茶色いソースで煮込んだ豚ひき肉の肉団子とマッシュポテトを盛ったケベックのラグー・ド・ブレット
🔪下準備40分
🔥調理1時間
🌍料理ケベック料理

ラグー・ド・ブレットの作り方|ケベックの年越しを飾る肉団子の煮込み

約12分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 6

小麦粉をオーブンで焼いて焼き粉を作る(20〜25分)

手順1: 小麦粉をオーブンで焼いて焼き粉を作る(20〜25分)

オーブンを200℃に予熱します。天板にオーブンシートを敷き、薄力粉100gを薄く広げましょう。5分ごとに取り出してへらで混ぜながら、20〜25分焼きます。粉が全体に銅のような茶色に色が変わり、さらさらの状態のまま香ばしいにおいがかすかに立てば焼き上がりです。端だけ焦げやすいので、混ぜるときは端の粉を中央へ寄せてください。

STEP 22 / 6

スパイスと肉を混ぜる(約5分)

手順2: スパイスと肉を混ぜる(約5分)

ボウルに玉ねぎのみじん切り、パセリ、シナモン、ナツメグ、クローブを入れて先に混ぜ合わせます。豚ひき肉、塩、こしょうを加え、手で1〜2分練りましょう。スパイスの色が全体に行き渡り、肉に粘りが出てひとまとまりになれば十分です。

STEP 33 / 6

直径4cmの肉団子に丸める(約10分)

手順3: 直径4cmの肉団子に丸める(約10分)

手を水で軽くぬらし、肉だねを直径4cmほどに丸めます。1kgで約30個が目安です。表面にひびがなく、なめらかに丸まっていれば、煮ている間に崩れにくくなります。丸めたものはバットに並べておきましょう。

STEP 44 / 6

バターで肉団子に焼き色をつける(約5分)

手順4: バターで肉団子に焼き色をつける(約5分)

厚手の鍋にバター大さじ2を中火で溶かし、泡が落ち着いたら肉団子を並べます。鍋をときどき揺すって転がしながら、約5分焼きましょう。表面全体にうっすら茶色の焼き色がつけば十分で、中まで火を通す必要はありません。鍋に入りきらなければ2回に分けます。

STEP 55 / 6

鶏ガラスープで静かに煮る

手順5: 鶏ガラスープで静かに煮る

肉団子を全部鍋に戻し、鶏ガラスープ750mlを注ぎます。中火で煮立てたらすぐに弱火へ落とし、ふたをして30〜45分煮ましょう。表面が小さく揺れる程度の火加減を保つと、肉団子が割れずにふっくら仕上がります。煮汁が減って肉団子の頭が大きく出てきたら、湯を100mlずつ足してください。

STEP 66 / 6

焼き粉でとろみをつける(約10分)

手順6: 焼き粉でとろみをつける(約10分)

肉団子をいったん穴あきお玉で取り出します。小さなボウルに焼き粉大さじ4と冷水60mlを入れ、ダマがなくなるまでよく溶きましょう。煮汁を弱めの中火にかけ、泡立て器で混ぜながら少しずつ注ぎます。2〜3分でソースにスプーンの背が薄く覆われるくらいのとろみがつき、色が茶色く変わったら、肉団子を戻して5分温めます。最後に肉団子のいちばん大きなものを割り、中まで色が変わっているかと、温度計で中心が75℃以上かを確かめてください。

豚ひき肉は中心まで十分に加熱してください。米国の食品安全情報サイトFoodSafety.govは、ひき肉の安全な中心温度を71℃(160°F)以上としています。この記事では余裕をもって75℃を目安にしています。色だけでは判断を誤ることがあるので、大きめの肉団子で中心の温度を確かめましょう。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

