反り返った薄切りの豚ばら肉と葉にんにく、青唐辛子を豆板醤で炒めた赤くつやのある四川の回鍋肉
🔪下準備10分
🔥調理35分
🌍料理中国・四川料理

四川の回鍋肉の作り方|ゆでた豚ばら肉を豆板醤と葉にんにくで炒める

約11分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 7

豚ばら肉をかたまりのままゆでる

手順1: 豚ばら肉をかたまりのままゆでる

中くらいの鍋に水1.9Lを入れて強火で沸かし、豚ばら肉をかたまりのまま、しょうが2枚と一緒に入れます。再び沸騰したら弱火に落とし、表面が軽く揺れる程度の火で約30分ゆでます。箸を刺すとすっと入り、肉の色が中まで白っぽく変わっていればゆで上がりです。浮いてきたアクは途中ですくい取ります。

STEP 22 / 7

流水で冷まし、野菜を切る

手順2: 流水で冷まし、野菜を切る

ゆで上がった豚肉を取り出し、流水を1分ほど当てて表面を冷まします。冷ますと肉が締まり、薄く切りやすくなります。その間に、葉にんにくは斜めに5cm長さ、青唐辛子は種を除いて4cm長さ、にんにくは薄切りにします。豚肉はここではまだ切りません。先に切っておくと、肉の表面が乾いてしまいます。

STEP 33 / 7

豚肉を3mm厚さに切る

手順3: 豚肉を3mm厚さに切る

炒める直前に、豚肉を約3mm厚さの薄切りにします。脂身と赤身が1枚に両方入るように、繊維を断つ向きに包丁を入れます。厚すぎるとあとで強火で焼いたときに反り返らず、薄すぎると炒めるうちに崩れてしまうので、厚さをできるだけそろえます。切り終えるまでの目安は2〜3分です。

STEP 44 / 7

豚肉を強火で焼きつける

手順4: 豚肉を強火で焼きつける

中華鍋を強火にかけ、うっすら煙が出始めるまで熱します。サラダ油大さじ1を入れ、薄切りの豚肉を広げて約90秒焼きつけます。脂が透き通ってにじみ出し、肉のふちが反り返って薄く焼き色がついてきたら、火を中弱火に落とし、豚肉をいったん取り出します。肉のふちが反って灯明皿の形になるのが、この工程の目安です。

STEP 55 / 7

豆板醤とにんにくを炒める

手順5: 豆板醤とにんにくを炒める

鍋に残りのサラダ油大さじ1を足し、中弱火のまま豆板醤大さじ1と1/2を入れて約30秒炒めます。油が鮮やかな赤色に染まり、豆板醤の香りが立ってきたら、にんにくの薄切りを加えてさらに30秒炒めます。豆板醤が鍋底で黒く焦げ始めたら、すぐに火から鍋を外して温度を下げてください。

STEP 66 / 7

豚肉と野菜を戻して強火で炒める

手順6: 豚肉と野菜を戻して強火で炒める

火を強火に戻し、取り出しておいた豚肉、青唐辛子、葉にんにくを一度に入れて、約1分手早く炒め合わせます。豚肉に赤い油がまんべんなく絡み、葉にんにくの緑が鮮やかになり、肉のふちにこんがりと焼き色が残っていれば次へ進みます。野菜に火を通しすぎると、シャキッとした食感がなくなります。

STEP 77 / 7

調味料を加えて仕上げる

手順7: 調味料を加えて仕上げる

紹興酒大さじ1、しょうゆ小さじ1、砂糖小さじ1/4を加え、全体を30秒ほど混ぜて味をなじませます。葉にんにくがしんなりし、青唐辛子に火が通りつつもまだ少し歯ごたえが残っている状態で火を止め、すぐに器に盛ります。豚肉の表面に照りが出て、赤い油が皿の底にうっすら広がるのが仕上がりの目安です。

