カパナ — 市場の火から家庭の台所のラップへ
ここで作るのは、フライパンで仕上げる家庭向けのラップです。市場の火で焼くカパナを再現するものではありません。世界ごはん紀行では台所で試作していないため、分量と時間は公開されているレシピの記載どおりです。
カトゥトゥラのSingle Quartersという非公式の市場では、客の目の前で肉を切って焼き、火から下ろしたその場で食べる様子を、The Namibian紙が伝えています。同紙の2017年のオンゴ(Okongo)の別の報道には、雨の朝にも人が集まる様子が出てきます。肉を買って自分で焼く人もいれば、焼いてもらう人もいます。pap は別に売られていて、人々は立ったまま話しながら食べます。
この記事が取り上げるのは、そうした食べ物をもとにした1つのレシピです。国連世界食糧計画(WFP)が公開しているNamibian Food Printに載った、オハンゲナ地方のGrace Nghipukuulaさんによる「Grace's Kapana and Salsa Wrap with Garlic Chilli Oil」です。フライパンで焼いた牛肉の細切りとレタス、生のトマトと玉ねぎのサルサをトルティーヤに包み、仕上げにガーリックチリオイルをスプーンでかけます。トルティーヤはこの家庭のレシピのものであって、ナミビア全体でカパナを出すときの標準的な形ではありません。
レシピは5人分で、準備15分、調理25分と記載されています。これは公開されている数字で、世界ごはん紀行が計った時間ではありません。
買い物の前に知っておきたい点が3つあります。
- カパナスパイス: レシピには合計で小さじ2とだけあり、牛肉とサルサへの配分は書かれていません。こちらで配分を決めることはせず、この合計の範囲で好みに分けてください。
- 調理油: 材料表には「ラップ用」として大さじ4とあるだけで、内訳はありません。作り方では牛肉に大さじ2、サルサに大さじ2を使うので、この量と合います。1カップの油はこれとは別で、チリオイルに使います。
- 牛肉: 部位も厚みも仕上がりの温度も書かれていません。ここで使う食品安全の指針は、肉をよく加熱する、というものだけです。
この国のほかの料理は、世界ごはん紀行のナミビア料理もご覧ください。
道具
- 耐熱ボウル
- 小鍋
- 厚手のフライパン
- トルティーヤを温めるフライパン
- 生の牛肉用に分けたまな板と調理器具
- スプーン
選び方と代用
ここに書くのは世界ごはん紀行からの提案で、試作はしていません。
- 牛肉: 炒め物や焼き物向けの薄切り牛肉が使いやすいでしょう。脂身の量と厚みで、火の通る時間は変わります。
- カパナスパイス: 決まった配合が1つあるわけではなく、肉を焼く人ごとに自分のブレンドがあります。手に入らなければ、市販の唐辛子系の汎用スパイスミックスで代用できますが、同じ味にはなりません。
- トルティーヤ: ふつうの小麦のトルティーヤで大丈夫です。アレルギーのある方に出す場合は、表示を確認してください。
- そのほか: レタス、トマト、玉ねぎ、白酢、油、チリフレーク、しょうが、にんにく、パセリ、砂糖、塩、こしょうは、ふだんのスーパーで揃います。
うまくいかないとき
このレシピは世界ごはん紀行で試作していないので、確実に直せる対処ではなく、確認するポイントとして読んでください。
| 気づいたこと | 確認すること | 対処 |
|---|---|---|
| 3〜4分たっても牛肉が生に見える | 記載の時間には厚みも火力も書かれておらず、厚い細切りだと時間がかかることがある | よく火が通るまで炒め続ける |
| 牛肉に焼き色がつかず白っぽい | フライパンが十分に熱くなっていなかった可能性がある | 次回は、牛肉を入れる前にフライパンをしっかり熱くする |
| ラップが辛すぎる | チリオイルはチリフレーク大さじ5で作るので、かなり辛くなりうる | 1本にかける量を減らす。全部を使い切らなくてもよい |
| スパイスが強すぎる、または物足りない | カパナスパイスはブレンドごとに違う | 牛肉とサルサには少なめから使い、足りなければ合計の小さじ2を超えない範囲で足す |
アレンジ
ここからは世界ごはん紀行からの提案で、公開されているレシピには含まれず、試作もしていません。
- トルティーヤを使わない: UN Tourismとナミビア大使館の冊子は、カパナを vetkoek、pap、焼いたパン、relish と一緒に出すと紹介しています。包まずに、牛肉をこれらのどれかと一緒に出してもよいでしょう。
