亀苓膏は、冷めながら固まる黒いゼリー
粉1袋、別々に量る2種類の水、量った砂糖、そして弱火で10分間混ぜ続けること。ほかの工程も、それだけのシンプルな作り方です。
台所での最後の仕事は、熱くて黒い液をこし器を通して器に注ぎ、そのまま置いて冷ますことです。食べるのは、冷めてから。亀苓膏(簡体字で龟苓膏、繁体字で龜苓膏)は中国の黒いハーブゼリーで、この記事では市販の粉から作る家庭での作り方をひとつに絞って紹介します。
分量は、ある1つの商品のものです。Eu Yan Sang Malaysia が、原味の亀苓膏粉(原味)龟苓膏粉を50g入り3袋のパックで販売しており、公式の商品ページに1袋分の作り方が載っています。この記事で使うのは、その作り方だけです。原料から作る梧州の伝統的な技芸ではなく、どのメーカーの粉にも通じる配合でもなく、仙草ゼリー(草ゼリー)のレシピでもありません。世界ごはん紀行では、このレシピを台所で試作していません。公表されている作り方をそのまま示し、何が書かれていないかも、はっきり書いておきます。
中国の料理をもっと知りたい方は、中国のレシピ一覧もご覧ください。
亀苓膏と呼ばれる二つのもの:梧州の技芸と、袋入りの粉
調理に入る前に、3つの層を分けておくと混乱しません。混ざりやすいところだからです。
地域の技芸。 中国の国家級無形文化遺産の記録には、亀苓膏を調製する技芸「龟苓膏配制技艺」が、2021年の第五批・伝統技芸(項目番号1524 / Ⅷ-278)として載っています。申請地区は広西チワン族自治区の梧州で、技芸が受け継がれる中心地域も梧州とされています。記録によると、この技芸は20あまりの工程からなります。同じ記録は『梧州市志』(《梧州市志》)を引き、明末清初の頃、亀苓膏を売る店が市場にあったと記しています。
現代の粉末商品。 袋入りの亀苓膏粉は、その後に生まれた形です。一例として、中国商務部の老舗ブランド(老字号)デジタル博物館に、亀苓膏と亀苓膏粉の製造会社として Guangxi Shuangqian Health Industry Co. が掲載されています。そのページの沿革によると、同社の前身は1980年代に、植物抽出を用いた双钱牌龟苓膏粉を発売しました。これは1社が語る自社の歴史であり、亀苓膏粉全体の歴史ではなく、このレシピで使う商品についての記述でもありません。
1つのブランドの家庭向けの作り方。 以下のレシピは3つ目の層にあたります。Eu Yan Sang Malaysia が、自社の原味の粉1袋について示している手順です。この比率はその商品のものです。ほかのブランドの粉は、そのブランドのパッケージに印刷された作り方で作ってください。
3つを分けて考えるのは、この粉の作り方を「伝統的」とは呼ばないためであり、技芸の20あまりの工程を借りて、短い家庭向けの手順の隙間を埋めることもしないためです。
道具
- 粉を混ぜる小さなボウル
- 小鍋
- 混ぜるためのスプーンなど
- こし器
- 固めて、そのまま食べるための耐熱のボウルか器
選び方と代用
買うのは亀苓膏粉で、仙草ゼリーの粉ではありません。 「龟苓膏粉」「龜苓膏粉」「guilinggao powder」と書かれたパックを探してください。仙草ゼリーの粉、黒凉粉、寒天、ゼラチンは別の商品で、どれもこのレシピの代わりにはなりません。
比率は、手元のパックに合わせます。 上の分量は1つの商品のものです。別のブランドの粉や、袋の大きさが違う粉は、この数字ではなく、そのパッケージに印刷された作り方に従ってください。
糖。 糖は150gを使います。
表示を確認します。 主要成分として、甘草、土茯苓、金银花、蒲公英、干地黄、槐花、苦草、苦参が挙げられています。これは全成分の一覧でもアレルゲンの表示でもありません。買ったパックの表示を最後まで読んでから調理してください。食べる人にアレルギーがある場合は、とくに必要です。
食べ方:冷めたら、そのまま

作り方は、冷めたらできあがりというところで終わります。上に何かをのせることはなく、この記事も、作り方に含まれていないトッピングやシロップ、組み合わせは提案しません。固めた器のまま、スプーンで食べてください。
工程を外さないために
作り方が短いので、順番と数少ない指示を守ることが、そのまま失敗しにくさになります。
| 注意する点 | すること |
|---|---|
| 粉と水 | 鍋に近づける前に、粉50gを冷ました煮沸水250mlへ均一に混ぜておく |
| 2種類の水 | 250mlと1Lは別々に量る。それぞれ決まった工程で使う |
| 鍋での順番 | 水を沸かし、糖を加え、弱火にしてから、粉の液を入れる |
| 10分間 | 弱火のまま、ずっと混ぜ続ける |
| 仕上げ | 熱い液をこして器に入れ、冷ましてから食べる |
