シナモンと粉糖で放射状の模様を描いたクスクスのドームと、中から現れたサフラン色の鶏肉
🔪下準備30分
🔥調理2時間30分
🌍料理モロッコ料理

セファ・メドフーナの作り方|モロッコの甘いクスクスに鶏を隠す祝いの一皿

約14分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 8

鶏肉とスパイスを炒め合わせる(約10分)

手順1: 鶏肉とスパイスを炒め合わせる(約10分)

厚手の鍋に、皮を除いた鶏肉、粗みじん切りの玉ねぎ、しょうがパウダー、塩、白こしょう、黒こしょう、シナモンスティック、サフラン、ターメリック、バター、オリーブオイル、パクチーをすべて入れます。中火にかけ、よく混ぜながら約10分、鶏肉の表面全体に黄色い色がつき、玉ねぎがしんなりして、バターと油が全体になじんでつやのある状態になるまで炒め合わせます。

STEP 22 / 8

ふたをして自分の汁で煮る(約1時間)

手順2: ふたをして自分の汁で煮る(約1時間)

鶏肉の場合、水は基本的に加えません。ふたをして中火のまま、ときどき混ぜながら、鶏肉と玉ねぎから出る汁で約1時間煮ます。焦げつきそうになったときだけ、水を少しずつ足してください。鶏肉が骨から簡単に外れるほど柔らかくなり、中心温度が75℃以上で1分以上保たれていれば煮上がりです。羊肉や牛肉の場合は、肉がかぶるくらいの水を加えて煮立て、鶏肉より長く、柔らかくなるまで煮ます。

STEP 33 / 8

ソースを煮詰める(約10分)

手順3: ソースを煮詰める(約10分)

ふたを取り、中火のまま煮汁を煮詰めます。玉ねぎが溶けてとろりとしたソースになり、木べらで鍋底をなぞると一瞬道ができるくらいの濃さが目安です。シナモンスティックを取り出し、塩で味を調えて火を止めます。

STEP 44 / 8

クスクスを1回目に蒸す(約20分)

手順4: クスクスを1回目に蒸す(約20分)

蒸し器の下段に湯を半分ほど入れて強火で沸かし、蒸気が勢いよく上がる状態を保ちます。大きなボウルにクスクスを入れ、油大さじ3を回しかけて両手で1〜2分すり合わせ、水1カップを加えて全体に吸わせます。だまを指でほぐし、油を塗った蒸し器の上段に押さえつけずにふんわりと入れます。クスクスの表面から蒸気が立ち上がってから、ふたをせずに20分蒸します。粒がふっくらとふくらみ始め、指でつまむと少し柔らかくなっているものの、まだ芯が残っているくらいが1回目の目安です。

STEP 55 / 8

水と塩を含ませて2回目に蒸す(約20分)

手順5: 水と塩を含ませて2回目に蒸す(約20分)

蒸したクスクスをボウルに戻し、熱いうちに木べらや手でほぐします。水1カップを加えて吸わせ、塩小さじ2をふり、さらに水1カップを加えて全体になじませます。手のひらでこすり合わせるようにして、粒がばらばらになるまでほぐしたら、再び強火の蒸し器に戻して、蒸気が上がってから20分蒸します。粒が1回目よりひと回りふくらみ、指でつまむと柔らかくつぶれるようになっていれば2回目は終わりです。どうしてもほぐれない小さなかたまりは取り除きます。

STEP 66 / 8

最後に3回目を蒸す(10〜20分)

手順6: 最後に3回目を蒸す(10〜20分)

クスクスを再びボウルに戻してほぐし、水を少しずつ、最大3カップまで加えては混ぜます。粒を数粒食べてみて、柔らかいけれど少し歯ごたえが残る状態になったら、水を足すのをやめます。レーズンを使う場合は、水気をきって加えます。強火の蒸し器に戻して、蒸気が上がってから10〜20分蒸します。粒がしっとりと全体にまとまり、ほぐすとさらりと離れる状態になれば蒸し上がりです。

STEP 77 / 8

バターと粉糖で甘く仕上げる(約5分)

手順7: バターと粉糖で甘く仕上げる(約5分)

蒸し上がったクスクスを熱いうちに大きなボウルに移し、室温に戻したバター大さじ4を加えて、手やへらで全体に溶かし込みます。粉糖1/2カップを加えて混ぜ、味を見て甘さを調えます。バターが粒の一つひとつにまわり、全体がつやを帯びて、さらさらと指の間からこぼれる状態が目安です。

STEP 88 / 8

ドーム形に盛って飾る(約10分)

手順8: ドーム形に盛って飾る(約10分)

大皿に、甘いクスクスの4分の1から3分の1を平らに広げます。中央に温めた鶏肉を置き、ソースをかけます。残りのクスクスで鶏肉をすっぽり覆い、手で高さ15cmほどのドーム形に整えます。表面にシナモンパウダーと粉糖で、頂上から裾へ向かって放射状の縞模様を描き、裾まわりに砕いたアーモンドを散らします。鶏肉もクスクスも温かいうちに盛り、湯気がほんのり立つ状態で食卓へ運びます。