ラグー・ド・ブレットの材料の豚ひき肉、玉ねぎ、パセリ、シナモン、ナツメグ、クローブ、小麦粉

ケベックの情報サイト、ノーヴォ・モワ(Noovo Moi)に載っている家庭のレシピを土台に、日本の計量に置き換えた配合です。

8品目

肉団子

材料 分量 代替・備考
豚ひき肉(赤身の多いもの) 1kg 脂の多いひき肉はソースに脂が浮きやすい
玉ねぎ 1個 みじん切り
パセリ(生) 大さじ2 みじん切り
シナモン(パウダー) 小さじ1/4 「3つまみ」が目安
ナツメグ(パウダー) 小さじ1/4 「3つまみ」が目安
クローブ(パウダー) 小さじ1/8 香りが強いので控えめに
塩 小さじ1と1/2
こしょう 小さじ1/2
4品目

煮汁と焼き粉

材料 分量 代替・備考
バター 大さじ2 肉団子を焼く
鶏ガラスープ 750ml 洋風の鶏ブイヨンを湯で溶いたものでよい
薄力粉 100g 焼き粉を作る。使うのは大さじ4で、残りは保存できる
冷水 60ml 焼き粉を溶く
2品目

添えもの

材料 分量 代替・備考
じゃがいも 6個(約900g) ゆでるか、マッシュポテトにする
パセリ(生) 大さじ1 仕上げに散らす
コツ

シナモン、ナツメグ、クローブは、どれもパウダーを使います。ホールのクローブしかない場合は、スパイスミルで挽くか、肉団子には入れずに煮汁に2〜3粒落として香りを移してください。クローブはほんの少量で十分に香ります。


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Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

雪の積もったケベックの12月。真夜中のミサから戻った家族が台所に集まると、コンロの上ではひと晩かけて温めた鍋が待っています。ふたを取ると、シナモンとクローブの甘い香りがふわりと広がり、茶色いソースの中に丸い肉団子がごろごろ。テーブルには自家製のケチャップやビーツの酢漬けが並びます。ケベックのクリスマスと年越しの食卓に欠かせない煮込み、ラグー・ド・ブレット(ragoût de boulettes)です。

フランス語で「肉団子の煮込み」という、そのままの名前の料理。豚ひき肉にスパイスを混ぜて丸め、ブイヨンで煮て、最後に「焼き粉」と呼ばれる焦がした小麦粉でとろみをつけます。材料は日本のスーパーでほとんどそろい、手間がかかるのは焼き粉を作るところだけです。

1840年の料理書から続く、冬の煮込み

ケベックの年越しの食卓に並ぶラグー・ド・ブレットと付け合わせ

英語版ウィキペディアによると、ラグー・ド・ブレットの起源ははっきりしていません。記録に残る最初のレシピは、1840年にケベックで出版された料理書『ラ・キュイジニエール・カナディエンヌ(カナダの料理人)』にあるものです。ただし、そこに載っているのは豚足の煮込み「ラグー・ド・パット・ド・コション」で、そこに肉団子を加えることが多かったといいます。豚足の煮込みと肉団子は、昔から同じ鍋で出会ってきた料理なのです。

いまでも、ケベックでは両方を合わせた「ラグー・ド・ブレット・エ・ド・パット」がよく作られます。アメリカの料理雑誌サヴールは、この合わせ煮込みをケベックのレヴェイヨン(クリスマスイブや大みそかの夜の祝宴)に欠かせない一皿として紹介し、ゆでたじゃがいもかマッシュポテトを添えて食べると書いています。

豆知識

ケベックの移住者向け情報サイト、イミグラン・ケベックは、年末年始の伝統料理を紹介する記事で、ラグー・ド・ブレットを「必ず名前が挙がる料理」としています。同じ食卓には、豚足をクローブの効いたブイヨンで何時間も煮た豚足の煮込みや、肉とじゃがいもを生地と交互に重ねて焼くシパイユも並ぶそうです。

この煮込みの個性は、肉料理にシナモンやクローブを使うところにあります。日本ではお菓子の香りという印象の強いスパイスですが、フランス系カナダ人の家庭料理では、肉の臭みを消して冬らしい温かみを足す定番の組み合わせです。サヴールのレシピでは、セイボリー、セージ、タイム、シナモン、クローブ、ナツメグを混ぜたケベック伝統のミックススパイス「エピス・メランジェ」を使っています。


