ミーリーパップ:煮汁を受け止める、固めのとうもろこし粉の主食
maize mealは二度に分けて入れ、だまは鍋肌に押しつけてつぶし、最後は最低火力で蓋をして仕上げます。目指すのは、汁気のあるおかずのそばでも形を保つ、固くてまとまったパップです。
肉や野菜の煮汁を受け止めるために、とうもろこし粉のお粥の鍋が食卓に運ばれてきます。南アフリカのパップ(pap)は、朝にも昼にも夜にも食べられるmaize mealの主食です。仕上げの固さは家庭ごとに違い、さらりとしたもの、やわらかいもの、固いものがあります。
この記事で作るのは、Woolworths TASTEに載っているSiba Mtonganaのレシピによる、固めのパップ(stiff pap、別名stywe pap)です。使うのは水、maize meal、バターだけ。ポレンタとは別のものですし、南アフリカで唯一の「正しい」パップでもありません。数ある固さのうちの、はっきり決まったひとつと考えると、作り方も出来上がりの判断もぐっとわかりやすくなります。
この料理はmieliepap、または単にpapと呼ばれます。mielie mealはmaize mealを指すアフリカーンス語で、それで作るお粥と説明されるのが一般的です。stywe papは「固いパップ」という意味です。
南アフリカの食卓で、パップの固さは変わる

パップは幅の広い呼び名で、固さは作る人によって動きます。 南アフリカ観光局(South African Tourism)は、パップをmaize mealの料理として紹介しています。さらりとしたもの、やわらかいもの、固いものがあり、一日を通して食べられ、手頃で使い道が広いことから多くの家庭の主食になっているそうです。牛乳と砂糖で食べることもあれば、肉や野菜と合わせることもあり、水でのばしたmageuという飲み物の形もあります。作り方は南アフリカの文化やコミュニティによっても違います。
その幅の中に、名前のついた別々の料理があります。Fatima Dikeによるコサ料理の紹介では、固いmieliepapはsamp(砕いたとうもろこし)や内臓の煮込みと一緒に食べられています。umqaは固いmaize mealのお粥、umphokoqoはぽろぽろに崩れたmaize mealで、酸っぱい牛乳やバターミルクと食べるとされています。どれも別々の料理で、このレシピの綴り違いではありません。
そこでこの記事は、ひとつの「本物のパップ」を決めつけません。はっきり示されたひとつの固めのパップのレシピに沿って作り、ほかの固さは、それぞれ別の比率と作り方をもつ別の料理として扱います。
選び方と代用
結果をいちばん左右するのはmaize mealです。 南部アフリカの乾燥したとうもろこし粉で、レシピは挽き目を指定していません。ほかの国でコーンミールやとうもろこし粉として売られているものは、粒の大きさや色がまちまちなので、南アフリカのmaize mealと同じとは限りません。パッケージで挽き目を確かめ、南部アフリカのmaize mealが手に入るなら、そちらのほうが本来の食感に近づきます。
- 黄色いポレンタ用の粉:代用の候補にはなりますが、色、風味、食感が変わります。
- コーンスターチ:代用になりません。パップにはなりません。
カップの規格が書かれていないので、水とmaize mealは同じカップで量り、別の単位系へ換算しないでください。大切なのは、同じカップで水3:粉2の関係を保つことです。使った粉とカップを控えておくと、次回の調整に役立ちます。
道具
- 蓋つきの大きめの厚手の鍋
- パップを鍋肌に押しつけるための、木べらなどの丈夫なスプーン
特別な鍋は要りません。 家にある蓋つきの鍋で十分です。
だま、焦げ、固すぎ:鍋の中で直す
パップの失敗の多くは、粉の入れ方と、仕上げの火の強さから来ます。
| 状態 | 主な原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 乾いた粉のだまが残る | 最初の蓋の段階で混ぜた、または2杯目を一度に入れた | 最初の1カップは8〜10分そのまま置き、そのあと強く混ぜて鍋肌に押しつける。2杯目は少しずつ入れる |
| 底が焦げる | 最後の蓋の段階で火が強い、または鍋が薄い | 火力は最低のまま。焦げた層をパップに混ぜ戻さない |
| 固すぎる、乾く | maize mealの挽き目、カップの大きさ、水分の蒸発量 | 熱湯を少しずつ足して混ぜ、好みの固さになったら止める |
