カステラ:きめ細かな黄色い生地と、底のざらめ
よく泡立てた卵がつくる、きめ細かくそろった黄色い生地。ほどよく色づいた表面。そして底に焼きついた薄いざらめの層。このレシピの工程は、すべてこの3つのためにあります。
カステラを一切れ切ると、まず目に入るのは生地の断面です。小さく詰まった気泡と、全卵からくる黄色。その一切れをひっくり返すと、底には粗い砂糖の粒がびっしり付いていて、やわらかい生地にちょっとした歯ざわりを添えてくれます。このお菓子が、日本語でいう「カステラ」です。
この記事で紹介するのは、農林水産省(MAFF)が「砂糖を楽しむ郷土の菓子」という特集の中で公開している家庭向けレシピです。材料は6つだけ。ふつうのハンドミキサーと24 × 13 × 4cmの型があれば、170°Cで約30分焼いて作れます。型の底にざらめを敷く家庭版であって、長崎のカステラ店の決まった配合を示すものではありません。店はそれぞれ独自の材料と製法を持っています。また、台湾カステラとは別のお菓子で、台湾カステラには独自のレシピがあります。
このレシピは、世界ごはん紀行の台所では試作していません。
材料が少ないぶん、仕上がりは各段階で生地の状態を読めるかどうかで決まります。卵の泡立ちはどのくらい濃いか、粉をどれだけそっと混ぜるか、竹串に何も付かないか。以下の手順は、その見極めを中心に組んであります。
途中で見つける、味の決め手
道具
- 長方形のケーキ型(24 × 13 × 4cm)
- オーブン
- 型に敷くオーブンシート
- ボウル
- ハンドミキサー
- 粉をふるうためのふるい
- ゴムベラ
- 竹串
選び方と代用
薄力粉。 ここでは薄力粉を使います。
ざらめは底に敷くためのもの。 中ざら糖は、俗に単に「ざらめ」とも呼ばれる、粒の大きな砂糖です。このレシピでは、型に敷いた紙の上に広げて使い、生地には混ぜ込みません。ざらめを省くと、底にじゃりっとした食感のないカステラになり、ここで紹介している仕上がりとは別物になります。
はちみつ、牛乳、砂糖は記載の分量で。 はちみつと牛乳は記載の分量で使います。はちみつ、卵、小麦、乳が食べられない人は、このレシピを置き換えて作るのではなく、別のレシピを選んでください。
卵。 全卵2個を使います。
型の大きさが大事です。 焼成の温度と時間は、24 × 13 × 4cmの型に対するものです。ほかの大きさや深さの型には、確実に換算する方法がありません。できるだけこの寸法に近い型を探してください。
食べ方:冷めてから切る

冷めてから切り分けます。断面に黄色い生地、ほどよく焼けた表面、底にそって並ぶざらめの線が見えれば成功です。このレシピは型1台分で、切り分ける数は決まっていません。好みの大きさに切ってください。
失敗したときの見極め:生地と竹串を読む
| 見た目 | 確かめること | 対処 |
|---|---|---|
| 泡立てた卵が筋を描かない | 生地が白っぽくもったりしているか | ミキサーから落ちた生地が表面に筋を描くまで泡立て続ける |
| 粉の筋が残る | ボウルの底まで混ぜているか | ゴムベラで軽く混ぜる。力を入れてかき回したり、練ったりしない |
| 粉を入れたあと生地がゆるく流れる | 混ぜる強さはどうだったか | 次回は、練らずに切るように混ぜる |
| 約30分焼いても竹串に生地が付く | オーブンによって差がある | さらに焼いて、もう一度竹串で確かめる。時間だけで決めない |
| ざらめが生地全体に散らばっている | 生地に混ぜ込んでいないか | 流し入れる前に型の紙の上に広げ、そのままにしておく |
| 型の大きさが違う | 寸法 | 焼き時間はほかの型に換算できない。24 × 13 × 4cmの型か、近い型を使い、竹串で確かめる |
近いけれど別のカステラ