蒸し器から上がる蒸気は非常に熱く、クスクスをボウルに戻すときや、すき間をふさぐラップを外すときにやけどをしやすくなります。厚手のミトンを使い、顔を蒸気から離して作業してください。下段の湯が少なくなったら、熱湯を足して空焚きを防ぎましょう。

クスクスに水を含ませるときは、一度に入れずに少しずつ加えて混ぜます。水が多すぎると粒がべちゃっとして、蒸してもふくらみません。手のひらで軽くこすり合わせると、粒がほぐれて均一に水を吸います。

クスクスは、前日や当日の早い時間に蒸しておくこともできます。食べる前に、蒸し器でもう一度温めるか電子レンジで温めてから、バターと粉糖を混ぜてください。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

クスクス、骨付き鶏肉、玉ねぎ、サフラン、シナモンスティック、アーモンド、粉糖、バターを並べた材料

12品目

サフラン煮の鶏肉

材料 分量 代替・備考
鶏肉 丸鶏1羽分(約1.3kg) 切り分けて皮を除く。骨付きもも肉と手羽元で用意するのは家庭向けの調整。羊肉・牛肉なら角切り約900g
玉ねぎ 大2個 中くらいの粗みじん切り。甘みの強いものがよい
しょうがパウダー 大さじ1
塩 小さじ1と1/2 味を見て調整
白こしょう 小さじ1
黒こしょう 小さじ1/2
シナモンスティック 2本(5〜7cm) 仕上げに取り出す
サフラン 小さじ1 指でもんで細かくする
ターメリック 小さじ1
無塩バター 大さじ4
オリーブオイル 1/4カップ(60ml)
パクチー 1/4カップ 刻む
7品目

蒸すクスクス

材料 分量 代替・備考
クスクス 1kg 細粒・中粒のどちらでも
サラダ油またはオリーブオイル 大さじ3 蒸す前に粒にまぶす
塩 小さじ2 2回目に蒸す前に加える
水 合計約5カップ(約1.2L) 1回目1カップ、2回目2カップ、3回目は最大3カップまで様子を見ながら
無塩バター 大さじ4 室温に戻す。仕上げ用
粉糖 1/2カップ 好みで加減
レーズン 1カップ 任意。20分水に浸す
3品目

飾りと添えるもの

材料 分量 代替・備考
皮なしアーモンド 1カップ 揚げるか焼いて、粗く砕く
粉糖 1カップ 飾り用と、食卓の小皿用
シナモンパウダー 大さじ2

材料表は8人分と多めです。祝いの席の大皿料理なので、人数が少ないときは鶏肉もクスクスも半量で作れます。アーモンドは揚げる代わりに、天板に一層に広げて180℃のオーブンで10分ほど、ときどき混ぜながらきつね色になるまで焼くと手軽です。

コツ

サフランは、使う直前に指先でもみほぐすと香りが立ちます。鍋に入れる前に、ぬるま湯大さじ2ほどに浸しておくと、色がむらなく広がります。


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Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

大皿の上に、こんもりと白い山がそびえています。表面にはシナモンの茶色と粉糖の白が放射状の縞を描き、ふもとには砕いたアーモンドが散らしてある。お菓子のように見えますが、スプーンを入れると、山の中からサフランで黄金色に煮た鶏肉と、とろりとした玉ねぎのソースが現れます。セファ・メドフーナ(Seffa Medfouna)は、甘く仕上げたクスクスの中に肉を「埋めた」、モロッコの祝いの料理です。

白い山の中に、黄金色の鶏が眠っている

モロッコの家庭の祝いの席で、大皿に盛ったセファ・メドフーナを囲む食卓

「セファ」は、蒸したクスクスや細かく折った細麺(シャーリヤ)に、バターと砂糖を合わせて甘く仕上げた料理の名前です。「メドフーナ」は「埋められた」という意味。山の中にサフラン色の肉が隠されていることから、この名前がついています。

甘いクスクスと、塩と生姜とサフランで煮た鶏肉。日本の感覚では不思議な組み合わせですが、モロッコでは甘みと塩気を一皿に合わせる料理は珍しくありません。鳩肉のパイ「パスティーヤ」に粉糖とシナモンをかけるように、セファ・メドフーナも、塩気のある肉と甘い穀物を同じスプーンで味わいます。

カサブランカに長く暮らし、モロッコ料理を英語で伝えている料理家クリスティン・ベンラフキーによると、セファ・メドフーナは、祝いの日や祝祭日の食事で何品も並ぶメイン料理の一つとして出されることが多いそうです。昔ながらの食べ方では、大皿を囲んでそれぞれが自分の前の部分から食べ進めます。脇には粉糖、砕いたアーモンド、シナモンを入れた小皿が添えられ、食べる人が好みで甘さを足していきます。

豆知識

肉を入れないセファもあります。カサブランカでは、メインの料理のあとに肉なしの甘いセファが出されることがあります。メクネスやフェズの「セファ・トゥーバ」は、ナッツを使わない軽い夕食で、オレンジフラワーウォーターをふりかけ、牛乳を飲みながら、あるいは牛乳を注いでおかゆのようにして食べます。

