深い赤色のソースで煮込んだ骨付きマトンのローガンジョシュと白いご飯
🔪下準備8時間30分
🔥調理2時間
🌍料理インド・カシミール料理

ローガンジョシュの作り方|カシミールの赤いマトンカレー

約13分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 6

マトンをレモン汁と塩に漬ける

手順1: マトンをレモン汁と塩に漬ける

骨付きマトン750gは、大きければ5〜6cm角ほどに切り分けます。ボウルに入れてレモン汁大さじ3と塩小さじ1を加え、塩のざらつきがなくなり、レモン汁が肉の表面にまんべんなく行き渡るまで1分ほどもみ込み、ラップをかけて冷蔵庫で7〜8時間、または一晩置きます。時間をかけて下味をしみ込ませるのが、この料理の最初の仕込みです。翌日は、調理を始める30分前に冷蔵庫から出しておきます。

STEP 22 / 6

ヨーグルトにスパイスを溶く

手順2: ヨーグルトにスパイスを溶く

ボウルにプレーンヨーグルト200gを入れ、泡立て器でなめらかになるまで1分ほど混ぜます。フェンネルシードパウダー大さじ3、ジンジャーパウダー大さじ1と1/2、カシミールチリパウダー大さじ2、ガラムマサラ小さじ1と1/2を加え、ダマがなくなるまでよく混ぜます。全体が均一な濃い赤色になり、すくうととろりと落ちる状態が目安です。

STEP 33 / 6

マトンを焼きつける

手順3: マトンを焼きつける

厚手の鍋にマスタードオイル大さじ3とギー大さじ1を入れて中火で熱します。マトンの汁気を軽く拭き、鍋に重ならないよう数回に分けて入れ、片面4〜5分ずつ、こんがりと焼き色がつくまで焼いて取り出します。一度にたくさん入れると温度が下がり、焼き色がつかずに水分が出てしまいます。

STEP 44 / 6

ホールスパイスとヒングを炒め、ヨーグルトを加える

手順4: ホールスパイスとヒングを炒め、ヨーグルトを加える

同じ鍋の油に、ローリエ、グリーンカルダモン、ブラックカルダモン、クローブ、シナモンスティックを入れ、中火で30秒ほど炒めます。スパイスがふくらんで香りが立ったら、アサフェティダ小さじ1を加えて数秒混ぜます。すぐに火を弱火にし、ヨーグルトのスパイス液を加え、木べらで絶えず混ぜながら約5分炒め煮にします。油が赤く染まり、ふちから分かれて浮いてくれば、スパイスに火が通った合図です。

STEP 55 / 6

マトンを戻して弱火でなじませる

手順5: マトンを戻して弱火でなじませる

焼いておいたマトンを鍋に戻し、塩小さじ1/2を加えて、ソースを肉全体に絡めます。蓋をして弱火で約10分、ときどき混ぜながら加熱します。この間に、ヨーグルトのソースが肉の表面にしっかり絡み、鍋底にソースが少し張りついてくるくらいが目安です。焦げつきそうになったら、熱湯を大さじ2ほど足してこそげます。

STEP 66 / 6

熱湯を加えて1時間半煮込む

手順6: 熱湯を加えて1時間半煮込む

熱湯720mlを注ぎ、全体を混ぜます。沸いたら中火にして、蓋を少しずらしてのせ、約1時間半煮込みます。途中で水分が減って肉が顔を出したら、そのつど熱湯を足します。冷たい水を足すと肉が締まって硬くなるので、足すのは必ず熱湯にしてください。肉が骨から簡単に外れるくらい柔らかくなり、ソースがほどよくとろみのついた半濃厚な状態になれば煮上がりです。最後に味を見て、塩で調えます。

マスタードオイルを熱するときや、熱い油にヨーグルトを入れるときは、油がはねやすくなります。ヨーグルト液は鍋の縁から静かに流し入れ、顔を鍋に近づけないようにしてください。

ヨーグルトは、強火で加えるとぽろぽろと分離しやすくなります。分離してしまっても味に大きな問題はありませんが、なめらかなソースにしたいなら、ヨーグルト液を加える前に必ず弱火へ落としてください。火を弱めたら、木べらを止めずに混ぜ続けてください。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