- 辛さをやわらげる: チリフレークを大さじ5より減らします。レシピを変えることになるので、自分なりの版として楽しんでください。
- スパイスは味を見ながら: カパナスパイスを小皿に少し取り、味を見ながら加えます。合計は小さじ2の範囲に収めます。
- 火で焼く: 炭火はフライパンとは違う香りになります。試した加熱時間はないので、肉の状態を見て、しっかり火を通してください。
- 別の部位や厚みで作る: 食感も火の通る時間も変わります。どの部位が上という判断はここではしません。
安全、アレルギー、残ったとき
熱い油: 耐熱ボウルを使い、顔から離して注ぎ、子どもを近づけないでください。レシピには油の温度が書かれていないので、ここでも温度は示しません。
生の食材と加熱した食材: 日本の厚生労働省の「肉はよく加熱して食べる」という案内に従い、牛肉はよく加熱してください。生の牛肉に使った器具は、ほかの食材と分けることをおすすめします。レタス、トマト、玉ねぎ、パセリは流水でよく洗ってください。
アレルギー: トルティーヤ、カパナスパイス、ほかの調味料は製品によって原材料が違うので、表示を確認してください。
公開されているレシピには、牛肉、サルサ、チリオイルの保存や温め直しについての記載がないため、この記事でも保存できる日数は示しません。記載がないことを、保存がきく目安と受け取らないでください。
ナミビアのカパナ — 市場と火と会話
The Namibian紙は、名前をオシワンボ語の okapana に結びつけています。同紙の説明では、揚げた肉や調理した肉を広く指す言葉です。これは新聞による説明であり、語源として確定したものではありません。同じ記事は、カパナを南アフリカの shisa nyama と結びつける人もいると書いています。これも「そう言う人もいる」という話としてしか伝えられません。今回あたった資料からは、この料理がどこで生まれたかは確かめられませんでした。
UN Tourismと、ポルトガルのナミビア大使館の冊子は、どちらも薄切りの肉を屋台料理として紹介しています。カパナスパイスで味をつけ、直火で焼く料理です。UN Tourismはスモーキーな味わいと表現し、ナミビア料理のページでは、シェフのNelson Kanangureさんの、この国の料理には先住民、ドイツ、南アフリカ、アンゴラとポルトガルの影響が混ざっているという見方も紹介しています。
The Namibianのオンゴの報道を読むと、カパナは料理というより人が集まる場所でもあることがわかります。記事に出てくる okatomeno は、記事の説明では屠畜場のことで、肉と pap が別々に売られ、人々は立ったまま話しながら食べます。これは1つの町の1つの報道であり、国じゅうの市場を代表するものではありません。
家庭版のラップは、屋台のカパナと共通する味もあります。The Namibianには、トマト、玉ねぎ、スパイス、酢、サラダ油のサルサを、vetkoek やオワンボのパンと一緒に出すという話があります。Grace Nghipukuulaさんのレシピは、似たサルサを残しながら、火をフライパンに、パンをトルティーヤに替えています。
よくある質問
カパナはどこの料理ですか?
カパナはナミビアの料理として知られていて、The NamibianとUN Tourismが市場や屋台の食べ物として紹介しています。正確な起源は、あたった資料では確定していません。
トルティーヤで包むのが、カパナの一般的な食べ方ですか?
今回の資料からはそうとは言えません。トルティーヤはこの家庭のレシピに固有のものです。ナミビアのカパナについての記述には、代わりに vetkoek、pap、焼いたパン、relish が出てきます。
牛肉とサルサに、カパナスパイスをそれぞれどれだけ使いますか?
レシピには書かれていません。合計で小さじ2とあり、牛肉とサルサの両方に使うので、配分は作る人が決めます。特定の配分は試していないため、おすすめもしません。
カパナスパイスには決まった配合がありますか?
あたった資料には、1つの決まった配合は示されていません。ナミビア大使館の冊子には、肉を焼く人ごとに自分のブレンドがあるとあり、製品によって味が違うこともあります。
牛肉以外でも作れますか?
The Namibianはカパナの話題で、マトンやラムにも触れています。ただしこのレシピで使うのは牛肉の細切りだけなので、分量と時間がほかの肉にそのまま当てはまるとは限りません。
このレシピは試作されていますか?
世界ごはん紀行では試していません。分量と時間はNamibian Food Printの記載どおりで、カパナスパイスの配分は読者の判断に任せています。