クスクスは「蒸す」もの

日本でクスクスというと、熱湯を注いで数分置くだけで食べられる、手軽な乾物を思い浮かべる人が多いかもしれません。けれどもモロッコの家庭では、クスクスは何度も蒸して育てるものです。クスクス鍋(クスクシエール)と呼ばれる二段の鍋で、下で煮立てた湯の蒸気を上段のクスクスに通し、水を含ませては蒸す作業を3回ほど繰り返します。

ベンラフキーは、蒸すことでクスクスの粒がふくらんで柔らかくなり、べたついたり重くなったりしないと説明しています。手間はかかりますが、湯で戻しただけのクスクスとは口当たりがまるで違い、粒の一つひとつがふわりと軽く、それでいてほどよい弾力が残ります。セファ・メドフーナのようにクスクスそのものが主役になる料理では、この差がはっきりと味に出ます。

セファには、クスクスの代わりに細麺のシャーリヤを蒸して使う作り方もあります。地域や家庭によってどちらを使うかが分かれ、細麺のセファは繊細な食感、クスクスのセファはふっくらとした粒の食感が楽しめます。今回は、日本で手に入りやすいクスクスで作ります。

日本の蒸し器で、クスクス鍋の代わりを

クスクス鍋がなくても、蒸し器やせいろ、大きな金属のざるを深い鍋に重ねれば代用できます。ポイントは二つあります。一つは、上段の底が下の湯に触れないこと。もう一つは、鍋と上段のすき間を、折りたたんだラップやアルミホイルでふさぐことです。すき間から蒸気が逃げると、クスクスに蒸気が通りにくくなります。

せいろを使う場合は、目の細かい蒸し布を敷いて、クスクスの粒が落ちないようにします。蒸し器の穴が大きいときも同じです。一度にたくさん蒸すと蒸気が通りにくいので、家庭の蒸し器が小さければ、2回に分けて蒸してください。

鶏肉は、モロッコでは丸鶏を切り分け、皮を取って使います。日本では骨付きの鶏もも肉や手羽元を合わせて使うと手軽です。羊肉や牛肉で作ることもでき、その場合は角切りの肉を水で煮込みます。サフランは高価ですが、この料理の黄金色と香りの決め手なので省かずに使ってください。


大皿を囲んで、甘さは自分で

セファ・メドフーナの大皿のまわりに、粉糖、アーモンド、シナモンの小皿を並べた食卓
粉糖、アーモンド、シナモンの小皿を添えて

セファ・メドフーナは、作りたての温かいうちに食卓へ運びます。大皿を囲み、ドームの表面から少しずつスプーンで崩していくと、中から鶏肉とソースが現れます。脇に粉糖、砕いたアーモンド、シナモンの小皿を置いておくと、甘さを控えたい人も、甘いのが好きな人も、それぞれ自分の好みで加減できます。

甘いクスクスに塩気のある鶏のソースがしみ込み、サフランの香りとシナモンの香りが重なって、一口ごとに甘みと塩気が行き来します。ミントティーを添えると、食後まで続くモロッコらしい組み合わせになります。

モロッコ料理をもっと楽しむなら、野菜と肉をのせて食べるクスクスと比べてみると、同じクスクスでもまったく違う料理になることがわかります。甘みと塩気を合わせる料理なら、鳩肉や鶏肉のパイパスティーヤもおすすめです。ラマダンの食卓に欠かせないスープハリラとあわせれば、モロッコの祝いの食卓に近づきます。

よくある質問

蒸したクスクスを保存容器に入れて冷蔵したもの

熱湯で戻すタイプのクスクスでも作れますか?

作れますが、口当たりは蒸したものより重くなりがちです。熱湯で戻したクスクスをさらに蒸し器で10分ほど蒸すと、粒がふくらんで軽くなります。時間がないときの手段として使ってください。

鶏肉だけ作ってもいいですか?

かまいません。サフランで煮た鶏肉は、それだけでもごはんやパンに合うおかずになります。クスクスを蒸す時間が取れないときは、鶏肉だけを作って楽しむのも一つの方法です。

甘さを控えたいときはどうしますか?

クスクスに混ぜる粉糖を減らし、食卓の小皿で好みに応じて足すようにしてください。シナモンとアーモンドの香りがあれば、甘さを控えてもセファらしい味わいになります。

作り置きや保存はできますか?

鶏肉とクスクスは別々に保存します。どちらも粗熱を取ってから冷蔵し、早めに食べきってください。食べる前に鶏肉は鍋で中まで温め、クスクスは蒸し直してから盛り付けます。

アレルギーで気をつける材料はありますか?

クスクスは小麦(デュラム小麦のセモリナ)から作られています。飾りのアーモンドはナッツアレルギーの原因になり、バターは乳製品です。アレルギーがある場合は、アーモンドを省き、バターを油に替えて作ってください。

主な参考リンク

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