刈包は、やわらかな折り目に豚バラ・漬け高菜・落花生粉を挟む
片側がハマグリの殻のように開くよう折った白い蒸しパンに、しょうゆで煮た豚バラのやわらかな1切れを挟みます。その上に、酸味と旨みのある漬け高菜、甘い落花生粉、生の香菜を重ねます。
白いふっくらしたバンズの折り目を開き、つやのある豚バラの煮込みを1切れ置きます。そこへ刻んだ漬け高菜を山盛りにし、砂糖入りの落花生粉をひとさじ、香菜を少しのせる。台湾の食に関する記事は、刈包(gua bao)をまさにこう説明しています。片側が開いた折りたたみの小麦バンズに豚肉を入れ、漬け高菜、落花生粉、香菜の3つを合わせるのが台湾らしい形です。
刈包は、単なる「台湾の肉まん」ではありません。包子(baozi)は生地で具を包んで口を閉じてから蒸します。刈包の生地は折るだけで閉じず、蒸し上がってから、見えるところで具を入れます。また、海外のレストランに広まった、焼き豚、きゅうりの即席ピクルス、ねぎ、ホイシンソースを使う欧米風のポークバンとも別のものです。Taiwan Sceneの記事は、この違いをはっきり示しています。
この記事は、台湾の料理教師Ivy Chenが提供した「Recipe for Guabao (courtesy of Ivy Chen)」という1つのレシピに沿って進めます。Taiwan Sceneに掲載されたもので、記事によると初出はTaiwan Business TOPICSです。生地から8個を作るレシピで、イースト生地、豚バラの煮込み、漬け高菜の炒め物、落花生粉と香菜の仕上げを、ひと続きの手順でたどります。分量、単位、順序、記載された時間は掲載のとおりにしています。このレシピには、合計時間、何人分か、保存期間、栄養価の記載がないため、この記事にも載せていません。世界ごはん紀行では、このレシピを台所で試作して確かめてはいません。同じ島の料理をもっと知りたい方は、台湾のページもご覧ください。
刈包とは? 閉じた包子とは違う台湾の折りたたみバンズ
刈包は、具を隠さずに挟んで見せる、開いた折りたたみバンズです。台湾のTaiwan Panorama誌の特集、Taiwan Sceneのレシピ記事、MICHELINガイド台湾は、どれも同じ骨格を伝えています。片側を開いた蒸し小麦バンズに、豚バラの煮込み、漬け高菜、落花生粉、香菜を合わせるというものです。バンズは、生地を楕円に平らにのばし、片半分に油を塗って二つ折りにして作ります。蒸し上がると、2枚の面がきれいに離れます。
欧米で言う「bao bun」は、よく似ていても別の形です。Taiwan Sceneによると、Momofukuが広めたポークバンは、焼き豚、きゅうりの即席ピクルス、ねぎ、ホイシンソースの組み合わせです。台湾の形に着想を得たもので、台湾の具を再現したものではありません。下のレシピは台湾の組み合わせを守っており、これらは加えていません。
「台湾の肉まん」で検索してこの記事にたどり着いた方は、見分け方がシンプルです。加熱の前に生地が具を包んで閉じるなら包子、バンズを空のまま蒸して、折り目から具を入れるなら刈包です。
年末の宴席から屋台の軽食へ — 刈包の歩み

Taiwan Panoramaによると、中国語名のgua bao(刈包)は、台湾語の発音kuah-pauをもとにしています。同誌は、開いたバンズの口が豚肉をくわえこむ様子から付いた「虎咬豬(tiger bites pig)」という愛称も記録しています。
起源は定まっていません。Taiwan Panoramaは、刈包は福建省に由来するといわれ、福州と泉州の両方が挙げられていると伝えています。MICHELINガイド台湾も、福建にルーツがあるといわれる料理と、慎重に書いています。同じ記事は歴史家Chen Yu-jenにも触れています。古い新聞や記録を調べたところ、1927年の日記に刈包が出てくるそうです。記事によれば、その時代の刈包は日常の食べ物というより、商人が開く年末の宴席や、土地公(Tudigong)への供え物と結びついていました。
