黒に近い濃い茶色になるまで炒め煮た牛肉のカラ・ブナを器に盛り、パラタと白いご飯を添えた食卓
🔪下準備30分
🔥調理1時間45分
🌍料理バングラデシュ料理

カラ・ブナの作り方|チッタゴンの黒くなるまで炒め煮る牛肉

約14分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 6

牛肉を切って水気を拭く

手順1: 牛肉を切って水気を拭く

牛肉は流水でさっと洗い、ペーパータオルで表面の水気をしっかり拭き取ります。牛すね肉や肩肉のかたまりは、4cm角に切ります。骨付きのぶつ切りを使う場合は、そのままの大きさでかまいません。水気が残っていると、あとで油に入れたときにはねやすく、下味もなじみにくくなります。作業は5分ほどです。

STEP 22 / 6

下味をつけて3〜4時間寝かせる

手順2: 下味をつけて3〜4時間寝かせる

玉ねぎ(みじん切り用)2個のうち1/4ほどをボウルに取り、牛肉、青唐辛子、しょうが、にんにく、クミンパウダー、セロリシードパウダー、塩、マスタードオイル大さじ1と1/2を加えて、手で2分ほど全体にもみ込みます。肉の表面に香味ペーストがまんべんなくからんだら、ホールスパイス(乾燥赤唐辛子以外)を加えてさらに混ぜます。ふたかラップをして、冷蔵庫で3〜4時間寝かせます。残りのみじん切りの玉ねぎは、次の工程まで取っておきます。

STEP 33 / 6

玉ねぎと赤唐辛子をカリッと揚げる

手順3: 玉ねぎと赤唐辛子をカリッと揚げる

肉を寝かせ終えたら、まずローストクミンパウダーを肉に加え、全体になじむまで混ぜます。厚手の鍋にマスタードオイル125mlを入れて中火で2〜3分熱し、残りのみじん切りの玉ねぎ、薄切りの玉ねぎ、乾燥赤唐辛子を入れます。ときどき混ぜながら12〜15分、玉ねぎが濃いきつね色になり、カリッと軽くなるまで揚げ焼きにします。網じゃくしで玉ねぎと唐辛子をすくって取り出し、油は鍋に残します。

STEP 44 / 6

弱火で45分、肉を炒め続ける

手順4: 弱火で45分、肉を炒め続ける

玉ねぎを取り出した鍋を弱火にし、下味をつけた牛肉を漬けだれごと入れます。ふたはせず、5分おきに鍋底からこそげるように混ぜながら、約45分炒めます。はじめは肉から水分が出てぐつぐつと煮えている状態ですが、だんだん水分が減り、油の中で肉が焼ける音に変わり、油が肉全体に絡み、表面に焼き色がつき始めます。焦げつきそうなときは、水を大さじ2ずつ足して鍋底をこそげてください。

STEP 55 / 6

ヨーグルトを加えてさらに15分炒める

手順5: ヨーグルトを加えてさらに15分炒める

ヨーグルト100gを泡立て器でなめらかに溶きほぐし、チリパウダー小さじ1/2と一緒に鍋に加えます。全体をよく混ぜ、弱火のまま約15分炒めます。ヨーグルトの水分が飛ぶにつれて、肉の表面の色がこげ茶から黒っぽく変わり始めます。ヨーグルトが分離して白い粒が残っていても、炒めているうちになじむので心配いりません。

STEP 66 / 6

揚げ玉ねぎを戻し、黒くなるまで30分

手順6: 揚げ玉ねぎを戻し、黒くなるまで30分

取り出しておいた揚げ玉ねぎと赤唐辛子を鍋に戻し、全体に混ぜます。弱火のまま、ときどき混ぜながら約30分炒め煮ます。肉からは十分に水分が出るので、基本的に水は足しません。牛肉が黒っぽい深い色になり、竹串がすっと通るほど柔らかいのに形が崩れていない状態、そしてソースが半ばとろりとして、油が表面ににじみ出てきたら完成です。塩気を見て、足りなければ塩で調えます。

マスタードオイルを熱した鍋に玉ねぎを入れると、水分で油がはねます。玉ねぎは鍋の縁から少しずつ入れ、顔を近づけすぎないでください。揚げ焼きのあいだは鍋から離れず、煙が強く出たら火を弱めます。

弱火で長く炒めるあいだ、いちばん焦げやすいのは鍋底と鍋の角です。木べらで鍋底を広くこそげるように混ぜてください。鍋底についた茶色い焦げは、水を少し足してこそげ取れば、そのまま色と香りになります。黒く苦い焦げになってしまった部分は、こそげ取らずに残します。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

