濃い赤褐色のスープに太めの麺、角切りの牛すね肉、チンゲン菜と青ねぎをのせた台湾の紅焼牛肉麺
🔪下準備20分
🔥調理2時間30分
🌍料理台湾料理

台湾牛肉麺の作り方|豆板醤と八角で煮込む紅焼スープ

約13分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 7

牛肉を下ゆでする

手順1: 牛肉を下ゆでする

大きな鍋に4cm角に切った牛すね肉、しょうが3枚、水2.4Lを入れ、強火にかけます。沸騰したらそのまま5分ぐらぐらとゆで、表面に灰色のアクがたっぷり浮いてきたらざるに上げます。牛肉を流水でよく洗い、表面に付いたアクを落とします。この下ゆでで澄んだスープになるので、面倒でも省かないでください。鍋も一度洗っておきます。

STEP 22 / 7

スパイスをから煎りする

手順2: スパイスをから煎りする

厚手の鍋を中火にかけ、油をひかずに八角、ローリエ、コリアンダーシード、シナモンスティックを入れて、鍋をゆすりながら1〜2分煎ります。香りが立ち、八角の色が少し濃くなったら取り出します。焦げると苦みが出るので、煙が上がる前に火から下ろしてください。八角とコリアンダーシードはだし袋に入れて口を縛り、ローリエとシナモンは別に取っておきます。

STEP 33 / 7

香味野菜とトマトを炒める

手順3: 香味野菜とトマトを炒める

同じ鍋を中火よりやや強めにし、サラダ油大さじ2を入れます。トマト、玉ねぎ、にんにく、しょうが、細ねぎの白い部分、赤唐辛子を加え、塩をひとつまみふって約3分炒めます。トマトの角が丸くなり、玉ねぎのふちが少し透き通ってきたら次へ進みます。ここでは焼き色をつける必要はありません。

STEP 44 / 7

豆板醤と牛肉を加える

手順4: 豆板醤と牛肉を加える

中火のまま、豆板醤大さじ1、トマトペースト大さじ1、氷砂糖大さじ1を加え、鍋底に押しつけるようにして全体に混ぜます。油が赤く色づき、豆板醤の香ばしい香りが立ったら、下ゆでした牛肉を入れて2分ほど炒め合わせます。牛肉の表面に調味料がまんべんなく絡めば十分です。豆板醤は焦げやすいので、鍋底が黒くなりかけたら火を少し弱めます。

STEP 55 / 7

2時間煮込む

手順5: 2時間煮込む

スパイスのだし袋、ローリエ、シナモンスティック、紹興酒120ml、しょうゆ60ml、ダークソイソース大さじ3を加え、水を具材より2.5cmほど上まで注ぎます(目安は1.2〜1.4L)。強火で沸騰させ、浮いてきたアクをすくってから弱火に落とします。蓋をして、表面がときどき揺れる程度の静かな火で約2時間煮込みます。強く沸かし続けると肉が硬く締まり、スープも濁ります。箸で牛肉を押して、すっと割れるくらい柔らかくなれば煮上がりです。

STEP 66 / 7

スープの味を調える

手順6: スープの味を調える

煮上がったら火を弱火にし、5分ほどかけて仕上げの味を調えます。まずだし袋、シナモンスティック、ローリエを取り出します。表面に浮いた脂が多ければ、お玉で軽くすくいます。スープを少量とって味見し、塩気が足りなければ塩を、色や甘みが物足りなければダークソイソースを小さじ1ずつ加えます。麺にかけると味が薄まるので、スープだけで飲むと少し濃いと感じるくらいがちょうどよい塩加減です。

STEP 77 / 7

麺とチンゲン菜をゆでて盛る

手順7: 麺とチンゲン菜をゆでて盛る

別の鍋にたっぷりの湯を沸かし、中華麺とチンゲン菜を一緒に入れて約4分、または麺の袋の表示どおりにゆでます。麺がほぐれ、チンゲン菜の茎が鮮やかな緑になったらざるに上げて湯をよく落とします。丼に麺とチンゲン菜を分け入れ、牛肉と熱いスープをたっぷり注ぎます。取り分けておいた青ねぎを散らし、好みでラー油と5mm角ほどに細かく刻んだ高菜漬けを添えます。

下ゆでや煮込みでは大量の熱湯を扱います。鍋は両手で持ち、ざるに上げるときはシンクの中で、湯気が顔にかからない向きで流してください。豆板醤を炒めるときは油がはねやすいので、近くに手を置かないようにします。

煮込みの途中でスープが減って牛肉が顔を出したら、熱湯を足して具材がかぶるくらいに戻します。冷たい水を足すと煮立ちが止まり、温度が戻るまでの時間がかかります。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

