鶏肉と根菜、手でちぎったはっとが入った宮城風はっと汁
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はっと汁の作り方|宮城・登米の手でちぎる小麦生地の郷土汁

約17分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 19

生地をこねる

手順1: 生地をこねる

ボウルに小麦粉150gを入れ、ぬるま湯80mlを少しずつ加えながらこねます。耳たぶくらいの柔らかさになり、手にくっつかなくなったら止めます。ひとつの玉にまとめます。

STEP 22 / 19

生地を包んで休ませる

手順2: 生地を包んで休ませる

生地の玉をラップで包み、約30分休ませます。そのあいだにほかの材料を準備します。

STEP 33 / 19

鶏肉を切る

手順3: 鶏肉を切る

鶏もも肉100gを、別のまな板で一口大に切ります。生の鶏肉と、使ったまな板や包丁は、ほかの材料や、そのまま食べるものから離しておき、触ったあとは手と道具を洗ってください。

STEP 44 / 19

ごぼうをささがきにする

手順4: ごぼうをささがきにする

ごぼう40gを、鉛筆を削るように根から薄く不規則にそいでささがきにします。

STEP 55 / 19

ごぼうを水にさらす

手順5: ごぼうを水にさらす

ささがきにしたごぼうを、ボウルの水にしばらくさらします。

STEP 66 / 19

ごぼうの水気を切る

手順6: ごぼうの水気を切る

ごぼうをざるに上げ、さらした水を切ります。

STEP 77 / 19

大根を切る

手順7: 大根を切る

大根80gをいちょう切りにします。縦半分に切り、さらに縦半分に切ってから、端から薄く切って扇形にします。

STEP 88 / 19

にんじんを切る

手順8: にんじんを切る

にんじん40gを半月切りにします。縦半分に切ってから、端から切ります。

STEP 99 / 19

しいたけを切る

手順9: しいたけを切る

生しいたけ4枚を、包丁を斜めに寝かせて薄いそぎ切りにします。

STEP 1010 / 19

油揚げに熱湯をかける

手順10: 油揚げに熱湯をかける

油揚げ30gを耐熱のざるに入れ、熱湯をかけて表面の油を落とします。

STEP 1111 / 19

油揚げを切る

手順11: 油揚げを切る

油揚げを短冊切りにします。

STEP 1212 / 19

長ねぎを切る

手順12: 長ねぎを切る

長ねぎ60gを斜め薄切りにします。仕上げ用に別の皿に取り分け、まだ鍋には入れません。

STEP 1313 / 19

だしを火にかける

手順13: だしを火にかける

鍋に水1,000ml、いりこだしの素8g、酒大さじ3、鶏肉、ごぼう、大根、にんじん、しいたけ、油揚げを入れ、火にかけます。長ねぎ、しょうゆ、生地は、まだ鍋に入れません。

STEP 1414 / 19

野菜が八分通り煮えるまで煮る

手順14: 野菜が八分通り煮えるまで煮る

約10分、野菜に八分通り火が通るまで煮ます。これは途中の段階で、汁の完成ではありません。

STEP 1515 / 19

生地を薄く伸ばす

手順15: 生地を薄く伸ばす

手を水でぬらし、休ませた生地をひとかたまりとって、指で薄く伸ばします。めん棒も包丁も使いません。

STEP 1616 / 19

生地を鍋にちぎり入れる

手順16: 生地を鍋にちぎり入れる

伸ばした生地を一口大の不揃いな形にちぎり、煮立っただしに直接落とします。形が揃わないのが望ましい姿です。鍋は静かに煮立った状態を保ち、何回かに分けて入れると、ひとかたまりにくっつきません。15と16を、生地がなくなるまで繰り返します。

STEP 1717 / 19

生地が半透明になって浮くまで煮る

手順17: 生地が半透明になって浮くまで煮る

生地の表面が半透明になり、生地が浮いてくるまで煮ます。そのうえで、鶏肉は別に確かめます。中心が75°C以上で1分以上になっている必要があります。清潔な調理用温度計を肉の中心に差し込むのが、いちばん確実です。生地の見た目では鶏肉の火通りはわかりません。その温度に届いていなければ、さらに加熱してもう一度確かめてください。

