの水に浸しておきます。大きな鍋に湯2Lを沸かし、鶏肉、カルダモン、白こしょう小さじ1、好みでマスティハを入れます。浮いてくる脂やアクをすくい取りながら、蓋を少しずらして中火で煮ます。目安は約40分ですが、鶏肉の大きさで変わるので、いちばん厚い部分に竹串を刺し、透明な肉汁が出れば煮上がりです。

STEP 22 / 5

鶏肉をオーブンで焼く(約15〜20分)

手順2: 鶏肉をオーブンで焼く(約15〜20分)

オーブンを200°Cに温めます。鶏肉をスープから取り出し、天板に並べて、レモン汁、塩小さじ1/2、黒こしょうをまぶします。200°Cのオーブンで15〜20分、皮がこんがりきつね色になり、ぱりっとするまで焼きます。スープは捨てずに取っておきます。

STEP 33 / 5

スープをこして米を煮る(約20分)

手順3: スープをこして米を煮る(約20分)

鶏肉を焼いている間に、スープをこしてカルダモンを取り除きます。こしたスープを鍋に戻し、水気をきった米を加えて、中弱火で煮ます。ときどき鍋底から混ぜ、米が鍋底に張りつかないようにします。米粒を指でつぶしてみて、芯が残らずやわらかくつぶれれば煮上がりです。ざるで米をこし、煮汁は取っておきます。

STEP 44 / 5

牛乳を加えて、とろりとまとめる(約5〜10分)

手順4: 牛乳を加えて、とろりとまとめる(約5〜10分)

米を鍋に戻し、牛乳500mlを加えて弱火にかけます。木べらで絶えず混ぜながら、牛乳と米がなじんでとろりとなめらかになるまで煮ます。かたすぎるときは、取っておいた煮汁を少しずつ足してゆるめます。おかゆより少しかため、スプーンですくうとゆっくり落ちるくらいが目安です。最後に塩で味を調えます。

STEP 55 / 5

ギーを溶かしてかけ、鶏肉をのせる(約3分)

手順5: ギーを溶かしてかけ、鶏肉をのせる(約3分)

小さなフライパンでギーを弱火で溶かし、好みでマスティハを加えます。サリーグを大皿に平らに広げ、溶かしたギーを全体に回しかけます。焼いた鶏肉を上にのせるか、横に添えて、熱いうちに食卓へ出します。ギーが表面にうっすらと広がり、つやが出ていれば仕上がりです。

鶏肉は、いちばん厚い部分まで火が通り、透明な肉汁が出るまでゆでてください。また、牛乳を加えたあとのご飯は、焦げつきやすく、はねると熱いので、必ず弱火で混ぜ続けます。この料理には乳(牛乳・ギー)が含まれます。

牛乳を加えてから強火にすると、鍋底が焦げて、白いご飯に茶色い焦げが混ざってしまいます。弱火のまま、木べらで鍋底をなぞるように混ぜ続けるのが、真っ白でなめらかに仕上げるいちばんの方法です。

サリーグは時間がたつと米が水分を吸ってかたくなります。食卓に出すのが遅れそうなら、取っておいた煮汁を少し足して温め直し、とろりとした状態に戻してから盛り付けましょう。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

米、骨付き鶏肉、牛乳、カルダモン、マスティハ、ギー、レモン、白こしょうを並べたサリーグの材料

材料は、Arab Newsが紹介した鶏肉のサリーグのレシピ(4人分)にもとづいています。米1カップは米国式の計量カップ(240ml)です。

8品目

スープと鶏肉

材料 分量 代替・備考
鶏肉(骨付き) 1羽分 4つか8つに切り分けたもの。骨付きもも肉と手羽元でも
湯 2L
カルダモン(ホール) 3粒
白こしょう 小さじ1
マスティハ 小粒2個 任意。スープの香りづけ
レモン 1/2個 焼く前の鶏肉に搾る
塩 小さじ1と1/2 鶏肉に小さじ1/2、残りは仕上げの味つけに
黒こしょう 小さじ1/2
4品目

ご飯

材料 分量 代替・備考
米 1カップ(240ml) 洗って水に浸しておく
牛乳 500ml
ギー 大さじ1 バターでも可
マスティハ 小粒2個 任意。溶かしたギーに加える

マスティハは、輸入食材店や通販で小さな粒で売られています。とても香りが強いので、小粒2個で十分です。使う前に少量の砂糖と一緒に乳鉢ですりつぶすと、粉になりやすく、スープにも溶けやすくなります。なくても作れますが、入れるとヒジャーズの家庭の香りにぐっと近づきます。米は、Wikipediaによると伝統的には長粒米が使われるとされます。手に入りやすい日本の米でも作れますが、粘りが出やすいので、煮すぎに注意してください。

コツ

鶏肉は、皮付きの骨付き肉を使うと、スープに旨みとこくがよく出ます。骨付きもも肉と手羽元の組み合わせなら、丸鶏をさばく手間なく、同じようにおいしいスープがとれます。


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材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

冬の夜、大きな丸い皿が食卓の真ん中に運ばれてきます。皿いっぱいに広がっているのは、真っ白でとろりとしたご飯。その上で溶かしたギーがつやつやと光り、こんがり焼いた鶏肉がのっています。カルダモンのやさしい香りの湯気を吸い込みながら、横に添えた赤いトマトの薬味をのせて、ひと口。サリーグ(saleeg)は、サウジアラビア西部のヒジャーズ地方で親しまれてきた、鶏のスープと牛乳で煮るご飯です。

