鮮やかな赤いヨーグルトのソースに包まれた、揚げ焼きの小さなじゃがいものカシミーリ・ダム・アルー
🔪下準備15分
🔥調理45分
🌍料理インド・カシミール料理

カシミーリ・ダム・アルーの作り方|玉ねぎもにんにくも使わない、じゃがいものヨーグルト煮込み

約13分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 6

じゃがいもをかためにゆで、皮をむく

手順1: じゃがいもをかためにゆで、皮をむく

新じゃがいもを洗って鍋に入れ、かぶるくらいの水と塩小さじ1を加えて強火にかけます。沸騰したら中火にして12〜15分、竹串を刺すと中心まで通るものの、まだ少し抵抗があるかたさでざるに上げます。粗熱が取れたら皮をむき、フォークで全体に4〜5か所ずつ穴をあけて、ペーパータオルで水気を拭きます。

STEP 22 / 6

ヨーグルトソースを混ぜる

手順2: ヨーグルトソースを混ぜる

冷蔵庫から出して常温(20℃前後)に戻したヨーグルトをボウルに入れ、カシミールチリパウダー、ターメリック、フェンネルパウダー、ジンジャーパウダーを加えて、泡立て器で1分ほど、ダマのない、なめらかな赤いソースになるまでよく混ぜます。ここでしっかり混ぜておくと、加熱したときにヨーグルトが分離しにくくなります。

STEP 33 / 6

じゃがいもを揚げ焼きにする

手順3: じゃがいもを揚げ焼きにする

深めのフライパンにマスタードオイル大さじ4を入れ、中強火でうっすら煙が立つまで1〜2分熱します。中火に落としてじゃがいもを入れ、ときどき転がしながら8〜10分、全体がこんがりきつね色になり、表面がかりっとするまで揚げ焼きにします。じゃがいもを取り出し、油はフライパンに残しておきます。

STEP 44 / 6

スパイスをテンパリングする

手順4: スパイスをテンパリングする

フライパンに残った油を弱めの中火で温め、クミンシード、キャラウェイシード、アサフェティダを入れます。10秒ほどで種がしゅわしゅわと泡を立てたら、ブラックカルダモン、クローブ、シナモン、ローリエを加えて20秒炒め、香りが立ったら、すりおろしたしょうがと青唐辛子を加えて30秒炒めます。しょうがが焦げないよう、混ぜ続けてください。

STEP 55 / 6

ヨーグルトソースを加え、油が分かれるまで炒め煮する

手順5: ヨーグルトソースを加え、油が分かれるまで炒め煮する

火をいちばん弱くしてから、ヨーグルトソースを少しずつ加え、木べらで休まずに混ぜます。全部入れたら弱めの中火に戻し、混ぜながら5分ほど加熱します。ソースが鮮やかなオレンジ色に変わって少しとろみがつき、縁から赤い油がにじみ出てくれば十分です。

STEP 66 / 6

じゃがいもを戻し、ふたをして蒸らし煮にする

手順6: じゃがいもを戻し、ふたをして蒸らし煮にする

揚げ焼きにしたじゃがいもを戻し、塩小さじ1、砂糖小さじ1、水200mlを加えて全体を混ぜます。ふたをして弱めの中火で8〜10分、ときどき鍋をゆすりながら煮ます。じゃがいもの穴からソースがしみ込み、ソースがじゃがいもに絡むくらいのとろみになれば完成です。カスリメティを指でもみながら散らし、5mmほどに刻んだ香菜をのせます。

ヨーグルトは、強火で一気に加熱すると、もろもろと分離してしまいます。火をいちばん弱くしてから少しずつ加え、全部混ざってから火を戻すのがこつです。少し分離してしまっても、そのまま混ぜ続けて油がにじみ出るまで火を通せば、味は問題ありません。

熱したマスタードオイルに、ゆでたじゃがいもを入れると油がはねやすくなります。じゃがいもの水気はペーパータオルでよく拭き取り、フライパンから顔を離して、そっと入れてください。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

カシミーリ・ダム・アルーの材料の新じゃがいも、ヨーグルト、カシミールチリパウダー、フェンネルパウダー、ジンジャーパウダー、ホールスパイス、マスタードオイル

3品目

じゃがいも

材料 分量 代替・備考
新じゃがいも(小) 16個(約600g) 大きなものは4cm角に
塩(ゆでる用) 小さじ1 —
マスタードオイル 大さじ4 食用のもの。サラダ油でも可
5品目