ローガンジョシュの材料の骨付きマトン、ヨーグルト、フェンネルパウダー、ジンジャーパウダー、ホールスパイス

3品目

肉の下味

材料 分量 代替・備考
骨付きマトン 750g 脂のある部位。骨付きラム肉で代用可
レモン汁 大さじ3 生のレモンを搾る
塩(下味用) 小さじ1 —
5品目

ヨーグルトのスパイス液

材料 分量 代替・備考
プレーンヨーグルト 200g 無糖のもの
フェンネルシードパウダー 大さじ3 粒を煎ってすりつぶしてもよい
ジンジャーパウダー 大さじ1と1/2 乾燥しょうがの粉。生のしょうがでは代用しない
カシミールチリパウダー 大さじ2 パプリカパウダーにチリパウダー少量を混ぜて代用可
ガラムマサラ 小さじ1と1/2 —
10品目

炒め油とホールスパイス

材料 分量 代替・備考
マスタードオイル 大さじ3 食用表示のもの。サラダ油で代用可
ギー 大さじ1 無塩バターを溶かして使ってもよい
ローリエ 1枚 —
グリーンカルダモン 2粒 さやに軽く切れ目を入れる
ブラックカルダモン 1粒 ない場合は省く
クローブ 2〜3粒 —
シナモンスティック 2.5cm —
アサフェティダ(ヒング) 小さじ1 —
熱湯 720ml 煮込み用。足し湯分は別に用意
塩 小さじ1/2〜 味を見て調整
コツ

フェンネルとジンジャーパウダーの量が多いと感じるかもしれませんが、この二つがパンディット式の味の中心です。量を減らすと、ただの赤いヨーグルト煮になってしまいます。粉のスパイスはすべて、先にヨーグルトに溶いておくと焦げる心配がありません。

注意

この料理には乳(ヨーグルト、ギー)が入ります。また、市販のアサフェティダには、固まりを防ぐために小麦粉を混ぜたものがあります。小麦アレルギーのある方は、原材料表示を必ず確かめてください。


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材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

鍋の油が真っ赤に染まっています。けれども、口に入れると舌を刺すような辛さはありません。広がるのはフェンネルの甘い香りと、乾いたしょうがのじんわりした温かさ。ヒマラヤの谷に開けたカシミール地方の肉料理ローガンジョシュ(Rogan josh)は、色の鮮やかさと味の穏やかさの差に驚かされる煮込みです。骨付きのマトンをヨーグルトとスパイスで、肉が骨からほどけるまでゆっくり煮込みます。

赤い色と穏やかな辛さの谷の料理

カシミールの家庭の台所で、赤いソースの鍋をかき混ぜる様子

ローガンジョシュの赤は、カシミール産の唐辛子から来ています。カシミール唐辛子は、色はとても鮮やかなのに辛さが控えめなことで知られています。伝統的には、そこにラタンジョットと呼ばれる植物の根や花を加えて、さらに深い赤に染めることもありました。赤いのに激辛ではないという特徴は、この唐辛子あってのものです。

料理の起源はペルシャにあるとされ、もとはバターで肉を焼いた穏やかなスパイス料理だったという説が知られています。16世紀にムガル帝国がこの料理を北インドへ持ち込み、カシミールの地で土地の料理へと育っていった、という流れです。唐辛子はもともとアメリカ大陸の作物で、インドに入ったのはポルトガル人がゴアに来た1500年代の初めとされます。ローガンジョシュの赤い色は、そうした長い交易の歴史が重なった先にある色だといえます。

豆知識

名前の意味には複数の説があります。ペルシャ語の「ローガン(油、ギー)」と「ジョシュ(煮込み)」で「油で煮込んだもの」とする説のほか、カシミールの言葉で「ローガン」は「赤」を意味するとして、ソースの色から名付けられたとする説もあります。どれが正しいかははっきりしていません。

カシミールでは、ローガンジョシュはヒンドゥー教徒とイスラム教徒とで作り方が違うことでも知られています。カシミールのヒンドゥー教徒のバラモン、カシミール・パンディットの家庭では、伝統的に玉ねぎもにんにくも使いません。代わりに、ヨーグルトの酸味とコク、フェンネル、そしてアサフェティダ(ヒング)の強い香りで味を組み立てます。一方、イスラム教徒の家庭では、プランと呼ばれる土地のエシャロットや玉ねぎ、にんにくを使います。カシミールのイスラム教徒の家で祝いの席に供される何皿もの宴席料理「ワズワン」にも、ローガンジョシュは一皿として数えられます。今回は、玉ねぎもにんにくも使わないパンディット式で作ります。