豚肉をゆでた汁には、豚の旨みとしょうがの香りが残っています。塩で味を調えて青菜や卵を入れれば、簡単なスープとして食卓に出せます。

強火で中華鍋を熱すると、油が飛んだり煙が出たりしやすくなります。換気扇を回し、豚肉は水気を拭いてから鍋に入れてください。濡れたままだと油が激しくはねます。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

回鍋肉の材料の豚ばら肉のかたまり、葉にんにく、青唐辛子、豆板醤、にんにく、しょうが

3品目

豚肉の下ゆで

材料 分量 代替・備考
豚ばら肉(かたまり) 450g 必ずかたまりで買う。皮付きがあればなおよい
しょうが 2枚 薄切り
水 1.9L 肉がかぶる量
8品目

炒め

材料 分量 代替・備考
サラダ油 大さじ2 大さじ1ずつ2回に分けて使う
豆板醤 大さじ1と1/2 四川の郫県豆板醤がおすすめ
にんにく 2片 薄切り
青唐辛子(長いもの) 2本 種を除いて4cm長さに。万願寺唐辛子やピーマンでも可
葉にんにく 1束 斜めに5cm長さ。なければ長ねぎ1本
紹興酒 大さじ1 日本酒でも可
しょうゆ 小さじ1 —
砂糖 小さじ1/4 —
注意

豆板醤とにんにくを炒める段階は、油の温度が高いと一瞬で焦げます。焦げると苦みが出て料理全体の味が落ちるので、手順5では必ず火を中弱火に落としてください。


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材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

鍋から引き上げたばかりの豚ばら肉のかたまりは、白くふっくらしています。冷ましてから薄く切り、熱した中華鍋に放り込むと、脂がはじける音とともに肉のふちがくるりと反り返ります。そこへ豆板醤を加えると、油が見る間に赤く染まり、発酵した豆と唐辛子の香りが台所いっぱいに広がります。四川でもっとも有名で、もっとも深く愛されている料理といわれる回鍋肉(ホイグオロウ)です。

「鍋に戻す肉」が四川の郷愁になるまで

四川の家庭の台所で、中華鍋の回鍋肉を炒める様子

回鍋肉(回锅肉)という名前は、文字どおり「鍋に戻した肉」という意味です。豚肉をまずゆで、いったん鍋から出して切り、もう一度鍋に戻して炒める。その二度の加熱が、そのまま料理の名前になりました。英語では「Twice-cooked pork(二度調理した豚肉)」と訳されます。

四川料理の研究で知られる英国の料理研究家フクシア・ダンロップは、著書『Land of Plenty』の中で、回鍋肉を四川料理の中でもっとも有名で愛されている料理と紹介しています。海外で暮らす四川の人々にとっては故郷を思い出させる懐かしい味で、年配の人の子ども時代の思い出と結びついていることが多いといいます。成都の店主から聞いた話として、豚が放し飼いで育てられていた昔は、誰かが回鍋肉を作るとその香りで近所じゅうがすぐにわかった、というエピソードも書かれています。

豆知識

仕上がった回鍋肉の、ふちが反って丸くなった肉の形を、成都の古い言葉で「灯盏窝形(デンジャンウォーシン)」と呼ぶそうです。革命前の中国で、油を入れて明かりにした小さな灯明皿に形が似ていることからついた呼び名です。

同じ本によれば、回鍋肉はかつて四川の秘密結社の集まりで決まって食べられていた料理で、四川西部の一部では今も「袍哥肉(パオグーロウ)」、つまり「秘密結社の肉」というあだ名で呼ばれているそうです。四川の料理人は伝統的に、脂身と赤身が半々で皮のついた豚のもも肉を使います。日本では手に入りにくいので、今回は皮なしでも作りやすい豚ばら肉のかたまりで作ります。


