パール・パヤサム:蓋をしない鍋で、米と牛乳をじっくり煮る
米の粒は砕かず、ギーの中でも白いままにします。熱い牛乳で完全に柔らかくなるまで煮てから、はじめて砂糖を入れます。仕上がったら飾らず、煮上がってすぐ熱いうちに出します。
幅広の鍋でギーをひとさじ溶かします。細長い白いバスマティ米を入れると、色づかないまま30秒ほどで香りが立ちます。そこへ熱い牛乳を注ぎ、蓋はせずに、長く静かな煮込みが始まります。
パヤサムは、1種類の料理ではなく広い呼び名です。この記事で取り上げるのは、Dassana's Veg Recipes(Dassana Amit)がタミル風と位置づけている、蓋をしない鍋で作るパール・パヤサムです。レシピカードにも料理の系統としてタミル・ナードゥが書かれていて、ページの題名ではライス・パヤサムとも呼ばれています。分量も作る順序もこのレシピに従っています。国の標準というより、家庭風のひとつの作り方としてご紹介します。
レシピカードには、4人分、下ごしらえ10分、加熱50分、合計60分と書かれています。米がどこまで柔らかくなったかで次へ進む時機が決まるので、これらは掲載されている目安として受け取ってください。分量はレシピの単位のままで、換算は加えていません。世界ごはん紀行では、このレシピ全体を台所で試作してはいません。
この一品の位置:同じ名前でも、パヤサムはいろいろ
パヤサムは、ひとつの配合を指す名前ではありません。地域の食卓ごとに違いがあるのは、すぐに見えてきます。ケララ州観光局(Kerala Tourism)のケララ・サディヤ(Kerala Sadya)に関するFAQには、その祝いの食事の終わり近くに出るパヤサムが紹介され、パラダ(Palada)やアダ・プラダマン(Ada Pradhaman)といった別の型の名前が挙がっています。パヤサムの仲間の幅広さを知る手がかりになります。ただし、このタミル風のレシピがケララの料理だとか、サディヤの定番だとかいう根拠にはなりません。
同じ国のほかの料理は、インドのページでご覧いただけます。
途中で見つける、味の決め手
道具
- 牛乳を沸かす小鍋
- 幅広で底の厚い鍋
- 米をすすぐボウル
- 米を乾かす清潔な皿か布
- 混ぜるスプーン
- お玉と盛りつけ用の器
選び方と代用
米:粒の形が残った、ふつうの精白した白いバスマティ米を選びます。ここでいう「丸ごとの米」とは、挽いていない米という意味です。玄米のことではないので、取り違えないでください。米粉や砕けた米も使いません。
牛乳:店で売っている殺菌済みの全乳(牛乳)を使い、始める前によく沸かしておきます。
砂糖と香りづけ:甘みは粗糖だけです。黒糖(ジャガリー)もコンデンスミルクも使いません。この作り方では、カルダモン、サフラン、バラ、ナッツ、レーズンなどの香りづけや飾りも入れません。
うまくいかないとき:鍋の中を読む
| 気づくこと | 対処 |
|---|---|
| ギーの中で米が色づきはじめた | 白いままが目安です。火は弱〜中火にとどめ、混ぜるのは香りが立つまでの約30秒だけにして、熱い牛乳を加えます |
| 牛乳が鍋底で焦げつく | 火が弱〜中火より強くなっていないかを確かめ、もっとこまめに混ぜます |
| 30分たっても米がまだ硬い | 途中の段階としてはふつうのことです。蓋をせずに煮続け、砂糖は待ちます |
| 砂糖を入れてよい状態か迷う | 米を数粒すくって確かめます。完全に柔らかくないものがあれば、煮続けます |
| 砂糖の粒がまだ見える | 溶けるまで混ぜ、そのまま煮詰めを続けます |
| 8〜10分たっても牛乳がゆるい | 時間は目安にすぎません。牛乳が煮詰まってとろみがつくまで煮続けます |
似た料理との違い:名前は近くても、作り方は別
この記事は、いくつかの作り方を混ぜずに、ひとつの版に絞っています。別の仕上がりを求める場合は、この版を変えるより、そのスタイルのために書かれたレシピに従うほうがよいでしょう。ここでの分量と順序は、蓋をしない鍋で作るこの方法のものだからです。
| スタイル | 違い |
|---|---|
| このタミル風パール・パヤサム | 粒を砕かない白いバスマティ米を、浸水せずにギーで炒め、蓋をしない鍋で熱い牛乳で煮る。完全に柔らかくなってから粗糖で甘みをつけ、香りづけも飾りもなしで出す |
| ケララ風のパール・パヤサム | あるレシピでは、チャンバ米(Chamba rice)を圧力鍋で調理する。配合も作り方もこのレシピとは別 |
| ケララ・サディヤのパヤサム | パラダやアダ・プラダマンなどの型が、別々のパヤサムとして挙げられている |
| 北インドの家庭風キール | あるレシピでは、すすいだバスマティ米を浸水し、沸いた牛乳に加える。ギーは使わず、カルダモン、サフラン、ナッツ、レーズンを使う |
これらは特定のレシピ同士の比較です。パヤサムとキールという名前が、いつも同じ形で別の料理を分けているということを示すものではありません。
よくある質問
「whole rice」は玄米のことですか?
違います。Dassanaのレシピでいう「whole」は、挽いていない米のことです。ここでは、粒を砕かないふつうの精白した白いバスマティ米を選びました。玄米、砕けた米、米粉はこの版には入りません。
30分で完成ですか?
そうとは限りません。レシピでは、30分ほどで米が7〜8割がた煮えた状態と説明されていますが、これは途中の観察で、仕上がりの時間ではありません。米が完全に柔らかくなってから、砂糖を入れてください。
牛乳は半分まで煮詰めるのですか?
いいえ。このレシピに、量を半分にするという目標はありません。砂糖が溶けたあと、目安として8〜10分、牛乳が煮詰まってとろみがつくまで煮ます。
カルダモン、ナッツ、サフランを加えてもいいですか?
この版には入っていません。米、牛乳、粗糖、ギーだけで作り、飾らずに出します。足すと、ここで説明しているレシピとは別のものになってしまうので、足す場合の分量は示していません。
作り置きや、冷やして出すことはできますか?
この記事で扱うのは、作ったばかりをすぐ熱いうちに出すパヤサムだけです。冷やす、保存する、温め直すことについては案内していません。
グラムやカップの分量がないのはなぜですか?
分量はDassanaのレシピに書かれているとおりに残しています。米、砂糖、ギーに、グラム、ミリリットル、カップへの換算は加えていません。





