以下はこのレシピの代用ではなく、それぞれ別の配合や製法のものです。
- ざらめなし: 同じ生地をざらめの層なしで焼くと、底にじゃりっとした食感のないカステラになります。ここで紹介したものとは違う仕上がりです。
- 強力粉を使う家庭版: JA全農たまごの「ご当地レシピ」にある長崎風カステラは、強力粉、きび砂糖、サラダ油を使い、卵を湯せんにかけながら泡立て、粉は3回に分けて加えます。分量も含めて別のレシピで、この記事の分量の変形ではありません。
- 水あめを使う店のカステラ: 長崎の福寿屋本舗は、基本の材料に水あめを挙げています。家庭向けの分量は示されていないため、ここでは加えません。
- 五三焼や台湾カステラ: どちらも別の種類のお菓子で、このレシピでは扱いません。
日本のカステラ:家庭のレシピと長崎の菓子店
農林水産省は、このレシピを「ふるさとの味自慢」という特集で公開しています。特集のテーマは、砂糖を楽しむ郷土の菓子です。小さな長方形の型、ハンドミキサー、1回の焼成という、家庭の台所で作れる内容になっています。
JA全農たまごは、長崎のカステラには底にざらめを使うことが多いと紹介しています。長崎のカステラ店、福寿屋本舗は、鶏卵、上白糖、ざらめ糖、小麦粉、水あめ、はちみつを基本の材料に挙げています。卵の泡立て、小麦粉の選び方、ざらめの食感を技術の要点として説明し、焼いたあとは一晩寝かせて生地を落ち着かせるとしています。長崎でカステラづくり体験を行っている和泉屋は、水あめ、砂糖、卵を混ぜて湯せんで泡立て、ざらめを敷いた型に流し込み、泡切りをして焼き、型から外すという流れを紹介しています。
これらはそれぞれの店や施設の製品と工程です。この記事の家庭向けレシピでは、湯せん、水あめ、一晩寝かせることは行いません。また、長崎の店のカステラを再現するものだとも言いません。カステラとその名前がどこから来たかについては、いくつもの話が語られていますが、ここまでに集めた資料では確かめられなかったため、この記事では触れません。
同じ国のほかの料理は、日本のページからご覧ください。
よくある質問
赤ちゃんに食べさせてもいいですか?
1歳未満の赤ちゃんには与えないでください。厚生労働省は、はちみつとはちみつを含む食品を1歳未満の乳児に与えてはいけないとしています。ボツリヌス菌の芽胞は、ふつうの加熱や調理では死なないため、このカステラのように焼いた食品にも同じ注意が当てはまります。
手順1で、なぜ先に型に紙を敷いてざらめを広げるのですか?
農林水産省のレシピでは、生地を作ったあとで型に紙を敷き、ざらめを広げます。ここでは、泡立てた生地を待たせないよう、その準備を最初に移しました。分量もざらめの位置も、どちらの順でも同じです。
はちみつと牛乳は、どちらを先に入れるのですか?
農林水産省のレシピは牛乳とはちみつを同じ段階で加えるとしていて、順番は決めていません。手順3の写真は、牛乳のあとにはちみつを注いでいる場面ですが、それは写真を撮るときの順番にすぎません。
湯せんや、一晩寝かせることは必要ですか?
このレシピでは必要ありません。卵を湯せんにかけながら泡立てる方法は、JA全農たまごのレシピや和泉屋のカステラづくり体験に出てきます。一晩寝かせるのは福寿屋本舗の製法の一部です。それぞれの製法に属する工程で、農林水産省の家庭向けレシピは湯せんなしで卵を泡立て、冷ましてから型を外して切るだけです。
長崎のカステラと同じものですか?
底にざらめを敷く家庭版です。JA全農たまごは、長崎のカステラにこうしたざらめ使いが多いと説明しています。ただし、長崎の菓子店は水あめなどの材料と独自の製法を使うので、このレシピを店の配合として紹介するものではありません。
何人分できますか?
24 × 13 × 4cmの型1台分です。農林水産省のレシピには、人数や切り分ける数は書かれていません。