日本の回鍋肉との違い

日本式のキャベツの回鍋肉と、葉にんにくを使った四川の回鍋肉を並べた様子

日本で回鍋肉といえば、キャベツと豚肉を甘辛いみそだれで炒めた料理を思い浮かべる人が多いでしょう。キャベツやピーマン、玉ねぎなどで作る回鍋肉もありますが、四川の料理人が伝統的に使う野菜は、蒜苗(スアンミャオ)と呼ばれる葉にんにくです。ダンロップは、若い細めのリーキも十分な代わりになり、緑の葉が多い普通のリーキや、中国の長ねぎも使えるとしています。

日本で手に入りやすいのは、葉にんにくか長ねぎです。葉にんにくは、産直市場や一部のスーパーで見かけることがあります。見つからなければ、長ねぎの青い部分を多めに使うと、四川の回鍋肉らしい青い香りが出ます。どちらも斜めに5cmほどの長さに切ってそろえます。

コツ

豆板醤は、回鍋肉の味をほぼ決める調味料です。香りと辛さは商品によってかなり違うので、最初は材料表の分量で作り、物足りなければ次から少しずつ増やしてください。四川の郫県(ピーシェン)で作られる豆板醤は、中華食材店や通販で手に入ります。


盛り付けと食べ方

白いご飯と一緒に盛り付けた四川の回鍋肉
白いご飯を添え、赤い油ごと盛り付ける

回鍋肉は、炊きたての白いご飯と一緒に食べるのがいちばんです。ダンロップも、白いご飯と一緒に食べればすばらしい食事になると書いています。脂の甘みと豆板醤の辛みがご飯によく合い、一皿でご飯が何杯も進みます。皿に残った赤い油もご飯に絡めて食べると、最後まで余さず楽しめます。

四川の家庭料理をもう一皿そろえるなら、同じ豆板醤を使う麻婆豆腐がよく合います。辛い肉料理が二品になると重くなるので、もう一品は青菜炒めや卵のスープのようなあっさりした料理にすると、食卓の釣り合いがよくなります。

アレンジの楽しみ方

甜麺醤と豆豉を加えた回鍋肉と、キャベツの回鍋肉を並べた様子

豆板醤に甜麺醤(甘みそ)や豆豉(発酵黒豆)を加える作り方もあります。甜麺醤を小さじ1足すと甘みとこくが増し、刻んだ豆豉を小さじ1加えると、発酵の香りがいっそう深くなります。どちらも豆板醤と一緒に手順5で炒めてください。

ダンロップは、四川の平たい焼きパン「鍋盔(グオクイ)」を加えた「鍋盔回鍋肉」というアレンジにも触れています。日本で作るなら、ピタパンを揚げて使うと近い食感になります。日本式に近づけたい場合は、葉にんにくの代わりにざく切りのキャベツ1/4個分を使い、キャベツは手順6で先に30秒炒めてから豚肉を戻すと、水っぽくなりません。

よくある質問

残った回鍋肉を保存容器に移す様子

豚肉は薄切り肉を使ってもよいですか?

市販の薄切り肉でも作れますが、ゆでてから切るかたまり肉とは食感が大きく変わり、肉のふちが反り返る灯明皿の形にもなりにくくなります。回鍋肉らしさを味わうなら、かたまりの豚ばら肉をゆでるところから作るのがおすすめです。

葉にんにくがない場合は?

長ねぎで代用できます。青い部分を多めに使い、斜めに5cm長さに切ってください。にんにくの香りを補いたい場合は、にんにくの薄切りを1片分増やします。

辛さを抑えるには?

豆板醤を大さじ1に減らし、青唐辛子をピーマンに替えると、辛さがかなり穏やかになります。そのぶん甜麺醤を小さじ1足すと、味の物足りなさを補えます。

作り置きはできますか?

炒めた後に時間がたつと、野菜がしんなりして食感が落ちます。豚肉をゆでてかたまりのまま冷蔵しておけば、食べる直前に切って炒めるだけで作れます。ゆでた豚肉は粗熱を取ってから冷蔵庫に入れ、早めに使いきってください。

主な参考リンク

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