薄くパリッとした皮に、やわらかい泡がつながる
小さな楕円の泡がつながったシートで、外は黄金色で薄くパリッと、中はやわらか。まずはプレーンで作ってみてください。味つきや具材はそのあとで。
香港のエッグワッフルは、蜂の巣を裏返したような見た目です。小さな楕円の泡が何列も並び、薄い生地のシートでつながっています。香港政府観光局は、卵形の穴のある型で焼く甘い屋台のおやつと紹介しています。サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は、人気の理由を外側は薄くパリッと、泡の中はやわらかく少しもちっとした対比だと説明しています。広東語では鷄蛋仔(ガイダンジャイ、gai daan jai、gai daan zai とも表記)、英語では egg puffs とも呼ばれます。
屋台はそれぞれ自分の生地を守っていて、この記事はどこかのお店の配合を再現するものではありません。ここで取り上げるのは、Hungry Huy の Huy Vu さんが公開している「Hong Kong Egg Waffle Recipe」という家庭向けの一本です。作者は米粉を加えて歯ざわりをパリッとさせ、手動の上下二枚型をコンロの火にかけて焼きます。分量・時間・焼き上がりの目安はすべてこの一本のレシピのもので、ほかのレシピの数値は混ぜていません。なお、世界ごはん紀行編集部では、このレシピ全体を台所で試作して確かめてはいません。
作り方は型によって決まります。粉を買いそろえる前に、まず手元の道具を確かめてください。
材料(6人分)

6人分です。塩は使いません。型に塗る油は、生地に入れる50gとは別に用意します。
| --- | ---: | --- | | 白砂糖 | 192g(1カップ+大さじ1½) | 湿った材料。甘み。好みで減らせます | | 卵(L) | 4個 | 湿った材料。生地のつなぎと卵の風味 | | エバミルク | 56.5g(大さじ4) | 湿った材料。乳の風味。無糖のエバミルクで、加糖練乳(コンデンスミルク)ではありません | | 水 | 250g(1カップ) | 湿った材料 | | 植物油 | 50g(大さじ3½) | 湿った材料。生地に入れる分だけ | | バニラエキストラクト | 7.2g(大さじ½) | 湿った材料。香りづけ | | 小麦粉(中力粉・万能タイプ) | 180g(1½カップ) | 粉の材料。主役の粉 | | 米粉 | 73g(½カップ+大さじ1⅓) | 粉の材料。パリッとした歯ざわりのため | | タピオカでん粉 | 15g(大さじ1½) | 粉の材料。もちっとした食感を足します。片栗粉とは別のものです | | カスタード粉 | 15g(大さじ1½) | 粉の材料。バニラの風味 | | ダブルアクティングのベーキングパウダー | 9.6g(小さじ2) | 粉の材料。膨らませる役 | | 植物油(型用) | 適量 | 型の内側に薄く拭いて、はがれやすくします。上の50gとは別 |
この生地には卵・小麦・乳が含まれます。カスタード粉とベーキングパウダーは加工品なので、ほかのアレルゲンや共用施設に関する表示を、それぞれのラベルで確認してください。
選び方と代用
エバミルク。 無糖のエバミルクを使います。加糖練乳は別の商品で、生地が変わってしまいます。このレシピでは、牛乳は代わりになりません。
米粉とタピオカでん粉。 米粉は食感のために入れていて、このレシピに代わりはありません。タピオカでん粉は、同じ白いでん粉でも片栗粉に替えないでください。どちらかが見つからないときは、こっそり配合を変えるより、探すほうがよいでしょう。
カスタード粉。 必要ならコーンスターチで代えられますが、バニラの風味は弱くなります。これは調整の一つで、このレシピとして確かめた配合ではありません。
砂糖。 甘さを控えたいときは、好みで減らせます。ここでは192gで作っています。
ベーキングパウダー。 ダブルアクティングを使います。シングルアクティングなど別のタイプに替えると、仕上がりが変わるかもしれません。
道具
- 手動のエッグワッフル型:ちょうつがいで閉じる上下二枚の型で、コンロの火の上で返せるもの。ふつうの四角いワッフルメーカーは形が違い、同じようには使えません。
- ボウル2つ:湿った材料用の大きいものと、粉用
- 泡立て器
- ふるい(粉を湿った材料にふるい入れる用)
- ヘラ(さっくり混ぜる用)
- 清潔な布巾(休ませる間、生地にかける)
- 型の内側に油を薄く拭くもの
- フォークかトング(くっついたときのため)
- 天板の上に置いたワイヤーラック
- あれば:型を閉じたまま押さえて手を守るクランプ
型を買うときは、使える熱源、容量、開け閉めと返し方、重さ、持ち手の安全性を確認してください。
作り方
生地は混ぜすぎず、1時間休ませてから、1枚ずつ焼きます。
生地は室温で1時間休ませてから焼きます。1枚あたり、中火で約5〜7分焼きます。焼き上がりは、時間だけでなく、甘い香りと黄金色で見分けます。
大きなボウルに白砂糖192gと卵4個を入れ、なじむまで泡立て器で混ぜます。

