小さな角切りの牛肉とじゃがいも、にんじんをスパイスで煮たソマリアのスカールを器に盛り、薄いパンを添えた一皿
🔪下準備30分
🔥調理50分
🌍料理ソマリア料理

スカールの作り方|ソマリアの角切り牛肉をシャワーシュで煮る

約11分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 6

シャワーシュのスパイスを煎る(約5分)

手順1: シャワーシュのスパイスを煎る(約5分)

ターメリック以外のスパイスをフライパンに入れ、中火にかけます。木べらで絶えず混ぜながら4〜5分、香りが立ってクミンがほんのり色づくまで煎ります。煙が出るまで煎ると苦みが出るので、煎り足りないくらいで止めるのが安全です。火を止めたらすぐ皿に広げ、完全に冷まします。

STEP 22 / 6

スパイスを挽いてターメリックを混ぜる(約10分)

手順2: スパイスを挽いてターメリックを混ぜる(約10分)

冷めたスパイスを、何回かに分けてスパイスミルで細かい粉になるまで挽きます。茶こしでふるい、残った粗い粒はもう一度挽きます。全部が細かい粉になったらターメリックを混ぜ、色が均一になれば完成です。すぐに使う分を取り分け、残りは密閉できる瓶に入れます。

STEP 33 / 6

牛肉を小さな角切りにする(約10分)

手順3: 牛肉を小さな角切りにする(約10分)

牛肉を1.2cmほどの厚さに切りそろえ、さらに同じ幅の棒状に切り、端から細かく切って角切りにします。大きさは6mm〜1.2cm角の間で好みに合わせてかまいませんが、大きさをそろえると火の通りが均一になります。切った肉はペーパータオルで表面の水気をふきます。

STEP 44 / 6

玉ねぎとにんにくを炒める(約5分)

手順4: 玉ねぎとにんにくを炒める(約5分)

鍋にサラダ油を入れて中火で熱し、薄切りの玉ねぎを炒めます。玉ねぎが透き通ってしんなりし始めたら、にんにくのみじん切りを加え、香りが立つまで30秒ほど炒めます。にんにくは焦げやすいので、色がつく前に次へ進みます。

STEP 55 / 6

スパイスと牛肉を加え、湯を注いで煮る(約32分)

手順5: スパイスと牛肉を加え、湯を注いで煮る(約32分)

野菜ブイヨンとシャワーシュ小さじ1/2を加えて約1分炒め、スパイスの香りを油に移します。牛肉を加えてよく混ぜ、肉の表面の赤い色が消えて、黄色いスパイスが全体にまとわりついた状態にします。熱湯240mlを注ぎ、蓋をして、ふつふつと静かに煮立つ火加減で30分煮ます。途中で一度蓋を開け、水分が減って焦げつきそうなら、熱湯を少し足してください。

STEP 66 / 6

じゃがいもとにんじんを加えて煮る(約15分)

手順6: じゃがいもとにんじんを加えて煮る(約15分)

角切りのじゃがいもとにんじんを加えて混ぜ、再び蓋をして、弱めの中火で15分煮ます。じゃがいもに竹串がすっと通り、牛肉を1切れ食べてみてやわらかければ煮上がりです。煮汁がとろりとして肉と野菜にからむくらいまで減っているのが目安で、多く残っていれば蓋を外して数分煮詰めます。最後に味を見て、足りなければ塩で調えます。

スパイスを煎るときは、焦げるまで加熱すると煙が出て、目やのどを刺激することがあります。換気扇を回し、フライパンから目を離さないでください。また、生の牛肉を切った包丁とまな板は、野菜を切る前に洗うか、肉を最後に切るようにしましょう。

シャワーシュは、挽いてすぐがいちばん香ります。Xawaashのサイトも、ホールのまま煎って挽くことを勧めています。時間がないときは、クミンとコリアンダーの粉に少量の黒こしょう、シナモン、カルダモン、クローブ、ターメリックの粉を混ぜても作れますが、香りはおだやかになります。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

角切りの牛肉、玉ねぎ、にんにく、じゃがいも、にんじん、ホールスパイスを並べたスカールの材料

スカールの材料は、XawaashのBeef Suqaarのレシピ(8〜10人分)を、家庭で作りやすいように半量にしたものです。シャワーシュは、同じサイトの配合を4分の1量にしています。それでもスカールに使うのはごく一部なので、残りは瓶に入れて保存し、ほかの料理に使ってください。

7品目

シャワーシュ(作りやすい分量)

材料 分量 代替・備考
クミン(ホール) 大さじ2
コリアンダー(ホール) 大さじ2
黒こしょう(粒) 小さじ1と1/2
シナモン(スティック) 小さじ3/4相当 手で小さく割って量る
カルダモン(ホール) 小さじ3/4 さやごと
クローブ 小さじ1/4
ターメリック(パウダー) 小さじ1と1/2 煎らずに最後に混ぜる
9品目

スカール

材料 分量 代替・備考
牛肉(煮込み用) 450g 6mm〜1.2cm角に切る。ヤギ肉、羊肉でも
玉ねぎ 1/2個 薄切り
にんにく 2かけ みじん切り
野菜ブイヨン(顆粒) 大さじ1/2 塩気があるので、塩は最後に味を見て
シャワーシュ 小さじ1/2 上の配合で作ったもの
じゃがいも 1個 皮をむいて1cm角
にんじん 1本 皮をむいて1cm角
サラダ油 大さじ2
熱湯 240ml