牛すね肉、豆板醤、八角、シナモン、トマト、ねぎ、しょうゆと中華麺

3品目

牛肉の下ゆで

材料 分量 代替・備考
牛すね肉 1.3kg 4cm角に切る。肩ロースやばら肉でも作れる
しょうが(下ゆで用) 3枚 薄切り
水(下ゆで用) 2.4L 牛肉がしっかりかぶる量
4品目

香りのスパイス

材料 分量 代替・備考
八角 2個 だし袋に入れる
コリアンダーシード 小さじ1 だし袋に入れる
ローリエ 2枚 そのまま鍋へ
シナモンスティック 1本 カシアが本来の形。セイロンシナモンでも可
15品目

煮込みの材料

材料 分量 代替・備考
トマト 大2個 8等分のくし形に切る
玉ねぎ 1個 2.5cm角に切る
にんにく 6片 包丁の腹でつぶす
しょうが 3枚 薄切り
細ねぎ(青ねぎ) 6本 白い部分は5cm長さに、青い部分は小口切りにして取り分ける
赤唐辛子(乾燥) 2本 辛さはお好みで増減
豆板醤 大さじ1 日本のスーパーで買える一般的なもので作れる
トマトペースト 大さじ1 —
氷砂糖 大さじ1 黒砂糖やきび砂糖でも可
紹興酒 120ml 台湾の料理用米酒にすると色の淡いスープになる
しょうゆ 60ml 濃口しょうゆ
ダークソイソース(老抽) 大さじ3 色とコク付け用。最後に味を見て足す
水 1.2〜1.4L 具材より2.5cmほど上まで
サラダ油 大さじ2 —
塩 少々 最後に味を見て調整
5品目

仕上げ

材料 分量 代替・備考
中華麺(小麦麺) 4玉 太めの生麺が合う。乾麺なら4人分
チンゲン菜 450g 根元を切りそろえる
細ねぎの青い部分 取り分けた分 小口切り
ラー油 少々 任意
高菜漬け 大さじ4 刻む。台湾の酸菜の代わりに。任意
コツ

ダークソイソースは中国のしょうゆの一種で、色が濃く、とろりとした甘みがあります。スープの深い赤褐色はこの一本で決まるので、中華食材店や通販で手に入れておくと仕上がりが変わります。手に入らない場合は濃口しょうゆを少し増やして作れますが、スープの色は明るめになります。

コツ

牛すね肉は、筋が多いほど長く煮たときにとろりとした食感になります。かたまりで売られているものを買って自分で4cm角に切ると、煮崩れしにくい大きさにそろえられます。


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Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

湯気の向こうで、店主が大鍋から赤褐色のスープをすくい、麺の上に角切りの牛肉をどさりとのせます。台北の路地にも、高雄の市場の脇にも、昼どきになると丼を抱えた人の列ができる店があります。紅焼牛肉麺(ホンシャオ・ニウロウミエン)は、しょうゆと豆板醤、八角で牛肉を煮込んだスープに麺を合わせた、台湾でいちばん愛されている麺料理のひとつです。

眷村から生まれた一杯

高雄の古い眷村の路地にある小さな牛肉麺の店先

牛肉麺の歴史は、台湾の戦後史と重なっています。1949年前後、国共内戦に敗れた国民党とともに、大陸から多くの軍人とその家族が台湾へ渡りました。彼らが暮らした軍人家族の集落は「眷村(けんそん)」と呼ばれます。英語圏の百科事典的な解説では、四川出身の退役軍人が高雄に移り住み、眷村で売り始めたのが台湾の牛肉麺の始まりとされています。

もう少し具体的な地名を挙げる説もあります。台北タイムズの2018年の記事は、高雄の岡山(ガンシャン)こそ牛肉麺の本当の故郷ではないか、という見方を紹介しています。この説を広めたのは、台北で長く暮らした随筆家の逯耀東(ルー・ヤオトン)です。彼は「四川風」牛肉麺は台湾で生まれた料理で、岡山の眷村が発祥かもしれないと考えました。根拠に挙げたのが、岡山名物の辛い豆板醤です。この豆板醤は、1948年に大陸から渡ってきた劉明徳(リウ・ミンダー)という人物が作って売り始めたもので、古くからの地元の産物ではなかったといいます。ただし、これは有力な説のひとつで、発祥がはっきり確かめられているわけではありません。

豆知識

台湾では牛肉麺を「四川牛肉麺」と呼ぶ店もありますが、四川省にはそれとは別の牛肉麺があるため、名前だけで本場を想像すると混乱します。台湾の紅焼牛肉麺は、台湾で育った料理として味わうのがいちばんしっくりきます。