Taiwan Panoramaによると、刈包が日々の食事として広まったのは、屋台の食べ物として親しまれた1970年代以降です。今では台湾の軽食文化の一角を占めています。台湾の観光局の観光マニュアルも、夜市や伝統市場を、地元の軽食を味わえる場所として一般的に紹介しています。Taiwan PanoramaとMICHELINガイドはどちらも、店ごとの違いを指摘しています。豚の脂身と赤身の割合、バンズのやわらかさ、漬け高菜の火の通し方、落花生粉の味付けは店によって異なり、最近は別の具を加えた現代風もあります。唯一の「本物」の刈包はなく、Ivy Chenのレシピはその幅の中にある家庭向けの1つの形です。
途中で見つける、味の決め手
道具
- 小さなボウルと大きなボウル
- ぬれ布巾
- めん棒または手のひら、作業台
- 刷毛
- 蒸し籠
- 蒸し籠をのせる鍋またはフライパン(水を8〜10cmの深さに張れるもの)
- 蒸し籠に敷くワックスペーパーまたはベーキングペーパー
- 豚肉の下ゆでと煮込みに使う鍋
- トングまたは穴あきお玉
- 高菜を炒めるフライパン
- 食品用温度計(豚肉の中心を確かめる)
選び方と代用
漬け高菜は、すでに漬けてあるからし菜で、生の葉ではありません。台湾や中国の漬けからし菜を、アジア食材店で探してください。名前が似た他の漬物は塩気や酸味が大きく違うので、同じ代用品ではなく、別の仕上がりになると考えてください。
砂糖入りの落花生粉は、あらかじめ甘みをつけた落花生の粉(花生粉、huasheng fen)で、アジア食材店で売られています。1つの調理済み材料として使います。
plain flourは、ふつうの万能小麦粉のことです。セルフレイジングフラワー(膨張剤入りの粉)は使いません。ふくらませるのはイーストの役目です。
しょうゆと米酒は、「しょうゆ」と表示されたものと、ふつうの米の料理酒を使います。種類が変わると、煮汁の色や塩気が変わります。
八角または乾燥みかんの皮は煮汁の香りの選択肢で、シナモンスティックはなくてもかまいません。
バンズには小麦、トッピングには落花生が含まれます。しょうゆ、漬け高菜、米酒、市販の落花生粉は加工品です。小麦、大豆、落花生などのアレルゲンと、同じ工場で作られている旨の表示を、それぞれ確認してください。
ふっくらした折り目とやわらかい豚バラの見分け方
| 状況 | 確認すること | 対処 |
|---|---|---|
| 60分たっても生地が2倍にならない | 台所が涼しい | 発酵は室温に左右される。時間で先へ進まず、2倍になるのを待つ |
| 折ったバンズがまだ平らに見える | 二次発酵 | 暖かい場所で、30分以内に約50%ふくらむまでおく |
| 蒸したあと、バンズがくっついて開かない | 手順4の油塗り | 折る前に、各楕円の片半分に必ず油を塗る。折り目が開くのは、この油のおかげ |
| バンズが開いた形を保てない | 折り方 | 縁をつままずに二つ折りにする。刈包は貝殻のように開き、包子のように閉じてはいけない |
| 40分たっても豚肉がまだ固い | やわらかさ | 目安は時計ではなく、肉がやわらかくなること。煮続けて、もう一度確かめる |
| 豚肉の安全に自信がない | 中心の温度 | 煮込み時間は安全の確認にならない。中心75°Cで少なくとも1分を確かめる |
| 高菜がフライパンにくっつき始める | 水分 | 水を、必要なときだけ少し足し、火は弱火から中火に保つ |
豚肉の切り方も大切です。厚さ1.5cm、幅8cmの大きさはバンズに収まり、40分の煮込みにも合っています。ずっと厚く切ったり、別の部位を使ったりすると、別のレシピになります。
バリエーション
ここに挙げるのは、Ivy Chenのレシピの範囲内にある選択肢か、ほかの資料に記されているものです。上のレシピとは分けて読んでください。