牛肉は、すね肉や肩肉など煮込みに向く部位を選びます。Xawaashのサイトは、仔牛肉のほうがやわらかいものの、味の強さでは牛肉のほうを好むと書いています。小さく切れば、牛肉でも30分ほどの煮込みで十分やわらかくなります。角切り肉は、カレー用の肉をさらに小さく切ると手軽です。

コツ

野菜ブイヨンは、レシピではvegetable seasoning(野菜の調味料)とされているものの置き換えです。商品によって塩分がかなり違うので、最初は表の量で作り、塩は煮上がってから足すか決めてください。


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Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

朝の食堂の屋上に、丸いテーブルがいくつも並んでいます。運ばれてくるのは、湯気の立つ甘いソマリアの紅茶と、薄くてもちもちしたパンの山、そして小さな角切り肉を玉ねぎと炒め煮にした一皿。パンをちぎって肉をつまみ、紅茶をすする。それだけで、昼まで動けるだけの力がつきます。スカール(suqaar)は、ソマリアの食卓に欠かせない、小さな角切り肉のスパイス煮込みです。

ハルゲイサの朝は、カンジェーロとスカール

ソマリランドの街角の食堂で、スカールと薄いパン、紅茶が並ぶ朝食のテーブル

ソマリア北部、ソマリランドの中心都市ハルゲイサを訪れた旅行ブログouterNotesの書き手は、現地の友人に連れられて食堂の屋上で朝ごはんを食べたときのことを書いています。テーブルに並んだのは、ソマリアの紅茶、オレンジジュースやアボカドジュース、そしてカンジェーロ(canjeero)とスカールでした。カンジェーロは、発酵させた生地を薄く焼いた、ほのかに酸味のあるパンです。書き手は、カンジェーロとスカールはよくある朝食の組み合わせで、次の食事までのエネルギーがすべてまかなえる、と書いています。

そのとき食べたスカールは、ヤギ肉をざっくり角切りにして、玉ねぎやピーマン、少しのにんにくやトマトペーストと炒めたものだったそうです。スカールに使う肉は、牛肉、ヤギ肉、羊肉、鶏肉とさまざまです。決まった材料にしばられず、その日ある肉で作れるのが、毎日の食卓に根づいた理由なのでしょう。

豆知識

カナダでソマリア料理のレシピサイトと食堂を営むXawaashによると、スカールの肉の大きさに決まりはなく、6mmほどから1.2cmほどまで家庭によってまちまちです。ソマリア人の客が多い精肉店では、スカール用に小さく切った肉を売っていることもあるそうです。

味の要になるスパイス、シャワーシュ

フライパンでクミン、コリアンダー、黒こしょう、シナモン、カルダモン、クローブを煎ってシャワーシュを作る

スカールの香りを決めるのは、ソマリアの家庭に欠かせないスパイスミックス、シャワーシュ(xawaash)です。Xawaashのサイトによると、この名前はアラビア語の「ハワーイジ(hawa'ij)」から来ていて、「必要なもの」「欠かせないもの」という意味をもちます。もとはイエメンで生まれたと考えられているそうです。

同じサイトの説明では、ソマリア南部ではシャワーシュを肉料理や煮込み、スープなどの塩味の料理に使います。一方、北部では、紅茶やコーヒーに入れる配合も含めて、スパイスミックス全般をシャワーシュと呼ぶそうです。配合の割合も、地域や好み、手に入るスパイスによって変わります。基本になるのはクミンとコリアンダーで、そこに黒こしょう、シナモン、カルダモン、クローブ、ターメリックが加わります。

ホールスパイスを煎って挽いたシャワーシュは、市販の粉スパイスを混ぜただけのものとは香りの立ち方がまったく違います。一度まとめて作っておけば、スカールだけでなく、ソマリアの炊き込みご飯や煮込みにも使い回せます。


ご飯にも、パンにも合わせる

スカールをご飯に添えた皿と、薄いパンに添えた皿を並べた食卓
ご飯にも薄いパンにも合わせられる

Xawaashのサイトは、スカールをご飯、ソールと呼ばれるとうもろこしの粥、カンジェーロ、ブラワ風のムーフォ(パン)など、好きなパンや主食と一緒に食べられると紹介しています。ハルゲイサの朝のように薄いパンでつまんでもいいし、夕食ならご飯にたっぷりかけるのもおすすめです。肉の旨みを吸ったじゃがいもは、どちらの食べ方でも主役になります。

ソマリアの食卓をもっと味わいたいなら、朝の主役の薄焼きパンカンジェーロを焼いて、スカールと合わせてみてください。シャワーシュが余ったら、スパイスで炊き込むソマリアのご飯バリース・イスクカリスにも使えます。

よくある質問

瓶に詰めて保存した自家製のシャワーシュと、残ったスカールを入れた保存容器

牛肉以外の肉でも作れますか?

作れます。ハルゲイサの食堂ではヤギ肉のスカールが出されていますし、羊肉や鶏肉でも作られます。鶏肉は牛肉よりも早く火が通るので、煮る時間を短くし、中まで火が通ったことを確かめてください。

シャワーシュは日持ちしますか?

密閉できる瓶に入れて、湿気と光を避けて保存します。挽いたスパイスは時間とともに香りが弱くなるので、少量ずつ作って早めに使いきるのがおすすめです。

辛い料理ですか?

シャワーシュには唐辛子が入っていないので、スカールそのものは辛くありません。黒こしょうのぴりっとした刺激がある程度です。辛さがほしい場合は、食べるときに青唐辛子や辛いソースを添えてください。

残ったスカールはどうすればいいですか?

粗熱をとってから保存容器に入れて冷蔵し、早めに食べきってください。温め直すときは、鍋で少量の水を足し、中までしっかり熱くします。

主な参考リンク

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