ケランパン:真ん中に卵を丸ごとのせた、やわらかくほの甘い小さなパン
ほの甘い小さなパンの中央に、卵が丸ごと一つ。卵は全部で4個で、1個は生地に溶け込み、残りの3個は型ごとに1個ずつ上にのります。
韓国観光公社(Korea Tourism Organization)は、ケランパン(계란빵)を韓国の冬に親しまれる屋台の軽食として紹介しています。パンケーキのような生地を専用の型に流し、全卵をのせて焼き上げた、やわらかくてほの甘く、卵のコクが全体にいきわたるパンです。ソウル市の公式英語観光ガイドも、手ごろな値段で楽しめる街の軽食として「Egg Bun」を挙げ、全卵が入った、やわらかくしっとりした塩気のあるパンと説明しています。
屋台では専用の型で焼きますが、この記事で紹介するのは家庭版です。韓国料理の書き手Maangchiが文章で公開しているオーブン向けのレシピに沿って、小さな金属のミニローフ型3個で焼きます。作れるのは3個分で、何人分と決まった量ではありません。生地は万能小麦粉(オールパーパスフラワー)とベーキングパウダーで作り、牛乳でゆるめます。この版では、任意のモッツァレラも入れる作り方にしました。
このレシピは、世界ごはん紀行の台所での試作を経ていません。13分という焼き時間と、卵をしっかり固めたいときに15分へ近づけるという案内は、Maangchiが示す目安であり、実測した結果ではありません。焼き時間も卵の見た目も、ローフの中心の温度を示す証拠にはなりません。
韓国語の名前は계란빵です。Maangchiのページでは Gyeran-ppang と書かれ、Gyeranppang、Gyeranbbang という表記も並んでいます。韓国観光公社の英語タイトルは「Egg Muffin」、ソウル市の観光ガイドでは「Egg Bun」です。この記事では、계란빵とGyeran-ppangを主な名前として使います。
ケランパン、ギルゴリトースト、プンオパンは別の料理です
「韓国の卵パン」という言葉は、いくつかの屋台料理に当てはまりそうに聞こえます。そこで先に、違いを整理しておきます。
| 料理 | どんな料理か | ケランパンとの違い |
|---|---|---|
| ケランパン(계란빵) | 甘い生地を小さな型に入れ、上に全卵をのせて焼く | 卵を丸ごとローフに焼き込む |
| ギルゴリトースト(gilgeori toast) | キャベツなどの野菜を混ぜた卵のパティを焼き、スライスしたパンで挟む | 材料が違い、型も使いません。卵はサンドイッチ用のパンに挟むパティです |
| プンオパン | 魚の形をした、甘い小豆あん入りの菓子 | 形も中身も違い、全卵は入りません |
以下のレシピには、この2つの料理の要素はありません。スライスした食パンも、キャベツも、魚の型も、小豆あんも使いません。
屋台の型から、家庭のミニローフ型へ
韓国観光公社の紹介は、屋台版の様子をおおまかに説明しています。専用の型に生地を入れ、上に全卵をのせて焼く、という内容です。卵の火の通り方に幅があることにも一般的に触れていますが、レシピや分量は載っていません。ソウル市の観光ガイドの記述も短く、街の軽食として、中に全卵が入っていると紹介する程度です。どちらの資料も、すべての屋台や地域、季節に共通する決まった配合があるとは述べていません。
Maangchiは、韓国を訪れた際にケランパンを食べた思い出を書いています。屋台の専用の機械と、熱いパンを持つための小さな紙のスリーブを覚えているそうです。これはMaangchi自身の記憶で、すべての屋台の説明ではありません。また、この家庭版は韓国で食べたものより甘さを控えめにしてあり、モッツァレラは加えたものだと、Maangchiは書き添えています。
家庭の台所では、屋台の機械の代わりに、約4 × 2 × 1½インチの金属ミニローフ型3個と普通のオーブンを使います。この記事は、この1つの版だけに沿っています。1回分の生地、1組の型、1つのオーブン温度です。屋台の型で焼く方法や、ほかの書き手の配合は混ぜていません。名前の由来やこの軽食の歴史については、参考にした資料にほとんど記録がないため、ここでは触れません。同じ国の別の料理は、韓国のレシピをもっと見るからどうぞ。
道具
- 金属のミニローフ型(約4 × 2 × 1½インチ)3個
- オーブン
- ボウル
- 泡立て器
- 型に油を塗るための刷毛など
- 任意:設定温度に対してオーブンの実際の温度がどれくらいずれるかを確かめるオーブン温度計
選び方と代用
粉には万能小麦粉を使い、ベーキングパウダーを合わせます。パンケーキミックスは使いません。パンケーキミックスに替えると別の配合になります。万能小麦粉を選んでください。国内で手に入る粉の種類が同じように仕上がるかは、ここでは確認していません。
