カルド・デ・マンカラ:砕いて濾した落花生を、鶏の鍋に戻す
この料理の中心は、砕いた落花生とトマトで作る煮汁です。鍋には2回に分けて入れます。先に濾した液、あとから濃いペースト。仕上げのレモン汁は、火を止めてから加えます。
落花生を細かく砕き、刻んだトマトと合わせてペーストにします。少量の熱湯でのばし、ふるいに通すと、なめらかな液が落ちてきます。この液は鶏のために取り置き、ふるいに残った濃いペーストは後まで待たせておきます。塩とpiripiri(ピリピリ)で下味をつけた鶏肉を玉ねぎ、にんにくと一緒に火にかけ、取り置いた液で煮ます。肉が半ばまで加熱されたらペーストを加え、弱火でゆっくり混ぜていくと、煮汁はとろりとした薄茶色になります。レモン汁は火を止めてから入れます。
これが、ギニア人作家Filomena Embalóの名で紹介されたレシピに沿った、カルド・デ・マンカラの形です。この記事はそのレシピに従い、日本の台所で作る方法を紹介します。
カルド・デ・マンカラとは
2018年のギニアビサウの観光ガイドは、カルド・デ・マンカラを同国の代表的な料理のひとつに挙げています。肉または魚で作る落花生のスープだと説明されており、同じガイドは「mancarra(マンカラ)」が落花生を指すとも述べています。語の由来については資料で確かめられないため、ここでは踏み込みません。
ガイドは、こうした料理が属する食文化についても触れています。ライムやレモン、唐辛子、パーム油、落花生のスープがよく使われ、ソースや煮込みにはご飯が添えられるとのことです。カルド・デ・マンカラの鉢の横にご飯を置く食卓は、この説明によく合います。
ここで作る版
この料理には、肉の版も魚の版もあります。この記事で作るのは、MisosoAfricaに掲載されたEmbalóのレシピの鶏肉版だけです。ポルトガルのレシピ発信元Ruraleaにも鶏のカルド・デ・マンカラがありますが、配合も水の使い方も違うので、2つのレシピは混ぜていません。Ruraleaの版は、比較のためと、白いご飯を添える提案を紹介するために触れるだけです。
原典のレシピは鶏を丸ごと1羽使います。鶏の重さ、何人分か、調理時間は書かれておらず、この記事でもそれらの数字は足しません。原典が曖昧なところは、ぼかさずに曖昧だと書いておきます。
このレシピは、世界ごはん紀行では試作していません。次の家庭向けの調整も同じです。
- 濾したあとに残った固形分を鍋に戻すこと
- 鶏自身の脂で焼きつけること
- 焙煎済みで薄皮のない落花生を選ぶこと
- 用意した水を少量ずつ使って煮汁を調整すること
原典の書き方を無理なく読み取った一案であり、結果が確かめられているわけではありません。
途中で見つける、味の決め手
道具
- すり鉢とすりこぎ、またはフードプロセッサー(落花生を砕く)
- 目の細かいふるいと、ボウル2つ(濾した液用と、残ったペースト用)
- 厚手の鍋
- 食品用の温度計(鶏肉の中心を測る)
- 生の鶏肉専用のまな板と包丁
選び方と代用
落花生。 原典はただ「落花生」と書いているだけで、焙煎しているか、薄皮が付いているかは指定していません。ここでは、無塩で焙煎済み、殻と薄皮を取った落花生を使います。無塩なら味つけを自分で決められますし、殻むき済みなら手間も省けます。
ピーナッツバター。 原典は、落花生を砕く代わりに缶入りのピーナッツバターも認めています。使うなら、砂糖の入っていない、落花生だけでできたものを選んでください。この選び方は編集部の判断で、原典に書かれているわけではありません。原典はピーナッツバターの量も示していないため、落花生250gに当たる確かめられた量はありません。濃さや口当たりは商品で変わりますし、砕いた落花生で作る版とは仕上がりも違います。
piripiri。 原典に分量はありません。piripiriが手に入らなければ、粉の唐辛子でも辛みは出ますが、風味は同じではありません。控えめに加えて調整してください。