| ゆるすぎる | レシピと違うmaize mealやカップを使った | レシピには、粉を足すなどの直し方が書かれていないので、推測で足さない。次回は水を正確に量り、粉の挽き目も考えに入れる |
パップの食べ方と、ほかの固さ
添え物は任意で、パップのそばに添えます。このレシピの基本の分量には含まれません。
固めのパップは、ソースを受け止める主食です。Woolworths TASTEのレシピでは煮込みやbraaiの肉と合わせ、南アフリカ観光局は肉や野菜と一緒に食べるパップを紹介しています。チャカラカ(chakalaka)のような野菜のレリッシュも、よくある組み合わせです。コサ料理では、固いmieliepapがsampや内臓の煮込みと一緒に出てきます。
パップの食べ方は、まったく違うものもあります。南アフリカ観光局は牛乳と砂糖で食べる例を挙げています。これは、この塩味の固いパップとは別の食べ方です。ほかの固さは、このレシピの調整ではなく別の料理です。
- さらりとしたパップ(runny pap、slap pap):水分が多い、薄めのパップ。このレシピに水を足して作らず、そのための別のレシピに従ってください。
- やわらかいパップ(soft pap):さらりとしたものと固いものの中間。stywe papを途中で止めたものとは違います。
- ぽろぽろのパップ(phutu、umphokoqo):比率も混ぜ方も別。umphokoqoは酸っぱい牛乳やバターミルクと食べます。
比較のために、AMC Cookware South Africaが示す、固さごとのmaize mealと水の比率を挙げます。これは別の作り方のもので、上のレシピに混ぜないでください。
| 固さ(AMC) | maize mealと水の比 | 作り方の概要 |
|---|---|---|
| 細かいぽろぽろ | 1カップ : 1カップ | 塩を入れて静かに沸かした湯にmaize mealを混ぜずに入れ、5分蓋をしてから混ぜ、弱火で20〜30分 |
| 大きめの塊 | 1カップ : 1½カップ | 細かいぽろぽろと同じ作り方 |
| なめらか(朝食向き) | 1カップ : 2カップ | 先に水とmaize mealを混ぜ合わせる |
AMCは、チャカラカやバターミルクと食べる例にも触れています。
由来を単純にしない
パップは南アフリカの食文化と経済に深く根づいていますが、とうもろこし自体はアフリカ原産ではありません。ケープタウン大学のBio-economy Research Chairの論考は、16世紀にポルトガルの船員を通じて伝わった可能性を挙げています。同じ論考は、19世紀後半の鉱業と工業化がとうもろこしの主食としての位置を変えたと論じ、コミュニティごとにパップの固さが違うことにも触れています。
これは研究者の解釈で、確定した事実ではありません。パップに、ひとりの発明者やひとつの発祥地があるとも言われていません。言えるのは、多くの人が毎日食べる料理の歴史が、交易と経済の変化に形づくられてきた、ということです。
よくある質問
何かを変える前に、水とmaize mealを同じカップで量ったか、最後の段階で火を最低にしていたかを確認してください。
stywe papとは何ですか?
固いパップ、つまり固めに仕上げたmaize mealのお粥の呼び名です。南アフリカには、さらりとしたものからやわらかいもの、ぽろぽろのものまで、ほかの固さもあります。このレシピは固いものを作ります。
maize mealの代わりにコーンミールを使えますか?
試すことはできますが、結果は製品の挽き目と色しだいです。南部アフリカ以外で売られているコーンミールやとうもろこし粉は、南アフリカのmaize mealと同じとは限りません。黄色いポレンタ用の粉は色、風味、食感が変わり、コーンスターチは使えません。
maize mealを先に水に混ぜてもいいですか?
このレシピではしません。粉の半量を沸騰した湯に入れ、蓋をして置いてから混ぜます。先に粉と水を混ぜるのは別の作り方で、AMCがなめらかなパップに使っています。
何と一緒に食べますか?
煮込み、braaiの肉、野菜、チャカラカのようなレリッシュです。コサ料理ではsampや内臓の煮込みと一緒に出され、ほかの家庭では牛乳と砂糖で食べることもあります。パップ自体はそのままにして、添え物は別に添えてください。