日本の台所で作るときに知っておきたいこと

日本で買える骨付きラム肉、プレーンヨーグルト、カシミールチリパウダー、スパイス類

本来はマトン(成羊の肉)や山羊肉を使い、ラム肉で作る家庭も多い料理です。日本では、骨付きのラム肉(ラムショルダーやラムチョップ)か、冷凍のマトンが手に入りやすいでしょう。骨付きを選ぶと、煮込むうちに骨から旨みが出て、ソースに深みが出ます。脂のある部位を選ぶのもポイントで、レシピの出典でも脂多めのマトンを使っています。

色と味の要になるのはカシミールチリパウダーです。インド食材店や通販で手に入ります。一般的なチリパウダーや一味唐辛子で代用すると辛さがかなり強くなるので、パプリカパウダーを主体にして、チリパウダーを少量だけ混ぜるとカシミール唐辛子に近い色と辛さになります。

コツ

アサフェティダ(ヒング)は、袋を開けたとたんに強い硫黄のようなにおいがします。驚くかもしれませんが、油で熱すると玉ねぎやにんにくに似た香ばしい香りに変わります。ほかの食品ににおいが移るので、ふたの閉まる瓶に入れ替えて保存してください。

マスタードオイルは、北インドやカシミールでよく使われる辛子の香りがする油です。日本でもインド食材店や通販で手に入りますが、購入するときは食用と表示されたものを選んでください。手に入らない場合はサラダ油で作れます。香りは穏やかになりますが、ギーと合わせれば十分においしく仕上がります。


盛り付けと食べ方

白いご飯の横に骨付きマトンのローガンジョシュを盛りつけた一皿
肉を骨ごと盛り、上から赤いソースをかける

器に肉を骨ごと盛り、上から赤いソースをたっぷりかけます。表面に浮いた赤い油も、ローガンジョシュの見どころです。白いご飯と一緒に食べるのが定番で、ソースをご飯に混ぜながら食べると、フェンネルとしょうがの香りがよくわかります。バスマティライスを炊くと、カシミールの食卓により近くなります。

ナンやチャパティにも合います。どの主食でも、ソースを残さずすくうようにして食べると、ヨーグルトの酸味とスパイスの香りを最後まで楽しめます。インドの肉のカレーをもう一皿作るなら、パールシーの人々が受け継いだ豆と肉の煮込みダンサクとも食べ比べてみてください。同じインド料理でも、使うスパイスと酸味の出し方がまったく違います。

イスラム式との違いとアレンジ

玉ねぎを使うイスラム式とヨーグルト主体のパンディット式のローガンジョシュを並べた様子

玉ねぎやにんにくを使うイスラム式に寄せたいなら、手順4でホールスパイスを炒めたあと、薄切りの玉ねぎやエシャロットを加えてきつね色になるまで炒め、すりおろしたにんにくを加えてからヨーグルト液に進みます。玉ねぎの甘みが加わって、より日本のカレーに近い親しみやすい味になります。

インドの外のレストランでは、トマトを加えたローガンジョシュもよく見かけます。トマトを使うと酸味と赤い色が出しやすくなりますが、カシミールの伝統的な作り方とは別のものと考えたほうがよいでしょう。牛肉で作るローガンジョシュもあり、その場合はブリスケット(牛ばら肉)が向くとされます。牛肉は部位によって柔らかくなるまでの時間が違うので、煮込みの終わりに箸で押して確かめてください。

よくある質問

ローガンジョシュを保存容器に移し、冷蔵庫に入れる前に冷ます様子

辛いのが苦手でも食べられますか?

カシミールチリパウダーは色が鮮やかなわりに辛さが穏やかなので、見た目ほど辛くはありません。それでも気になる場合は、カシミールチリパウダーを大さじ1に減らし、パプリカパウダー大さじ1を足すと、色を保ったまま辛さを抑えられます。

肉を漬ける時間がないときは?

レモン汁と塩に漬ける時間は、最低でも1時間はとりたいところです。漬け時間が短い場合は、手順6の煮込み時間を長めにして、肉が骨から外れるまで柔らかさを確かめてください。

アサフェティダがない場合は?

省いても作れますが、パンディット式では玉ねぎやにんにくの代わりにアサフェティダで香ばしさを出しています。省く場合は味がやや平板になるので、塩とガラムマサラで最後に調整してください。

作り置きはできますか?

煮込み料理なので、翌日のほうが味がなじむと感じる人もいます。粗熱を取ったら早めに冷蔵庫に入れ、温め直すときは鍋で全体がしっかり沸騰するまで加熱してください。表面に固まった脂は、温め直す前に取り除くとすっきりします。

主な参考リンク

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