水分は牛乳です。脂肪分の条件は付けず、牛乳をそのまま使います。
バニラはバニラエクストラクトを使います。日本で売られているバニラエッセンスなど、ほかのバニラ製品は濃さが同じではないため、同じ量で置き換えないでください。
チーズのモッツァレラは任意です。使う場合は、1本を6つの同じ大きさに切ると、ちょうど型ごとに2個ずつになります。入れない場合は手順5を飛ばします。その分、仕上がりはここの写真とは違って見えます。
型は、約4 × 2 × 1½インチの金属ミニローフ型です。大きさ、深さ、素材が違う型については、分量も焼き時間も確認していません。
つまずきやすい点と、レシピに戻す方法
| 起きたこと | なぜ問題か | 対処 |
|---|---|---|
| 4個とも生地に入れてしまった | 上にのせる全卵が残らない | 生地に入れるのは1個だけ。残り3個は殻のまま手順6まで取っておく |
| バターを型に塗ってしまった | 生地に大さじ1のバターが足りない | バターは生地に入れる。型に塗るのは油小さじ1 |
| 生地を半分よりかなり多く入れた | 卵を入れるスペースがなくなる | 各型は半分ほどまでにする |
| 型ごとに生地の量がばらばら | ローフの大きさがそろわない | 等分し、ボウルをこそげて余分を残さない |
| チーズを真ん中に置いた | 中央は卵の場所 | 各型2個を端に置く |
| 卵が思ったよりやわらかい | 焼き時間で卵の固まり具合が変わる | 次回は15分に近づけて焼く |
| カップケーキ型に高く入れた | 高く入れすぎると中まで焼けないことがある | カップケーキ型では低めに入れる。分量も時間も変わる前提で |
アレンジ
基本のレシピ以外の選択肢です。どれも、検証済みの分量や焼き時間の変更は示していません。
- チーズなし:モッツァレラは任意です。手順5を飛ばし、ほかは同じにします。
- 牛乳の代わりに水:水で代用できるとされています。味わい、食感、焼き時間がどう変わるかは、ここでは扱いません。
- オーブン対応のミニ紙ローフ型:家庭では金属の型の代わりに使えます。ただし大きさや焼け方が約4 × 2 × 1½インチの金属型と違うことがあり、13〜15分の目安がそのまま当てはまらないかもしれません。
- カップケーキ型:使えますが、カップに高く入れすぎると中央が焼けないことがあります。この型のカップごとの分量と焼き時間は、ここでは示していません。
よくある質問
卵は全部で何個必要ですか?
4個です。1個は全卵のまま生地に混ぜ、残りの3個は型ごとに1個ずつ、全卵のまま上に割り入れます。
チーズは必ず入れますか?
いいえ。Maangchiはモッツァレラを任意の材料としています。入れる場合は、1本を6つに切り、各型の端に2個ずつ置きます。中央は卵のためにあけておいてください。
パンケーキミックスで作れますか?
このレシピは万能小麦粉とベーキングパウダーで作ります。韓国観光公社の「パンケーキのような」という表現は、屋台の生地の質感を説明したもので、材料の指定ではありません。パンケーキミックスに替えると別の配合になり、ここでは検討していません。
牛乳を水に替えられますか?
Maangchiのページには、牛乳を水に替えられると書かれています。この記事では、写真も含めて全体を牛乳版で通しており、水にしたときの味や焼き上がりの変化には触れません。
マフィン型やカップケーキ型で焼けますか?
Maangchiは、カップケーキ型も使えるとし、中まで焼けるよう高く入れすぎないよう注意を添えています。その型の分量や焼き時間は示されていないため、この記事は約4 × 2 × 1½インチのミニローフ型3個で通しています。
400°Fで13分焼けば、卵は安全ですか?
13分、より固めたい場合の15分近くという時間は、Maangchiが示す目安です。あらゆるオーブン、型、卵で安全に加熱できる時間として検証されたものではありません。日本の厚生労働省は、加熱する食品について中心部75°Cで1分以上という一般的な目安を示していますが、この数値はこのレシピで測ったものではありません。
屋台で売られているケランパンと同じですか?
考え方は同じです。ほの甘い生地に、全卵をのせて焼きます。ただし屋台では専用の型を使い、Maangchiはこの家庭版を、韓国で食べたものより甘さ控えめでモッツァレラを加えたものだと説明しています。公的な観光案内も、すべての屋台に共通する標準配合があるとは述べていません。