STEP 1818 / 19

長ねぎとしょうゆで仕上げる

手順18: 長ねぎとしょうゆで仕上げる

取り分けておいた長ねぎとしょうゆ大さじ2を加え、味を調えます。

STEP 1919 / 19

盛りつける

手順19: 盛りつける

汁椀に、だし、生地、鶏肉、野菜、油揚げ、長ねぎがそれぞれ行き渡るようによそいます。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

13品目

材料

4人分のはっと汁に使う小麦粉、鶏肉、根菜、しいたけ、油揚げ、長ねぎ、調味料
生地に使うのは小麦粉とぬるま湯だけ。ほかはすべてだしの鍋に入れる
材料 分量 代替・備考
小麦粉 150g 生地に使う
ぬるま湯 80ml 生地用。少しずつ加える
鶏もも肉 100g(1/2枚) 一口大に切る
ごぼう 40g ささがきにして軽く水にさらし、水気を切る
大根 80g いちょう切り
にんじん 40g 半月切り
生しいたけ 4枚 薄いそぎ切り
油揚げ 30g(1枚) 熱湯をかけて油抜きし、短冊切り
長ねぎ 60g 斜め薄切り。仕上げに加える
水 1,000ml 汁になる
いりこだしの素(顆粒) 8g(1袋) だしのもと
酒 大さじ3 最初に鍋へ入れる
しょうゆ 大さじ2 最後に加えて味を決める

小麦粉とぬるま湯は生地にだけ使います。長ねぎとしょうゆ以外のほかの材料は、最初に鍋へまとめて入れます。しいたけは乾物ではなく生しいたけを使い、長ねぎとしょうゆは生地に火が通るまで別にとっておいてください。

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はっと汁|柔らかい生地ひとつを、薄くちぎって煮立つ鍋へ

この鍋で守ること

生地は薄く伸ばして、手で不揃いにちぎります。表面が半透明になって浮くまで煮ます。長ねぎとしょうゆは、いちばん最後に加えます。

休ませた柔らかい小麦粉の生地を、ぬらした手で薄く伸ばし、ひとかけずつ煮立っただしの鍋へ直接ちぎり入れていきます。できあがる生地の形は不揃いで、縁はぼろぼろ。煮えるにつれて表面が半透明になり、鶏肉、ごぼう、大根、にんじんのあいだにふわりと浮かび上がります。これが、東北・宮城県の登米(とめ)地方に伝わる小麦粉の生地の料理「はっと」を、汁物に仕立てたはっと汁です。薄く伸ばして手でちぎるところにこの料理の姿があり、半透明になって浮くのが火が通った合図です。

このページのレシピは、調味料メーカーのシマヤが公開している4人分のレシピに沿っています。鶏もも肉、生しいたけ、油揚げ、顆粒のいりこだしを使う配合です。登米のどの家庭にも共通する決まった配合ではなく、再現しやすい家庭向けの一例です。シマヤが示す調理時間は約25分ですが、生地を休ませる約30分は含まれていないので、休ませる時間は別に見込んでください。なお、このレシピは世界ごはん紀行では試作していません。

このレシピとは別に、安全のために確認しておきたい点が一つあります。生地が半透明になって浮いても、それは生地に火が通った目印で、鶏肉に火が通ったことまでは示しません。このページでは農林水産省(農水省)の案内にならい、鶏肉の中心が75°C以上で1分以上になっているかを別に確かめる手順を加えています。同じ国のほかの料理は日本のレシピ一覧からどうぞ。

はっととは|登米に伝わる小麦の郷土食

はっとは、小麦粉の生地をこね、休ませ、薄く伸ばして煮たものです。農水省の「にっぽん伝統食図鑑」は、登米とその周辺の郷土食として紹介しています。汁に入れて食べるほか、ゆでて甘いものを添えて食べる形があり、食感はもちもちでつるつる、と説明されています。宮城県も、はっとを登米地方の郷土料理として紹介しています。しょうゆ味の汁で食べるほか、ゆでてあずき、ずんだ(枝豆をつぶした甘いあん)、えごま(エゴマの種)で食べる形があるそうです。観光庁の多言語解説文データベースも、登米の名物として、薄く伸ばした小さな小麦粉の生地を汁に入れる食べ方を挙げ、甘いずんだ味の形にも触れています。このページで扱うのは汁物だけです。