ヨーグルトソース

材料 分量 代替・備考
プレーンヨーグルト 200g 酸味の少ないもの
カシミールチリパウダー 小さじ2 パプリカパウダーでも可
ターメリック 小さじ1/2 —
フェンネルパウダー 小さじ1 フェンネルシードをひいてもよい
ジンジャーパウダー 小さじ1 —
14品目

テンパリングと仕上げ

材料 分量 代替・備考
クミンシード 小さじ1 —
キャラウェイシード 小さじ1/2 なくても可
アサフェティダ 小さじ1/4 ヒング
ブラックカルダモン 2個 グリーンカルダモン3個でも可
クローブ 3個 —
シナモンスティック 2cm —
ローリエ 1枚 —
しょうが(すりおろし) 小さじ1 —
青唐辛子 1本 縦に切れ目を入れる。なくても可
塩 小さじ1 味を見て調える
砂糖 小さじ1 —
水 200ml —
カスリメティ(乾燥フェヌグリークの葉) 小さじ1 なくても可
香菜 適量 刻む
注意

市販のアサフェティダの粉は、扱いやすくするために小麦粉が混ぜてあるものが多く、小麦アレルギーのある人は原材料を確かめてください。マスタードオイルはからしと同じアブラナ科の種の油で、ヨーグルトは乳製品です。熱した油にゆでたじゃがいもを入れると油がはねるので、水気をよく拭いてから入れてください。


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Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

鍋の中で、小さなじゃがいもが燃えるような赤いソースをまとっています。それなのに、口に入れると驚くほど辛くない。舌に残るのは、ヨーグルトのやわらかな酸味と、フェンネルの甘い香り、乾燥しょうがのじんわりした温かさです。玉ねぎも、にんにくも、トマトも入っていません。インド最北部、ヒマラヤの谷間に広がるカシミールで、ヒンドゥー教徒のカシミール・パンディットの家庭に伝わってきたじゃがいも料理、カシミーリ・ダム・アルー(Kashmiri Dum Aloo)です。

赤いのに辛くない、カシミールの谷の台所

カシミールの家庭の食卓で、赤いダム・アルーと白いご飯、ヨーグルトの器を並べた昼ごはん

カシミールの料理には、大きく分けていくつかの系統があります。イスラム教徒の宴会料理として知られるワズワンや、ジャンムー地方のドーグラー料理は、玉ねぎやトマトをたっぷり使い、スパイスも多彩です。それに対して、カシミールのバラモンであるパンディットの料理は、玉ねぎとにんにくを使わないのが特徴です。インドの料理ブログ「Essence of Life」は、パンディット料理をカシミール料理の中でもっとも知られていない系統として紹介しています。

玉ねぎとにんにくの代わりに、パンディットの台所で香りの土台になるのは、ターメリック、カシミール唐辛子、アサフェティダ(ヒング)、乾燥しょうがの粉、フェンネルです。そこにヨーグルトをたっぷり使い、ご飯、とくにバスマティライスと一緒に食べるのがパンディットの食卓の基本です。

豆知識

料理名の「ダム」は、鍋にふたをして、閉じ込めた蒸気でじっくり火を通す調理法のことです。「アルー」はじゃがいも。揚げ焼きにした小さなじゃがいもを、ふたをした鍋の中でソースと一緒に蒸らし煮にして、中まで味を含ませます。

ダム・アルーの赤い色は、カシミール唐辛子の粉から来ています。色が鮮やかで、辛さはとても穏やかな唐辛子です。家によっては、ラタンジョットという植物の根を油に浸して、さらに赤い色を出すこともあります。Essence of Lifeの筆者も、赤い食紅で色をつけないようにとすすめています。


日本の台所で作るときに知っておきたいこと

日本で手に入るカシミールチリパウダー、フェンネルパウダー、ジンジャーパウダー、アサフェティダ、キャラウェイシード、マスタードオイル、新じゃがいも

この記事の作り方は、料理ブログ「Binjal's VEG Kitchen」の玉ねぎとにんにくを使わないダム・アルーを基に、パンディット料理の香りの柱であるフェンネル、乾燥しょうが、アサフェティダが前に出るよう、カシューナッツのペーストやミックススパイスを省いて家庭向けに調整しています。じゃがいもは、ひと口で食べられる小さな新じゃががいちばん向いています。大きなじゃがいもなら、皮をむいて4cm角に切ってください。