客の前で恥をかかせない料理

サウジアラビアの家庭で、大皿に盛ったサリーグを家族と客が囲む冬の夜の食卓

サウジアラビアの英字紙Arab Newsは、サリーグをヒジャーズ地方で人気のある料理として紹介し、アラブの人々がこの料理を「顔を白くする料理」と呼ぶと書いています。客の前で恥をかかせない、つまりもてなしの面目を保ってくれる料理だ、という意味です。材料が身近で作り方も簡単なので、思いがけない客が来ても、すぐに食卓に加えられるのだそうです。

同じ記事は、サリーグはおいしくて栄養があり、消化もよく、牛乳が苦手な子どもでも喜んで食べると書いています。とくに好まれるのは冬。熱々を鍋から直接皿に移して食べるのがよいとされます。サウジアラビアの石油会社アラムコの社内誌Arabian Sunには、ヒジャーズ地方のメディナで育った父親の大好物がサリーグで、首都リヤド出身の母親がその味を身につけるために、義母や近所の人に作り方を聞いて回った、という家族の思い出がつづられています。同じ国の中でも、ヒジャーズと中部のナジュドでは料理がはっきり違う、と書き手は記しています。

豆知識

サリーグは、ヒジャーズ地方の中でも、標高の高い山あいの町ターイフでとくに人気があるとされます。伝統的には、ターバシーと呼ばれる大きな皿に盛り、焼いた肉をご飯の上にのせて出すそうです。

リゾットと似ていて、違うところ

白くとろりとしたサリーグをスプーンですくい、牛乳で煮たご飯のなめらかさを見せる

スープで米を煮てとろりと仕上げるサリーグは、イタリアのリゾットやインドネシアのブブル(おかゆ)にたとえられることがあります。けれどもArab Newsは、牛乳を加えるところが違うと書いています。鶏のスープで米をやわらかく煮てから、最後に牛乳を加えて弱火で混ぜ、なめらかにまとめる。仕上げに溶かしたギーやバターを回しかけるので、ミルクのやさしい甘さとバターのこくが合わさった、ほかにない味になります。

スープの香りづけに使うのは、カルダモンと白こしょう、そして好みでマスティハ(マスティック)です。マスティハはギリシャのキオス島などでとれる木の樹脂で、松のような清涼感のある香りがあります。ほんの少し加えるだけで、鶏のスープが中東らしい香りに変わります。


トマトの薬味、ダッグースを添えて

刻んだトマト、パセリ、にんにく、唐辛子にレモンを搾った赤い薬味ダッグース

Arab Newsによると、サリーグには、ダッグース(duggus)という冷たいトマトの薬味や、レモンの漬物、青菜のサラダを添えて食べます。ダッグースは、サウジアラビアの食卓に欠かせない重要な薬味として紹介されています。牛乳で煮たやさしい味のご飯に、ぴりっと辛くて酸っぱいトマトをのせると、ひと口ごとに味が引き締まります。

材料 分量 代替・備考
トマト 2個 細かく刻む
パセリまたはパクチー 4枚 細かく刻む
にんにく 1かけ 細かく刻む
赤唐辛子 1本 細かく刻む。辛さは好みで
レモン 1/4個 果汁を搾る
塩 少々

材料をすべて細かく刻んで混ぜ、レモン汁と塩で味を調えれば完成です。冷蔵庫で冷やしておき、熱いサリーグに添えます。

大皿で、熱いうちに

大皿のサリーグと焼いた鶏肉、ダッグース、レモンの漬物、青菜のサラダを並べた食卓
大皿に盛って、ダッグースやサラダを添えて

サリーグは、鍋から皿に移したらすぐ、熱いうちに食べるのがいちばんです。大皿に広げたご飯の上に焼いた鶏肉をのせ、みんなで取り分けます。ご飯をスプーンですくって、ダッグースを少しのせ、鶏肉と一緒に口へ。冷えた体を内側から温めてくれる、冬にうれしい一皿です。

サウジアラビアの米料理なら、スパイスで鶏肉と米を炊き込むカプサと食べ比べると、同じ鶏と米でも、スパイスで炊くか牛乳で煮るかでまったく違う料理になることがよくわかります。挽き割り小麦を煮込むジャリーシュも、サリーグと同じように穀物をとろりと煮る、サウジアラビアの家庭の味です。

よくある質問

残ったサリーグを鍋に入れ、煮汁を足して弱火で温め直す

マスティハがなくても作れますか?

作れます。Arab Newsのレシピでも、マスティハは任意の材料とされています。カルダモンと白こしょうだけでも、鶏のスープとしてやさしい香りに仕上がります。

牛肉や羊肉でも作れますか?

作れます。Arab Newsは、肉を使うサリーグも紹介しています。鶏肉のかわりに肉をカルダモン、塩、こしょうと一緒に湯でゆでてスープをとり、皮をむいた玉ねぎやにんにくを加える人もいます。スープをこしてから、同じように米を煮てください。

粉ミルクで作る作り方を聞きました。

アラムコの社内誌Arabian Sunに載った家庭のレシピでは、牛乳のかわりに粉ミルクを少量の水で溶いて加えています。手元にある材料に合わせて、どちらで作ってもかまいません。

残ったらどうすればいいですか?

粗熱をとってから保存容器に入れて冷蔵し、早めに食べきってください。冷えるとかたくなるので、温め直すときは鍋に入れて取っておいた煮汁か水を足し、弱火で混ぜながら中まで熱くします。

主な参考リンク

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