焼き粉ととろみのコツ

焼く前の白い小麦粉と、焼いて茶色くなった焼き粉の比較

ラグー・ド・ブレットのソースが茶色いのは、肉汁の色ではなく焼き粉の色です。小麦粉を焦がすことで、とろみと一緒にナッツのような香ばしさがソースに加わります。白いままの小麦粉でとろみをつけると、色の薄い、まったく別の味のソースになってしまいます。

コツ

焼き粉はオーブンのほか、厚手のフライパンでも作れます。油をひかずに弱火で粉を入れ、木べらで絶えず混ぜながら、オーブンで焼いたときと同じ銅色になるまで炒ってください。目を離すと一気に焦げるので、火のそばを離れないことが大切です。

コツ

焼き粉は、焼いていない粉より水を吸いにくく、とろみも弱めです。大さじ4でゆるいと感じたら、冷水で溶いた焼き粉を大さじ1ずつ足してください。冷めた焼き粉は密閉容器に入れておけば、次のグレイビーやシチューにも使えます。

豚足を合わせる伝統の版

豚足の煮込みと肉団子を合わせたラグー・ド・ブレット・エ・ド・パット

祝いの日らしく作るなら、豚足の煮込みと合わせる「ラグー・ド・ブレット・エ・ド・パット」に挑戦してみてください。サヴールのレシピでは、豚足をパセリ、ローリエ、にんじん、セロリ、玉ねぎと一緒に水から2〜3時間煮て、軟骨がやわらかく、肉が骨から外れそうになったら煮汁をこします。煮汁は冷やして脂を取り除き、それを肉団子の煮汁に使います。豚足のゼラチンがソースに溶け込み、口当たりがぐっと重厚になります。

スパイスを変えるのも楽しみ方のひとつです。サヴールのエピス・メランジェにならい、乾燥のセイボリー、セージ、タイムを少しずつ加えると、ハーブの香りが加わります。ウィキペディアは、ウスターソースやしょうが、マスタードを加えるレシピがあることも紹介しています。

食べ方

マッシュポテトとビーツの酢漬けを添えたラグー・ド・ブレットの完成写真
マッシュポテトに肉団子とソースをかけ、パセリを散らして

皿にゆでたじゃがいもかマッシュポテトを盛り、肉団子とソースをたっぷりかけてパセリを散らします。ケベックの食卓では、ここに自家製のトマトケチャップや、ビーツやきゅうりの酢漬けを添えるのが定番です。甘いスパイスの香るソースに、酸味のある付け合わせがよく合います。

ケベックのクリスマスの料理をもう一品作るなら、スパイスを効かせたひき肉をパイ生地で包んで焼くトゥルティエールを。肉団子の煮込みと同じシナモンとクローブの組み合わせで、ケベックの冬の香りがよくわかります。食後の甘いものには、バタータルトもどうぞ。

よくある質問

シナモン、ナツメグ、クローブのパウダーと焼き粉を並べた写真

牛ひき肉でも作れますか?

作れます。イミグラン・ケベックの記事も、肉団子は牛か豚のひき肉で作ると紹介しています。牛ひき肉だけだと少し硬く締まるので、牛と豚を半量ずつ合わせると食べやすくなります。

作り置きできますか?

作り置きできます。冷めるとソースが固くなるので、湯を少し足して弱火で温め、肉団子の中心まで熱くなったことを確かめてください。保存日数のはっきりした目安は示せないので、冷蔵して早めに食べきりましょう。

焼き粉を作らずに済ませる方法は?

市販のブラウンルウや、グレイビーの素で代用すると手軽ですが、香ばしさは焼き粉に及びません。焼き粉はまとめて作っておけるので、一度作っておくのがおすすめです。

アレルギーで気をつける材料は?

焼き粉の小麦、肉団子を焼くバター(乳)を使います。バターはサラダ油に替えられます。小麦を避ける場合は、米粉を同じようにオーブンで焼いて焼き粉にすると、とろみをつけられます。

主な参考リンク

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