- 八角のかわりに乾燥みかんの皮。レシピにはどちらも2個と書かれていて、八角の香りではなく柑橘の香りが煮汁につきます。
- シナモンスティックは省いてもかまいません。なくてもよい材料として書かれています。
- 無糖の落花生粉。Ivy Chenは、砂糖なしの落花生粉を好む人もいると述べています。そのうえで、砂糖入りのほうが本格的だという考えを示しています。これはレシピを書いた人の意見で、台湾全体の決まりではありません。
- 豚肉と高菜の違い。Taiwan PanoramaとMICHELINガイドは、豚の脂身の割合、漬け高菜の火の通し方、落花生粉の味付けが店によって違うと伝えています。
- 追加の具。Taiwan Sceneの記事は、台北のOlympiaという店が、煮卵とタロイモの薄切りを加えていると紹介しています。これは上のレシピには含まれません。
保存と温め直し
調理した豚肉、高菜、バンズを、室温に長く置かないでください。残ったものは清潔な器具で浅い容器に小分けし、早く冷めるようにしてから冷蔵します。温め直すときは、中心まで十分に、目安として約75°C以上になるよう加熱してください。
よくある質問
刈包は肉まんや包子と同じですか?
いいえ。包子は具を生地で包んで口を閉じてから蒸します。刈包の生地は、片半分に油を塗って折り、空のまま蒸してから、開いて具を入れます。Taiwan SceneとTaiwan Panoramaは、どちらも開いた折りたたみバンズとして説明しています。
刈包は、欧米のレストランで出るポークバオと同じですか?
形は似ていますが、具は違います。Taiwan Sceneは、台湾の「豚バラの煮込み、漬け高菜、落花生粉、香菜」の組み合わせと、Momofuku風の「焼き豚、きゅうりの即席ピクルス、ねぎ、ホイシンソース」のポークバンを対比しています。
レシピに「にんにく1」とあるのはなぜですか?
Ivy Chenのレシピは、にんにくを「1 garlic」と書いていて、1かけなのか1玉なのかは示していません。この記事は、単位を推測せず、書かれたままの量にしています。にんにくの量は、その点を踏まえて決めてください。
カップの大きさやしょうゆの種類は、何を使えばよいですか?
レシピは、カップと大さじで量を書いていますが、どの国の規格のカップかは示していません。また、「しょうゆ」と「米酒」とだけあって、種類は指定していません。ここでの分量は、換算せず、書かれたままにしています。ふつうのしょうゆと、プレーンな米の料理酒がもっとも簡単な選択です。ほかの種類を使うと、色と味が変わります。
砂糖なしの落花生粉でも作れますか?
はい。Ivy Chenは、砂糖なしを好む人もいると認めています。ただしレシピは砂糖入りの落花生粉1/2カップを指定しています。別に足す砂糖の分量はないので、無糖の粉を使えば、トッピングは単純に甘さが控えめになります。
40分煮れば、豚肉の安全は大丈夫ですか?
調理時間と食品安全は別のものです。レシピの40分は、やわらかさの目安です。厚生労働省は、肉は中心部が75°Cで少なくとも1分間になるまで加熱するよう勧めています。温度計で確かめてください。
なぜ、豚肉を調理する前にバンズを蒸すのですか?
Ivy Chenのレシピが、その順番だからです。生地、発酵、蒸しが先で、そのあとに豚肉と高菜が続きます。蒸したバンズを保温したり、出す前にもう一度蒸したりする手順は、レシピに書かれていません。
油の注記に「cut buns」とありますが、生地を切るのですか?
いいえ。レシピに切る手順はありません。各楕円の片半分に油を塗って折るのが方法で、この折り目が蒸したあとに開きます。
刈包はどれくらい保存できますか?
レシピには、保存期間、冷凍の方法、温め直しの手順は書かれていません。上の保存の節にある、家庭での一般的な食品安全の考え方に従ってください。残りは浅い容器で早く冷まして冷蔵し、十分に温め直します。

