カラ・ブナの材料の牛すね肉、玉ねぎ、青唐辛子、しょうが、にんにく、ヨーグルト、マスタードオイル、ホールスパイス

10品目

牛肉と下味

材料 分量 代替・備考
牛肉(骨付きぶつ切りまたは牛すね肉) 500g 4cm角に切る
玉ねぎ(みじん切り用) 2個 みじん切り。一部を下味に使い、残りは揚げる
青唐辛子 2〜3本 縦に切れ目を入れる
しょうが(すりおろし) 大さじ1 —
にんにく(すりおろし) 大さじ1/2 —
クミンパウダー 小さじ1/2 —
ローストクミンパウダー 小さじ1/2 クミンシードを乾煎りしてひいたもの
セロリシードパウダー 小さじ1/2 なければ省く
マスタードオイル(下味用) 大さじ1と1/2 サラダ油でも可
塩 小さじ1 最後に味を見て調える
8品目

ホールスパイス

材料 分量 代替・備考
ローリエ 2枚 —
シナモンスティック 2.5cm —
グリーンカルダモン 3粒 軽く割る
ブラックカルダモン 1粒 なければ省く
クローブ 3粒 —
八角 1/2個 —
メース(粉末) 小さじ1/8 ナツメグパウダーで代用可
乾燥赤唐辛子 1本 揚げ玉ねぎと一緒に揚げる
4品目

炒め煮用

材料 分量 代替・備考
玉ねぎ(薄切り用) 2と1/2個 薄切り
プレーンヨーグルト 100g 無糖。よく溶きほぐす
チリパウダー 小さじ1/2 辛さが苦手なら減らす
マスタードオイル(炒め用) 125ml サラダ油でも可
注意

この料理には乳(ヨーグルト)が入ります。マスタードオイルはからし菜の種の油で、からしと同じアブラナ科の植物が原料です。ホールスパイスは食べるときに口に入ると硬いので、取り分けるときに避けるか、食べる人に伝えてください。


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材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

大鍋の中で、牛肉の塊がゆっくりと色を変えていきます。最初は赤みの残る茶色、30分たつとこげ茶、さらに1時間たつと、ほとんど黒に近い深い色。マスタードオイルのつんとした香りに、カルダモンとシナモン、揚げた玉ねぎの甘い匂いが重なり、台所じゅうに広がります。木べらで鍋底をこそげると、汁気をほとんど失った肉がつやつやと油をまとって転がります。バングラデシュ南東部の港町チッタゴンが誇る牛肉料理、カラ・ブナ(Kala bhuna)です。

「黒い炒め煮」と呼ばれる、チッタゴンの祝いの肉料理

バングラデシュ・チッタゴンの家庭の台所で、大鍋の牛肉を木べらで炒め煮る様子

ベンガル語では কালা ভুনা と書きます。「カラ(カロ)」は黒、「ブナ」は南アジアの調理法で、スパイスと具材を油でじっくり炒め、香りを引き出しながら汁気を飛ばしていく作り方のことです。たっぷりのスパイスと一緒に長い時間をかけて炒め煮るうちに、肉が黒っぽく色づいていく。その見た目が、そのまま料理の名前になりました。

生まれはバングラデシュ南東部のチッタゴン(現在の公式名はチョットグラム)です。地元の言葉では「ハラ・ブノ」と発音されます。今では首都ダッカやシレット、クルナなど国内のほかの都市でも人気の料理になりました。肉は羊肉を使うこともありますが、牛肉がいちばん好まれています。

豆知識

チッタゴンには「メズバン(メズバニ)」と呼ばれる大規模な祝宴の伝統があり、カラ・ブナはその食卓でも好まれる料理です。ほかにも、イードの祝い、ベンガルのムスリムの結婚式、ラマダン中の夜明け前の食事セヘリや日没後のイフタールなど、人が集まる場面によく登場します。

ふつうのカレーとの違いは、汁気の少なさです。バングラデシュの英字紙デイリー・スターのレシピは、仕上がりを「肉が黒っぽくなり、グレービー(ソース)が半ばとろりとした状態」と書いています。煮込むというより、長い時間をかけて炒め続ける料理です。肉は形を保ちながら柔らかく、表面にはスパイスと揚げ玉ねぎが黒くからみつきます。白いご飯やピラフ、パラタ、ナン、ロティと一緒に、熱々を食べます。