台湾ではもともと、牛は田畑を耕す大切な働き手で、牛肉を食べることを避ける人が少なくありませんでした。そのため、初めのうち牛肉麺を食べていたのは、主に大陸から渡ってきた人々だったとされています。やがてこの一杯が街に広がり、牛肉を食べる習慣そのものを変えていきました。いまでは台北で毎年、牛肉麺のフェスティバルが開かれ、料理人が腕を競うほどの国民食になっています。


紅焼、清燉、トマトの3つの系統

しょうゆ色の紅焼、澄んだ清燉、赤いトマトの3種類の牛肉麺を並べた様子

台湾の牛肉麺には大きく分けて3つの系統があります。いちばん有名なのが、しょうゆと豆板醤で煮込む紅焼(ホンシャオ)です。スープは赤褐色で、甘辛くこっくりしています。清燉(チンドゥン)はしょうゆを使わない澄んだスープで、花椒や白こしょうで香りをつけ、牛肉そのものの味を前に出します。番茄(ファンチエ)はトマトを煮込んだ酸味のあるスープです。今回作るのは紅焼ですが、レシピではトマトも少し使います。トマトの酸味がしょうゆの甘さを引き締め、スープが重くなりすぎません。

麺の上には、刻んだ高菜漬け(酸菜)や青ねぎをのせるのが定番です。店のカウンターには、煮込んだ干し豆腐や海藻などの小皿が並び、好きなものを選んで丼と一緒に食べます。家で作るなら、高菜漬けを用意するだけでも台湾の食堂の雰囲気がぐっと近づきます。


盛り付けと台湾での食べ方

チンゲン菜と青ねぎ、高菜漬けを添えた紅焼牛肉麺の完成した一杯
麺の上に牛肉をのせ、青ねぎと高菜漬けを添える

台湾の店では、まず麺をすすり、合間に牛肉をかじり、途中で酸菜を入れて味を変えながら食べ進めます。高菜漬けの酸味と塩気が入ると、こっくりしたスープが一気に軽くなります。卓上の調味料で途中から味を変えるのも、牛肉麺の楽しみ方のひとつです。ラー油を数滴たらすと香りと辛みが立ちます。

牛肉と麺を同じ皿で楽しむ料理は、中国の西北にもあります。幅広の手延べ麺に唐辛子と熱い油をかける陝西のビャンビャン麺と比べると、同じ小麦麺でも台湾の一杯がいかにスープの料理かがよくわかります。台湾の食堂の味をもう一皿増やすなら、甘辛く煮た豚肉をご飯にかける魯肉飯もおすすめです。

アレンジと作り置き

牛肉麺のスープを保存容器に分け、牛肉と別々に保存する様子

圧力鍋を使えば、煮込み時間をぐっと縮められます。英語圏のレシピには、同じような材料を圧力鍋に入れて高圧で40分加圧する作り方もあります。その場合は手順5の水を少し控えめにし、加圧後にスープの味を確かめてから水で調整します。

辛さを抑えたいときは、赤唐辛子を除き、豆板醤を小さじ2に減らします。逆に辛くしたいなら、仕上げのラー油を多めにしてください。スープを作り置きしておけば、平日の夜は麺をゆでるだけで台湾の一杯が食べられます。スープと牛肉は粗熱を取ってから冷蔵庫に入れ、表面に白く固まった脂は温め直す前に取り除くとすっきりした味になります。

よくある質問

豆板醤、ダークソイソース、八角を並べた台湾牛肉麺の調味料

豆板醤は日本のスーパーのもので大丈夫ですか?

大丈夫です。日本で一般的な四川風の豆板醤で十分においしく作れます。商品によって塩気と辛さに差があるので、最初は大さじ1にとどめ、最後の味見でしょうゆと塩を調整してください。

牛すね肉以外の部位でも作れますか?

肩ロースやばら肉でも作れます。すね肉よりも脂が多いため、スープの表面に浮く脂を最後に少し多めにすくうと、くどくなりません。

紹興酒がない場合は?

日本酒で代用できます。紹興酒の熟成した香りはなくなりますが、スープは軽めの味わいになります。お酒を使いたくない場合は同量の水に替え、しょうゆで味を調えてください。

作り置きはどのくらいできますか?

粗熱を取ったらすぐ冷蔵庫に入れ、早めに食べきってください。温め直すときは鍋で全体がしっかり沸騰するまで加熱します。麺は食べる直前にゆでたほうが、のびずにおいしく食べられます。

主な参考リンク

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