固まらなかったときの直し方は、作り方には書かれていません。この記事も作りません。粉やでんぷんを足したり、救済のために再加熱したりもしません。うまくいかなかったら、次に作る前に手元のパックに印刷された作り方を読み直し、粉、比率、順番がそのパッケージと合っているかを確かめてください。
アレンジについて:このレシピが及ばない範囲
アレンジについてよくある疑問の多くは、同じ答えになります。1つの商品の作り方は、それらをカバーしていないので、この記事もレシピにはしません。
- ほかのブランドの粉。 そのメーカーの比率と手順で作ってください。ここの数字は、共通の比率ではありません。
- 糖を減らす、別の甘味料にする。 この商品には代わりの分量が示されていないので、150gのままにします。
- ハチミツやシロップを上からかける。 この作り方には含まれていません。
- 亀苓膏粉の代わりに仙草ゼリーの粉や黒凉粉を使う。 別の植物からできた別の食べ物です。次の節で触れます。
- 温かい状態で食べる、温め直す。 作り方は冷まして食べるところで終わり、温かく出す食べ方はありません。
仙草ゼリーとは別のもの
亀苓膏と仙草ゼリーは、どちらも器の中の黒いゼリーに見えます。だから混同しやすいのですが、同じ食べ物ではありません。
仙草ゼリーは、別の植物から作られます。台湾の国立台湾科学教育館は、仙草(xiancao)の学名を Mesona palustre とし、別名に仙草、凉粉草を挙げ、全草から仙草凍(仙草ゼリー)を作れると説明しています。一方、亀苓膏粉は亀苓膏粉という名前で売られ、ここで使う商品には独自の主要成分が挙げられています。どちらの資料にも、一方をもう一方と同じ比率で置き換えられるとは書かれていません。
つまり、色は目安になりません。亀苓膏粉と書かれたレシピなら亀苓膏粉を使い、仙草ゼリーを作りたければ、その商品向けの仙草ゼリーのレシピに従ってください。
残ったときは:家庭での一般的な食品衛生の目安
この商品の作り方は「冷ましてから食べる」で終わっています。できあがったゼリーの賞味期間、冷蔵の時間、温め直しの方法は示されておらず、この記事でも作りません。粉のパッケージにある保存の情報は、粉そのものについてのもので、調理後のゼリーのことではありません。
冷めてすぐに食べないときは、家庭での食品衛生の一般的な案内に従ってください。日本の厚生労働省は、家庭の食品について次のように案内しています。
- 冷蔵が必要な食品は速やかに冷蔵する。冷蔵庫は10°C以下を目安にする。
- 調理した食品を、室温に長く置かない。
- 残りものは清潔な器具で扱い、浅い容器に小分けして早く冷やす。
これは家庭の食品全般についての一般的な案内で、メーカーが亀苓膏に定めた保存期間ではありません。
よくある質問
ほかのブランドの亀苓膏粉でも、同じ比率で作れますか?
確認できていません。粉50g、冷ました煮沸水250ml、水1L、糖150gは、Eu Yan Sang Malaysia の原味の亀苓膏粉の作り方だけにあるものです。ほかの商品は、そのパッケージに印刷された作り方に従ってください。
仙草ゼリーの粉で代用できますか?
このレシピの代用としては使えません。仙草ゼリー(仙草凍)は、別の植物 Mesona palustre から作られます。また、亀苓膏粉の商品が、仙草ゼリーの粉を代わりになるものとして示しているわけでもありません。別の食べ物です。
糖の種類は何ですか?減らしたり、ハチミツに替えたりしてもよいですか?
この商品の作り方は、糖の種類を示さず、単に糖150gとしています。この商品には代わりの分量や甘味料が示されていないので、この記事も、糖を減らしたりハチミツに替えたりすることを、このレシピの一版としては勧めません。
1袋で何人分できますか?
商品ページには書かれていないので、この記事も人数や器の数を見積もりません。1袋で1回分です。
固まるまでの時間と、日持ちはどのくらいですか?
冷ます時間も、できあがったゼリーの賞味期間も、作り方には書かれていません。冷ましてから食べてください。残す場合は、上の「残ったときは」にある一般的な家庭の食品衛生の案内と、手元のパッケージの表示に従ってください。
ゼリーが固まらなかったら?
作り方には直し方が含まれておらず、この記事でも作りません。次に作る前に、手元のパックの作り方を確認し、粉、比率、手順の順番がそれと合っているかを確かめてください。
梧州に伝わる伝統的な亀苓膏の作り方ですか?
違います。中国の無形文化遺産リストに記録された梧州の技芸は、20あまりの工程からなります。このレシピは、袋入りの粉1つのための短い家庭向けの手順で、その技芸の再現ではありません。
このレシピは台所で試作されていますか?
いいえ。世界ごはん紀行では、このレシピを試作していません。分量と手順は、商品の公表されている作り方をそのまま示したものです。