日本の台所で作るときに知っておきたいこと

日本で手に入るマスタードオイル、グリーンカルダモン、ブラックカルダモン、シナモンスティック、クローブ、八角、ローリエ

この料理の香りを決めるのは、マスタードオイルです。からし菜の種から搾った油で、加熱するとつんとした独特の香りが立ちます。日本ではインド・バングラデシュ食材店や通販で、食用のものが手に入ります。ラベルに食用と書かれたものを選んでください。手に入らない場合はサラダ油で作れますが、香りはおだやかになり、別の印象の料理になります。

ホールスパイスは、グリーンカルダモン、ブラックカルダモン、シナモンスティック、クローブ、八角、ローリエを使います。ブラックカルダモンは燻製のような香りがある大粒のカルダモンで、インド食材店で手に入ります。なければ省いても作れます。メースはナツメグの種の外側を覆う赤い皮を乾燥させたスパイスで、手に入らなければ同量のナツメグパウダーで代用できます。

コツ

牛肉は、骨付きのぶつ切りが現地らしいのですが、日本では牛すね肉や牛肩肉のかたまりが扱いやすく、長時間炒めても形が崩れにくいです。脂の少ないもも肉は、長く加熱するとぱさつきやすいので避けてください。

材料表は、デイリー・スターに掲載されたチッタゴン料理特集のレシピ(牛肉1kg)を半量にし、家庭の鍋で作りやすくしたものです。原文にある「celery(粉末)」は、ここではセロリシードパウダーとしています。なければ省いてかまいません。


白いご飯とパラタで食べる

カラ・ブナを器に盛り、白いご飯とパラタ、玉ねぎの薄切りと青唐辛子を添えた食卓
白いご飯やパラタと一緒に、熱いうちに

カラ・ブナは汁気が少ないので、白いご飯にのせると肉の油とスパイスがご飯にしみ込み、最後のひと口までスパイスの香りが続きます。デイリー・スターのレシピは、ご飯かパラタと合わせる食べ方をすすめています。パラタやナンなら、ちぎって肉と黒いソースを包むようにして食べます。

付け合わせには、生の玉ねぎの薄切りと青唐辛子、きゅうりを添えると、濃い味の合間に口がさっぱりします。ベンガル料理をもう一品作るなら、焼きなすを香味野菜で和えるベグン・ボルタや、同じマスタードオイルを使うヒルサのショルシェ・イリッシュがよく合います。肉料理を続けるなら、ラマダンの食卓でおなじみのハリームもバングラデシュらしい一品です。

豆知識

バングラデシュでは、カラ・ブナ用の調合済みスパイスミックスも市販されています。家庭ではこうしたミックスを使って手軽に作ることも多く、ホールスパイスを一つずつそろえる作り方と並んで、家ごとに好みの味があります。

アレンジの楽しみ方

羊肉で作ったカラ・ブナと、牛肉のカラ・ブナを並べた皿

羊肉(マトン)で作ることもできます。骨付きの羊肩肉を同じ大きさに切り、同じ手順で炒め煮ます。羊肉は牛肉より早く柔らかくなることが多いので、最後の30分の工程で竹串を刺して様子を見ながら、時間を短めに調整してください。

辛さを抑えたいときは、青唐辛子とチリパウダーを半分にし、乾燥赤唐辛子は揚げずに省きます。辛さを抑えても黒い色と香りは出るので、子どもと一緒に食べるときにも作れます。逆に辛くしたい場合は、仕上げに刻んだ青唐辛子を散らします。

よくある質問

残ったカラ・ブナを保存容器に移して冷蔵する様子

圧力鍋で時間を短くできますか?

肉を柔らかくするだけなら圧力鍋も使えますが、カラ・ブナの黒い色と香りは、ふたを開けたまま弱火で水分を飛ばしながら炒める時間から生まれます。圧力鍋で肉を柔らかくしてから、ふたを開けて弱火で炒め、色が黒っぽくなりソースがとろりとするまで仕上げてください。

作り置きできますか?

粗熱を取ってから保存容器に入れて冷蔵し、翌日までに食べきってください。温め直すときは、鍋に少量の水を足し、弱火で中まで熱くなるまで混ぜながら温めます。汁気が少ない料理なので、焦げつかないよう注意してください。

マスタードオイルのにおいが強すぎます。

マスタードオイルの一部、たとえば半量をサラダ油に替えると、香りがやわらぎます。最初はそこから試し、慣れてきたら全量をマスタードオイルにすると、現地らしい香りに近づきます。

黒くなりません。

火が弱すぎるか、炒める時間が足りないことが多いです。肉から出た水分が残っているうちは色が濃くなりにくいので、ふたをせずに水分を飛ばし、油の中で肉が焼ける音がするまで炒め続けてください。揚げ玉ねぎをしっかり濃い色まで揚げておくことも、色の深さにつながります。

主な参考リンク

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