農水省も宮城県も、決まった一つの鍋があるわけではないと強調しています。だし、野菜、きのこ、肉、味つけは、家庭や土地によって変わります。近隣の地域には、似た小麦粉の生地の料理が別の名前で伝わっています。「はっと」という名前と、その名のもとで作られてきた料理はこの地域のものなので、ありふれた団子汁とひとくくりにせず、はっと汁として受け止めたい料理です。

農水省は、はっとを米の代わりに食べた小麦食の流れに位置づけています。また、名前については「はっと」は「御法度(ごはっと)」、つまり禁止を意味する言葉に由来する、という話も記しています。農水省はこれを、そう言われているという言い伝えとして示していて、確かな史実としては扱っていません。ここでも同じように読んでください。


選び方と代用

いりこだしの素(顆粒) は、煮干し(いりこ)から作った粉末だしです。同じ商品が見つからなければ、顆粒の煮干しだしがいちばん近い代用品です。8gという量は、パッケージで同じ種類の顆粒だしだと確かめられるときだけ使ってください。濃さや塩分は商品ごとに違うので、別のだしを使うと汁の味が変わります。しょうゆは全量を入れる前に味を見ましょう。濃縮タイプの液体のめんつゆや、干ししいたけのだしは同じものではなく、別の料理に近づきます。

小麦粉は、スーパーで買える普通の小麦粉が現実的な選択です。ただし、ほかの小麦粉との比較はここでは試していません。

油揚げは、普通の日本の油揚げを使います。登米地方の油麩(あぶらふ。小麦のグルテンを揚げたもの)は、はっと汁の別の作り方で使われるもので、このレシピには入りません。下の「家庭ごとの違い」で触れています。

しょうゆは、普通の濃口しょうゆを使い、薄口しょうゆにはしないでください。

アレルギーと表示について

このスープには小麦(生地)と大豆(しょうゆ、油揚げ)が含まれます。いりこだしは魚からできています。だし、しょうゆ、油揚げは、商品や表示が異なるので、購入した品のアレルゲン表示を確認してください。

道具

  • 生地をこねるボウル
  • ラップ
  • まな板と包丁(生の鶏肉用には別のまな板)
  • ごぼうをささがきにするピーラーか包丁(ささがきピーラーがあると便利ですが、なくてもかまいません)
  • ごぼうをさらすための水を入れた小さなボウル
  • ざる
  • 油揚げに熱湯をかけるための耐熱のざるとやかん
  • 大きな鍋
  • 計量スプーンと計量カップ
  • 清潔な調理用温度計
  • お玉と汁椀

ベタつく、厚い、くっつく|よくある失敗の直し方

起きること 考えられる原因 対処
生地が手にくっつく 水を入れるのが早すぎた 水は少しずつ加え、手にくっつかなくなるまでこねる。打ち粉を足すとレシピが変わるので、自分なりの調整として扱う
生地が厚くて中がもったりしている 薄く伸ばし足りなかった ちぎる前に、ぬらした手でもう少し薄く伸ばす
生地がひとかたまりにくっついた 一度に入れすぎた、または鍋の煮立ちが止まった 静かな煮立ちを保ち、数回に分けてちぎり入れる
麺のようになった、または整った団子になった 生地を延ばして切ったり、丸めたりした 手で伸ばしてちぎる。不揃いでぼろぼろの形がこの料理の持ち味
最初の10分の煮込みで火を止めた 約10分の煮込みを完成と思った その段階は野菜のため。生地を入れ、半透明になって浮くまで煮て、鶏肉の中心温度を確かめる
思ったより塩辛い、または味が薄い 別のだしの商品を使った しょうゆを全部入れる前に味を見る。だしの商品は濃さも塩分も違う