2. 残りの湿った材料を混ぜる
エバミルク56.5g、水250g、植物油50g、バニラエキストラクト7.2gを加え、なじむまで泡立て器で混ぜます。

3. 粉の材料を別のボウルで合わせる
別のボウルに、小麦粉180g、米粉73g、タピオカでん粉15g、カスタード粉15g、ダブルアクティングのベーキングパウダー9.6gを入れて混ぜます。

4. 粉を湿った材料にふるい入れる
合わせた粉を、湿った材料のボウルにふるい入れます。

5. さっくり混ぜ、小さなダマを残す
ヘラでやさしく混ぜ合わせます。小さなダマが少し残っていてもかまいません。混ぜすぎると食感が固くなるので、完全になめらかになる前に止めます。

6. 布巾をかけて室温で1時間休ませる
ボウルに布巾をかけ、室温で1時間休ませます。

7. 気泡を確かめて、静かに混ぜる
1時間たったら、生地に小さな気泡ができているのを確かめてから、静かに混ぜます。

8. 空の型を中火で予熱する
空の手動エッグワッフル型を中火にかけて予熱します。

9. 内側に油を薄く拭く
型からはがれやすいように、型の内側に植物油を薄く拭きます。

10. 型の容量の約75%まで生地を流し入れる
型の約75%まで生地を流し入れます。焼くと生地が膨らむので、いっぱいまでは入れません。

11. すばやく型を閉じる
型の上の側をすばやく閉じます。

12. 閉じたままただちに返す
閉じた型をすぐにひっくり返し、生地を上下の両側に行き渡らせます。手を守りたいときは、任意でクランプを使って型を閉じたまま押さえます。

13. ときどきコンロの上で円を描くように動かす
焼いている間、型は閉じたまま、ときどきコンロの上で円を描くように動かして、熱が均一に届くようにします。この動きは手順14の焼成中に行うもので、返す前か後かという決まったタイミングはありません。

14. 約5〜7分焼き、途中で返す
型を閉じたまま約5〜7分焼き、途中で返します。返し方は、ちょうど半分のところで1回、または焼いている間に少なくとも3〜4回です。返す回数は決まっていません。

15. 甘い香りと黄金色で開ける
型を開けたとき、甘い香りがして黄金色になっていれば焼き上がりです。そのあと型を大きく開きます。

16. くっついたらフォークかトングで外す
ワッフルが型にくっつくときは、フォークかトングでそっと持ち上げて外します。熱い型を素手で触らないでください。

17. ワイヤーラックに移す
ワッフルを、天板の上に置いたワイヤーラックに移します。

18. 好みで円錐に成形し、少なくとも2〜3分休ませる
円錐にしたいときは、ワッフルが固まる前、熱いうちに成形します。この手順は任意です。成形してもしなくても、ワッフルはラックの上で少なくとも2〜3分休ませます。冷めるにつれて、よりパリッとします。

19. 次の1枚の前に空の型を閉じて温め直す
次のワッフルのために、空の型を閉じて少なくとも30秒温め直します。必要なら生地を混ぜ、手順10から繰り返します。型に入れる量は、このときも約75%までです。