鶏肉。 皮付き・骨付きの鶏1羽を切り分けたものを使います。原典の材料に油がないので、皮から出る脂で焼きつけます。原典は皮や骨を残すかどうかを書いていません。別の重さの骨なし肉に替えて、同じ仕上がりを期待しないでください。
にんにく。 原典に量の記載はなく、手順に「好みで」とあるだけです。
この料理は落花生が中心で、落花生アレルギーのある方には向きません。ピーナッツバターなどの加工品を使うときは、原材料表示と、同じ工場で扱う原材料についての表示を確認してください。
うまくいかないとき:焦げ、濃さ、ざらつき
| 困りごと | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 鍋底が焦げつく | ペーストを入れると沈んでくっつく | 火は弱火のまま、混ぜ続ける。用意した水を少しずつ足してゆるめる |
| 煮汁が濃すぎる | この鶏と鍋に対して、液が足りない | 用意した水を一度に入れず、少しずつ足す |
| 焼きつけで鶏がくっつく | まだ脂があまり出ていない | 火を少し弱め、用意した水をほんの少し足す。油は足さない |
| ソースがざらつく | 落花生の砕き方が足りない | 次はもっと細かく砕く。手順3で、のばしたペーストを濾すことも、液をなめらかにする |
| 鶏肉の中心が目安の温度に届かない | 肉が厚い、または鶏が硬い | 弱火で混ぜながら加熱を続け、中心が75°Cで1分間以上になるまで続ける |
加熱時間は鶏によって変わります。Ruraleaの編集者は、ギニアビサウの鶏は市販の鶏より硬く、火が通るまで時間がかかると注記しています。時計ではなく温度計で火の通りを判断する理由が、もうひとつ増えます。
残ったとき
残りは清潔な浅い容器に小分けして、早く冷まします。温め直すときは、中までしっかり加熱してください。これは家庭の食品衛生の一般的な目安で、この料理に固有の保存期間ではありません。ここでは保存期間は示しません。
アレンジ
主なレシピの周りにある選択肢です。レシピ本体の一部ではありません。
- 鶏の部位を変える。 原典は鶏1羽です。部位を限ると、重さも火の通り方も変わります。どちらもここでは試していません。
- 魚で作る。 ギニアビサウの観光ガイドは、この料理を肉または魚で作ると説明しています。魚の作り方、分量、時間は、この鶏のレシピからは読み取れません。
- ピーナッツバター。 原典は認めています。砂糖の入っていない、落花生だけの商品を選ぶのは編集部の助言です。落花生250gに置き換える確かめられた量はなく、口当たりも変わります。
- 辛みを控える。 唐辛子は食卓に合わせて減らしてください。ほかの粉唐辛子は、piripiriと同じ味にはなりません。
- ご飯を添える。 ご飯を別に添えるのは、ギニアビサウでソースや煮込みがどう食べられるかについての観光ガイドの説明に沿っています。
よくある質問
「mancarra」とはどういう意味ですか?
ギニアビサウの観光ガイドは、mancarraを落花生と説明しています。この言葉の来歴は、ここで使った資料では確かめられません。
ピーナッツバターで作れますか?
作れます。原典は缶入りのピーナッツバターを認めています。砂糖の入っていない、落花生だけのものを使ってください。原典はピーナッツバターの量を示していないので、少しずつ加えて濃さを見てください。砕いた落花生とは口当たりが変わります。
鶏肉だけで作る料理ですか?
いいえ。観光ガイドは、カルド・デ・マンカラを肉または魚で作ると説明しています。このレシピは鶏肉版です。魚で作りたいときも、分量や時間を推測で当てはめないでください。
何を添えればよいですか?
ご飯です。観光ガイドは、ギニアビサウでソースや煮込みにご飯が添えられると説明しています。Ruraleaも白いご飯を提案しています。
どのくらい煮ればよいですか?
原典に調理時間は書かれていません。鶏の大きさと鍋で変わります。いちばん厚い肉の中心が75°Cになり、そのまま1分間以上保たれるまで加熱してください。