家庭ごとの違い|このレシピとは分けて

この節の読み方

以下は、はっと汁が家庭ごとにどう変わるかの話です。上のレシピには含まれず、ここでは試していません。

農水省と宮城県はどちらも、はっと汁は家庭や土地によって大きく変わると述べています。両者が挙げている主な違いは次のとおりです。

違い 資料にある範囲 変わること
味つけ しょうゆまたはみそ みそにすると、このしょうゆ味とは違う汁になる
だし 煮干しまたはかつお だしが変わると汁の風味が変わる
野菜ときのこ 季節の野菜、さまざまなきのこ 鍋に入れたものの味が汁に出る
肉 鶏肉または豚肉 豚肉は、鶏肉の代わりとして挙げられている家庭の例
登米の油麩 小麦のグルテンを揚げたもの、地域の名産 宮城県と観光庁が登米と結びつけて紹介している。このレシピには使わない

公開されているほかのレシピは、材料だけでなく作り方も違います。地元のJAみやぎ登米は、油麩を入れ、生地を約半日休ませ、だしも味つけも違うレシピを公開しています。農水省の郷土料理サイトにある宮城のはっと汁は、生地を湿らせた布巾の下で2時間休ませ、生地を別にゆでてから汁に入れ、干ししいたけと煮干しのだしを使います。どれもそれぞれにまとまったレシピなので、シマヤのレシピにほかの手順は混ぜていません。

はっとには甘い食べ方もあります。農水省と宮城県の説明では、生地をゆで、あずき、くるみ、ずんだ、えごまをのせて食べます。これははっとの別の食べ方で、この汁のバリエーションではありません。

よくある質問

はっととは何ですか?

農水省によると、はっとは小麦粉の生地をこね、休ませ、薄く伸ばして煮たもので、宮城県の登米とその周辺に結びつく料理です。汁に入れて食べるほか、ゆでて甘いものを添えて食べ、食感はもちもちでつるつる、と説明されています。

はっとはすいとんと同じですか?

近い関係です。どちらも小麦粉の生地を汁などで煮たもので、農水省は近隣の地域に似た食べ物が別の名前であると記しています。ただし、はっとは登米に根ざした名前で、そこでは家庭ごとにレシピが違います。名前を変えただけの一般的な団子ではなく、地域の別の料理として受け止めてください。

生地はそのまま汁に入れるのですか?

ここで使っているシマヤのレシピでは、だしと野菜を約10分煮てから、生地を直接鍋にちぎり入れます。農水省の郷土料理サイトにある宮城のレシピは、先に生地を別にゆでます。それは別の作り方なので、このレシピには混ぜていません。

なぜ生地を休ませるのですか? どのくらいですか?

農水省は、休ませることをはっとの生地作りの一部として説明しており、公開されているレシピでは休ませる時間が違います。このレシピでは約30分です。ほかに挙げたレシピは2時間、または約半日休ませますが、その長い休ませ方はそれぞれのレシピのものです。

どのくらい時間がかかりますか?

シマヤは調理時間を約25分としています。これは生地を休ませる約30分を含まないので、休ませる時間は別に見込んでください。

生地が浮いているのに、なぜ鶏肉を温度計で確かめるのですか?

半透明で浮いた生地は、レシピにある生地が煮えた合図で、鶏肉の中のことはわかりません。農水省は、鶏肉は中心が75°C以上で1分以上になるまで加熱し、生の鶏肉をほかの食べ物に触れさせないよう案内しています。農水省の台所の食中毒予防の案内には、食品の中心温度は温度計で確かめられ、必要な加熱条件は食品や調理法によって異なる、ともあります。温度計での確認はこのページが加えた安全の手順で、シマヤのレシピにはありません。このページの写真は、鶏肉の温度を示していません。

ベジタリアン向けに作れますか?

鶏肉を抜き、魚由来のだしを替えると、このレシピとは別のレシピになります。そのような作り方は各自のアレンジで、ここでは試していません。

このレシピは試作されていますか?

いいえ。世界ごはん紀行では試作していません。分量と手順はシマヤが公開している4人分のレシピに沿っていて、鶏肉の安全と衛生の手順は農水省の案内から加えています。

主な参考リンク

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