20. あとの方で焦げそうなら火を弱める
あとの方に焼くワッフルの色づきが早すぎたり、焦げそうなときは、火を弱めます。

外はパリッと、泡は軽く焼くコツ
生地は型の中で膨らみます。入れすぎると、膨らむ余地がなくなります。
生地は焼く当日に作ります。前もって準備したいときは、下の「よくある質問」の仕込みの項を見てください。完成した生地を一晩置くのは避けます。
小さなダマが少し残っていてかまいません。作者は、混ぜすぎると固い仕上がりになると注意しています。
中火で約5〜7分というのは作者の目安ですが、コンロや型によって違います。甘い香りと黄金色も合図にしてください。
ワッフルは、ラックの上に平らに置いて休ませます。円錐にしたいときは、固まる前に成形します。
| うまくいかないとき | このレシピで考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 固くてぎっしりしている | 生地を混ぜすぎた | 次はやさしく混ぜて、小さなダマが少し残るところで止める |
| 生地が膨らむ余地がない | 型に入れすぎた | 型の容量の約75%までにする |
| 型にくっつく | 型の油が足りない | フォークかトングでそっと外し、次のワッフルの前に油を薄く拭く |
| あとの方が焦げやすい | 型がどんどん熱くなる | 火を弱める |
| もちっとしすぎる・ねっとりする | 完成した生地を一晩置いた | 湿った材料と粉を別々に準備し、焼く1時間前に合わせる |
| 5〜7分焼いても色が薄い | 火力や型が作者のものと違う | 甘い香りと黄金色になるまで待ってから開ける |
| 思ったように膨らまない | ベーキングパウダーのタイプが違う | 指定のダブルアクティングを使う |
プレーンから、味つきへ
プレーンが出発点です。 香港政府観光局は、昔ながらの食べ方はプレーンのエッグワッフルだと紹介しています。まずはこのレシピをプレーンで作ってみてください。
新しい味やトッピング。 同じ観光局の紹介では、近年のエッグワッフルには塩漬け卵黄、チョコチップ、緑茶などの味があり、ソフトクリームを添えたものも登場しているそうです。これらは新しい楽しみ方で、昔ながらの標準ではありません。資料に分量がないので、このレシピには入れていません。
円錐の形。 Huy Vu さんのレシピでは、円錐は形を変えるだけです。熱いワッフルを固まる前に折ります(手順18)。生地は同じです。
作者の調整。 砂糖を減らす、カスタード粉の代わりにコーンスターチを使う、という二つは作者が触れていますが、どちらも分量は示されていません。心に留めておく選択肢で、決まった配合ではありません。
ほかの家庭レシピは別物です。 公開されているほかのレシピは、生地も作り方も違います。What To Cook Today は電気のワッフルメーカーで焼きます。Ginger and Scotch は型の上下を別々に予熱します。楽天レシピのものにはココナッツ版があります。どれも別の配合なので、分量や時間をこのレシピに混ぜないでください。
香港の屋台のおやつとして
香港政府観光局は、鶏蛋仔を香港で試したい屋台のおやつの一つに挙げています。卵形の穴のある型で焼く甘いおやつです。同局が紹介する北角(ノースポイント)の李強記(Lee Keung Kee)は、オリジナルの味を出し、注文を受けてから焼くお店だと説明されています。同じ紹介文には、外はパリッとして、中は軽くふんわりした仕上がりだとあります。
エッグワッフルは、香港の公共の文化施設にも登場します。康楽及文化事務署が運営する香港大会堂のページは、エッグワッフルをミルクティーやパイナップルパン(菠蘿包)と並べて、香港のローカルな味として挙げています。
この料理の古さについては、SCMPが1950年代からあると伝えています。ただしこれは新聞記事の説明で、歴史の一次資料ではないので、この記事ではSCMPの記述として扱います。同じ記事は、香港式のエッグワッフルに共通する特徴として、小さな楕円の泡、薄くパリッとした外側、やわらかくもちっとした中身を挙げています。
よくある質問
ふつうのワッフルメーカーで作れますか?
このレシピは、コンロの火の上で閉じて返す手動の上下二枚型のエッグワッフル用です。What To Cook Today のように電気のエッグワッフルメーカーを使うレシピもありますが、生地も作り方も違います。ここの加熱と返す手順を、電気式の機械の説明と組み合わせないでください。
このレシピで何枚焼けますか?
作者は6人分と書いていますが、焼ける枚数は示していません。枚数は、型の容量と1回に流す量で変わります。作者のレシピカードの調理時間は1時間とある一方、手順では1枚あたり約5〜7分としていて、この2つがどうつながるかの説明はありません。同じように、番号つきの手順では途中で1回返すとしていますが、同じページのコツでは少なくとも3〜4回返すとあり、返す回数は決まっていません。
米粉やタピオカでん粉を、別の粉に替えられますか?
作者は米粉の代わりを示していません。米粉は食感のために入れています。タピオカでん粉は片栗粉とは別のものです。作者が挙げている代用は、カスタード粉をコーンスターチにする案だけで、分量は示されず、バニラの風味は弱くなります。
型からワッフルがはがれないときは?
作者の勧めに従って、フォークかトングでそっと外します。熱い型を素手で触らないでください。型の表面に金属の道具を使ってよいかは、お使いの型の取扱説明書で確認してください。
生地を前の晩に作っておけますか?
作者は、完成した生地を一晩置くことは勧めていません。時間がたつとベーキングパウダーとグルテンの状態が変わり、焼き上がりがもちっとしすぎることがあるそうです。代わりに、湿った材料と粉を前日に別々に準備しておき、焼く1時間前に合わせます。
残ったときの保存は?
作者自身の案は、残りを密閉容器に入れて室温で最大2日、または密閉して冷凍庫で最大2週間というものです。温め直すときは、冷凍のままトースターオーブンで4〜6分温めるとあります。これは作者の家庭でのやり方です。卵と乳を使った焼き菓子について、公的な食品安全の情報と照らし合わせて確かめたものではないので、残りを安全に保存できるという保証ではありません。