スパイスの中で手に入れたいのは、カシミールチリパウダー、フェンネルパウダー、アサフェティダの3つです。どれもインド食材店や通販で手に入ります。アサフェティダは、玉ねぎやにんにくに似た香りを持つ樹脂の粉で、ほんのひとつまみで料理全体にうま味のような奥行きが出ます。ジンジャーパウダー(乾燥しょうがの粉)は、スーパーのスパイス売り場でも見つかります。

コツ

アサフェティダは香りがとても強く、袋を開けるだけで台所に匂いが広がります。使ったら口をしっかり閉じ、ほかのスパイスとは別の密閉容器に入れて保存してください。熱した油に入れると、きつい匂いが落ち着いて、やさしい香りに変わります。

ヨーグルトは、酸味の少ない新しいプレーンヨーグルトを使います。酸っぱくなったヨーグルトしかなければ、上に浮いた水分を捨ててから使うと、ソースの酸味が強くなりすぎません。


バスマティライスと、ヨーグルトの器と

カシミーリ・ダム・アルーをバスマティライスに添えた一皿
バスマティライスと一緒に、ソースまで

カシミーリ・ダム・アルーは、パンディットの家庭ならバスマティライスと一緒に食べます。赤いソースをご飯に混ぜて、じゃがいもを崩しながら食べると、フェンネルと乾燥しょうがの香りが口の中に広がります。辛さは控えめなので、辛い料理が苦手な人でも食べやすいはずです。チャパティやロティを添えてもおいしく食べられます。

同じカシミールの料理なら、羊肉を赤く煮込んだローガン・ジョシュと並べると、カシミールの赤い料理の食卓になります。インドのじゃがいも料理なら、北インドの家庭料理アルー・ゴビと食べ比べると、スパイスの使い方の違いがよく分かります。

豆知識

カシミールのパンディットの料理に玉ねぎとにんにくを使わないのは、ヴェーダの時代の食の決まりに由来するといわれます。代わりに使うアサフェティダは、インドでは昔から、玉ねぎやにんにくを食べない人びとの台所で重宝されてきたスパイスです。

アレンジの楽しみ方

大きなじゃがいもを角切りにして作ったダム・アルーに、生クリームを回しかけた一皿

新じゃがいもがない季節は、普通のじゃがいもを4cm角に切って作れます。この場合は、ゆで時間を8〜10分に縮め、角が崩れないよう、揚げ焼きのときにそっと転がしてください。Binjal's VEG Kitchenの作り方のように、仕上げに生クリームを大さじ2ほど回しかけると、まろやかでレストラン風の味になります。

辛いものが好きなら、カシミールチリパウダーを小さじ3に増やしても辛くなりすぎず、色がさらに濃くなります。青唐辛子を2本にすれば、しっかりした辛さが加わります。ヨーグルトの代わりに植物性のヨーグルトを使えば、乳製品を使わない一皿になります。

よくある質問

残ったカシミーリ・ダム・アルーを保存容器に移して冷蔵する様子

アサフェティダがないと作れませんか?

なくても作れますが、玉ねぎやにんにくを使わないこの料理では、アサフェティダが香りの土台になっています。省くと、少しもの足りない味になります。できれば用意してください。

本当に辛くないのですか?

カシミールチリパウダーは色が鮮やかで、辛さがとても穏やかな唐辛子粉です。小さじ2でも、ぴりっとする程度です。一味唐辛子やチリパウダーで同じ量を入れると激辛になるので、代用するならパプリカパウダーを使ってください。

作り置きはできますか?

粗熱が取れたら保存容器に入れて冷蔵し、2日以内に食べきってください。時間がたつとじゃがいもがソースを吸ってさらに味がなじみます。温め直すときは、水を少し足して弱火でゆっくり温めます。

ヨーグルトが分離してしまいました。

火が強すぎたか、ヨーグルトを一度に加えたことが原因です。味は変わらないので、そのまま混ぜ続けて油がにじみ出るまで火を通してください。見た目が気になるなら、火を止めてから泡立て器で手早く混ぜると、なめらかさが少し戻ります。

主な参考リンク

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